大判カメラや大判用のレンズは、感度が低く引き延ばしができないために、作品大のネガが必用なオイルプリントのために入手した。その後、印刷用のフィルムを使用することによりその問題は解決したが、それを作る街の施設もなくなり、現在はインクジェットでネガが作れるようになり大判カメラの出番はなくなった。 肝心の人形の撮影も、人形として撮るならまだしも、人間として撮るには不向きと思われ、一度として満足する撮影はでlきなかった。人形を人間として撮るには人形に対して大判カメラは巨大に過ぎることがあろう。さらに動かない人形を前に、三脚に大きなカメラを乗せて、ピントを合わせたり準備をしているうちに、どんどんシャッターチャンスが逃げて行く気がするのである。 自作のジャズマンの像を一眼レフで撮り始めた頃、自分で作った背景の前に人物を立たせ、三脚を使って自然光で撮影した。なかなか面白かったので、明日もう一度撮ろうとそのままにし、翌日同じ時刻、同じ光の元に撮ろうとしたが、どうも面白くない。理由が判らず考え込んでしまったが、結局、人形はピクリとも動かず現場は昨日と同じだとしたら、昨日と変わったのは私自身であろう。つまりシャッターチャンスは自分の中にこそある。以来、カメラを持った私がいきなり被写体と出会った、という気分で撮るようになり、三脚は使わなくなったしレフ板も使わない。また、動かない人形を撮るためには、撮影者は多少オッチョコチョイなくらいの設定のほうが良いようである。
オイルプリント制作法
インキング映像↓
http://youtu.be/kZozcEqgKsE
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