孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

北朝鮮  謎の伝染病 子供数十人が死亡?

2008-06-04 14:57:48 | 世相
【鳥インフルエンザ】
(鳥インフルエンザの発生源を中国・広東省とするアメリカの研究報告もあるようですが、写真は中国・雲南省の少数民族 かごの中はニワトリです。
中国に限らず、アジアではヒトと家禽の密着した生活があり、鳥インフルエンザの温床となっています。
なお、中国では情報隠蔽によって対策が遅れ、鳥インフルエンザが風土病として定着してしまったとも言われています。
ウイルスは野鳥によって各地へ運ばれます。
“flickr”より By avlxyz
http://www.flickr.com/photos/avlxyz/2299452961/)

今日は食糧サミットの話でもと考えていたのですが、なんだか薄気味悪い記事を目にしたので、そちらのほうで。

****北朝鮮で謎の伝染病、子ども数十人が死亡か****
【6月4日 AFP】北朝鮮の中国国境沿いに位置する複数の地域で、正体不明の病気が広まっており、子ども数十人が死亡していると韓国の援助グループが3日、報告した。
 北朝鮮への人道支援を行っている韓国ソウルに拠点を置くNGO「良い友人(Good Friends)」によると、中国国境に近い北東部の会寧(フェリョン)市では4月27日以降、発熱、せき、のどの痛み、食欲減退などインフルエンザのような症状を呈する病気により毎日5-6人の子どもが亡くなっており、伝染性の高い疾病への警戒が高まっているという。
 同グループによれば、北朝鮮の保健当局はこれまで感染を阻止できておらず、また正確な診断法や治療法も分かっていないという。北朝鮮の医療関係者は、鳥インフルエンザあるいは先ごろ中国の子どもたちに流行した手足口病の可能性を疑っているという。
「良い友人」によれば、ある北朝鮮の医師は「鳥インフルエンザが広がっている」と述べたという。また別の医師は、この病気は主に国営の幼稚園などで広がり、成人の感染例はなく、中国から入ってきた可能性があると述べたという。
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【鳥インフルエンザ】
鳥インフルエンザは10月17日(http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20071017)でも取り上げたように、世界中で一番多発しているのがインドネシアですが、それでも死者数は年間で40~50名程度です。
多くの国は年間でも数人です。
毎日5~6人が亡くなるような事例はありません。

本当に鳥インフルエンザで毎日5~6人亡くなるのであれば、それは従来の鳥インフルエンザではない、更に強毒性のものである可能性があります。
最悪の場合、ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザの危険性すらありえます。

上記の記事によると、北朝鮮はこれまで鳥インフルエンザの予防に全力を挙げて取り組んでいるそうで、韓国では今年4月1日にも鳥インフルエンザが発生しましたが、北朝鮮では21万羽の家禽を処分した2005年以来、鳥インフルエンザの発生は報告されていないそうです。
また北朝鮮は世界保健機関(WHO)が提供した予防プログラムを積極的に実施しているとか。

【手足口病】
手足口病は確かに中国で流行していました。
***中国:手足口病患者各地で拡大****
中国で手足口病患者が急速に拡大し、新華社通信によると9日現在、34人が死亡、患者は計2万7499人に上った。3月に安徽省で急増した後、北京や上海市、広東省など各地に広がった。政府は、同病を法定伝染病に指定し、専門家対策チームを設立する。【5月10日 毎日】
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5月の連休後はこの手足口病拡大のニュースが連日報じられており、チベット問題に加えて、北京オリンピック開催に支障を及ぼすのではないかと懸念さていました。
しかし、四川大地震発生のため、中国関連のニュースはすべて地震関連となったみたいで、5月14日の「北京で初めての死者発生、全国で犠牲者39名」を報じる記事を最後に、手足口病関連の記事は目にしないようになりました。
その後、どうなったのでしょうか?

手足口病は日本でも幼稚園や保育園などで時々流行する乳幼児の病気で、発熱し、手のひら・足の裏・口内に水疱が発生するのが特徴です。
比較的“ありふれた”病気で、欧米では症状が重篤化しない限り薬も特には処方せず、安静して自然治癒を待つことが多いとか。
ただ、原因ウイルスによっては、症状の程度は異なるようで、中国の流行はエンテロウイルス71型によるものらしく、このタイプは重篤化する事例があります。
日本でも97年に大阪市内で3名の乳児が死亡したことがあります。【ウィキペディア】

ただ、それにしても毎日5~6人というのはどうでしょうか?
発生源の中国ですら、あれだけ広範に流行していても死者は39名です。
飢餓で極端に抵抗力が低下しているのでしょうか?

【情報公開】
情報源のNGO「良い友人(Good Friends)」は、支援の必要を強調するため、北朝鮮の被害・惨状を比較的大きく伝える傾向があるとも聞きます。
恐らく、情報が正確に伝わっていないか何かで、周辺国が騒ぐようなことではないのでしょう。
そうでなければ困ります。

“困る”と言うより、万一“新型インフルエンザ”なんて話になれば、第三次世界大戦勃発ぐらいのインパクトを持った“人類の危機”です。
“ミサイル発射”どころではありません。
いくらなんでも、そんなことはないでしょう・・・。
何の根拠もありませんが、“世の中、そんなに最悪の事態は、そうそう起こるものではない”という常識・経験則に照らしての判断です。

北朝鮮は、あのような国で情報が皆目わかりません。
したがって、いろんな憶測・デマが飛び交います。
韓国では、金総書記が襲撃を受けて死亡したといううわさが5月末、インターネットサイトを通じて広まりました。 

とにかく、情報が伝わらないのが一番困りますし、人を不安にさせます。
北朝鮮はWHOには協力的に活動しているそうですので、今回の事態についても、速やかな情報公開を行ってほしいものです。

コメント
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