家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

材木が出て行く

2011-05-24 09:22:32 | Weblog
我が家の山から材木が出て行く。

森林組合が、ある事業の一環として無料で運び出してくれることになった。

私の手元には一銭も入らないが、それでも山がきれいになる。

一も二もなく「お願いします」と即答した。

監督と助監督以外は新人ばかり総勢7名体制で作業が始まった。

山のそこらじゅうに切り倒されたままの杉やヒノキ。

それらの枝をチェーンソーで払い4メートルに裁断する。

すると樹木は材木という役立つ物に変わる。

長さが揃った材木は鳶口を使って同じ場所に集められる。

集積された材木をラジキャリーという機械が吊り上げて山の下に下ろす。

ラジキャリーは山の上と下の2台のリモコンで操作される。

チェーンソーの音 鳶口が材木に刺さる音 ラジキャリーが移動する音。

我が家の山は、いろいろな音が響きあい活気に満ちている。

ラジキャリー用のワイヤー設置から始まった作業はとても興味深い。

山の男達は山の起伏や樹木の隙間をたくみに見極め、それを利用できる最善の場所を決める。

材木を下ろすとき他の樹を傷つけないように山に落ちている枯れ枝やロープを器用に利用して養生する。

倒木と枝を利用した長いハシゴも作った。

そんな昔からのやり方を近代的な機械が補助する。

そういう手馴れた作業は、とりもなおさず自分達の安全の確保に繋がっている。

たとえ無料であっても、この材木たちが世の中の役に立つほうが私は嬉しい。

使い物にならない材木が私の薪用として残されるようだ。

既に取り去られた倒木の跡は垢を落とした山肌のように見えて清清しく感じる。

1ヶ月に渡って作業は続くようだ。