阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

戦後70年  黒木和雄監督・戦争レクイエム四部作一挙上映  大阪九条のシネヌーヴォで。

2015年08月23日 | 音楽・絵画・映画・文芸
黒木和雄 略歴
◆1930年11月10日生まれ。宮崎県えびの市出身。54年に岩波映画製作所演出部に入社。『海壁』『わが愛北海道』などを発表し、62年にフリーになる。『あるマラソンランナーの記録』を経て66年に『とばない沈黙』で劇映画デビュー。70年代のATGを代表する監督として『日本の悪霊』(70)、『竜馬暗殺』(74)、『祭りの準備』(75)などで高い評価を受ける。『TOMORROW 明日』(88)『浪人街』(90)『スリ』(00)、『美しい夏キリシマ』『父と暮らせば』『紙屋悦子の青春』などを発表し、数々の映画賞に輝く。2006年4月12日急逝。享年75。

上映作品


徹底的に自由を愛し、心底戦争を憎んだ故・黒木和雄監督。温厚な風貌にも反権力の熱い魂を秘めた屈指の映画監督だった。2006年『紙屋悦子の青春』を完成させたところでの突然の死去から来年10年を迎える。今年、戦後70年の節目の年でありながら、憲法違反の安保法制の動きを黒木監督は決して許さないだろう。戦争は戦場で行われるのではない。銃後の悲劇を自らの体験を通し描かれた黒木監督。その『戦争レクイエム』4部作を敗戦の日である8月15日から2週間限定上映。黒木監督のドキュメンタリー作品も現在製作中。この夏、黒木作品を見る!!

TOMORROW 明日/カラー/105分/配給:アスミック・エース
監督:黒木和雄/原作:井上光晴/脚本:黒木和雄、井上正子、竹内銃一郎/製作;鍋島壽夫/撮影:鈴木達夫/美術:内藤昭/音楽:松村禎三
出演:桃井かおり、南果歩、仙道敦子、水森かおり、森永ひとみ、荒木道子、賀原夏子、原田芳雄、長門裕之、馬渕晴子、田中邦衛

 長崎の原爆投下までの市井の人々の24時間を描いた傑作。南果歩の結婚式に続く、桃井かおり、南、仙道敦子三姉妹の「出産」「初夜」「恋人との別れ」が描かれる。爆心地から半径2キロ以内に舞台は限定され、その場所がやがて喪失する相に置かれるのも黒木的世界。翌朝11時近くになり時間の進行が早まって、画面は閃光に包まれる。

美しい夏キリシマ2002年/カラー/118分/配給:パンドラ
監督:黒木和雄/脚本:松田正隆、黒木和雄/プロデューサー:仙頭武則/撮影:田村正毅/音楽:松村禎三/美術:磯見俊裕/録音:久保田幸雄
出演:柄本佑、原田芳雄、牧瀬里穂、小田エリカ、石田えり、左時枝、香川照之、中島ひろ子、宮下順子、寺島進、入江若葉

 終戦当時15歳の少年だった黒木和雄が、終世忘れることのできない痛切な体験をもとに描いた群像劇。描かれるのは銃後の九州・宮崎の美しい村。そこには、多感な15歳の少年の青春と、悲しみ、笑い、愛し合いながらも懸命に生きた人々の姿があった。戦争という暴力は、戦場で戦う兵士だけでなく、銃後の人々にも向けられている事実を静かに哀切に描いた傑作。

父と暮らせば2004年/カラー/100分/配給:パル企画
監督:黒木和雄/原作:井上ひさし/脚本:黒木和雄、池田眞也/撮影監督:鈴木達夫/美術監督:木村威夫/音楽:松村禎三/録音:久保田幸雄/美術:安宅紀史/照明:三上日出志/編集:奥原好幸
出演:宮沢りえ、原田芳雄、浅野忠信

『TOMORROW 明日』で長崎原爆をみつめた黒木が、井上ひさしの戯曲を原作に広島原爆をテーマに描いた傑作。広島の原爆投下から3年。生き残った後ろめたさから幸せになることを拒否し、苦悩の日々を送る美津江。そんな娘を案じ亡霊として舞い戻った父・竹造との、励まし、悲しみを乗り越え、未来に目を向けるまでの4日間を描いた感動作。宮沢りえが素晴らしい!

紙屋悦子の青春2006年(遺作)/カラー/113分/配給:パル企画
監督:黒木和雄/原作:松田正隆/脚本:黒木和雄、山田英樹/撮影:川上皓市/音楽:松村禎三/美術監督:木村威夫/照明:尾下栄治/録音:久保田幸雄/美術:安宅紀史/編集:奥原好幸
出演:原田知世、永瀬正敏、松岡俊介、本上まなみ、小林薫、和田周、角田一雄

黒木は日中戦争で死去した天才監督・山中貞雄の映画化を熱望するも脚本作りに難航。先に取りかかったのが、その脚本のコンビを組んだ松田正隆の戯曲だった。敗色濃厚な第二次対戦末期、特攻で死に行く男が愛する女性を親友に託そうとする男女3人の出会いと痛切な別れを情感豊かに描く。最後の場面の日付となった4月12日、その日が黒木の命日となった。


映画館へのアクセスなどは⇒シネヌーヴォ

☆いずれも戦争終結時に15歳だった黒木和雄という一人の若い日本人のその後の人生での思いが透けて見える作品です。
映画に勇ましい日本人は軍人以外には1人も出て来ません。四作共に多くの方々に観て頂きたい映画です。

阿智胡地亭の四本の映画感想はこちら⇒TOMORROW 明日美しい夏キリシマ父と暮らせば紙屋悦子の青春
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大阪のお初天神通りの「ニューミュンヘン本店」へ5年ぶりで行った。その3    

2015年08月23日 | 食べる飲む

今回声を掛けてくれた樋口さんは約束の時間よりかなり早く店に来て、席を押さえていてくれた。大人数の場合は予約が可能だが二~四人くらいの場合は予約は受け付けないとのこと。

話を伺うと、樋口さんはこの店には二十歳の頃から五十年以上、三ヵ月に一回ほど来ているとのこと。もう自分より年上の店員は誰もいないと笑っていた。

初めて来た時からこの店の名物の鶏の唐揚はじめ味は少しもかわっとらん、そうだ。2歳年上の樋口さんとは入社年度も所属した部門も違うが、

彼の同期や親友が私の職場の先輩に何人かいたりしていつの間にか付き合いだして、もう30年ほどになる。

現役時代 彼は東京勤務が長く、私の大阪・東京勤務とはテレコの関係が多かった。ビールはハーフハーフ二杯とハイボール。

料理はこいつは絶対はずせない「鶏の唐揚」、「ザワークラウト」(たっぷりの量で驚いた)、「ガーリックトースト」。

唐揚は本当に嬉しくなるほどの美味だった。



広い店内は5時20分にはすでに満席。老若男女、サラリーマンOL、爺さん婆さんが楽しそうに飲んでいた。

男2人で喋り倒して時計を見ると、あっと言う間に三時間が経過していた。割り勘でお一人様3070円。百貨店の屋上のビヤガーデンは2時間の時間制限があるがここはなし。

料理も好きなものを選べるので、オールドボーイにはニューミュンヘンはよく合っていると二人でまたの再会を約して別れた。
ニューミュンヘン本店HPから。
 二ューミュンヘンは、長嶋茂雄が公式戦デビューし、東京タワーが完成した昭和33年に、当時としては珍しかったサッポロビールの生ビールを扱うビアホールとして大阪梅田のお初天神通りでスタートしました。その後、神戸地区、難波地区等にも出店し、現在に至っています。そしてビールと共に多くのお客様から好評いただいているのが、「鶏の唐揚」です。難波高島屋、梅田阪神、そごう神戸店では、テイクアウトもあり、ご家庭でもお楽しみいただけます。

2015.08.16 ~ 2015.08.22、閲覧記事数:18407 PV、訪問者数:2067 IP、ランキング:2058 位 / 2254239ブログ

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