28:名所風景 美人十二相
タイトルに「名所風景」とあるが、日本三景といったような名所十二を選んで、その一つ一つの風景に象徴される美人を描きわけたシリーズものといわれている。
しかしどの美女が松島か天の橋立か、天の橋立に象徴される女性というものがどういうものか判然としないが、ともかく、大首絵も数重なればマンネリズムにもなろう。
そこで歌麿の主観を通じて特定の風景から想望される顔と個性の女性-それは必ずしも美貌とは限るまい。
※喜多川歌麿
江戸時代の日本で活躍した浮世絵師の代表的な一人。
姓は北川、後に喜多川、幼名は市太郎、のち、勇助(または勇記)と改め、名は信美。
初号は豊章といい、歌麻呂、哥麿とも号す。
通常は「うたまろ」と読むが、秘画本には「うたまる」としているものもある。
俳諧では石要、木燕、燕岱斎、狂歌名は筆の綾丸、紫屋と号して、蔦屋重三郎とともに吉原連に属した。
国際的にもよく知られる浮世絵師として、葛飾北斎と並び称される。
繊細で優麗な描線を特徴とし、さまざまな姿態、表情の女性美を追求した美人画の大家である。
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