古代の遺跡石舞台古墳が、霧に包まれて飛鳥人の存在する幻影の世界へと誘われる。
奈良県観光情報、行事イベントの紹介には次のように記されている。
『【展開内容】
①中谷芙二子「霧の彫刻」 会場:石舞台古墳
テーマ「古代幻想・飛鳥」
霧や照明によって演出された石舞台が自然と融合し一体化した景観をアート作品として表現する。
第1幕 日 中(11:00 13:00 15:00 の3回実施予定)
漂う霧が水墨画のような幻想的な風景(都会から見た飛鳥のイメージ)を表現。
第2幕 日没時 照明により夕日と同化する石舞台を演出し、自然との共生を表現。
第3幕 夜 間(18:30 の予定)
石室内から光が放たれ、石組みの隙間から宇宙に向かう白い光と霧が交わる。』
2幕・3幕は帰宅の都合上見ることはできなかったが、第1幕は、計画より回数が増えて、9時から定時ごとに霧の発生があり、朝と正午、と日暮れ前の3回、明日香散策の合間を縫って石舞台古墳に行った。
周りから湧き上がる霧に、次第に包み込まれていく石舞台の巨岩の中に、古代の美しい部分だけ想像するのも自由だし、痛ましい後継者争いを哀れむのも、見るものの心に去来する明日香と、現在アートのコラボを、楽しむことができる。
10分間の霧に多くを想い、霧が去るとふと現実に帰る。
明日香ならではの、遥か古代に思いを馳せる芸術の妙を堪能させてもらった。
15306歩