孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

温暖化  凍土からのCO2放出、海面上昇、氷河縮小など・・・いつもの話題

2008-08-27 16:53:35 | 環境

(グリーンランドのヤコブスハン氷河付近の氷山(多分) “flickr”より By Ludovic Hirlimann
http://www.flickr.com/photos/lhirlimann/2787609882/)

世の中、紛争対立・事件・政局など慌しい動きもありますが、今日は温暖化がらみで数十年後、百年後の“気の長い”話。

****北極圏:凍土に大量炭素 溶解で温暖化懸念…米大の分析****
 北米大陸の北極圏の凍土などの土壌に、全地球の大気中の6分の1に匹敵する膨大な量の炭素(約980億トン)が存在しているとの分析を米アラスカ大などがまとめた。地球温暖化により凍土が溶解すれば、炭素が二酸化炭素(CO2)やメタンになって放出される恐れがあり、温暖化を加速させることが懸念される。24日付の英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に発表した。
・・・・今回判明した存在量は、従来の見積もりより6割以上も多い。
 国連の「気候変動に関する政府間パネル」は、北極圏では今後100年間で気温が6度上昇すると予測している。研究チームは「北極圏は気候変動に深刻な影響を与える」と監視を呼びかけている。【8月25日 毎日】
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CO2はともかく、6度気温が上昇したら全く別世界でしょうね。
100年間なんて地球の歴史からすれば、ほんの瞬間的な時間にすぎませんが、そんなに大きな変動がおこるのでしょうか?

温暖化に関する海面上昇については、8月8日ブログ「バングラデシュ 海面上昇による陸地減少はないかもしれないけれど・・・」(http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20080808)で、バングラデシュの陸地が水没するのか、しないのか?という問題をとりあげましたが、今日は同じような話を西アフリカについて目にしました。

****西アフリカの海岸も水没の危機、ドイツ専門家が指摘******
海洋地質学者でドイツの環境保護団体「Heinrich Boll Stiftung」に所属するステファン・クラマー(Stefan Cramer)氏によると、海面が年間2センチずつ上昇した場合、セネガルからカメルーンにかけての総延長4000キロの海岸線が浸食され、特に低地や人口が密集するデルタ地帯は甚大な被害を受けるという。

 クラマー氏はAFPに対し、ギニアの海岸が今世紀末までに消滅する可能性を語った。ガンビア、ナイジェリア、ブルキナファソ、ガーナも大きな被害を受けることが予想され、ガンビアの首都バンジュール(Banjul)と、1500万人が暮らすナイジェリアの経済都市ラゴス(Lagos)は水没する可能性があるという。
ラゴスは、一部が既に水没しており、頻繁に洪水に見舞われている。油田地帯のニジェールデルタも水没の危機に瀕しているという。
近年強大化している熱帯性低気圧の襲来も、海面上昇による被害を増幅している。農地への海水の侵入も深刻な問題だ。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は前年、今世紀末の海面上昇幅を当初18-59センチと見積もったが、海面のさらなる上昇を予想させる科学的根拠が次々に提示されたことから、最終的には上限の設定を控えた。 IPCCの見積もりには、温暖化によるグリーンランドの氷床の融解などが考慮されていない。グリーンランドの氷の面積は、ナイジェリアの面積の3倍にものぼる。最近の研究は、グリーンランドの氷床が予想をはるかに超えるスピードで溶ける可能性を示唆している。【8月27日 AFP】
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クラマー氏予測の“年間2センチ”ペースは50年で1mという“ハイペース”ですから、IPCCの当初見積もり“今世紀末に18-59センチ”とは格段の違いがあります。
グリーンランドの状況については、こんな記事もありました。

****グリーンランド最大の氷河で大規模な崩落*****
米オハイオ州立大学バード極地研究センターの氷河学チームは21日、地球温暖化の影響で、7月にグリーンランド最大の2つの氷河(ペテアマン氷河、ヤコブスハン氷河)からさらに氷が消失したと発表した。

さらに懸念されるのは、ペテアマン氷河の縁からかなり内陸に亀裂が観測されたことだ。間もなく大規模な崩落が起こり、氷河の3分の1に当たる160平方キロの氷が失われる可能性もあるという。
また、ヤコブスハン氷河でも、過去150年の観測史上最大規模で、縁が内陸に後退しているという。研究チームによると、少なくとも過去4000-6000年で、これほど後退したことはなかったはずだという。
【8月22日 AFP】
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“氷河消滅”については、以前もヒマラヤ氷河の縮小、それにともなうアジアの河川の水量減少の懸念をとりあげたことがありますが、同種の記事はよく目にします。
先日も、スウェーデンのストックホルムで開かれている「世界水週間」の会議で、気候変動によってヒマラヤ山脈の重要な水源が危機にあり、13億人の生活に影響が出る恐れがあると専門家らが発表した旨の記事がありました。
国際総合山岳開発センター研究者の話では、「氷河の後退は年間最大70メートルと非常に大きい」とか。
また、中国の山地生態系統研究センター長は、チベット高原の気温は10年で0.3度上昇していると指摘しています。
【8月22日 AFP】

温暖化、海面上昇など長い時間のスパンで見ないといけない問題は、なかなか本当のところはどうなのか?ということがわかりづらい問題です。
そんななかで、氷河の後退などは比較的客観的に把握しやすい現象のように思えます。

50年後は多分もう私は生きていないし、今世紀末はなんて関係ないと言えば関係ない・・・“本当だとしたら”非常に深刻な問題である温暖化も、そんな意味では個人的には“お気楽な”問題でもあります。
興味本位、あるいは怖いもの見たさで、今世紀末の世の中を見てみたい・・・・せいぜいそんなところです。
こんな風に考える人間が多いので事態は進展しないのでしょう。


コメント (1)
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