(写真は“舗装の佐藤渡辺”ホームページより)
私が住んでいる奄美に風速50mの台風4号が接近しつつあります。
すでに外は暴風雨状態。今晩がピークでしょうか。
今日は自然に関係した話題。
カナダのハーパー首相は今月9日、カナダが領有権を主張する北極海の侵犯防止のために、砕氷巡視船を6-8隻建造する計画であることを発表しました。
このニュースの背景には石油・天然ガス等の資源問題だけでなく、地球温暖化問題もあるようです。
北極海の平均気温はすでに2度も上がっており、2100年までの間に、6~8度も上昇する可能性もあるそうです。
大西洋から北極海沿いのカナダ群島地帯を抜け太平洋に至る「北西航路」は、この地球温暖化による海水温度の上昇で、現在でも夏場には氷が解けるようになっており、2050年までには1年を通して貨物輸送が可能になると見られているそうです。
東京-ロンドン間は、パナマ運河経由で2万3000キロ、スエズ運河経由で2万1000キロですが、北西航路を使うと1万6000キロに短縮されるとのこと。
なお、北西航路については、カナダ沿岸の国内航路を主張するカナダと、国際航路であると主張するアメリカが対立しているそうです。
確かに普段見ているメルカトル図法の地図では気づきませんが、北極海を中心にした地図で眺めると、北欧などとの距離感が今までとは全く異なります。
日本人の世界観は恐らく“日本を中心にした世界地図”に相当に影響されていると想像されます。
普段見ている地図を上下逆さまにして大陸を中心にして眺めると、大陸沿いに連なる台湾、沖縄、奄美、日本列島という大きな弧が見えてきます。
これを見ただけで、古代は大陸・朝鮮半島と近い北九州・山陰・北陸が“表日本”だったことが容易に理解できます。
やはり、地球儀を手元においてたまにはグルグル廻して発想の転換をはかる必要があるみたいです。
北極海は、世界の未調査の石油・ガス田のうち約25%が存在する最後のフロンティアのひとつ。
この資源問題について言うと、カナダとデンマークがハンス島という小さな島の領有権をめぐり対立しながら、一方で共同で北極海海底の地形調査を行っているそうです。
なぜ北欧のデンマークが・・・?と言うと、世界最大の島グリーンランドがデンマーク領だからです。
グリーンランドはカナダのお隣、その中間にあるハンス島で揉めているという訳です。
一方で共同調査しているのは、ロシアへの対抗策の面があるようです。
ロシアはシベリアの延長上にある北極海の大部分について、その領有権を主張しているそうです。
もちろん、北極海の温暖化は海面上昇とか気象変動とか大きな問題をもたらしますが、今後温暖化に伴って北極海の利用可能性があがると、様々の問題で国際関係はヒートアップしそうです。