「白い館」と友人と呼んでいるが、瀟洒な建物の外観からそう言っているのであって、ちゃんとした名前はある。
そう度々行くのでないから、テーブルの上のフラワーアレンジメントは同じものと出くわしたことがない。
ごく小さいガラスの花器に何気ないように入っている生花が、テーブルについている間中、和みを与えてくれる。
「お持ち帰りですか?」
「ここで、頂きます」
「じゃあ、ケーキを選んでください」
そんなやり取りの後、席に着く。
なるべく以前に食べていないのを選ぶようにするのが楽しみだ。
今回は、友人が「マンゴープリン、美味しそう!」
そう言ったので、即決。
ヘルペスの時に頂いたマンゴーがすぐ頭に浮かんだ。
トロピカルフルーツ、マンゴーの香りと味がそのまま口の中に広がって実に美味しかった。
いつも付いてるシャーベットも、なんとマンゴーシャーベットに2倍の味を楽しむ。
「ホットコーヒー」
「じゃあ、私も・・・」
これは失敗だった。
コーヒーも美味しいけれど、やはりここのケーキには紅茶がよく合う。
いい具合に味と香りの出た頃を見計らって、自分で紅茶ポットから注ぐ紅茶でのティータイムは、私の定番だったのだ。
次には、紅茶にしようと思っている。