高取城の二の門外の道端に、愛嬌の良い顔をした猿が、ちょこんと座っている。
今、そこからやってきて「はい、お疲れさま」といった感じに座っている。
彫りも深く、風雨に晒されているような素振りは微塵もない。ところが、これは7世紀頃のものと推定されているらしい。飛鳥時代のお猿さんである。
高取城築城の折。石垣に転用するために、明日香から運ばれてきたと伝えられている。それが、石垣になってしまわずここにあるのが、このお猿さんの運命というか、徳であったのかも知れない。
丁度、このお猿さんの座っている場所から岡口門を出て明日香に降りる下り坂の道があるのも、もっともらしい話である。
この会に参加した仲間の中に一匹のわんちゃんがいた。「むぎちゃん」と呼んでいたように思う。
とても元気で、急な坂も上り下り、誰よりも力強く見えた。記念撮影はやはり犬猿仲。
むぎちゃんはそっぽを向いてしまった。