捨てられるだけで利用価値がなかったカニやエビの甲羅や皮(外骨格と言うそうで す)からキト サンなる色々と役に立つものが取りだせると話題になったのは何時のことだったでしょう。あのころか ら、捨てられるものから利用価値のあるものが取り出せるという話題が増えたような気がします。捨てるのはその利 用価値が分からないだけであって、地球に存在するものは全て何らかの利用価値があるのかもしれません。
これからも、あっと言うような話題が出てくるんでしょうね。そんな思いを持っていたら、カニの甲羅が又利用 価値があるとの記事がありました。
マ イナビニュースより 6月22日
スタンフォード大学の研究者らは、リチウムイオンバッテリーの性能向上につながる研究結果を「Crab Shells as Sustainable Templates from Nature for Nanostructured Battery Electrodes」として発表した。リチウム イオンバッテリーのナノサイズ電極の製造にカニの甲羅を活用するというもので、実験レベルで高い効果が確認され たという。
リ チウムイオンバッテリーの電極に硫黄またはシリコンを使うと蓄電容量を大幅に増やすことができるが、この方法は バッテリーの寿命を短くするという欠点を抱えている。研究者らは、これを解決する方法としてカーボンナノチュー ブのような素材の中に電極を閉じ込めることで劣化を防ごうというアイディアを考案した。
研究者らは製造方法としてカニの甲羅を活用する方法に注目。カニの甲羅はナノチューブ状態のちょうどよいサイ ズの穴が規則正しく無数に空いており、この中に硫黄やシリコンを詰めてナノチューブサイズの電極を製造したとし ている。実験結果は良好で、硫黄電極で1230 mAh/g、シリコン電極で3060 mAh/gを計測したとしている。また、200回の充電と放電後の劣化は、硫黄電極で60%、シリコン電極では95%という大幅な改善が見られたと説明が ある。
カニの甲羅はこれまで一部を除いて廃棄処分されている。資源として量も価格も製造に適用しやすい。 (後藤 大地)
まさかリチウムイオン電池にカニの甲羅が出てくるとは思いませんでした。リチウム イオン電池は第 4424回や第 4606回などで何度も取り上げてきたように電池としては今のところ最高の性能ですが、エネルギー 問題を根本から変えることができるところまでは行っていません。他にも色んな電池の話題が出ますが、リチウムイ オン電池に勝るものはまだないようです。ということは、地球の未来を救う電池の本命はリチウムイオン電池が今の ところ一番先頭を走っているのは間違いないでしょう。それだけに、画期的な技術で一気にブレークするのを期待し ています。このカニの甲羅がそうなってくれることを期待したいものです。
それにしても、研究者の方たちがこうやって地道に努力してくれている限り、何時か地球を救う画期的な電池が 開発されるでしょうね。
頑張ってください!