O氏と共にKANスタジオに着いたのは1時半を回っていた。
住宅街にある個人宅だ。
いつもはスバル360を駐めている駐車場に私のSLKを入れた。
ブラックベリーの枝に注意が必要だった。
家に入るとショウケースが置かれていて中にはミニカーなどがひしめいている。
小学生の時からのコレクションだという。
私はケースの中にサイドカーを見つけ
「珍しいですねサイドカー。私もサイドカーに乗っていたのですよ」という話をした。
サイドカー以外にもオートバイがたくさん並べられている。
壁の棚に置かれているオートバイはタイヤが、まん丸ではない。
「その方が躍動感があるでしょ?」
O氏も私も驚いた。
それらは買ってきたプラモデルではなく、ほとんどが自作された世界で唯一の物だったのだ。
しかも木工細工である事を知ると、その精密さと技術の高さに我々のテンションは上がる一方だった。
自然に質問が増え、それに淡々と答えるKAN氏。
「作りました」
と簡単に言うが、その出来具合によって超絶技巧とか職人技というような尊敬に値する言葉が浮かんだ。
作業は物を採寸し図面を起こしてから取り掛かるという。
しかし物は平面ではない。
その曲面を削りだすのはKAN氏のイメージや癖が入り込むものらしい。
それが全く違和感がない。
才能というものなのだろう。
「オートバイのフォークは細くて折れ易いから中に金属を通しています」
「スポークは1本1本ワイヤーと真鍮のパイプで作ります」
「車のエンブレムはアルミを切り、そこにエナメルで・・・・・」
これらを、こともなげに言う。
ミリより細い単位の仕事であり、どれだけの時間を費やせば完成するのか分からない。
「良い仕事」とはこの人の作ったものをいうのだと感じる。
O氏のモーガンも近々採寸するらしい。
たぶん素晴らしいKANモーガンが出来上がることであろう。
モーガンは元々手作りの車だから、いわばここにある模型に乗っているようなものなのだなと思った。
実車から模型ではなく模型を見て実車の存在が素晴らしく感じた珍しい体験であった。
住宅街にある個人宅だ。
いつもはスバル360を駐めている駐車場に私のSLKを入れた。
ブラックベリーの枝に注意が必要だった。
家に入るとショウケースが置かれていて中にはミニカーなどがひしめいている。
小学生の時からのコレクションだという。
私はケースの中にサイドカーを見つけ
「珍しいですねサイドカー。私もサイドカーに乗っていたのですよ」という話をした。
サイドカー以外にもオートバイがたくさん並べられている。
壁の棚に置かれているオートバイはタイヤが、まん丸ではない。
「その方が躍動感があるでしょ?」
O氏も私も驚いた。
それらは買ってきたプラモデルではなく、ほとんどが自作された世界で唯一の物だったのだ。
しかも木工細工である事を知ると、その精密さと技術の高さに我々のテンションは上がる一方だった。
自然に質問が増え、それに淡々と答えるKAN氏。
「作りました」
と簡単に言うが、その出来具合によって超絶技巧とか職人技というような尊敬に値する言葉が浮かんだ。
作業は物を採寸し図面を起こしてから取り掛かるという。
しかし物は平面ではない。
その曲面を削りだすのはKAN氏のイメージや癖が入り込むものらしい。
それが全く違和感がない。
才能というものなのだろう。
「オートバイのフォークは細くて折れ易いから中に金属を通しています」
「スポークは1本1本ワイヤーと真鍮のパイプで作ります」
「車のエンブレムはアルミを切り、そこにエナメルで・・・・・」
これらを、こともなげに言う。
ミリより細い単位の仕事であり、どれだけの時間を費やせば完成するのか分からない。
「良い仕事」とはこの人の作ったものをいうのだと感じる。
O氏のモーガンも近々採寸するらしい。
たぶん素晴らしいKANモーガンが出来上がることであろう。
モーガンは元々手作りの車だから、いわばここにある模型に乗っているようなものなのだなと思った。
実車から模型ではなく模型を見て実車の存在が素晴らしく感じた珍しい体験であった。