昨日は、温暖化をエセ化学という説を取り上げましたが、これは、第2657回でドイツの失敗として紹介した説にも通じる環境派への逆風でしょう。
しかし、ドイツの強い意志はそんなことで揺らぐことはなさそうです。
ドイツ 「未来は原子力を必要としない」政務次官が、脱原発の重要性を訴える
ドイツ連邦環境省のミュラー政務次官は、1月15日、ドイツの電力供給が、将来、原子力発電の利用がなくても可能であることを強調するコメントを発表した。・・・中略
「学術的な研究により、最後の原子力発電所が閉鎖される2020年以降も、ドイツにおける電力供給は安定することが示されている。これは、再生可能エネルギーによる電力供給の増強とエネルギー効率の改善によって成功する。原子力発電の利用の延長は、分散型の賢明な解決手段を先送りにし、投資を遅らせることにしかならない。学者や全ての連邦議員団の代表者は、既に、原子力発電では、気候問題は解決できないことを確認している。
現在11%を占めている再生可能エネルギーによる電力供給は、2020年までに25%を大幅に超えることが見込まれている。ドイツ航空宇宙センター(DLR)の予測では、今後10年で、この割合は倍以上になる。これにより、ほぼ全てのドイツ国内の原子力発電所による電力生産は、代替されることになるであろう。・・・中略
未来の電力供給は原子力発電を必要としない。時代遅れの原子力エネルギーによる危機に身を晒す必要はない。そして、将来世代のために、これ以上、放射性廃棄物の山を築くべきではない」【ドイツ連邦環境省】
私など原子力発電が良いか悪いかの判断が付かずどちらかと言えば折角作ったものを捨てるのも勿体無いから現状維持も仕方ないかなという程度の消極的な賛成派といえそうですが、このドイツの原子力排除の意志の強さには考えさせられるものがあります。
日本の場合は、環境の為というより儲けの為に原子力発電所の建設に群がる政・官・財の考えを変えさせることが難しそうです。彼らの日本の未来より自分の利益には勝てそうもありません。その点、ドイツは大したものです。何が違うのでしょうか。
その利権に囚われない考え方の良い例がもう一つありました。
FujiSankei Business i.より 2007/2/21
ドイツのティーフェンゼー運輸相はこのほど、自動車税の課税基準を、従来の排気量から二酸化炭素(CO2)など有害物質の排出量に変更する意向を示した。地球温暖化につながる温室効果ガス排出削減のため、環境技術の開発や環境車への買い替えを促すのが狙いだが、独メーカーはエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車開発で後れを取っているだけに、トヨタ自動車など日本勢のシェア拡大につながる可能性もある。
同運輸相は独紙への寄稿で、「自動車メーカーは環境のために、より多くのことをする必要がある」とした上で、「最終的には消費者が利益を得る」と、課税基準変更の意義を強調した。また、ガブリエル環境相は「今年末までに変更は可能」と述べ、早期導入に意欲を示した。
欧州連合(EU)欧州委員会が自動車メーカーに対し、新車の排ガス規制を義務化する方針を示すなど、欧州では温暖化防止のため自動車の排ガス対策が注目度を増している。
一方、独メーカーはハイブリッド車開発で後手に回っており、同国では環境政党の90年連合・緑の党のキュナスト院内総務が先に、独メーカーが環境重視へ方向転換しなければ、トヨタのハイブリッド車を買おうと呼び掛けて物議を醸している。(ベルリン 時事)
凄いですね、ここまでやりますか。これが逆に日本の政府が日本の自動車メーカーの不利になるようなことだったら実行することは絶対に出来ないでしょう。この差は何なんでしょう。
2050年にこの差の結果はどう出るか。
又しても、楽しみです!