日本チェンバロ協会の年報、『日本チェンバロ協会 年報 2021 第5号』が5月に発行されました。入手してからずいぶん月日が経過してしまいましたが、第5号につてかんたんに紹介しておきます。第5号の特集は「古代ギリシャ・ローマと音楽」と「ルッカースのチェンバロ」。どちらも興味深いのですが、個人的には、「カミーユ・サン=サーンスにとっての『古楽』と『古典』」が楽しめました。古楽復興におけるサン=サーンスの業績は、ハリー・ハスケルの『古楽の復活』(東京書籍)でも断片的にしか言及されておらず、まとまった研究レポートを読んだのはこれがはじめてです。