かなり前のことですが、木の上にある茶室“高過庵”が英文朝日に紹介された記事です。資料としてデジタル化したので掲載しました。
この茶室は建築家の藤森照信さんが建てました。場所は茅野市の藤森さんの実家の庭先に建っています。
去年の夏、阿智胡地亭が茶室に近づいてある地点を越えた時、全身にぞくっと震えがきました。そういう人が時々いると藤森さんが言いました。
このあたり一帯は諏訪地方の原住系部族モレヤ族の先祖神みしゃぐじ神が祀られている聖地でもあります。
ハシゴを登って茶室に上がり、藤森さんにお話を聞きました。上はゆーらりゆーらり揺れて四方の山野が見え、自分も周りの空間に溶け込むような感じがしました。
みしゃぐじ神:諏訪神社の神官一族である守矢氏により祀られていた神で、一般には「モレヤ神」、或いは「洩矢神」と呼ばれていた。
木の神、石の神であり、典型的な自然神であると同時に、神官に憑依して託宣を下す神であったという。
このとき託宣を伝える神官は一年神官で、年次ごとに守矢一族の中から選ばれ、一年間の任期が終わり、次代の継承者が決定すると同時に殺されていた。
マタギを始めとする山人たちから信仰されていたことから、元々縄文の神だと考えられる。