細川の棚田を写しに行った帰りに、多武峰へ行こうか、もと来た道を引き返そうかと、少し迷いながら、石舞台あたりの見事な萩を、ゆっくり見たくて戻ってきた。
萩は彼岸花のように華やかなインパクトのある画像に収まることがないけれど、萩の花そのものにはとても惹かれる。
一つ一つの花は小さくて、姿のよさをアピールすることなく控え目に寄り添って咲いているが、その寄り添い方が零れんばかりなのがいい。花の足元には、落ち花が零れているのもいいものだ。
萩の花・1
歴史公園の萩の花は、今が真っ盛りである。 万葉集でも一番多く詠われている花は、萩の花であるから、古の人たちの心をしっかりと掴んだ花だといえよう。
萩の花・2
萩の花・3
背丈よりももっと高い花丈の傍によると、花に隠されてしまいそうだ。
萩の花・4
萩の花・5
萩の花・6
ほかの萩とは種類が違うのだろうか。一段と濃いピンクが滝のように緑の芝生に流れ込んでいる。
萩の花・7
萩の花・8
どの花たちの前に行っても、やはりその控え目な優しい美しさがますますこの花を好きになっていく要素だと思う。
万葉集・第八巻 1557 明日香川 行き廻(みる)る岡の 秋萩は 今日降る雨に 散りか過ぎなむ
丹比真人国人(たじまのまひとくにひと)
万葉集の中に明日香川と萩を詠んだ歌を見つけたので、ここに残しておこう。
8235