美術館につきものの前庭のアート。ここ山梨県立美術館にもあった。
一際目を引くのが佐藤正明創作のBIGAPPLE No.45であった。 金属
特有の煌めきと🍏の造形が前庭一面を照らし、存在感を放っていた。
佐藤正明:甲府市出身現代美術作家無数の丸孔がモチーフの作風。
映像:黒石市にある道の駅虹の湖(102号線)・ふれあい広場の美人像
加伊寿御前は鎌倉時代黒石郷の侍工藤貞行の嫡女。辿れば伊豆が生地。
その美しさは周囲を照らすが如くともいわれた美人と伝えられている。
根城南部氏6代信正に嫁ぎ7代信光を生み、南津軽は南部支配となる。
感想:なるほど女性像を数多く観たが、銅像ながらにも造形、美情から
黒石美人の面影を察知す。弘高同級の黒石出身の彼女が偲ばれる。
参照:史蹟根城城址(八戸市)
≪速報:Art(アール)・北斎展-師と弟子たち(八戸市美術館2016.11.3)≫
映像:葛飾北斎の「神奈川県沖浪裏」数千枚刷られた内の一枚(ポストカードより)
今日11月3日は文化の日。ここ八戸市美術館では鑑賞無料であった。
半信半疑で向かった展示会場。先ずは3階から。東海道五十三次や忠
臣蔵の微細な版画図に徐々に引き込まれ、2階の冨嶽三十六景で感動。
感想:余りにも有名な葛飾北斎冨嶽三十六景。赤富士、青富士そして御覧の神奈川沖浪裏。
間近で本物が観れる幸せを感じる一日。ローカル美術館として驚くべき展示規模192点。
未来:八戸市美術館はなかなか面白い。いまは十和田市現代美術館と鷹山宇一記念美術館と
で緩やかなトライアングル連携しているが現在の敷地に隣接する青森銀行八戸店、消
防署などの敷地を取得し、現代美術館建設の構想がある。 今日の北斎展を鑑賞しこの
美術館の可能性と未来を観た気がする。 弘前でも吉野町煉瓦倉庫美術館構想がある。
青森県立美術館を中心にアートネットワークが完成するのも間近だ。県美には小手先
の展示会ではなく県内美術館の旗頭として全県的なアートビジョンをもって頂きたい。
映像:Mr.フジタがパリ成功のきっかけとなった「五人の裸婦」(BY POSTCARD)
東京国立近代美術館で開催された藤田嗣治展でやはりこの作品が、もっとも輝いて
いた。同時に展示されていた暗い戦争画は嗣治の本意でなかったことが見て取れる。
解説:不遇の画家藤田嗣治は失意のもとに日本を去ったしかし、「快心の作」と彼
に言わしめたのが、皮肉にも、プロパガンダと言われた『アッツ島玉砕』だ。
所感:芸術家の生涯は世間ではとやかく言われる。しかし、藤田嗣治ほど時代に翻
弄された画家もいないだろう。願わくは異国の地で安らかな永眠を祈るのみ。
( 2015秋 大人の休日紀行 完 )
映像:東京都立美術館のモネ展のメイン展示絵画「印象 日の出」(ポストカードより)
モネの名作印象日の出を観る為に上野の森にやって来た。流石に
東京で開催される美術展覧会はたくさんの鑑賞者。真近でみると、
絵具が混ざり合っているだけなのに遠目に見ると完璧に日の出だ。
感想:名作鑑賞とは画集や、映像だけで終わらせてならないという
事をつくづく感じる一日であった。遠近で生の絵の具を辿り
大脳機能を最大限駆使し素晴らしさを味わうのが芸術鑑賞だ。
東京都美術館構内に入る。前庭でひと際目を引くのが球状のステンレス
、井上 武吉作 の《my sky hole 85-2 光と影》。国立西洋美術館との違い
は、殆んどの屋外展示物が日本人の芸術家による作品であることだろう。
上野駅には既に紹介している啄木碑などのさまざまモニュメントがある。流石
だなと思うのは美術館がある駅らしい。高名な彫刻家のブロンズ像だ。この「
三相 知情意」は彫刻家朝倉文夫の秀作。三女の中でこの女性の表情が好きだ。
三相:知性と感情と意志。人間のもつ三つの心の働き。「知情意の調和」。さ
て筆者の好きな顔はややうつむき加減の控えめ、「知性」の精であろか?
朝倉文夫:大分県出身の彫刻家、高村光太郎とならぶ日本彫刻界の重鎮とされ
東洋のロダンと呼称。作品の多くは太平洋戦争時代金属供出で失われた。
上野駅の待ち合わせ場所と言えば、中央改札口まえ翼の像だろう。
アール(art)をカテゴリーするようになってからこの像が妙に気
になり始めた。今回周りを気にせずカメラのシャッターを切った。
参考:彫塑家朝倉文夫氏の作だ。伸びやかな乙女像に健康美を感
じるのは筆者だけだろうか。上野駅の雑踏にも負けず美を
放つ。この像の前でデートはついに果たせなかった。残念。
≪速報・アール(Art Japon):2015日展 青森県立美術館開館10周年記念2016.7.5≫
映像:京都府民洋画家・児玉健二氏の作品 薄羽根(うすばね)(ポストカードより)
展覧会の絵はどれも力作だ。作品に甲乙つけがたい。それぞれのバックボーンで
、お気に入りを選ぶしかない。今回、筆者が最も感銘を受けた絵画はこれだ。
近くで観ても離れて観ても作者の意図、色彩、筆致など確かな技巧が伝わる。
鑑賞:薄青の基調に暖色の肢体が伸びやかに立つ。微かな息遣い、腕・腰・足
柔肌の脈動が伝わる。裸体を写実に描くのでなく、目に飛び込んできた
光を一心に集めたらこの絵になったのではないかと思う程のリアリティ。
推奨:ポストカードでは本作品の素晴らしさは十分に伝わらない。原画鑑賞を推奨。
≪ 速報・芸術鑑賞: 2015日展 青森県立美術館開館10周年記念2016.7.5 ≫
映像:青森県人洋画家・横山哲則氏の作品 夏のアトリエ(ポストカードより)
青森県立美術館で改組新第2回日展青森展が開催されている。日展が青森県で
開催されるのは弘前武道館以来4回目である。東京での開催は混雑しゆっくり
鑑賞できないので地方開催は鑑賞好機だ。日本画61点、洋画73点、他134点。
鑑賞:久振りの日展。絵筆が躍るキャンバスを丹念に観て回る。作者の意図が
何となく理解できた時は作品の中にのめり込む、そんな時空が大好きだ。
本作品への共鳴はアトリエを背景に普通のお嬢さんの素朴な健康美表現。
推奨:ポストカードで本作品の素晴らしさは十分に伝わらない。原画鑑賞推奨。
山梨県立美術館はバルビゾン派を中心に仏蘭西の芸術家の作品を集めている。
ミレーの作品が代表的である。その流れで、ポール・ゴーギャンの影響を受
けたマイヨールの作品も美術館前庭に展示。丸美を帯びた裸体が特徴である。
アリスティド・マイヨール:遅咲きの彫刻家。代表作は1905年の「地中海」
筆者を驚かせたのはマイヨール72歳の時に、15歳のディナ・ヴィエル
ニーと出逢い、以後死ぬ迄の十年間モデルとし結婚したこと。マイヨ
ールのテーマは一貫して裸婦像である。後にディナ・ヴィエルニーは
マイヨールの作品を中心としてパリ7区に小さな美術館を作っている。
風景画館の景観・館内は相変わらず安らぎの佇まいだ。
今日は館主の許しを得て、ぴか一作品を一点紹介する。
展示の最新作がこの「月と雲の芦別岳」。北海道の美だ。
鑑賞:薄雲が月明りを従えて淡い光の輪を発している。
芦別岳は孤高の人の魂を象徴する。そう、これは
まさしく聖母マリアか主キリストを彷彿とさせる。
解説:画家の作品にはマリア像とキリスト像を描いた
物もある。奥様がスペインの方だからそれも自然。
参照:画家滝田修一のフィールドである美瑛、富良野
周辺拠点風景画館のブログカテゴリー風景画館
≪特別 Art(アール):道 2015年末のご挨拶に寄せて≫
映像:東京国立近代美術館常設展で偶然鑑賞した東山魁夷作「道」
挨拶:2015年最後のブログは日本画家東山魁夷の「道」で締めくくる。
なぜなら今年ようやくサラリーマン人生と決別したからである。
一体、人生とはなんであったのか?これから、何処へいくのか?
この作品はこの様な人生の区切りに大きな啓示を与えてくれた。
我が人生そのものである。終わりのない道程をまた一歩一歩だ。
詩集:高校生時代に読んだ高村光太郎作「道程」が本作品から蘇える。
『僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ 父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄(きはく)を僕に充たせよ
この遠い道程のため この遠い道程のため』
・・・哀しいかな。筆者は物心がついたころには父は他界していた。
だから、余計に父の逞しさに憧れ、この詩集にのめり込んだ。
感動:画家#滝田修一氏に世界で通用するのは藤田嗣治と東山魁夷だと
言わしめた、東山魁夷の出世作「道」に偶然に遭遇した。NHK
のドキュメントで知り是非鑑賞したいと思っていたのだ。感動!
解説:三陸復興国立公園種差海岸に隣接するタイヘイ牧場の道がモデル。
作品をよく観ると「道」は頂上に達して、更に右奥に果てなく続く。
そして道の起点は果てない太平洋の大海原、母なる海なのである。
参照:①高村光太郎(無垢の愛)探訪紀行
②作品の写生地の様子「道・東山魁夷写生地道標」
③作品の写生地の対岸「健康保養海岸(三陸復興国立公園種差海岸)」
(20015年 12月 大晦日)
映像:館内特別展は撮影禁止、映像は会場販売のポストカードより
今回の大きな目的は渋谷文化村で開催中のボッティチェッリ展だ。
この画家の代表的な作品となるのが首を傾けた若い裸婦像だ。神
秘の「ヴィーナス」が放つ、不思議な官能ビームに鑑賞者は陶酔。
記録:トリノ、サバウダ美術館所蔵(1842)
映像:岩手県立美術館を出る人びとを優しく見送る美人像(舟越保武作)
岩手県立美術館の最後は、郷土の偉大な彫刻家舟越保武による女性の像。
不思議な出会いである。筆者が失意の時間を過ごした釧路川幣舞橋欄干
の四季の像の一つだった。つまりこの美術館以前にこの像に対面してた。
物語は続く。釧路を何度か訪れたのは石川啄木の歌碑に感動したからだ。
何ヶ月も住まない街なのに啄木の歌は強烈だ。その啄木の故郷が岩手県。
ブロンズ像作者舟越保武も岩手県を代表する芸術家。釧路で交差する魂。
参照#①船越保武(美の伝導師)探訪紀行 ②釧路で感動歌碑 石川啄木歌碑