葦簾の日覆いを通した太陽の光は、優しく牡丹園に降り注ぐ
葦簾と書いたけれど、普通このような葦を編んだ簾のことを、「よしず」と呼んでいる。金剛寺の牡丹園の雰囲気の中で私の好きなのは、このよしずを通した陽と、影が織り成す牡丹の葉と花の、柔らかく優しい光の雰囲気である。
よしずを通して差す太陽は、日が昇るにつれ次第に位置を変えてどの葉にも、柔らかな温かさを万遍無く移動して与えていく。
下の牡丹の花にもよしずの光と影が、本当に面白く見ることができる。沢山撮った画像の中から、太陽とよしずと牡丹の葉と花が奏でるハーモニーを選んでみた 。
昔からよしずのある日本家屋は、夏の暮らしにはなくてはならないものだった。よしずの境界の向こうがお隣さんだったり、町の狭い路地だったり、開放的なご町内がよしずの、こちら側も、向こう側も安心のできる空間だった。
そんなよしずが金剛寺の牡丹園では、強い陽射しから優しくお花を守っている。