『妻への祈り』 - 島尾敏雄作品集 (中公文庫) – 2016/11/18
島尾 敏雄 (著) 梯 久美子 (編集)
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先月は何かと忙しく、他の読書に時間をかけたので、残念ながら、解説だけを読んだ。(昔に読んだ作品を思い出し、また読んでみる気になったのだが)
「日の移ろい」(抄録)は、名瀬に住んでいると、とても身近でかつてこのブログでも何回か記事にした記憶がある。
amazon 内容紹介
戦時下、特攻隊隊長として赴任した奄美の加計呂麻島での出会いと熱愛、不安と嫉妬で苦しみ心を病んでいく妻、奄美へ移住し重ねていく日々……。
島尾敏雄による妻ミホを描いた作品といえば『死の棘』が知られるが、本書では短篇やエッセイ、日記文学などをとおして、別方向から夫婦の姿に光をあてる。純文学の極北と称された小説家は、緻密な観察と描写によって、妻ミホの美しさ、無邪気さ、強さと弱さを描き出す。
現実は極限状態にありながらも、静かで時にユーモラスな表現の根底には、妻への常に新鮮な驚きと深い愛情がある。【編・解説/梯久美子】
目次
I 特攻隊長と島の娘…「はまべのうた」「出孤島記」「出発は遂に訪れず」
II 夫婦という桎梏…「帰巣者の憂鬱」「鉄路に近く」
III 狂うひと…「われ深きふちより」「重い肩車」
IV 島へ…「妻への祈り」「妻への祈り・補遺」「廃址」
V 妻を見つめる…「日の移ろい」(抄録)