カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

栄山寺

2005年05月10日 | ☆ ふるさと・大和
音無川から栄山寺に登る石段には散り敷いたつつじの絨毯のような花の道である。踏みしめるのが勿体なくて端の方をそうっと登る。
鄙びた山門が道路に面しているが、ここは常時閉じられたままで受付は西の方にある。

国宝八角円堂は、藤原仲麻呂が、父母の追善供養のために建立したお堂で、法隆寺の夢殿と同じ造りである。
山を背にしているため佇まいは素朴である。


境内の木立の中に何気なく建っている、七重の石塔婆は奈良時代に建立されわが国で最も古い石造塔の一つである。
また本堂前の石燈籠も、石塔婆と同じように重要文化財に指定されている。


栄山寺の梵鐘は国宝に指定されていて、京都神護寺、宇治平等院の鐘と共に平安三絶の鐘とされているそうである。梵鐘の文字は、小野道風の書と伝えられている。
今は、手に触れることも出来ないけれど、もうずっと以前は拓本をとることも出来たらしく、実家にこの梵鐘の拓本で作られた屏風が大事にされている。
子供の頃は、自由な遊び場であったし、沢山の遠足の子達を迎えた栄山寺に、このような大切な文化財があることなど知らないで過ごしてきた頃が懐かしいが、やはり後に伝えるために、大切に保護される事が大事であろう。
コメント (8)
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