野地板(屋根の下地板)を貼り終えた段階で変更が出た。
もう一本丸太を追加することにした。
早速丸太を切り出してきた。
太い所で直径14センチ長さ4メートルの丸太は思いのほかズッシリと重い。
皮むきをした場所から建設現場まで滑りやすい丸太を抱えてヨタヨタと歩いた。
一度地面に置いて息を整えけなければ、とてもじゃないが1回では運べない。
さて、この丸太をどのようにして適当な位置に組み入れるか、それも1人で。
野地板と骨組みの丸太の間に、うまく組み込めるだろうか。
「滑車だ。それしかない」と思いついた。
軒下の2本ある内の片方の木に、この丸太を立てかけた。
丸太の下にロープを巻きつけ滑車で吊り上げる。
物理の本に出ていた絵をそのまま現実化したようだ。
滑車に巻いたロープを引く。
「あらあら。見事に丸太が持ち上がる」
物理の本は嘘じゃなかった。
あんなに重かった丸太が、たった2個の小さな滑車のおかげでスルスルと持ち上がるのだ。
上に上がると同時に支点となった木の方向に丸太は移動する。
一旦そちらの方向に丸太を上げてしまってから次に手前の木の方向に丸太を下ろしながら木の下に通し最終的には真っ直ぐにする。
ちょうどカタカナのノの字を①左から右に書き次に②左に戻して少し長めに書き最後に③真っ直ぐに左から右に書く。
そんな3段階のイメージで作業を進めた。
ノの字の②段階のところで作業が止まった。
困っていたところに神様じゃなかったY爺さんが通りかかった。
「おーい。ちょっと知恵を貸して」
笑いながらY爺さんが現場を見に来た。
「ほう。どうやってこの丸太を上げた?」
「滑車を使ってここまでやったのだけどニッチモサッチモ行かなくなっちゃって」
「こりゃだめだ。入らんぞ」
Y爺さんの見立てで間違っていたことはない。
足場に乗って、やっとのことで吊り上げた丸太を二人で下ろした。
次にY爺さん主導で作業が始まった。
丸太を回しながら木と野地板の間に滑り込ませる。
次に私が支えているところをカケヤで叩き込んだ。
午前中掛かった作業を御破算にしてから40分で仕上がりの形になった。
大胆なやり方をするが足場に関しては細かく固定しなおして作業に入る。
この無理をしないで最大の力を出せる下準備が私のやり方とは違うと感じた。
あと少しだと思うと私は無理に続けてしまうし充分な力を出し切れない場面もある。
だが丁寧に仕上げたかったら、それではいけない。
正午のチャイムが山に鳴り響いてから30分以上も経過してから作業を終えることが出来た。
Y爺さんが帰りがけに滑車を見つけた。
「これで何かを吊るのか?」
私の話は聞いていなかったことが判明した。
もう一本丸太を追加することにした。
早速丸太を切り出してきた。
太い所で直径14センチ長さ4メートルの丸太は思いのほかズッシリと重い。
皮むきをした場所から建設現場まで滑りやすい丸太を抱えてヨタヨタと歩いた。
一度地面に置いて息を整えけなければ、とてもじゃないが1回では運べない。
さて、この丸太をどのようにして適当な位置に組み入れるか、それも1人で。
野地板と骨組みの丸太の間に、うまく組み込めるだろうか。
「滑車だ。それしかない」と思いついた。
軒下の2本ある内の片方の木に、この丸太を立てかけた。
丸太の下にロープを巻きつけ滑車で吊り上げる。
物理の本に出ていた絵をそのまま現実化したようだ。
滑車に巻いたロープを引く。
「あらあら。見事に丸太が持ち上がる」
物理の本は嘘じゃなかった。
あんなに重かった丸太が、たった2個の小さな滑車のおかげでスルスルと持ち上がるのだ。
上に上がると同時に支点となった木の方向に丸太は移動する。
一旦そちらの方向に丸太を上げてしまってから次に手前の木の方向に丸太を下ろしながら木の下に通し最終的には真っ直ぐにする。
ちょうどカタカナのノの字を①左から右に書き次に②左に戻して少し長めに書き最後に③真っ直ぐに左から右に書く。
そんな3段階のイメージで作業を進めた。
ノの字の②段階のところで作業が止まった。
困っていたところに神様じゃなかったY爺さんが通りかかった。
「おーい。ちょっと知恵を貸して」
笑いながらY爺さんが現場を見に来た。
「ほう。どうやってこの丸太を上げた?」
「滑車を使ってここまでやったのだけどニッチモサッチモ行かなくなっちゃって」
「こりゃだめだ。入らんぞ」
Y爺さんの見立てで間違っていたことはない。
足場に乗って、やっとのことで吊り上げた丸太を二人で下ろした。
次にY爺さん主導で作業が始まった。
丸太を回しながら木と野地板の間に滑り込ませる。
次に私が支えているところをカケヤで叩き込んだ。
午前中掛かった作業を御破算にしてから40分で仕上がりの形になった。
大胆なやり方をするが足場に関しては細かく固定しなおして作業に入る。
この無理をしないで最大の力を出せる下準備が私のやり方とは違うと感じた。
あと少しだと思うと私は無理に続けてしまうし充分な力を出し切れない場面もある。
だが丁寧に仕上げたかったら、それではいけない。
正午のチャイムが山に鳴り響いてから30分以上も経過してから作業を終えることが出来た。
Y爺さんが帰りがけに滑車を見つけた。
「これで何かを吊るのか?」
私の話は聞いていなかったことが判明した。