第2945回でも取り上げたバイオエタノールを食料品である穀物から造るのはどうも納得が行かないものがありますが、それをきちんとした根拠で反対してくれているところがありました。
「国際派時事コラム・商社マンに技あり!」より Aug 13, 2008
トウモロコシ農場経営者の票をあてにした補助金政策を下支えする 「なにが何でもCO2削減」 論だが、ものには限度というものがある。
トウモロコシから燃料用のエタノール (エチルアルコール) を作るのにつかう水の量を知って、たまげた。
米国エネルギー省によると、1リットルのエチルアルコールをトウモロコシから作るために2,000リットルの水が必要だ。
植物を育て、得られる植物油を加工して1リットルのディーゼル油をつくるためには、5,000リットルから10,000リットルの水が必要だ。
6月13日の 『ウォールストリート・ジャーナル』 紙上にネスレ社のブラベック・レトマット (Brabeck-Letmathe) 会長が寄せた Global Drying という評論 (Global Warming の もじり) で、この驚きの数字を知った。
農業が いかに多くの水を使うかの表れで、朝な夕なの食べ物もものすごい量の水の産物と思うとありがたみが増す。
食糧・食料を粗末にしてはならぬというのは本能に裏打ちされた思いだけど、それは食物の背後にある膨大な水の幻影を見るからだろうか。
地球の危機は、温暖化ではなく真水不足にあり。
温暖化で死者は増えないが、農業用水の不足、食べる糧の欠乏は人民を滅ぼす。
いま行われているような、食糧・植物油からつくる 「バイオ燃料」 は、非道と言わねばならぬ。
「化石燃料をだいじに使う」 という常識の健全さ。
これは良い視点ですね。バイオエタノールを造るのに水をこんなに使うとは想像もしませんでした。それでなくても穀物を育てるには大量の水が必要だし、今やその水不足が世界的にも問題になっているというのに、こんなに大量に水を使うことが許されるわけはありません。
しかし、これは食糧になる穀物からバイオエタノールを作ることに対する強力な反論に使えますね。このことを世界中に知らせることができればバイオエタノールの製造を中止させることができるかもしれません。
とは言いながらも、こんなことをやっている人たちは食糧にも水にも困らない一握りの人たちでしょうから世界中の弱者が声を上げても知らん顔なのでしょうね。
どこかおかしい!