家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

隠れ家

2014-05-16 06:28:35 | Weblog
作業していると「ブーン」という大きな音が近づく。

スズメバチと同じくらい大きな音だ。

反射的に頭を低くして見上げるとクマバチ(クマンバチ)だった。

「これなら安全だ」と思って自分の作業に没頭する。

作業場所の辺りで頻繁に「ブーン」という音を聞く。

最近そのクマバチが何をしているかが判明した。

私の作った作業場に置かれている丸太に穴を開けていた。

つまり隠れ家を作っていた。

雨の当たらない場所にある丸太だ。

良い場所を見つけるものだ。

不動産屋さんを通すこともなく自己責任で適所を見つける。

作業所の骨組みである丸太と別の作業所に置いてある細めの丸太の2箇所に見つけた。

それぞれ2箇所ともクマバチが作業しているところを写真に収めさせてもらった。

彼らも一心不乱に穴あけ作業に没頭しているので近づくことは容易だ。

彼らは体が大きいので穴も大きい。

5円玉ほどもありそうな穴を開けている。

「隠れ家を造っているのだな」

と思ってみたが彼らにしてみれば「隠れているわけではないので隠れ家とは言うな」と言うかも知れない。

「棲家だ」

と言い直してみるが鳥や、その他の動物からは隠したいと思っていると考えるので少し隠れ家のイメージもあると思う。

先日杉の立木の中に生息するものを発見した。

草刈りをしていた時に偶然見つけた。

杉の皮に空いた穴の中に動くものがあった。

こげ茶色とベージュの色が変わる。

色の変化をずっと見ていたら最後にシッポらしきものがあった。

シロマダラという蛇で、たいへん珍しい種類らしい。

まだ生きている杉の木の中に生きた蛇が巣食っている。

杉の良い香りに満ち溢れ、暖かさと肌触りの良さを感じているに違いない。

こちらは紛れもなく隠れ家だ。

空いている穴の外から私が見ていることを知らない。

夜行性であるという奴は今眠りを貪っているだろう。

「邪魔しないよ」

大いに眠って欲しいと思った。