家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

妻の衝動買い

2008-07-16 18:19:10 | Weblog
近所の骨董屋に行って石の置物を買った。

おやじさんが珍しく家に入れと言う。

庭には枝振りの良い木があり巨大な自然石が池の周りに置かれている。

風呂は檜の厚い板で造られていた。

立派な家だなあと感心して拝見した。

元々は材木屋として財を成した人なので高価な物があちこちに見られる。

妻が座敷に置かれてあった家具に一目ぼれしてしまった。

「これは佐賀箪笥でカラクリだ」と聞いた。

表面のケヤキと金具が品良く組み合わせられている。

引き出しの中は杉材で状態は良いようだ。

妻の以前から欲しかった時代タンスだったらしく値段も聞かず、もう買うことを決めていた。

おやじさんの説明で開かない引き出しがあった。

季節がら木材が膨張して開かないようなことを言っていた。

自宅に運び込んで、あれこれ探ってみた。

引き出しの表面が枠よりも大きい。

これでは開くわけがない。

これがカラクリというものだった。

ある引き出しを開けるのに5工程を経ないと開かない仕組みになっていた。

良い材料と配色や金具の使い方のセンスなど、見る者に訴えかける魅力は新品の家具とは比較できないほど大きい。

職人の仕事と、それを買って大切に扱ってきた者の歴史が同時に我が家に入ってきた。

これに我が家の歴史を足して後世に受け継ぎたいと思う。