ズグロカモメ (頭黒鴎) は越冬のため主に九州に飛来する冬鳥 ですが、九州以外では 数少ない珍しい冬カモメ類です。
ズグロカモメの夏羽 は和名の通り頭部が黒いのですが、日本で見える冬羽 は頭部が白く、頭頂に黒色の線があり、眼後部にも黒い斑紋があります。
日本の冬カモメ類で最もポピュラーなのがユリカモメ ですが、ズグロカモメとの識別点は嘴(くちばし)の色です。 念の為、ユリカモメ(冬羽)を見ておいて下さい。(↓)
そうなんです、ユリカモメの嘴は赤い (朱色で先が黒い)のですが、ズグロカモメの嘴は黒い ので、簡単に見分けられます。
(↑)のズグロカモメの写真2枚では、薄茶色の羽が翼に残っているので、若鳥 だろうと思われます。
(カモメ類は2年目で成鳥になるので、幼羽、第一回冬羽、第一回夏羽、第二回冬羽と、茶色系統の幼羽から、徐々に灰色の成鳥羽が生えてきますので、写真の個体は第二回冬羽の初期段階だろうと思われます。)
ズグロカモメは、干潟や河口に住むカニが大好物で、空からカニを発見すると急降下して捕食します。 カニを銜えて飛び立つズグロカモメの姿が撮れました。(↓)
尚、ズグロカモメは日本では絶滅危惧II類 に指定されており、広島県での観察記録は極めて少ない珍鳥 です。。