英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

『700選』の不易の力

2023年10月24日 | 英語勉強法

私が大学受験生だった33年前、当時最も取り組んでいたのが『基本英文700選』(駿台文庫)でした。

大学受験時代に使っていた初代『基本英文700選』

現在の私の英語力の根幹を作ってくれた一冊とも言えますが、2018年11月19日から新版の『新・基本英文700選』の一日100英文音読を始めました。一日100英文×7日=700英文、つまり、一週間で一冊を一周するのですが、一日をサボることなく継続してきて、今週で258周目に入っています。

これだけ音読していると、覚えようとしなくても覚えてしまい、何気なく英文をつぶやいていることも多くなります。

例えば、584番の英文。

No amount of wealth can satisfy a covetous man. Not all the treasure in the world makes him happy.

(どんなに財産があっても、貪欲な人間は満足できない。世界中の財宝を集めても幸福にはなれない)

部分否定の大事な構文ですが、例文中の covetous(強欲な)、まずもって大学受験用の単語集には載っていない難度の高い英単語です。ところが、これだけ音読を繰り返していると、当然に文中の英単語も完璧に覚えてしまいますから、難しく感じなくなります。

以下は、今月8日に行われた英検1級一次試験の語彙問題です。

Unlike many journalists,Charlotte has never ------- an award. "I don't need a prize to know that my work is having a positive effect in my community," she said.

1 donned

2 ruptured

3 pruned

4 coveted

正解は 4 coveted です。『700選』の英文中の covetous の動詞形です。この問題を解いていた時、「あー、これは covet(~を強く求める)だな。『700選』に形容詞形が出てきていたな」と即答でき、この英単語が自分のものになっていることを実感しました。

 

一冊を繰り返すことで、気づかないうちに英語力が上がります。あれやこれやと参考書や問題集に手を出すのではなく、「これっ!」と決めた一冊を、もっと、もっと、もっと繰り返してみましょう。その都度新しい気づきや発見があり、そこから加速度的に英語力が伸びていきますよ(^^)/

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英単語を覚えたければ、カタカナを掘り下げろ!

2023年10月14日 | 英語勉強法

今月8日(日)に行われた2023年度第2回実用英語技能検定の問題がHPにアップされました。

難関大学を目指す高校生の英語力の目標となる準1級の語彙問題を解いてみました。今回気になったのは、日本語として普段使っているカタカナが正答の単語になっているパターンが多いということ。カタカナもきちんとその語源を掘り下げていけば、英語の語彙力増強につながります。以下に、今回の英検準1級の語彙問題で正解の英単語と、その単語がカタカナとして使われている日本語を記します。

valve → バルブ

partition → パーティション

condense → コンデンスミルク、コンデンサー

grip → グリップ

summit → サミット

idle → アイドリング

ample → アンプ

 

パーティション

 

「アイドリング禁止」の看板

 

結構な頻度で耳にするカタカナです。コンビニの駐車場に行けば、「アイドリング禁止」という看板をよく目にしますが、アイドリングの語源が気になって調べれば、英単語も覚えられるんですがね~。そうやって、ちょっとした行動を心がけ、積み上げていける学習者の英語力は必ず伸びていきます。

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「洗濯バサミ」と「蕎麦」を英語で言えますか?

2023年10月13日 | 英語勉強法

今朝、洗濯物を干している時、洗濯バサミを見てふと思いました。「洗濯バサミ」を英語で言える高校生が何人いるだろう?

「英語が苦手です」と嘆く生徒は多い。そのすべてが、苦手ではなく勉強していないだけ。英語の勉強の基本は英単語の暗記。つまり、英語の語彙力が圧倒的に不足しているのです。単語集で覚えるのも大事ですが、身の回りにある物を英単語で言えるようにするのも一手です。

clothespin「(米)洗濯バサミ」

clothes peg「(英)洗濯バサミ」

 

これから蕎麦が美味しくなる時節、長野県民であれば、”蕎麦”を英語で言えなければ、外国人とのコミュニケーションが成り立ちません。

buckweat「蕎麦」

Ruby-red buckweat in Minowa, Nagano Prefecture

 

英単語の暗記は工夫と努力。例えば、一つの短い英字新聞の記事でも、精読して、知らなかった英単語を抜き出してカードにして覚えるといったような工夫と努力しなければ、いつまで経っても英語は出来るようになりません。

2021年9月30日付 The Japan News より

 

stroll「散歩する、ぶらつく」

blossom「花」

cultivate ~「~を耕す、~を栽培する」

idle land「遊休農地」

take measures「対策を講じる」

mitigate ~「~を和らげる、~を抑える」

 

この短い記事でも、大切な語彙をたくさん覚えることが出来ます。stroll に -er をつけた stroller なら「散歩する人;ベビーカー」でTOEIC頻出語です。

blossom を覚えたなら、ラグビー日本代表の愛称「Brave Blossoms」に結びつき、brave(勇敢な)も覚えられるでしょう。さらに、反意語の cowardly(臆病な)も覚えられたら最高ですね。

idle(怠けた)と同音の idol(偶像;アイドル)が気にならなかったら、英語力はまだまだです。

take measures もTOEIC頻出、mitigate はTOEICパート5の語彙問題に出てきそうですね。

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小さな一歩を積み上げる

2023年10月11日 | 英語勉強法

Facebookの「Basic Physics-Maths」というページに、こんなイラストが載っていました。

大学受験の指導現場にいると、このイラストの意味することがよく分かります。高い目標に早く届きたい気持ちから、向かって右側のようなアプローチをする生徒が多いです。英語に関していえば、やたら問題集を解いたり模試は受けるが、答え合わせを表面的にし、分かった気になっている。時間をかけた割りには力はついていない。まさに現役時代の私の姿・・・(苦笑)。

左側のアプローチは、基本英単熟語を日々覚え、既習英文を何十回も音読をし、問題集や模試を解いたら解答解説を読み込み、正解した問題も正解に至るプロセスが正しかった確認し、知らなかった英単語は書きまくって覚える。浪人時代の、そして、TOEICで満点を目指していた時の私の姿・・・。

ランニングも一緒ですね。一週間に一度だけ20km走っても何の意味もない。マラソン大会が近づいたからといって急に走り始めてもケガをするだけ。3kmだけでもいいから毎日走り続ける。隙間時間に筋トレやストレッチをやり、毎回の食事も栄養面を少し気にしてみる。睡眠時間も多く取れるよう工夫する。そんな小さな一歩を積み上げていくと、フルマラソンでも望む結果が出ます。

私が毎日100英文ずつ音読している『新・基本英文700選』の206番にこんな英文があります。

206. From small beginnings come great things.

(小さな一歩が大きな結果を生む)

何事も背伸びをせず、出来ることを一つずつ毎日積み上げていきましょう。時につまらなく感じることこそが、大きな力の源になっています。凡事徹底です。

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英字新聞の見出しでボキャビル

2023年09月22日 | 英語勉強法

英字新聞 The Japan News の記事でも取り上げられた、新幹線でのプロレス。

「英字新聞は難しいからなかなか手が出ない」と思っている英語学習者は少なくないと思いますが、自分の興味がある分野の記事を読めば取っ掛かりやすいですよ。

私は大学時代に、Tha Japan Times を読んでいましたが、最初はスポーツ面の特に相撲の記事が読みやすかったのを覚えています。短い記事でも精読して、新出単語をピックアップして覚えるだけで、英語力はアップします。それでも難しく感じるなら、見出しの英文の単語を覚えるだけでもOKです。今回の新幹線でのプロレスの見出しでも、brawl や bullet を調べて覚えるだけで立派なボキャビルです。

 

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楽な道などない

2023年09月15日 | 英語勉強法

進学校では共通テストの出願書類が配布され、高3生たちの多くはいよいよ真剣さが増してきた。しかし、その一方で、「英語が苦手なら、まずは単語とイディオムの暗記だぞ!」と言い続け7月に基本イディオム・語彙100問チェックテストも行って意識づけしてきたのに、既にその基本姿勢を忘れてしまって、問題を解くことが英語の勉強だと勘違いし続けている生徒も少なからずいます。

塾や予備校に通っているからと言って英語ができるようになるわけではありません。それをきっかけにして、いかにして血のにじむような努力ができるか。

こういう一生懸命さや辛さが伴わずして英語が習得できるとは思いません。ちょうど6年前の今日、2017年9月15日付の日本経済新聞の『私見卓見』で、NHKラジオ「実践ビジネス英語」講師の杉田敏先生が正論を述べられていましたので、以下に引用します。

『英語習得を阻害している「神話」』

日本の語学ビジネスの市場規模は約8700億円と推定されている(矢野経済研究所調べ)。語学学校や学習材料、語学周辺ビジネスなどを含めて日本人が語学学習に投資する年間の総額で、大部分は英語ビジネスと考えられる。

ところが、英語を母語としない人たちを対象とする英語能力測定試験TOEFLのスコアにおいて、日本人の平均点は世界でほぼ最下位のグループに属している。多大な投資をしながら費用対効果の悪い原因は何か。文部科学省の責任や教師の質を挙げる識者もいるが、最大の元凶は学習者自身の「甘えの構造」だ。

英語をある程度モノにするには最低2000時間の学習が必要だといわれる。英会話学校に週1、2回行ったくらいでは上達しないのは当たり前である(=1回/週、1時間英会話学校に通って年間でたった52時間にすぎない)。学校の音楽の時間にピアノを習っただけでピアニストになった人はいない。さらなる自助努力が必要だ。

ちまたには「楽しみながら」「知らず知らずのうちに」「涙なしに」など、簡単に英語をマスターできるような暗示を与える題名の本や教材、語学学校などの宣伝文句が氾濫している。しかし、こうした「神話」に惑わされてはならない。ただ「シャワーのように」英語を聞いていたのでは、どんなに長時間行っても効果が上がるはずはない。

語学の勉強は決して楽ではない。(後略)

 

英単語帳を何度も繰り返す。何回も基本英文を音読して暗誦する。文法を徹底的に鍛える。毎日リスニングをする。単調な繰り返しの中にその意義と達成感を理解できなければ、成長はない。

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マイティ井上から学ぶ英単語

2023年08月25日 | 英語勉強法

昨日のクロスペン対決の記事で紹介した格言、

The pen is mightier than the sword.(ペンは剣よりも強し)

ですが、形容詞 mighty(力強い)を知らない英語学習者は少なくありません。might には「力」という意味もありますが、may の過去形しか覚えておらず、mightyの名詞形ということを知らないからでしょう。一般的に「力」は force で覚えますし、物理でも力は「f」で表すのも影響しています。

私が mighty を覚えたのは、以前のブログ記事でも紹介したように、やはりプロレスでした。昔、全日本プロレスにマイティ井上という選手がいて、サマーソルト・ドロップといういぶし銀の技を得意技としていて、好きなレスラーでした。

マイティ井上(集英社 web Sportiva より)

 

以前からこの本が気になっていたので、買ってみようっと(#^^#)

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33年前に出会った英文

2023年08月08日 | 英語勉強法

高校3年の冬、共通一次から名前を変えた第1回大学入試センター試験も終わった1990年1月、「楽に大学に受かる術はないか」という安易な発想でふと立ち寄った街中の書店で目に入ってきた『"毎年出る" 頻出 英語長文』(日栄社)を購入しました。

しかし、それまでの自分と何ら変わらず、参考書や問題集を買うはいいが、買っただけで満足し、本棚の肥やしと化しました。そんなんだから、受験結果は当然の全落ちで、浪人の道へと進んだのですが、当時、『頻出 英語長文』の中で唯一、頭の片隅におぼろげな記憶として残っている英文がありました。電車の中でたまたま出会ったイギリス人が天気の話をする・・・といった内容です。

当時購入した参考書類は、数冊を残して浪人が決まったのと同時に廃棄してしまいましたので手元には残っていませんが、日栄社の『"毎年出る" 頻出 英語長文』は改訂を重ねて現在も出版されてますので、改めて購入して確認してみると、30年以上も経った今、その長文と再会を果たしました。

高3当時は英語の長文を読むのに時間がかかり苦痛でしたが、英語講師として身を立てている現在は、英文の方から私の中に入ってきてくれる感じがします。そして、あの電車の中でするイギリス人の天気の話を読んでいて、「あれ?この箇所の英文、どこか違うところで読んだことがある・・・」と思うや否や、『基礎英文問題精講』(旺文社)の例文と一緒だと気づきました。

高3当時、『基礎英文問題精講』も買っていたのですが、全く手をつけておらず・・・。情けない話です。あの頃、「この問題集の英文とこっちの参考書の英文、全く同じじゃん!」と気づけるほど何度も繰り返し取り組んでいたら、現役時代の大学受験の結果もまた違ったものになっていたでしょう。

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「完璧に」仕上げてごらん

2023年07月22日 | 英語勉強法

今週は塾舎移転に伴う追加工事に連日朝から立ち会い、普段通りに走れない日が続きましたが、今月の走行距離が何とか160kmを超えました。自分の中で最低ラインと考えている月間200km以上はクリアできそうです。

暑い日が続き、甲信越も梅雨明け間近でしょうか。地元の中学校や高校は今日から夏休みに入りました。

「この夏に英語を何とかしたい!」と考えている中高生も多いかと思います。もし今、英語が苦手なら・・・。その理由は簡単。英単語を覚えていないのが主因です。高校生なら、この夏休みに手元にある英単語集一冊を「完璧に」仕上げてごらんなさい。見える世界が変わりますよ。もし変わらないなら、それは私の言う「完璧に」と温度差があるのです。

 

以下の過去記事を参考にして、一冊を「完璧に」仕上げましょう。

・「一冊を徹底暗記するだけで」(2023年4月15日)

・「一冊の英単語集と心中せよ」(2023年4月7日)

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コツコツと積み上げていますか?

2023年07月15日 | 英語勉強法

TOEIC990点満点取得を本気で目指し始めた2012年11月から10年半以上、満点を取った後も一日もサボらずに毎日続けているのがTOEICパート3と4の各1セット10回、合計20回の音読。

昨年10月28日より取り掛かった『TOEIC公式問題集 9』のパート3を100回、パート4を130回の音読が昨日終了しました。

TOEICはパート3が13セット、パート4が10セットあり、公式問題集は2回分の問題が収められているので、パート3が26セット、パート4が20セットある訳で、後者を13周(=130回音読)すると最小公倍数になるわけですね(笑)。

果たして、一冊の問題集をここまでやっている人が、英語学習者の中にどれだけいるでしょう。一つのパッセージを100回以上音読するとほぼほぼ暗誦しており、英会話の場面でもサッと出てくるようになります。「TOEICは所詮テストだから、英会話には役立たない」なんて言っている人は、TOEICの教材を徹底してやっていないだけです。そんな輩の言うことを鵜呑みにしてはいけません。

英語なんて、勉強なんて、単調なことをコツコツと積み上げていけば、誰でも結果を出せるのです。

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