家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

走れる距離0Km

2018-03-20 12:34:08 | Weblog
メルセデス・ベンツAで東名高速道路を走っていた。

御殿場で遊んだ帰りだ。

ガソリン量が少ないことは走り始める時から承知していた。

静岡あたりで少し速度を落とすとリッターあたりの走行距離が13.5Km/Lから15Km/Lほどまで伸びた。

速度にして100Km/hから80Km/hに落とす。

途中で速度計を残り走れる距離に切り替える。

その頃のリッターあたりの走行距離は17Km/Lに伸びていた。

すると残り77Kmからぐんぐん増えて125Kmまで伸びた。

袋井の手前で決断を迫れられる。

走れる距離は50Kmで妻に聞いてみた。

「このまま行こう」

ということになった。

途中の標識で浜松ICまで10Kmだと分かった。

楽勝だという空気が車の中に漂った。

だが上り坂になると容赦なく残り走行距離が落ちる。

最後の坂を下り天竜川を渡ると浜松ICには楽に到達した。

ETCゲートをくぐると、そこは一般道。

いきなり信号で止まる。

走れる距離は、もう10Kmを割っていた。

走っては止まる、を繰り返すとメーターは残り3Km 2Km 1Kmと急速にしぼみ始める。

給油を促すサインの警告ランプは、わざとらしく明るく点灯し、フュエルゲージの針は、もうEマークから1mmも上に上がらない。

走れる距離0Kmとなったのは旧国1との交差点だ。

この先この立体交差点を超えると上り坂が待っている。

「たのむ。この坂だけは上りきってくれ」とハラハラし始める。

この坂を下ればマックの隣にガソリンスタンドがある。

3車線の上り坂の途中で一番左の車線に移っておいた。

見えたガソリンスタンドの煌々とした電灯が嬉しかった。

だが近づいてみると、そこは現在車屋さんになっていて給油機の在ったあたりには中古車がずらりと並んでいた。

二人共ゾーッとなった。

次のガソリンスタンドの光が見えていて何百メーターかをヒヤヒヤしながら運転した。

妻は自分が降りてガソリンを買いに行く心づもりであったという。

私も妻を車に残すか外に出して待たせるかは別として自分で買いに行くつもりだった。

満タンにした。

48Lの給油量だった。

ガソリンがあることのありがたさを、これほど強く感じたことはない。

いつも入れているガソリンスタンドまでの距離は1.1Kmだった。

帰宅して調べるとこの車のタンク容量は54Lだから残りは6Lあるはずだ。

6Lあれば最低でも60Kmは走行できる。

だが実際に最後の一滴まで走行できるのかは分からない。

いつも写真に記録する私だが、この場合は余裕がなくて撮っていない。

残り走れる距離0Km。