家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

サイトウキネンオーケストラコンサート

2008-09-10 09:03:24 | Weblog
サイトーキネンオーケストラコンサートに行ってきた。

今回のメインはマーラーの「巨人」。

CDで聴くとき、いつも気が付くと曲が始まっていたので今回は、その出だしに注意して見ていた。

すると弦楽器の中にピッコロが1本だけ混じっている。

CDでは弦以外の音が聴こえたが、その答えを見つけた。

曲が進んでトランペットの音が小さく聴こえてくる。

トランペットを探したが見当たらない。

「でも確かに聴こえたよなー」と考えていると再びトランペットによるファンファーレが聞こえた。

しばらくするとトランペット3人が舞台に入ってきた。

つまり舞台外で吹いていたのだ。

これはマーラーの音に関する「こだわりだな」と感じた。

そのこだわりを感じながら聴き入っていると、ふと気になる演奏家が目に付いた。

トロンボーン奏者だ。

向かって右側にトロンボーンの席が4席あり、それぞれ活躍している。

ところが向かって左側のホルン席の横に1本だけトロンボーンの席があった。

しかも彼はトロンボーンを置いたままで持ちもしない。

彼がトロンボーンを手にしたのは終楽章の最後の最後だけであった。

ひたすら「終わり」を待って静かに出番を待っていたのだ。

やっと聴けた彼のトロンボーンの音は左側から聞こえるトロンボーン音として輝いていた。

私もひたすら彼の出番を待っていただけにフィナーレの華やかさは、また格別のものがあった。

今回の演奏も感情の極みを味わうことが出来た。

一年に一度良質な大感激をする。

これが私の贅沢。