沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

伊江島へ

2020-06-15 | 伊江島(伊江村)
久しぶりのいい天気。
1ヶ月以上新型コロナ陽性患者が出ていない県民は、離島への渡航自粛が解除された。

洗濯物干して、時計見たら10時。
11時のフェリー大丈夫かな。
ひたすら自転車のペダルを漕ぐこと45分、本部港に着いた。

伊江島14回目なのに、いつも慌ただしい。何でかな。
海が青い。空も青い。日焼け止め塗った。紐付き帽子もかぶった。
リュックに炭酸水1リットル、タオルも空気入れも、充電器も、マスクも2枚ある。

伊江港です。
この角度、塔頭の角度に合わせたよね。

塔頭(たっちゅう)と呼ばれる城(グスク)山を、自転車で目指します。

75年前の沖縄戦の跡。陸軍飛行場があり、攻防拠点となった。住民と日本兵の死者は約4700人。今の伊江村の人口は4100人。

だんだん坂がキツくなってきます。
道端に、花が綺麗に植えられています。

畑仕事の方が、木蔭で休んでいました。
「道端の花が綺麗ですね」と声をかけたら、「2人は先に行ったよ」とすれ違いの返事。

察するに、2人連れの自転車の後から、遅れた自転車1台やって来た。教えてあげよう、かな。
「私は1人ですよ。道端の花が綺麗ですね。」と、もう一度声をかけた。
「植えたんよ。」と嬉しそう。

「ゆり祭り、今年は残念でしたね。去年土産に買った球根が、東京で今年も咲きましたよ。」
「東京から来たんか?」
「いや名護ですけど、東京に家があります」誤解されてはいけない。

「私の娘も東京にいるよ。」
「ご活躍されているんですね」
「美人だからね」
「それは聞いてないですよー。でもその通りだと思いますよ。」
大笑いしてくれた。

「写真撮っていいですか?大丈夫です。暗くて写らないから」
また笑ってくれた。

「この実は、バナナですか?」
「そうだよ。2ヶ月すると食べられるよ」
「カラスとかに食べられませんか?」
「大丈夫だよ。1ヶ月したらあげるから、またおいで」
嬉しい言葉だった。
「ありがとうございます。気持ちだけ嬉しいです。お元気で。」

楽しい伊江島サイクリングになった。
そして、塔頭を目指すのであった。

表紙の写真は、伊江島のシンボルで構成されています。答えはいずれ。

沖縄そば(55)夢の舎(ゆめのや)

2020-06-14 | 沖縄そば
10年ぶり3回目の「夢の舎」です。
電話したら、元気な声で「やっていますよ」。諦めずに電話してよかった。
山に向かって、狭い道をナビで行きます。

2007年10月に初めて行った時のblogに夫婦の写真があります。
少し色褪せています。どうしちゃったのかな。

車が、草に覆われています。ちょっと心配。
屋根も草が。これは。

メニューです。
お好みそばソーキ三枚肉入り1100円と島らっきょうの天ぷらを頼みました。

お客は、私とおそばの同僚だけになったので、いろいろお話が聞けました。

心地良い風が吹き抜けていきます。
「風」はご主人の書ですね。栄光と落款があります。
2018年に取材された記事がありました。タエさんと栄光さんのドラマが描かれ驚きます。
中2コースで、三重のタエさんと首里の栄光さんが文通を始めた。20歳の時、内地に働きに来ていた栄光さんと初めて会った。

24歳の1972年2月パスポートをとって沖縄へ、そのまま結婚。お母さんから言葉、首里のしきたり、料理、木灰そばを教わった。

以下は、女将さんのタエさんのお話です。

沖縄そばの店を首里高校の前で開いていたが、道路拡幅で立ち退きになった。
お酒と陶芸に夢中になっていた栄光さんが、本部町の人里離れたこの土地に窯を求めた。
窯は火を入れると45日間離れられない。この民家の方が病院に通うのを栄光さんが手伝っているうちに、この古民家を好きに使って良いと言われ、沖縄そば屋を始めた。(計算すると今から18年前かな)

スープ
あっさりしており美味しい。大きめの木器ですが、飲み干しました。

大きなソーキと三枚肉が乗っています。
美味しい。自家製です。

手打ちのヒラ麺です。つるりとした舌触りです。

計算すると72歳です。
気になることを聞いてみました。
栄光さんはお酒で入院中だが元気。草に覆われた車の持ち主は、栄光さん。
最近家の雨漏りが多く、台風が心配。いつまで店を続けられるか。閉めようと思うけど、BS取材やGWの予約客が、コロナで夏や秋に延期になっており、しばらくは続ける必要がある。
修理にお金もかかるし。(借りている立場なら、限界があるね)

麺は、前日に小麦粉をこねて仕込んでおき、朝から竹で伸ばす。栄光さんに比べて自分は一玉に30分はかかる。
麺の縮れは、竹をクネクネするとできるらしい。
栄光さんの陶器を見せてくださいました。

これはいいですね。左は軽いタイプ。
右はやや重みがあり栄光さんお気に入り。
「欲しいなあ」と言ったら、「栄光さんは自分が生きている間は売るな、と変なことを言うのです。お金は生きている時こそ意味があるのに」とタエさん。

タエさんは、琉球料理伝承人となり、謝花きっぱん(琉球菓子店)で、「ちいるんこう」作りなど手伝っている。

琉球料理は、首里の旧家などで受け継がれて来た。

ここに来てから化粧はしない女将さん。
元気にいて欲しい。栄光さんも。

お店の入り口です。電話してからが確実です。


沖縄そば(54)まんてん

2020-06-13 | 沖縄そば
今帰仁村(なきじんそん)の「まんてん」に行ってきました。図書館で借りた「沖縄そば」の本で、紹介されておりました。

今帰仁村の街中にあります。

店内は、椅子席と座敷席。
人気店ですね。満席です。

メニューです。
「まんてんそば」が、ソーキと軟骨ソーキと三枚肉の全部乗せ。ジューシーを探すと「そばじゅうしいセット」が100円お得です。「まんてんそば」のセット750円を頼みました。

裏には、定食のメニューがあります。

出てきました。
そばは小サイズなのに、大きく見えます。

スープ
美味しいです。出汁が味わい深いです。
飲み干しました。

本ソーキ、三枚肉、軟骨ソーキで、サイズが大きく食べ応えがあります。軟骨は柔らかく、とろりと食べれます。

手打ち麺。ヒラ麺が美味しいです。
麺とスープだけでも、十分美味しいおそばです。

じゅうしい
これだけでも、一食分あります。美味しいから全部いただきました。

「満点」でございました。

二階は民宿で、一階がおそば屋ですね。

今帰仁村といえば、ここがいいですね。

草競馬ですね。リュウキュウマツが植えられています。木蔭で観戦していたのがわかります。馬の休憩場所も木蔭だったそうです。

戦争で被害を受けていない貴重な姿です。
馬場は、人間の運動場となっております。




沖縄そば(53)てつこのそば

2020-06-11 | 沖縄そば

本部町の「てつこのそば」に行ってきました。

沖縄の古民家を、おそば屋にしたオシャレなお店です。

狭い道に入るので、のぼり旗にちょっと安心します。民家地帯なので、車はゆっくりと徐行します。


駐車場に車を止めて、ひんぷん(屏風)の脇から、母屋に向かいます。


室内は座敷席があります。屋外の椅子席に座りました。家側から見ると、ひんぷんが目隠しになってます。石積みのひんぷんが多いけど、この家は樹木なので、風通しが良いです。

離れが、厨房とお会計になっています。

メニューです。
おそばがソーキ、軟骨ソーキ、三枚肉の3種類で、MIXが3種類盛り合わせですね。
おっと、そば定食1000円があります。MIXだとプラス300円で刺身とジューシーと小針付き。注文は、これに決まりました。

出てきました。
小針は、島豆腐と魚らしき揚げ物の二つ。

スープ
カツオのあっさり味で美味しいです。

分厚い三枚肉、とろける軟骨ソーキ、味が染み込んだ本ソーキがボリュームたっぷり。カマボコも大きいです。

黄色いヒラ麺です。腰があって美味しい。

ジューシー
胡麻油が効いて美味しいです。

刺身
2種類。マグロと沖縄のお魚。いけますよ。

お腹いっぱい、沖縄の古民家で1000円の幸せでございます。

お会計の際、「麺は手打ちですか? 黄色いのは卵ですか」と尋ねると「購入です。黄色いのはクチナシが入っているから」。
クチナシを入れるんかい。意外ですが、クチナシの実を入れるのでしょうか。

「もう一つ、お店の名前は?」と尋ねると、「私の名前です。」とお母さん。
「写真撮ってPRしておきます。」
ご馳走さまでした。

その後に、国道に戻ろうとしたのですが、ちょっと感が働いたので、国道を曲がらず、そのまま直進してみました。
草むらの中を少し進むと、やっぱり。
目の前に、綺麗な海が広がっていました。
天気が晴れたら、エメラルド色ですね。

海だというのに、ほとんど波が無い。サンゴ礁のおかげです。
地元の人たちの大切な場所ですね。
よかったら、波の音を聴いてください。





沖縄そば(52)ぐしけんそば

2020-06-09 | 沖縄そば
ぐしけんそばで、定食が食べたいと思ったのです。「ちゃんぷるー食堂」と書いてある。

「ちゃんぷるー」とは、「ちゃんぽん」と同様に、混ぜたもの、転じて豆腐炒め。
あれ、メニューがどしたん。
看板のぐしけんそばとジューシーが売り切れかい。

メニューで迷います。「セットは量が多いでしょうか」と独り言。
とんかつそばセット、唐揚げそばセットに挑みたい気持ちもありましたが、ここは「しょうがやきそばセット」890円を注文。
誤解のないように。焼そばではなく、しょうが焼き定食と沖縄そばのセットですよ。

安定の美味しさのしょうが焼きが、ボリューム満点。ご飯が進みます。
お椀の代わりに、手打ちの沖縄そば。
三枚肉と厚揚げ入り。

これは、パクパクと、手と口と箸が休まる間が無いね。幸せだと思う。
朝食抜いて備えて来たけど、夜も軽くていいね。せっかくのご馳走を食べ切れなかったら、ずっと後悔する。

お会計の際、「量は足りましたか?」と笑顔で聞かれました。

聞こえていましたか。
「ご馳走さまでした。お腹いっぱいになりました。ありがとうございました。」

やっぱ、セットはしっかり「二食分」あったと思う。そばを小サイズにするとか、ご飯少なめにするとか、そんな容赦はしないのが沖縄の食堂でございました。


沖縄そば(51)よしこ

2020-06-09 | 沖縄そば
伊豆味街道を名護市から本部町に入ってすぐに「よしこ」があります。峠の頂上、お菓子御殿の先です。

大きく「よしこ」とありますが、薄れております。昔の家らしき絵も、色褪せております。峠の上だから沖縄の強い日射しと台風の影響かな。

店内に入ると、元気なお女将さんが、お客さんに声をかけております。
座敷と椅子席。周囲の木々が活かされております。

メニューは、いろいろあり、悩みます。
「ゆっくり選んでくださいね」と元気よく励まされました。
テビチ、三枚肉、ソーキが入っているミックスそば900円を頼みました。

なんか、量が多く無いですか?
ソーキとテビチが幅を利かせており、麺が見えないです。

スープ
昔ながらの醤油味が少し残っております。沖縄そばのスープは黒い醤油味から透明の塩味に変化してきた歴史がございます。

テビチは、デカイ。デカイがテビチ。
ソーキも分厚く、食べ応えあります。
三枚肉って、薄切り多いけど、厚切り。
ガッツク肉を食べたいお客さんの店なのです。

三角屋さんかな。肉が強烈に目立っており、麺が印象まで沈み込んでおります。

「1ヶ月休業してました。」常連さんとの会話が聞こえております。
食べ終えて、混んでもいなかったので、テレビを見ていました。底無し沼に沈む少年を、機転で助けるお話。
女将さんも途中まで一緒に見ていたところ、接客対応でテレビから離れたので、「その後どうなりましたか?」訊いてきました。「今CMで、これからですよー」

救出後に、「昔、家の近くに底無し沼があったので、気になった」と。

お会計の際、「よしこはお名前ですか?」と尋ねたら、「今厨房にいるんですよ。」とわざわざよしこさんを呼んできてくれました。
よは啓子(よしこ)さん。お弁当屋さんから20年前におそば屋に転向をしたようです。


「スープはボリュームたっぷりのお肉と合いますね。」と申し上げました。
家庭的な味をお腹いっぱい作る厨房と、お客さんを気配りするホールスタッフ。

伊豆味街道は「そば街道」とも呼ばれ、沖縄そばのお店が並んでいますが、「よしこ」は印象的でございました。
今度、看板の絵が何か聞いてみたいです。


津嘉山(つかやま)酒造

2020-06-07 | 名護市
2009年に国の重要文化財に指定された泡盛酒造所「津嘉山酒造」です。
2年前まで、文化庁による修復工事をしていました。
当方は一人でしたが、杜氏の秋村さんが、丁寧に工場を案内してくれました。

津嘉山酒造所は、1928年(昭和3年)に完成し酒造免許を取得、泡盛造りを開始。


平成5年の甕があります。どんな味なんだろう。このビニールの被せ方からすると、仕次(しつぎ)とか、やってるのかな。

修復工事といっても、古い柱は最大限活用して、接木しています。こういう柱に泡盛に必要な黒麹菌がたくさん生きています。

イヌマキなどを継ぎ足していますね。

この部屋は素通りだった。秘密の部屋かな。

ここは泡盛を蒸溜する際に、お湯が出てくるのをお風呂に活用したという。お風呂あるんかい。

この立派な木は琉球黒檀(こくたん)。堅い性質があり、床柱や三線の竿に使われます。
周囲の土壌中にも泡盛菌がたくさんいるという。すごいな。建物だけでなく、敷地全体が泡盛を受け継いで支えている。

三本あって、立派です。この家が相当古いということがわかります。

戦争で周囲は焼けたのに、この建物が残った理由がこれ。

Officers Quarters 米軍の司令部として使われて、その後はパン工場に活用されたそうです。

米軍が撮影した写真です。周りは燃えて、工場と樹木が残っています。写真を何度も撮って攻撃しないようにしていたらしい。

工場と民家が一緒になって建坪600坪の大きな建物です。

一番座で休憩で、やっと質問できます。
「造っている泡盛は?」「国華(こっか)だけです。週2回、非常勤の工場長と2人で仕込んでいる。国頭の華となるように」

「ここにだけしか置いてないお酒があると聞きましたが」「六諭(リクユ)ですね。国華43度を1年寝かせたものにラベルを貼ったものです」
リクユエンギが書いてある。1800円だったが、即購入した。

秋村さんは10年前に東京の会社が倒産。
上司の親族が津嘉山酒造所の工場長だったことが縁で、一から勉強中という。
名護博物館で、津嘉山酒造所の赤瓦の製造工程など企画展を観たと言ったら、喜んでくれました。

「津嘉山酒屋保存の会」の岸本林会長は、ひんぷん山羊料理店でよくお会いしたと言ったら、さらに喜んでくれました。
最後は、わざわざ見送ってくれました。

大変な仕事だろうけど、頑張って続けて欲しいですね。

工場見学の前に、ちょうど、名護親方の銅像を見てきたところだった。左の石碑に六諭が書いてある。この落成式の前にも、名護博物館に行ってブログに書いたなあ。

以下は、気になって調べたこと。

沖縄の民家の一番座の見分け方は、天井にある。床指しといって、天井の竿縁(さおぶち 天井板を支える角材)が、床の間にむかっています。(内地では平行にする)

仏壇のある二番座は、仏壇の方に向かないように平行にしています。内地は床の間でそうするのに、沖縄では仏壇の方を大切にする証と言われています。
右側が、仏壇らしき場所です。





沖縄そば(50)真打 田仲そば

2020-06-07 | 沖縄そば
6/4から営業再開したので、「真打
田仲そば」に行って来ました。
東江(あがりえ)入口のバス停前です。

外見以上に、室内はオシャレな店です。
自販機で食券を買います。事前に調べておかないと、自販機で迷います。スープが2種類(元味と新しい味)、具は3種類(ロース、軟骨ソーキ、厚揚げ)あります。
こちらはカウンター席。

こちらは座敷で3卓です。このほか椅子席も2卓あります。

至高の一杯を珠玉のうつわで。
『ミシュランガイド東京』で、3年連続でビブグルマンを獲得するなど、ラーメン店を成功させている宮崎千尋さんに、沖縄そばの麺とスープをプロデュースして欲しいと依頼した。
平日1日20杯程度のところ、プロデュース後は60杯まで増加。週末は1日100杯を超える日もあるそうです。

宮城正幸さんが焼き物を一つずつ制作しているとあります。

元味(もとあじ) 伝統的なスープの沖縄そばと、島豆腐がさんぴん茶で炊いたご飯の上に乗っています。
「元味 沖縄そばと島豆めしのセット」850円。

スープ
美味しいです。なにも加えなくとも、どんどん飲めます。ご飯に出汁をかけて食べるとあります。お店も全部飲んでもらうつもりなのですね。

ロース肉の上にちょこんとカマボコが乗っています。

黄色い腰のある麺です。美味しいです。「手打ち麺ですか?」と尋ねたら、「内地のある場所で作っている」とのことでした。謎ですね。

豆腐めし。豆腐をそのまま食べたあとで、ジャスミン茶のご飯と混ぜて出汁をかけて頂きました。

食べおわって焼き物(やちむん)が美しいです。

ごちそうさまでございました。
女性客に人気で、満席でございます。



沖縄そば(49)フクギ屋

2020-06-06 | 沖縄そば

 備瀬(びせ)のフクギ並木の入口にある「フクギ屋」が金土日に営業再開なので行って来ました。


海の近くなので、店内は開放的で風通しがいいです。


メニューはこちら。ソーキそば750円を頼みました。

いつもは観光客が多い店ですが、今日は空いていて、すぐに出て来ました。

スープ
美味しいです。
女将さんが青切りシークワサーをサービスでくれました。半分サイズを途中で絞ってかけると、シークワサーの風味でスープがガラリと変わって楽しめ飲み干しました。

大きなソーキが3つも。サービスかな。味が染み込んでいて美味しいです。カマボコは二枚。

ヒラ麺です。名護の三角屋さんかな。ボリュームいっぱいで美味しい。

お客さんが少なく苦労しているようです。以前のように観光客で賑わうと良いですね。

備瀬のフクギ並木を歩いた時の動画です。
フクギは下から枝が密に生えるので、海岸沿の強い風が吹くところでは防風林として使われます。
備瀬の集落では屋敷林として、各家の周囲がフクギで覆われています。
炎天下でも、涼しいです。


沖縄そば(48)きたやま

2020-06-05 | 沖縄そば
待望のきたやまのそばです。
伊豆味街道の山道のふもとにあります。
外見はシンプル。期待できます。

駐車場は、店の後ろにあります。
店内は、感染症対策しております。
お金かかって、大変でしたね。

室内の緑と照明がオシャレです。
女将さんの好みなのかな。
沖縄の店舗は、外観だけで判断してはいけないのです。

メニューはシンプル。ソーキそば700円、三枚肉そば650円、じゅうしい150円、ごはん100円。ソーキと三枚肉が両方入った「きたやまそば」が700円。

「きたやまそば」と「じゅうしい」を頼みました。

スープ
美味しいです。途中で紅しょうがを少し入れて味を変えて飲み干しました。

ソーキが2枚に、三枚肉が4枚もあります。今までで一番多い。ソーキは味が染み込んで美味しい。三枚肉は、脂の美味しさを必要最小限残した感じです。この味がお店の売りなのかな。
結びコンブにカマボコが付いています。

太めのヒラ麺です。どこの麺かな。美味しいです。

じゅうしい
150円なのに、どんぶりいっぱい盛ってあります。炊き込みご飯が好きな私は、お腹いっぱい幸せでございます。

お会計の際に「麺は手打ちですか?」と尋ねたら、女将さん急に笑顔になって、「いろいろ試したんですけど、手打ちは難しい。」と話してくれました。

厨房はご主人で、ホールが女将さん。2人とも年配で、苦労してきたのだと思う。

3回目でやっと入れた「きたやまそば」。
連立方程式も解けないし、三枚肉のこととか聞いてみたいです。

沖縄そば(47) 石くびり

2020-06-04 | 沖縄そば
「とんかつ定食」を食べてみたかった。
豚料理が盛んな沖縄と、内地との違い。
「お客さんが食後に奥座敷で昼寝する」と秘密の県民SHOWで紹介された、石くびりでとんかつ定食を注文した。

奥座敷では無くテーブル席だけど。
厨房に近くて運びやすい場所だし。

まあ驚くね。どれだけ肉があるの?
とんかつを揚げる音が厨房から2回も聞こえてきて、不思議だったけど、二回に分けて揚げたのかな。
お肉は、内地のとんかつとは別の部位かな。肉汁は多くはない。分厚くはないけど、衣がサクサク美味しい。

ご飯は、オムライスの型を使ったね。子供の頃に戻った感じ。でも量が多い大人サイズの型だ。

お汁は、沖縄そば。味噌汁ではない。スープでもない。沖縄そばがお椀にある。

キャベツにレタスにきゅうり。きゅうりの三杯酢和え。

大盛りを頼んだ覚えはないから、これが沖縄の標準サイズ。

沖縄の食堂は、「これ以上食べれない」とお客さんがギブアップする量が出てくる。

中国の影響かな。冊封使をもてなすために豚の飼育と豚料理が広まった。中国料理ではお客さんがギブアップしないと、大皿が次々出てくる文化が、今でもある。

お腹いっぱいに満たされて、座敷で昼寝する。動けないし、外は炎天下でお昼休憩時間も長い。
秘密の県民SHOWの謎が解けた。

同僚は、高校生の頃、座敷で昼寝したと言う。授業はどうなったのか聞いてみよう。



沖縄そば(46)つる屋

2020-06-02 | 沖縄そば
6/1に営業再開した沖縄そばの老舗です。
一度再開したけど、10人しかお客さんが来なかったので、水族館が再開するまで待っていたそうです。

店内は、感染症対策に取り組んでいます。
対面しないように、工夫。
お店の姿勢ですね。

メニューは3種類のシンプル。
ソーキそばと三枚肉そばとミックスそば。
いなり寿司100円があるだけ。
これは、そば専門店そのものですね。

濡れた水着で入店しないでという呼びかけの下に、イスが濡れるから。
営業開始が11:10分。10分は開店準備?
店主の几帳面な性格が感じられます。

ミックスそば800円。ソーキが2つ、三枚肉が2つ、カマボコ1つ。
同僚は三枚肉そばで、三枚肉が3枚、カマボコ1つで700円。
ソーキそばも700円。

おそばの連立方程式を解くと、
そばが500円、カマボコ50円、三枚肉50円。ソーキ75円という解が得られる。

これが成立するには、ソーキそばがソーキ2枚、カマボコ1つでなければならない。

スープ
老舗なのですね。醤油味と豚骨の味で、醤油ラーメンのスープを連想しました。
コーレーグースとちょっと違う西洋トウカラシかな。加えたら味が強すぎました。


ソーキは味が染みており美味しい。
しかし三枚肉は脂が残っており、もう少し煮込んだ方が良いと思います。

一口食べて、木灰の手打ち麺とわかりました。お店にも「手づくり」とあった。
コシがあって醤油味のソーキとよくあっています。この味が老舗のものなのでしょう。

老舗の大変さがわかりました。



沖縄そば(45)新山(しんざん)そば

2020-06-01 | 沖縄そば

「伊江島ですか?」と日曜の朝、同僚からメールが来た。

雨で伊江島に行かない場合は、一緒に「新山そばの謎」を調査する約束だった。

今日はテビチそば700円とジューシー180円を自販機で購入する際、店のオヤジさんらしき方が、座敷のお客さんと話し込んでいるのに気付いた。


なんて、ラッキーなのか。日頃の行いがいいからに違いない。
例の写真が飾ってある座卓に席を取り、時を待つ。

バイトの子がおそばを運んできた。
今日は、テビチが4個も入っている。
昆布に厚揚げとニガナかな。

ここですかさず、「写真とソーキについて、お聞きしたいことがある」と店員さんに伝えて、おじさんらしき方が店主なら、お話に来てもらう段取りを確保した。

スープ
あっさり系です。美味しいです。ニガナもいいね。ジューシーのお汁にもなって飲み干しました。

テビチ盛りだくさん。コラーゲンでお肌プリプリの幸せ。市販のテビチより薄味なので、スープと混ざらない。

ヒラ麺。コシがあって美味しい。この麺も確認したいポイントです。

食べているところへ、おじさんがやって来てくれました。

1 壁の写真の謎
「昔の沖縄の家が写っていますが、ご実家ですか?」と聞くと、「これは大宜味村の家を描いた絵で、売りに来たもの」だと言う。実家ではなかった。最初は軽い質問。

2 元祖ソーキの謎
「ソーキそばを最初に出した店は「新山そば」いう説を、地元の古老が話していたのですが、事実はどうでしょうか?」
   是非聞いておきたい。直球を投げた。

「私も15歳だったから記憶は確かではないが、ソーキそばは新山そばが最初だと思う。」と慎重に言って、次の興味深い歴史を語ってくれた。

3 新山そばと沖縄そばの歴史
「新山の名前は、新垣(あらかき)と山入端(やまのは)から来ている。山入端さんは、沖縄北部最初のそば屋の梅屋で修行していたが、梅屋が店じまいになった。新垣さんは新垣バスを創業した実業家で大金持ち。その土地で新山そばを始めた。最初は、ひんぷんガジュマルのあたりに店があった。」

「スープは中国出身で本州に中華飯店を出した人が作った。豚骨味で濃厚だったが、やがて食事から油を摂取しない時代になり、今のカツオ風味のあっさり味になった。」

「豚肉は、年2回しか食べれないご馳走。冷蔵庫が無いので塩漬け(スーチカー)だったが、洗っても塩分は落ちない。
そこへ元々は肉屋だった我部祖河さんがソーキを作った。新山そばがそばに乗せたら大好評だった。ソーキそばは、贅沢な料理だった。」

「麺は手打ちだった。卵を繋ぎに使っていた。今でも卵を使っているか問い合わせがある。(今は三角屋さんでしょ。)その通り。厚揚げは、健康に良いものとして、結び昆布とともに加えたもの。」

「ひんぷんガジュマルのあたりは、裁判所や役所、銀行などが集中していた。そこにそば屋がたくさんあった。30分そばを待たされて、裁判に遅れると背広ネクタイ姿の裁判所の人に怒られた。」

「嵐の櫻井さん(テレビ取材)とか、著名人が今でも来てくれる。沖縄そばを紹介する韓国の本にも取り上げられた。」


4 新山食堂と新山そばの謎
店主のお話は、「新山食堂 港川店(新山そばの2代目の寺田初さんが開店し今年4月に閉店)」のホームページの歴史に詳しい。
おかげさまで多くの謎が解明できたが、寺田さんと今の店主との関係が、次の謎となった。

5 名護のヒラ麺は新山そばのレシピ
1960年代にプロパンガスの普及で木灰が入手困難になり、多くのそば屋は廃業した。新山そばは、そばのレシピを三角屋製麺所に渡して、製麺を委託した。名護のヒラ麺は新山そばのレシピだった。

6 店主はいつもどこに
店主は66歳。店にはあまり来ないが、今日は樹木の剪定が仕事のようだ。お店は女将さんらしき方とバイトで切り盛りしている。カブチーが実をつけていると喜んでいました。

7 ソーキそばの謎
店主のお話を整理すると、ソーキを最初に作ったのは、精肉店だった我部祖河で、それを、1923年創業の新山そば屋が取り入れてソーキそばが広まった。66歳の店主が15歳の頃だと、1969年頃。
一方、wikiだと「1975年名護でソーキそば誕生」とある。
また、八重食堂を取材した記事によると、「1946年6月か7月に米軍が豚を焼くのを認めてソーキを乗せた。」
整理すると、ソーキそばの歴史は解明できておらず、これは図書館に行くしかないね。

たくさんのお話を聞かせていただき、ありがとうございました。