9月1日㈮、防災の日。関東大震災から100年を迎えた。日本人の半数が「防災の日」の意味が分からなくなっているらしい。
午前中は「げんたろう新聞」をポスティングに、あやべ台団地へ。約100部を配って、6700部印刷して残部は50部弱になった。
午後には「出口の現代文」で有名な出口汪先生(元東進ハイスクール講師)を綾部にお招きし、教育関係者らとの意見交換、講演などをしていただいた。
13時に綾部高校を訪ねて、一井育校長にご紹介した。
出口先生が開発された「論理エンジン」は大学受験に重宝されているが、筋道立てて話す、相手の言うことを理解することができるようになる「生きる力」をつけるためのツールであり、綾部高校の学習の中に「論理エンジン」を取り入れ、それを綾部高校のセールスポイントにしたらどうかと考えている。
綾部高校の正門がガッチリ閉まっていたので、聞いてみると今朝、福知山市の民家に押し入ってそのまま逃走した男がいたらしく、福知山のみならず、綾部の学校でもその対策が必要になっていたとのこと。幸い、昼過ぎに男は綾部市の高津町で身柄を確保され、一件落着となった。近くにいたのだなと思った。そのまま逃走されていたら、今日の予定が全て変更になっていた可能性もあり、神様に守られているのだろうと感じた。
14時半からは綾部小学校に移動し、昨年度から「論理エンジン」を使った学習を始めている綾部小学校、中筋小学校、吉美小学校と今後の利用を検討していただいている綾部中学校の校長、教頭、研究主任、国語科教諭等の皆さんと出口先生が学習の進め方などについて意見を交わしていただいた。
出口先生からは「論理力」に加えて「語彙力」をつけるための新しいツール「語彙トレ」が完成したので、半年間無料でモニター導入してみませんか?という提案もあった。
16時からは綾部小学校の全教員に呼びかけていただいての校内研修会の講師を出口先生に務めていただいた。綾部小学校ではほぼ全員の先生が「論理エンジン」の学習に関わっていることから、どういう心構えでこれに取り組むか、小学生は脳がまだ完成しておらず、小学生時代にはどういう脳のデザインをするのが大切なのかをお話された。
今の子どもは「ムカつく」「うざい」「ヤバい」などの単語で気持ちを伝えようとする。「ムカつく」は元々、「吐き気がする」「体調が悪い」という意味だが、彼らは「腹が立つ」というような意味を伝えようとしているのだろう。
赤ちゃんは言葉が使えないので「おむつを替えてほしい」「ミルクが飲みたい」「眠たい」と言う代わりに、泣いて誰かにそれを気がついてもらって不満を解消しようとする。
それと同じように今の子どもも「ムカつく」と言えば、誰かが自分の不満や不快感を解消してくれるだろうと思っているのだろうが、大人になって社会に出れば論理的に伝えないと誰も察してはくれない。
今は親や友達、先生に察してもらえるかもしれないが、いずれ察してもらえない環境で生きていかなければならない子ども達には「論理立てて説明できる力」をつけていくことが重要だ。
「論理力」は国語だけでなく、全ての教科の土台となる力であり、幼児から小学生の間にこの能力を体得できれば、新しいことを学ぶことが楽しくなり、自ら進んで学習しようとする子ども達が育ってくる。学習は学校を卒業して終わりではなく、社会人になっても一生、追求していかなければならないことだ。
それゆえ「論理力」は「受験力」のことだけではなく、「生きる力」のことを表している。
出口先生は、脳がまだ完成していない小学生段階の学校の先生の役割はその子の一生にとって非常に重要で、自らも子どもと一緒に学びながら、「生きる力」をつけさせるために「論理エンジン」の学習に取り組んでもらいたいと説明されていた。
日本の古典芸能である三味線、尺八などが世界に広がっていないのは、お師匠さんの演奏を見て聞いて覚えなさいというやり方で論理的に説明する楽譜や説明書がないからで、それは現代文の学習と似ているとおっしゃった。
本をたくさん読みなさい、問題をたくさん解きなさいという指導しかできないから、得点が安定しないし、勉強しても仕方がないとなってしまっているとのこと。
綾部における「論理エンジン」の学習はまだ2年目で始まったばかりだが、少しずつ学校の先生方の意識に浸透していくことで、数年後にはこれに取り組んだ子ども達の学力が目に見えて上がっていくものと期待している。
それによって、「綾部で子育てをしたい」「綾部の教育を受けさせたい」と綾部に移住してくる人が増えることで、人口増や人手不足の解消につなげていきたい。
夜は19時から、ふしみやにて、綾部小学校、吉美小学校、綾部中学校、綾部高校の先生方など15名で出口汪先生を囲んで懇親会を開催した。
今後の論理教育のことはもちろん、それぞれの学校同士の連携についても話し合ってもらう良い機会となった。