『蘇鉄のすべて』 栄 喜久元 (著)
南方新社
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この本は、2003年11月20日発行ですが、
当時、書店で手に取ったものの、題名から
買って読むまでには、いたらなかった。
2004年からブログを始めて、ソテツの
写真など、なんども載せたが、
身近な蘇鉄のことを、あまりに知らないなあ、
と思い、2008年正月2日、市内のおみやげ屋さん「さねんばな」で買った。
「億万年を生きる長老」蘇鉄は、気の遠くなる年月を経て
現在、おじさんの行く先々の奄美で現存、自生している。
奄美を象徴する植物は何か?と問われれば、この本の著者は
蘇鉄と答える。
それから、あだん、がじゅまる、竜舌蘭、さねんを挙げる。
日本では、沖縄奄美から九州南端の間にだけ自生する、一属一種。
蘇鉄は、南島独特の景観を演出する最も代表的な植物というだけでなく
島の暮らしに広く深く結びついている。
かつて災厄の年には島民の命を救った重要な食料であり、
有機肥料源、土壌改良、燃料、薬、屋根修理材、防風林、防砂、防潮、畑地の境界、など南島の暮らしになくてはならないものだった。
そのほか、歴史資料や、短歌や詩、シマウ、新民謡に登場する蘇鉄に関する記述をたんねんに集め蘇鉄をあらゆる角度から検証する。
蘇鉄の話から、奄美の歴史や民俗が学べ、現在のわたしたちの暮らしについても考えさせられるものがある。
著者は、子孫のため、せめて蘇鉄を植えようとすすめ、あとがきの最後を、「南島にとってソテツは天恵といえよう。」と結んでいる。
↑ 蘇鉄の実 ナリ
↑↑ ソテツとクワズイモ 奄美市名瀬の山中
ソテツとヒカンザクラ 2007年12月30日 (日曜日)湯湾岳 いちばん咲き