直流ハウスを2日間取り上げましたが、こうしたシステムが本当に広がるためには現在の電力会社との折り合いをどうつけるかの問題がありそうです。近頃は、大規模太陽子発電を計画しているようですが、基本的には日本の太陽光発電の発展の足を引っ張っている電力会社がどう動くかが大きく影響してきそうです。
何時もの市民のための環境学ガイドに興味深い話題がありました。
必要なとき、必要なところで、必要なことだけ 10.19.2008
・・・略
C先生:社会システムが相当変わることになる。ということで、電力がどう変わるかを検討しよう。
A君:電力における「必要なとき、必要なところで、必要なことだけ」とは何か。
B君:超長期を考えると、当然のことながら、再生可能エネルギーが大量に電力系統に接続されることになる。ゆらゆらと揺らぐ再生可能エネルギーなだけに、それをある程度平滑化しないと、場合によっては使いにくいものになりかねない。
C先生:現時点の日本の電力会社は、世界最高の品質の電力を提供していると自慢している。しかし、それが本当に必要なのか、というのが問題点。
A君:停電をしないという意味でも日本の電力は世界全体とは完全に違ったレベルの品質を提供している。
B君:日本では当然だと思われているが、世界の標準から言えば超超驚異的な、年間に1~3分間(台風や落雷などの災害時を除く)が平均停電時間。
A君:途上国などでは、何の前触れもなく、停電するのが当然。日本では、停電してしまうと、補償も大変なのでは。
B君:電気は常時来るのが当然、電圧も100V、周波数も50あるいは60Hzぴったりが当然。
C先生:周波数を維持するのは結構大変で、大型の発電機などが、すべて同じ回転するでぐるぐると回っているという図を想像すると、それらのスピードが狂いだしたら大変そうだと分かるだろう。
A君:しかし、ユーザ側から考えると、周波数が1Hzぐらい狂ったところで、あまり問題はない。モーター類は、50Hzと60Hzで出力が違うことからも分かるように、ほんの少々影響はあるが、通常の電源であれば、大丈夫。それなりの工夫をすれば良い。特に、ノートパソコンのように、何ボルトでも動作するようになっているものは、電池もあるし、全く問題はない。
B君:そうなると、適当にふらふらする電源でも、それをマイクログリッドでも作って、揺らぎを防止することが可能。
C先生:電気自動車の電源にもなる高温型燃料電池は、電圧変動への追従などの速度も優秀だから、家庭用マイクログリッドを構成するには好都合。なんらかの燃料を燃やしながら発電して、電源の揺らぎを抑えることが可能。
A君:となれば、電力会社が提供する電気はもともとフラフラという前提で設計すれば、それはそれなりに実現も可能だし、対応も可能。
B君:各家庭が自家発電装置をもって、また、電気自動車のバッテリーも平滑用に使用できるので、現時点とは全くことなった電力供給システムが実現可能。
C先生:電力は、まずは、量的に十分であること。さらに、再生可能エネルギーを大量に導入すること。という2つの条件を満たしたもので良さそう。それが「必要なとき、必要なところで、必要なことだけ」を提供する電力。それに、家庭内で様々な装置が組み合わされて、その家庭に適した品質の電力が供給される。・・・以下略
参考:NEDO→ マイクログリッドとは
過度な品質も良し悪しというところでしょうか。何事も適当が良い。それが揺らぎでしょう。
それにしても、私のような素人が心配しなくても頭の良い人達が既に考えているんですね。ただ、残念なのはそのスピードが余りにも遅いと言うことでしょう。個人的なことであれば、私のマアいいか精神で「やってから考える」でも十分対処できるのでしょうが、こうした大きな問題となるとそうも行かないのでしょうね。そうは言いながらもやはりスピードは大切です。どんな良い事も時期を失しては効果は半減でしょう。
いずれにしても、これからの地球の進むべき方向は自然エネルギーの利用であることは間違いないと思います。そのためには良さそうなことは兎に角早く始めることです。修正しながら最終的に良い方向に行けば良いのじゃないでしょうか。
楽観に過ぎますか!