毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




今週は「ゴルトベルク変奏曲」週間ということで、毎日同曲を楽しんでいます。今日きくのはデュオ・メリザンドによる録音(Paraty Production PARATY 113215)。デュオ・メリザンドは、セバスティアン・リナレスとニコラ・レスコワによるギター二重奏で、二人ともフランスのギター奏者です。「ゴルトベルク変奏曲」のギター二重奏編曲はめずらしく、編曲も二人がおこなっています。ギター独奏ではなく二重奏ということで、奏者一人にかかる負担は軽減。それもあってか、独奏にくらべて対位旋律の綾がわかりやすくなっています。

PARATY 113215

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今日もきくのは「ゴルトベルク変奏曲」(BWV988)。これからきくのは、テルアビブ(イスラエル)生まれの鍵盤楽器奏者、ミヒャエル・ツァルカのクラヴィコードによる「ゴルトベルク」です。録音は2012年、使用楽器はゼバスティアン・ニープラーによるクラヴィコード。博士号(テンプル大学)をもつツァルカの演奏は、装飾を自在に入れたもので、昨日のディエゴ・アレスと同じくおもしろくきくことができます。ただし、楽器がチェンバロではなくクラヴィコードということもあり、華麗な響きとはほど遠いものとなっています。もちろん、音はかぼそくとも情感はゆたか。短調の変奏、第25変奏などはその味を堪能できます。

CD : pmr 0032(paladino music)

pmr 0032

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今日これからきくのは、スペインのチェンバロ奏者、ディエゴ・アレスの「ゴルトベルク変奏曲」(BWV988)です。アレスは1983年生まれ。1998年、パリ・ニコライ・ルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールで優勝するなど、もともとはピアノを学んでいました。チェンバロをはじめたのは、同コンクールで優勝した1998年からということ。

この「ゴルトベルク」の録音は2017年、それからほぼ20年後の録音ということになります。使用楽器はパスカル・タスカン(1769年)にもとづく、ジョエル・カッツマン(2002年)のチェンバロ。師であるリチャード・エガーと同じカッツマンの楽器ながら、タスカン・モデルというのがらしいところでしょうか(エガーはルッカース・モデル)。

アレスの演奏はじつにおもしろく、変奏によっては装飾音に溢れかえっていますし、楽譜からの大きな逸脱もあります。そういう意味ではラテンのトン・コープマンといえるかもしれせん。解説もアレスの手になるもので、第30変奏のクオドリベット論など、興味深く読むことができます。

CD : HMM 90228384(harmonia mundi)

HMM 90228384

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今週きいていくのは、いろいろな「ゴルトベルク変奏曲」(BWV988)。演奏時間がちょっと長いので、とちゅうで挫折するかもしれませんが、お盆ですのでじっくり味わいたいと思います。今日きく(前半これから、後半は夜)のは、高田泰治が2016年に録音した「ゴルトベルク変奏曲」。高田は1977年神戸生まれで、クリスティーネ・ショルンスハイムに学び、近年はアンドレアス・シュタイアーオリヴィエ・ボーモンにも師事しているようです。使用楽器はミヒャエル・ミートケにもとづくモニカ・マイ製作のチェンバロ。入手したばかりのCDなので、まだしっかりきいていないのですが、第14変奏のように技巧的で派手な変奏のほうが得意なように感じます。

CD : WWCC-7823(ナミ・レコード)

WWCC-7823

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三位一体節後第11日曜日にきくのは、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンによる「わが心は血の海に漂う」です。このBWV199は1713年8月27日に初演。高度な技巧が要求される、ソプラノ独唱のためのカンタータです。全8曲はレチタティーヴォとアリアのみで構成されており、合唱はありません。この録音で歌うのは鈴木美登里。オーボエはアルフレード・ベルナルディーニで、録音は1996年です。

CD : BIS-CD-801(BIS Records)

BIS-CD-801

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今日もきくのはオドレイ・ヴィグルーのピアノで、「BACH-BEETHOVEN ‘Quasi una Fantasia’」(Évidence Classics EVCD010)から、ハ短調のファンタジーとフーガ(BWV906)です。ヴィグルーの演奏は昨日と同じく弱音主体で、派手なファンタジーも大仰にはならず、さらりと弾きこなしています。フーガは未完のままの演奏。録音は2014年です。

EVCD010

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今日と明日きくのは、フランスのピアノ奏者、オドレイ・ヴィグルーによる2曲のファンタジーとフーガです。ヴィグルーは、1981年、エクス・アン・プロヴァンス生まれで、ファンタジーとフーガが収録された「BACH-BEETHOVEN ‘Quasi una Fantasia’」(Évidence Classics EVCD010)は2014年の録音。表題の「Quasi una Fantasia」(幻想曲風)は、収録曲であるベートーヴェンのピアノ・ソナタ第13番の「Sonata quasi una Fantasia」から採られています。

「BACH-BEETHOVEN ‘Quasi una Fantasia’」に収録されたバッハのファンタジーとフーガは、イ短調(BWV904)とハ短調(BWV906)の2曲で、今日は収録順にまずイ短調のほうを楽しみ、明日はハ短調のきく予定。ヴィグルーが演奏するファンタジーは、じつに繊細で、どちらかといえば弱音に傾斜したもの。しかもテンポも快速で、このような「さらり」とした草食系の解釈はやはり近年のピアノ奏者ならではといえるかもしれません。

EVCD010

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ジークベルト・ランペ(チェンバロと指揮)とノーヴァ・ストラヴァガンツァできいてきた初期稿による管弦楽組曲(序曲)。これからきくのは、ランペが再構成した管弦楽組曲第4番(BWV1069)の初期稿です。この第4番の初期稿は、伝承されている編成からトランペットとティンパニーを抜いた、オーボエ3、ファゴット、ヴァイオリン2、ヴィオラと通奏低音という編成。ノーヴァ・ストラヴァガンツァはこれを14人で録音しており、4つの管弦楽組曲の中では最大です。なお、この第4番の初期稿については、ヴァイマール時代の1716年ごろに成立したと、ランペはみているようです。録音は2001年、バッハゆかりのケーテン城でおこなわれています。

CD : MDG 341 1131-2(MDG)

MDG 341 1131-2

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ジークベルト・ランペ(チェンバロと指揮)とノーヴァ・ストラヴァガンツァできいている初期稿による管弦楽組曲(序曲)。これからきくのはアルバム2枚目に収録された管弦楽組曲の第3番(BWV1068)です。ランペによる初期稿は、伝承されている編成から、トランペット、オーボエ、ティンパニーを抜き、ヴァイオリン2部、ヴィオラと通奏低音のみに再構成されたもの。ランペによると、第3番の初期稿はケーテン時代の1718年ごろに成立したとのことです。

CD : MDG 341 1131-2(MDG)

MDG 341 1131-2

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昨日からききはじめた、ジークベルト・ランペ(チェンバロと指揮)とノーヴァ・ストラヴァガンツァによる「The Early Overtures」(2001年録音)。今日これからきくのは管弦楽組曲の第2番(BWV1067)で、ランペによる初期稿で楽しみます。ランペが再構成した初期稿では、独奏ヴァイオリン、ヴァイオリン2部、ヴィオラ、通奏低音という編成がとられており、このブログできいたユルゲン・グロスたちの録音(「ヴァイオリンと弦楽のための序曲 イ短調 BWV1067a」)と編成的には同一です。また、趣旨を同じくするモニカ・ハゲットたちの録音(「管弦楽組曲 第2番 イ短調」)では、独奏はオーボエでした。

CD : MDG 341 1131-2(MDG)

MDG 341 1131-2

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今週きいていくのは、ジークベルト・ランペ(チェンバとと指揮)とノーヴァ・ストラヴァガンツァによる「The Early Overtures」です。2枚組のアルバム(2001年録音)に収録されているのは、4曲の管弦楽組曲(序曲)、2曲のカンタータのシンフォニア。このうち、組曲の第2番から第4番、シンフォニアは、アルバム表題どおり初期稿による録音です。趣旨としては、このブログでもきいたモニカ・ハゲットたちの録音(AV2171)と同じということになります。CD1にはまずBWV119のシンフォニアが収録されていますが、これからきくのは管弦楽組曲第1(BWV1066)。ノーヴァ・ストラヴァガンツァの編成は、オーボエ2、ヴァイオリン2、ヴィオラ、ファゴット、チェンバロというソロ編成となっています。

CD : MDG 341 1131-2(MDG)

MDG 341 1131-2

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三位一体節後第10日曜日にきくのは、ハリー・クリストファーズとザ・シックスティーンによる「主よ、汝の目は信仰を顧みるにあらずや」です。このBWV102は、1726年8月25日に初演された2部全7曲(第1部4曲、第2部3曲)からなるカンタータ。第1曲、第3曲、第5曲がミサ曲(BWV235、BWV233)に転用されていることもあり、BWV102が収録されたアルバム(2013年)にはこのほかに、BWV235、BWV233も収録されています。もっとも、アルバムの表題は「ルター派のミサ曲集」ということなので、ミサ曲のほうが主で、転用元のカンタータを併録しているということなのでしょう。ザ・シックスティーンは合唱がパート2人の8人、管弦楽が16人と、小さめな編成です。

CD : COR16115(CORO)

COR16115

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昨日に続き今日これからきくのも、トマ・ダンフォードの「Bach Thomas Dunford」で、ト短調のリュート組曲です。奏者のダンフォードは、1988年生まれのフランスのリュート奏者。一昨日まできいていたピーター・クロトンが1957年生まれなので、二人には親子ほどの年齢差があり、ずいぶん演奏の趣もことなっています。ダンフォードは、近年の若い優秀な奏者に共通した自在感が顕著。それにくらべると、クロトンはやや硬直したところがありますが、そのかわり深みのある響という美質があり、二人それぞれ、おもしろくきくことができます。

CD : Alpha 361(Alpha)

Alpha 361

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今日、そして明日きくのは、トマ・ダンフォードの「Bach Thomas Dunford」です。このアルバムは2017年の録音。収録曲は順に、無伴奏チェロ組曲第1番(BWV1007)、ト短調のリュート組曲(BWV995)、シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番)で、はじめの2曲は、昨日まできいていたピーター・クロトンの収録曲とだぶっています。これから楽しむのは収録順どおりに、昨日もきいた無伴奏チェロ組曲第1番(リュート編曲はダンフォード)。使用楽器はジュゼッペ・トゥミアーティの1993年製のアーチリュートです。

CD : Alpha 361(Alpha)

Alpha 361

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今日これからきくのは、リュート奏者ピーター・クロトンによる無伴奏チェロ組曲の第1番(BWV1007)。もちろんチェロでの演奏ではなく、クロトンが同組曲をリュート用に編曲したものです。使用楽器は、ヴェネツィアのマッテーオ・セラスが製作(1640年)した14コースのリュートで、修復・完成をヨハネス・ゲオルグ・ホウケンがおこなっています。アルバム「Bach on the Italian Lute」には同組曲のあとに、「御身がともにあるならば」(BWV508)のリュート編曲が収録されていますが、明日、明後日はあらたなリュート奏者のアルバムを楽しむ予定なので、これはまたの機会にきくことにします。

CD : GMCD 7321(Guild)

GMCD 7321

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