カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

パラミタミュージアム 池田満寿夫の世界

2005年11月12日 | △ 旅 あれこれ ドライブ

池田満寿夫については、豊満な女性を題材にした版画の作品が印象にあることと、「エーゲ海に捧ぐ」で芥川賞を受賞したと言うくらいの知識しかない。
今回、所属する会の見学研修で訪れた、三重県菰野町のパラミタミュージアムで、「般若心経シリーズ」の作品を実際に見、大きな感銘を受けた。
「陶こそが般若心経を表現するにふさわしい」と創作に挑んだ作品の多くを鑑賞し、そのエネルギーと高い精神性に触れた思いであった。

                            (マウスオン)心経陶板

まるで、素焼きのような276点の心経碗には、その展示場に入った途端足が立ちすくんでしまうような感動の衝撃が走った。
陶芸についての深い知識のない私は、一つ一つの作品を観るというより、神秘的な感動と言うほかに表現がない。
池田氏は、般若心経作陶にあたってという文の中で、
『陶作品は土を固め、炎で焼き、そしていつかは砂にもどっていく。私ははじめてそこに宗教的な輪廻を感じた』
と記している。
マウスオン心経陶片



これらの作品は、、山梨県増穂町に八方窯という薪で炊く穴釜造り、野焼き風に四方八方から薪を投げ込んで焼いていく方法で生まれた作品である。
42体の地蔵の中から、2体をUPした。
どの地蔵像もユニークな顔である。
好きなのを選んだと言うより、人影の入らないのを選んだと言った方がいい。それでも、100人近くの参加者がそれぞれ熱心に鑑賞しているので、撮るのが難しい。
池田氏は『何故か仏の顔が日本的な顔でなく、インドやジャワ辺りの古仏に似てきたのに、自分でも驚いているものである。中国で生まれ、12歳の時の終戦まで、異国で暮らした経験が、どこかで作用したのだろうか』と『池田満寿夫の宗教観』の中で述べている。
マウスオン地蔵像
コメント (6)
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