さきほどのムローヴァとダントーネによる演奏(記事は「オブリガート・チェンンバロとヴァイオリンのためのソナタ 第3番 ホ長調 BWV1016 [2]」)のついでに、標記の話題について少し。
昨夜の投稿(記事は「『イエスよ、わが喜び』BWV753」)のあと、テレビをつけると、ヴァイオリンを弾くカルミニョーラの姿が映しだされました。音量をあげると、それはブランデンブルク協奏曲の第3番。そして、すぐにアバドの姿も。で、「ああ、そうか」と。放送されていたのは、注目していたアバドとオーケストラ・モーツァルト(映像でみるのははじめて)による演奏会。アバドたちの演奏は、HIP(Historically Informed Performance)によるもので、テンポ感やアーティキュレーションなどはピリオド奏法を意識した演奏です(ただしかなりざっくりした)。
この演奏会に、さきほどきいたダントーネも出演していて、第5番などをみごとに弾いていました。以前放送された、ハイビジョン放送もみのがしていたので、仕事の手を休めて1曲だけと思ってみていたのですが、けっきょくおわりまでみることに。キー付きのアルト・リコーダーをたずさえて、ミカラ・ペトリも登場したりと、ソロも多彩でみごたえがありました。上記のように、HIPとはいってもさほど厳密ではありません。そのアプローチは、楽器やピッチまでは及ばず、バロック仕様とおぼしきヴァイオリンもありましたが、弓のもち替えなどもバラバラでした。
アバドとオーケストラ・モーツァルトのコンビ、すでにモーツァルトの交響曲や協奏曲のCDも発売されていてますが、HIPをより厳密に適用していけば、かなりおもしろい存在になってくると思われます。なお、この演奏会のアンコールは第2番の第3楽章だったのですが、ペトリが吹いていたのは、なんとソプラニーノ・リコーダー。いつもとちがうオクターブ高い音が鳴り響き、とても耳を楽しませてくれました。それに、バルコニー席からまかれた大量の花が彩りをそえ、奏者たちも思い思いにその花で楽器を飾るなど、目も楽しませてくれました。