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孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

中国はsuperpowerとしてアメリカにとって代わるのか?

2008-06-16 19:46:13 | 世相
昨日に続き「Pew Global Attitudes Project」の2008年春調査から。
今回は日本・中国を軸に拾ってみました。
調査方法等については昨日説明のとおりで、サンプル数は日本が708名(電話)、中国は3212名(面接)です。
日本での調査時期は3月19日から4月13日の期間となっていますので、1月の“ギョーザ事件”発生後、3月14日のチベット暴動直後、4月26日の長野聖火リレーや5月の胡錦濤首席訪日・四川大地震の前・・・という時期になります。

【日本に対する好感度】

先ず日本に対する各国の好感度です。
欧米は70%台とかなり高い数字になっていますが、ロシアの74%は意外に高いように思われます。
韓国の47%は“思ったより高かったかな・・・・”という感じですが、中国の21%は厳しい数字です。
中国の数字は2007年が15%、2006年が21%、2005年は17%で、ここ数年大体このレベルで推移しています。

【中国に対する好感度】

一方、中国に対する好感度を見ると欧米・日本では厳しい数字になっています。
とりわけ日本の14%は突出して低い値です。
また、昨年に比べてこれらの国々では数字が低下していますが、チベット問題の影響もあるのでしょうが、ここ数年同様の低下傾向にありますので、一過性の問題とは別の、例えば高まる中国のプレゼンスとその異質性に対する根強い警戒感みたいなものが根底にあるように思われます。
2005年から比較すると、イギリス65→47、フランス58→28、ドイツ46→26、日本は2002年の55%から14%に減少しています。

ロシアは60%と高い値になっていますが、歴史・地理的問題から日本同様、中国に対しときに親近憎悪的な関係も噴出する韓国が48%というのは、意外に高いように思われます。
韓国は日本に対しても47%ですから、この調査では意外に冷静な反応が窺われます。
ちなみに、韓国に対する好感度を見ると、日本では57:40、中国では56:29となっています。

他の国の好感度を見ると、インドに対するパキスタンでの好感度が27:57に対し、パキスタンに対するインドでの好感度が18:73。ともに低い数字ではありますが、2002年の6:80と6:90に比べれば随分お互いの印象が改善しているとも言えます。
イランに対する欧米・日本の好感度は10%台ですが、イギリスは33%と比較的高い数値になっています。

【世界経済をリードしている国は?】

“the world’s leading economic power”をアメリカ、中国、日本、EUから選ぶ質問です。
ドイツではすでに中国がアメリカを逆転しています。
ロシアでは日本が25%と、日本経済への評価が高いようです。
他に日本という答えが多かったのはインドネシアの18%でした。
韓国は、昨日も触れたようにアメリカに対する信頼が全般的に高いみたいで、この質問でも74%がアメリカを挙げています。

【中国はアメリカにとって代わるのか?】

“the world’s leading superpower”として、中国はついにはアメリカとって代わるのか、それともすでにとって代わっているのか、そんなことはありえないのか・・・。
中国自身も“いつか”は53%にすぎず、そんなに今後を過信はしていないようです。
例によって、日本は“ありえない”が67%と突出しており、嫌中感情の強さがここでも出ています。

【中国の自国への影響は?】

アメリカの影響ほどではありませんが、中国のinfluenceも相当に各国とも感じています。
特に、日本・韓国では86%が“影響あり”としています。

【中国の経済成長は好ましいか?】

比較的賛否が拮抗していますが、嫌中感情が強い日本でも55%が中国の成長を良しとしています。
経済的な関係が強いだけに、中国経済成長のもたらす実利も大きいということでしょうか。
現実的に影響は大きい、経済的実利も深く関係している・・・だけどその存在を認めたくない、なんだか理解できない異質性を感じる、あきらかに人権問題・環境破壊など不十分な面が多々ある・・・日本の中国に対するいろんな思いが各質問から浮かび上がる調査です。

【北京オリンピックの選択は?】

北京でのオリンピック開催決定は良かったのか悪かったのか?
賛否拮抗というところですが、半数近い否定的な意見があるというのはオリンピックの趣旨からして問題が残るところです。
なお、ロシア、韓国では“good”が比較的高い数字になっています。

【中国製品は安全か?】

ギョーザ事件が未解決の状態ですので、特に日本での評価は厳しくなりますが、他国でも同様に厳しい見方をしています。

【中国はパートナーか敵か?】

欧米各国はどちらとも決められないとしています。
日本・韓国でも“パートナー”と“敵”とが20%台で拮抗しています。
ロシアは好意的な見方をしています。

他に、日本の憲法9条改憲については、日本国内の賛成:反対が31:58と改憲反対が多くなっていますが、その差は2006年の27:67より若干縮小しています。
環境問題、温暖化関係では、各国とも温暖化への関心は高いものがありますが、環境破壊を行っているとして中国への厳しい見方もあります。

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