
【原文】
子曰、孰謂微生高直、或乞醯焉、乞諸其鄰而與之、
【読み下し】
子の曰わく、孰(たれ)か微生高(びせいこう)を直(ちょく)なりと謂う。或るひと醯(す)を乞う。諸(こ)れを其の鄰(となり)に乞いてこれを与う。
【通釈】
先生がいわれた、「微生高のことを正直だなどと誰がいうのか。ある人が酢をもらいに行ったら、その隣からもらってきて[むりにうわべをとりつくろって]それを与えた。」
【English】
The Master said, "Who says of Weishang Kao that he is upright? One begged some vinegar of him, and he begged it of a neighbor and gave it to the man."
『論語』とは、読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。