最近の大学受験英語の参考書は、学習する人を飽きさせないように、中身はもちろんのことデザインにも凝っていて、華やかな感じがある。私が受験生だった15年前は、そういった類の参考書はむしろ敬遠され、硬派な、シンプルなつくりのものが売れていたのだが・・・。これも、少子化の影響か?
当時のベストセラーは言わずもがな、伊藤和夫氏の『英文解釈教室』。東大や早稲田・慶應・上智を目指す受験生はもちろんのこと、大学受験英語といえば皆、この『英文解釈教室』に飛びつくほどバイブル化していた。しかし、最後まで読まれることも少ない難しさで、挫折を味わった受験生も多いはずである。御多分に洩れず、私もその一人。
高校2年次に購入したものの、歯が立たず、数ページやっただけで本棚の肥やしになってしまった。そして、浪人決定とともに廃棄。浪人時代は、同じく伊藤和夫著『基本英文700選』と『英文法頻出問題演習』に徹底的に取り組み、英語力を高めることは出来たが、『英文解釈教室』だけには手が出せなかった。
時は過ぎ、4年前。留学から帰国し、自分の英語力を維持・向上させる目的と、英語を教える立場になることから、『英文解釈教室』を再購入した。
するとどうだろう。読めば読むほど、奥が深く、氏が伝えようとしている英語の本質が見えてきた。英文を構造で捉え、確固たる文法知識に基づいて客観的に解釈していくその方法論は、読んでいて爽快でさえある。そして、気付いた。氏が言いたいのは、「“英文を読める”ということははきれいな和訳を作れるということではなく、英語の語順で直読直解していき、その過程で英文構造を予想できる“引出し”が多いということ」だ。
果たして、現在の高校で、これほどまに体系化された指導が出来る人はいるのだろうか。文法問題の解説をして終わりという教師はいないだろうか。本来英文法は、文法の穴埋め問題に正解するためのものではなく、英文を読むために使う道具であると教えられる教師がいるのであろうか?
伊藤和夫氏は平成9年に亡くなられた。その知らせに、受験英語の一時代が終わってしまうかのように、私は感じた。
恐縮ではあるが、微力ながらも、私は伊藤和夫氏の考え方を伝えていきたい。同じ長野県出身の英語教育に携わる者として・・・。
当時のベストセラーは言わずもがな、伊藤和夫氏の『英文解釈教室』。東大や早稲田・慶應・上智を目指す受験生はもちろんのこと、大学受験英語といえば皆、この『英文解釈教室』に飛びつくほどバイブル化していた。しかし、最後まで読まれることも少ない難しさで、挫折を味わった受験生も多いはずである。御多分に洩れず、私もその一人。
高校2年次に購入したものの、歯が立たず、数ページやっただけで本棚の肥やしになってしまった。そして、浪人決定とともに廃棄。浪人時代は、同じく伊藤和夫著『基本英文700選』と『英文法頻出問題演習』に徹底的に取り組み、英語力を高めることは出来たが、『英文解釈教室』だけには手が出せなかった。
時は過ぎ、4年前。留学から帰国し、自分の英語力を維持・向上させる目的と、英語を教える立場になることから、『英文解釈教室』を再購入した。
するとどうだろう。読めば読むほど、奥が深く、氏が伝えようとしている英語の本質が見えてきた。英文を構造で捉え、確固たる文法知識に基づいて客観的に解釈していくその方法論は、読んでいて爽快でさえある。そして、気付いた。氏が言いたいのは、「“英文を読める”ということははきれいな和訳を作れるということではなく、英語の語順で直読直解していき、その過程で英文構造を予想できる“引出し”が多いということ」だ。
果たして、現在の高校で、これほどまに体系化された指導が出来る人はいるのだろうか。文法問題の解説をして終わりという教師はいないだろうか。本来英文法は、文法の穴埋め問題に正解するためのものではなく、英文を読むために使う道具であると教えられる教師がいるのであろうか?
伊藤和夫氏は平成9年に亡くなられた。その知らせに、受験英語の一時代が終わってしまうかのように、私は感じた。
恐縮ではあるが、微力ながらも、私は伊藤和夫氏の考え方を伝えていきたい。同じ長野県出身の英語教育に携わる者として・・・。