英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

背景知識の強化

2023年06月26日 | 英語勉強法

今日の朝刊で、次の記事が興味を引きました。

英国の名門ラグビー校で逸話再現 競技発祥200周年でイベント

【ラグビー(英国)共同】1823年にラグビーが発祥したとされる英国の名門ラグビー校で24日、競技発祥200周年のイベントが行われ、起源とされるウィリアム・ウェブ・エリス少年がボールを抱えて走り出した逸話を同校の生徒が当時の服装で再現した。

エリス少年がフットボールの試合中にルールを破ったことが競技の始まりとして語り継がれる。それから現代までの競技発展の歴史を男女約300人の学生が演じた。

逸話の真偽は定かではないが、W杯のトロフィーは「ウェブ・エリス・カップ」と名付けられている。校長は「200周年の節目にフランスでW杯が行われるのは偶然とはいえ運命的でもある」と語った。

 

この記事を読んで、2018年度長野県公立高校入試の長文を思い出しました。まさに、今日の記事と同内容が長文読解として出題されています。

英語の長文読解を苦手とする人は多いですが、それは英語力そのものの他に、その英文内容についての背景知識を持っていない場合がほとんどです。普段から新聞を読み、ニュースを見聞きし、興味を持ったものについては、もちろん日本語でいいので書籍を読むなどして更に掘り下げておくのが大切です。高校時代、大学受験には使わないからと、当時必修だった物理や日本史の時間に英単語を暗記するなどの"内職"をしていました。しかし、大人になってから気づいたのは、科目間をまたいだ学際的な知識こそ本物の知識だということです。

英語以外の科目や受験に使わない科目もきちんと勉強しておくと、英語に役立つ時が必ず来ます。

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知の宝庫たる紙辞書

2023年06月22日 | 英語勉強法

デジタル時代になっても、私は英語の辞書だけはアナログ派で紙辞書を愛用しています。その理由は、引いた英単語に関連する用例がイディオムが一目瞭然となるからです。電子辞書だとキーを押さないとそれらが見られないので、ひと手間ふた手間かかります。また、辞書にもよりますが、その英単語に関する豆知識が載っていて、暗記の助けになるからです。

私が愛用している紙辞書は、高校時代から現在に至るまで研究社の『ライトハウス英和辞典』の流れを汲むものです。特に最近使っている『コンパスローズ英和辞典』は、これまでの『ライトハウス』の集大成のような感じで、英語と共に生きてきた私には欠かせない辞書になっています。

その紙辞書で最近見つけた豆知識を紹介します。enormous(巨大な)は大学受験では基本単語であり、私は三十年以上も前に英単語集で覚えたので、辞書で引いたことがありませんでした。しかし、改めて引いてみると次のような記述があります。

語源:ラテン語で「標準(norm)からはずれている」の意。

思わず手を叩いて、「なるほど!」と叫んでいました。英検準1級以上を目指すなら必ず覚えなければならない norm(標準)。それに「外へ、はずれている」を表す接頭辞 e- がついている。もちろん、norm を知らなかったら、この記述を読んだことで覚えるチャンスが出てくるわけです。

大学受験英語指導の道を歩み始めて約二十年が経ちますが、IT化・デジタル化する世の中の趨勢と共に、紙辞書を引く高校生を目にすることが皆無になりました。電子辞書を引く生徒すら少数派に思えます。高校で配布される英単語集で調べたり、スマホで調べたり、教科書準拠のワークに全て英単語の意味が載っていたり・・・。便利なことは確かですが、思わぬ知識を得られる機会を自ら放棄しているように思えてなりません。

もし本気で英語を極めたいのなら、紙辞書に戻ってみましょう。そこは思いもよらぬ知の宝庫だと気付くのに、たいした時間は必要ないはずです。

大学受験時代に愛用していた『新英和中辞典』

私は引いた単語すべてに赤鉛筆で線を引きました。表紙もとれてしまい、大学に合格したころにはボロボロになってしまうくらい、辞書を引きまくっていました(^^)

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音読の効用

2023年06月17日 | 英語勉強法

昨日のTBS「THE TIME,」のコーナー「全国!中高生ニュース」で、芝浦工業大学柏高校の生徒が、英単語の暗記における音読の有効性を、独自のやり方で検証している様子が放送されました。

結果は、15点満点の単語テストで、

音読した人 → 8.88点

黙読した人 → 5.57点

となり、音読の効果が証明されていました。

 

ただ、彼女が暗記の検証に使っていた英単語がかなりのレベルでした(笑)。

 

bureau「事務所;(官庁の)局」

sturdy「丈夫な」

brutal「残虐な」

redeem ~「~を補う、~を取り戻す」

sequel「続編」

revoke ~「~を取り消す」

 

音読は英語力の根幹を作り上げてくれます。正しい音読のやり方を以下にまとめておきます。

①構文(or文型)を精読し、一つ一つの単語の発音まで理解したうえで声に出して読む。

②音読する時の切れ目は、意味の切れ目。

③音読しながら、同時に、頭の中では日本語に訳していく。

④すらすら読めるようになるまで、同じ英文を20~30回読み込む。

⑤音読した回数を正の字(tally)で記録し、努力を可視化する。

ただ闇雲に音読しても意味はなく、英文構造を明確に理解した英文を音読することで正確な速読力がついてきます。①を独学でやることは難しい場合がありますので、英語力のある指導者に見てもらうことも必要ですね。

日々地道に取り組んで、揺るぎない本物の英語力を培いましょう。

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安易な方法はない

2023年06月16日 | 英語勉強法

授業で扱った英文に in vain(無駄に)が出てきて、大学時代に受からなかった英検準1級二次試験のことを思い出しました。

大学3年の時、4~5回目の挑戦でようやく準1級一次試験に合格し、二次試験を迎えることになりました。当時、二次対策の教本は一冊しかなく、ましてやネットのない時代。対策ができないまま時間だけが過ぎていき、一次試験免除の最後の二次試験を迎える時期になりました。そんな時、高田馬場駅近くにある「英検1級塾」が短期の準1級二次対策講座を行うことを知り、駆け込み寺的に申し込みました。

当時の準1級二次試験は4コマ漫画のストーリーを英語で述べるもの。対策講座の最初の授業で扱った過去問の模範解答に「He tried to do it, but in vain.」とあり、担当の先生が「in vain は使い勝手がいいですよ」と教えてくれました。

「よし、in vain を覚えておけば受かるな」と安易な考えしかもてない私。もちろん、本番で in vain を使うような4コマ漫画が出る保証もないのに・・・。振り返ってみると、対策講座を受ける意味を「楽に受かる方法を見つける講座」と勘違いしていました。だから、講座を受けるだけで安心して、自学で努力することはありませんでした。情けない・・・。

だから自信を持てずに二次試験当日を迎えました。会場に向かう途中、先に終えた友人に出くわし、試験の内容を聞くと「ぬいぐるみのイラストが出てきて英語で言えなかったよ」と言われ、慌てて駅前の本屋に駆け込んで和英辞典で「ぬいぐるみ」を引き、stuffed animal を覚えて会場へ急ぎました。

stuffed animals

そんな付け焼き刃的なことで受かる訳もありません。そもそも、試験の時間が違えば問題のカードも違うわけですから、同じイラストが出るわけもありません。案の定、不合格となり、まさに「in vain」。大学時代に英検準1級合格はできず、社会人となりました。

 

英検に受かるための、いや英検に限ったことではなく、英語ができるようになるための楽な方法はありません。

暗記は不要。辞書は引くな。 聞き流すだけ。文法よりも会話。間違ってもいいから話せ。

小6から英語の勉強を始めて40年、英語指導に携わって20年が過ぎましたが、これらの言葉を鵜呑みにして英語ができるようになった人に、いまだかつて会ったことがありません。安易な勉強法は必ず in vain な結果となります。私の経験を反面教師として、当塾に通う生徒さんには本物の英語力を身につけてもらいたいです。

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多忙は充実の裏返し

2023年06月15日 | 英語勉強法

ジメジメとしたいかにも梅雨らしいお天気が続きます。昨日はそんな高湿度の中、午前中に12kmを走りました。ラン後は汗だくのサウナ状態となりますが、庭で散水用の水シャワーを浴びて、心身ともにシャキッと整いました。

Alstroemerias in full bloom

庭ではアルストロメリアとパクチーが競演して咲き誇り、郵便局から無料で配られていたルッコラも芽を出しました(*^^*)

「芽を出す、発芽する;新芽」は英語で sprout。「もやし」は bean sprouts です。アメリカのスーパーでも bean sprouts はよく見かけますから、生活英単語の一つとして覚えておかなければなりません。

さて、新年度も3ヶ月目に入っています。学校では定期考査の時期となり、勉強方法や生活習慣を見直したり、高3生は進路についても本気で考えていく時期ですね。その一方で、高校ではインターハイの県大会や文化祭の時期を迎えます。あれもこれもしなければならない忙しい時でもありますが、多忙は充実の裏返し。目の前の課題一つ一つに真正面から向き合って、その瞬間を享受しましょう。

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英字新聞を読みましょう

2023年05月28日 | 英語勉強法

英語力の根幹をなすものは、今も昔も変わらず「読む」力です。書かれている英文が瞬時に正確に理解できなければ、書かれておらず聞いた先から消えていってしまうリスニングなんてできるようになるわけがありません。

英文を正確に直読直解できるようになるために、語彙・文法を学び、読解力をつけていくのですが、一度培われた力を維持・向上させていくためには、多量の英文を読む必要があります。私の場合は毎日定期講読している英字新聞を読むことが日課となっています。

時事的な英語に触れられるほかに、日本語で日常的に使っていることを英語でいかに簡潔に表されるか、そして、知っている語彙が頭の中でリサイクルされ、自分のものになっていく感覚を享受できます。

今週の英字新聞で気になった語彙や表現です。

coils of insect-repellent incense「蚊取り線香」

 

 

I had goosebumps the entire time.「ずっと鳥肌ものでした」

 

 

succulent「みずみずしい」「多肉植物」

 

coil、goosebump、succulent。いずれも既に知っている単語ではありますが、生の英語の中で再会は、何物にも代え難い喜びです。

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アツい言葉を受け止めろ!

2023年05月26日 | 英語勉強法

濵﨑潤之輔著『Hummer流 英語勉強法』を読了。

今や日本のTOEIC界でその名前を知らない人はいないHummerさんが、自身の勉強と指導経験を基に書き下した英語勉強指南書です。

古くは大学受験の勉強法から記されていますが、Hummerさんが34年前に投稿されたエール出版社の『私の早慶大合格作戦 '90年版』を大学受験時代に数百回も読んでHummerさんと同大学同学部同学科の3年後輩となった私にとって、当時の勉強法を読んでいて、暖かくほっこりとした気持ちになりました。

また、HummerさんがTOEICに挑戦し始めた2007年頃からはブログを通して交流させていただき、満点に至るまでの圧倒的な努力の過程も知っていたので、読んでいて体の芯からアツくなるものを感じました。

そして、優しい言葉で読者に語りかけながらも、後半に向かっては「人生はあまりにも短いのです。とにかくやるしかないのです。気合いを入れていきましょう」「すべての時間を(『FACTBOOK これからの英文法』の)読書にあてるのです」「1つの英文につき100回音読」など、努力を積み上げいかなければ英語は出来るようにならないという当たり前のことが、Hummerさんの言葉で、英語学習者の精神を揺さぶるかのように書かれています。

英語勉強指南書を読む人の多くが勘違いしているのが、英語ができるようになるための「楽な方法」を模索しているという点です。断言しておきます。効果的な方法はあっても、楽な方法はありません。

日々やると決めた勉強ノルマをきちんと積み上げていけますか?その覚悟を持って英語を勉強してください、というHummerさんのアツい言葉を受け止められた人だけが、英語を通して己の人生を切り開いていけるでしょう。

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その一冊と心中する覚悟

2023年05月20日 | 英語勉強法

TOEICで990点満点を目指していた2012年11月23日から、公式問題集等のパート3と4のスクリプト各1セットを10回ずつ、計20回音読するのが日課になっています。もう11年半以上、一日もサボらずに続けている私のルーティンですが、今週、『公式問題集 9』パート3・4の全スクリプトの100回音読を、半年かけて終了しました。ここから更に回数を重ねて掘り下げていきます。

同内容のことをツイートしたところ、いつも以上に多くの方から「いいね」をいただきました。

そして、改めて気づいたことですが、TOEIC関連のツイッターを見ていて、公式問題集を徹底的にやり込んでいる投稿が少ないのも気になりました。アップされている写真に写っている公式問題集が新品同様でやり込んだ形跡がなかったり、そもそも、公式問題集を持っていなかったり。これまでの指導経験上、点数に伸び悩んでいる学習者のほぼ100%が、公式問題集を1~2回やっただけでやった気になっていて、次の問題集に手を出しています。

 

なぜその選択肢が正答になるか解説できますか?

その他の選択肢がなぜ誤りか説明できますか?

パート7の本文に出てきた知らない英単語をピックアップして覚えましたか?

その英文構造、文法的に理解できていますか?

It took us by surprise.(それには驚いたね)のように、パート2の応答問題で出てきた使えそうな表現を覚えましたか?

パート3・4のスクリプトを、本人になりきって数十回音読しましたか?

 

TOEIC高得点のために求められる姿勢はただ一つ、凡事徹底です。公式問題集に限ったことではありません。一冊すら使い倒せていないのに、二冊目・三冊目に浮気したところで、スコアは頭打ち(level off)です。

今手元にあるその一冊、完璧に使い倒せていますか?

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「1」のつもりが「10」になる

2023年05月19日 | 英語勉強法

英語とランニングは似ている。

「今日は疲れているから休んで、明日やろうかな・・・」と思った時、ほんの少しだけでも積み上げることができるか?

例えば、毎日やると決めたルーティンが「10」だとする。部活、仕事、飲み会、旅行など、学生でも社会人でも、その日のルーティンを先延ばしできる言い訳はいくらでもある。

でも、そのサボろうとする己の弱い心に打ち克って、「1」だけでもやってみようと、ほんのちょっとだけ動き出してみる。そうすると、いつの間にか「5」もやっていたりする。

「よくやったぞ、自分」と自分を褒めてみる。その繰り返しだけで、半年後、一年後の自分は変わっている。

更なるレベルアップを目指して10kmを45分以内で走るトレーニングを続けている最近は、疲労もたまり気味。真夏日となった昨日と一昨日は熱中症の心配もしなければならず、休足日にしようと思えばできました。でも、とりあえずは1km走ってみた。キツかったけど、暑さの中で目標に向かって頑張っている自分に自信が出てきて、3km、5kmと距離を重ねて、気づいたら10kmを44分13秒で走っていました。

暑さの中でもしっかりと走り込み、来月のハーフマラソンに備えます。

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「がっかりの連続」を乗り越えて

2023年05月11日 | 英語勉強法

今週8日(月)のNHK「あさイチ」で、大人になって新たな知識やスキルなどを学習する「学び直し」が特集されていました。

ゲストは女優・いとうまい子さん。45歳で早稲田大学人間科学部eスクール(通信教育課程)に入学し、見事に4年で卒業。現在は博士課程で予防医学やアンチエイジングの研究を続けている、まさに「学び直し」の front runner とも言える人です。

番組の中で特に気になった言葉を紹介します。

 

①歳を重ねてからの学び直しは、記憶力が落ちていることなどもあり、学んだことをすぐに忘れてしまい、がっかりの連続。

②でも、毎日少しでも継続していけば、必ず道は開ける。

③目標達成のためにその目標を公言することで、協力が得られる。

④同じ目標の仲間をつくる。

 

①②について。社会人の方に英語を指導していると、伸びていく人と停滞したままで学び自体を止めてしまう人に二極化します。学生の場合は、当初停滞気味でも、曲がりなりに伸びていきます。学生は本業が勉強ですから、嫌でも毎日テキストを開かざるを得ません。結果的に、少しずつでも勉強の積み上げになっているんですよね。

社会人の方は仕事の合間に勉強をするわけですから大変です。「疲れているから今日くらいはやらなくても・・・」という時に、毎日やると決めたことを5分でもいいから日々継続できるか。すべてはここにかかっています。

③④については、今の時代はSNSを上手に使いこなせるといいですね。今週は4月に行われたTOEICの結果発表があったのですが、私のTwitterのTL(タイムライン)には、点数の結果報告されているツイートがひっきりなしに流れてきました。そのほとんどの方が点数を伸ばしていて、驚かされます。顔見知りじゃなくても、目標を同じくしている人がいると分かると「私も負けてられない。頑張らないと」とモチベーションは必ず上がり、日々の勉強の積み上げにつながり、結果として英語力が伸びていきます。

新年度から一ケ月が過ぎ、GWも終わり、4月当初のやる気と新鮮さが薄らいで、五月病という言葉を耳にする時です。こんな時こそ、もう一度今年度の決意を思い出して、毎日の「少し」を積み上げていきましょう。道は必ず開けます。

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