≪ 平成調査結果:本BLOGデータベース 大町桂月(酔仙人歌人)2006.4~2019.8≫
青森県の温泉観光を考察する時、江戸期では菅江真澄、近代では大町桂月を思い起す。
特に、大町桂月は(桂月とは四国高知にある名所桂浜の名月)当時の中央の薩長土肥勢力に太い
パイプがあり、その縁で雑誌「太陽」で十和田・奥入瀬を世に紹介した事は周知の事実。
(下記アンダーラインをクリックすると本ブログの探査記録参照可)
① 桂月の湯 ・・・ 北海道 屈斜路湖和琴半島にある大町桂月が入浴、名称の野天風呂
② 一沼に 馬群れ十里 尾花かな(俳句だが景観を鮮明表現) ・・・下北半島むつ湾岸
③ 恐山 心と見ゆる 湖を 囲める峰も 蓮華なり・・・・‥‥下北半島恐山極楽浜
➃ 神のわざ 鬼の手づくり 佛宇陀 人の世ならぬ 処なりけり・・・下北半島仏ケ浦
⑤ たてがみを 海吹く風に 靡かせて 馬ひとつ立つ 岩菊かな‥・夏泊半島大島
⑥ 大瀑 (おおばく)の 底まで見えぬ 紅葉 (もみじ)かな・・・・白神山地暗門の滝
⑦ 山の中 三十三湖 紅葉かな (大町桂月の珍しい俳句型表現)・・・白神山地十二湖
⑧ 四方八方の 千万の山を見下ろして 心にかかる 雲もなき哉‥‥‥‥岩木山山頂
⑨ 下りて山を 湯船に仰ぐ 紅葉かな (アソベの森 いわき荘) ‥‥‥百沢温泉郷
⑩ 湯船より 見上げる山の 紅葉かな (アソベの森 いわき荘) ‥‥‥百沢温泉郷
⑪ ひとしほの 木の葉は散りて散り残る 楓の山の 美しきかな・・・黒石温泉郷紅葉山
⑫ 一椀の 芋を分かちて 君と吾 うき世の外の 月を見るかな・・・板留温泉共同浴場
⑬ 沼に舟うけ 姫鱒釣って 風呂で 月見る 山の中 ・・・・・・・・・・八甲田山蔦温泉
⑭ ここちよさ 何にたとえん 湯の滝に肩をうたせて 冬の月見る ・・八甲田山蔦温泉
⑮ 極楽へ こゆる峠の ひとやすみ 蔦のいで湯に 身をばきよめて ・・八甲田山蔦温泉
⑯ 世の中の 命からむ 蔦の山 湯のわく處 水清きところ ・・・・八甲田山蔦温泉
⑰ 立田姫 錦をさらす 大巌に みだれて 9・3 白糸の滝・・・十和田奥入瀬渓流
⑱ 住まば日本(ひのもと)遊ばば十和田 歩きや奥入瀬 三里半・・十和田奥入瀬渓流
⑲ 薄着して 山に入れば 残雪ふきの薹・・・宮城県鳴子温泉郷神滝温泉(現在廃業)
所感:大町桂月は風流歌人という趣もある。交通が不便な往時にあって下北半島から
津軽半島、白神山地そして津軽、八甲田、十和田湖と青森県の温泉・景勝地を
巡り、紀行記録と歌を残している。菅江真澄と並ぶ温泉観光の大家として尊敬。
KEY:高知市出身、東京帝大卒。中学教師(島根県)、明治大学講師、酒と旅を愛する
美文家、十和田湖奥入瀬渓流を愛し世に紹介(雑誌太陽)、蔦温泉で没57歳(胃潰瘍)
参照#①四国土佐の生まれながら、終焉地は長期逗留先の八甲田山中蔦温泉であった
②酒と放浪そして紀行(俳句・短歌・随筆)で似て非なるのが俳人種田山頭火
③大町桂月と並ぶ青森県の温泉観光の大家「菅江真澄(紀行家・歌人)探査紀行」