日本以上にChinaに取り込まれたドイツが、とうとう南シナ海へフリゲート艦を派遣するようです。
一見、Chinaに歯向かうように見えますが、果たして本音はどうなんでしょう。メルケルさんが本当に引退すればその意図も見えてくるのでしょうか。
宮崎さんが詳しく書いてくれています。Chinaがこれに対して静かなというのも不気味ですね。ちゃんと裏で手を繋いでいる可能性もありそうです。
と言うか、その恐れの方がありそうな気がします。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和三年(2021)8月4日(水曜日)
通巻第7006号
ドイツ海軍、南シナ海へフリゲート艦を派遣
中国は意図的にか沈黙。ドイツの鵺的行動をどう見るか
8月2日、ドイツ海軍はインド太平洋地域にフリゲートを派遣したと発表した。
フリゲート「バイエルン」は北海に面するウィルヘルム・スハーフェン港を出港し、インド太平洋地域において存在感を示威す る。南シナ海を通過するに前後して、シンガポール、韓国、オーストラリアを経由するという。
このフリゲート艦は1996年に就航、4900トン、乗員は380名、ディーゼル駆動で、全長が139メートル。29ノッ ト。日頃はアドリア海に配置されてきた。
これをどう見るべきか。短絡的にドイツもとうとう西側の一員として、米英主導の中国包囲網に加わり、日米豪印のクアッドの 動きに触発されてのことなのか、どうか。
ドイツは中国との経済的関係を維持するため、英仏の南シナ海派遣を横目に、決定を大幅に遅延させてきたが、メルケル政権の 黄昏が視野に入り、反メルケル政治勢力の反撃のチャンスが、このフリゲート派遣に繋がった。
ドイツ国防大臣は女性のウルズラ・ゲルトルート・フォン・デア・ライエン(EC委員長をつとめた)。しかも反メルケル派 で、はやばやとドイツ海軍の艦船派遣を唱えてきたが、ドイツの政界はなかなかまとまらなかった。
またNATOの重要なメンバーとしては、大勢がアンチ北京の雰囲気となってきたので、アリバイ証明的にNATOの一員の義 務を演じる必要があったのだろう。
こうしたドイツの鵺的行為に対して、中国はいまのところ沈黙している。
さて、ドイツはChinaとの共倒れになるのか、それとも上手く逃げることができるのか。
尤も、それは日本も同じでしょう。