四方源太郎日記(京都府議会議員・綾部市選挙区)

これからの綾部のために、さらなる「挑戦」を!

北陸新幹線《京都ルート》反対の理由

2023年09月20日 | 論評・研究

 20日㈬朝から京都へ向かい、11時45分から新技術と社会づくりに関する特別委員会正副委員長会出席した。

 12時半から議員団会議、13時15分から本会議で一般質問(1日目)が行われた。

二之湯真士チャンネルで語る

 昨日から、YouTube二之湯真士チャンネル動画第2弾!「北陸新幹線《京都ルート》反対の理由【四方源太郎府議 友情出演】観光施策 京都市の貧弱な都市基盤を改善」が公開されている。

 北陸新幹線の現行ルートに反対という意見今春の府議選の際に京都新聞の候補者アンケートに回答し、その後、2023年4月4日付四方源太郎日記「北陸新幹線アンケートと動画編集」でも明らかにしている

 私の意見は元々は舞鶴ルートを強く推進していたが、それが消えた以上、「現行ルートを米原ルートに変更」で、理由「推進していた舞鶴ルートを諦め、現行ルートを認めたのは、あくまで京都府の負担ゼロという条件だったから。現行ルートは京都府北部にとっては何のメリットもなくなった上に、京都府の負担額が今になってもいっこうに示されない。費用増や工事の難航、環境への影響が懸念されていることから、最もコストが低く現実的な米原ルートに変更し、京都府は山陰本線の複線化に早く取り組むべき」ということだ。

 この考えは現行ルートに変わった当初から何ら変わっていない。

 YouTube動画の中でも話しているが、以前にある会合西田昌司府連会長に「現行ルートは京都府全体にとってはメリットがあるかもしれませんが、府北部には何のメリットもなく、むしろ自然環境の破壊などデメリットの方がずっと大きい」という話をして、「お前は何も分かってないな!黙れ!」と怒られたが、何度問われてもそう答えるだろう。

■美山町に新幹線の新駅?

 その後、「美山町に駅を作る」という案が突然、西田さんの口から飛び出してきた時には驚いたが、そんなところに駅を作られても府北部には全くメリットがない。

 同時に「将来の山陰新幹線のルートをそこから舞鶴方面に…」という話をされたが、7月に宮津市で行われた山陰新幹線の北部誘致を目指す府北部の5市2町でつくる促進同盟会(会長:城崎宮津市長)の総会では、京丹後市の中山市長「山陰新幹線のルートはすでに鳥取~豊岡~福知山までは決まっていて、後は新大阪まで福知山線沿いに兵庫県ルートを採るか、山陰線沿いに京都府ルートを回るかということがこれからの要望のポイントだ」と話をされたように、ある程度のルートはすでに決まってしまっている。

 福知山から新大阪へ、近いのは兵庫県ルートだろうが、京都府北部5市2町としては福知山~綾部~園部~亀岡~京都~新大阪にしてもらうように要望したいと思うが、それを福知山~舞鶴~美山~京都~新大阪にするのは山の中を相当大回りすることになり、現実的ではない。

■大深度地下工事の難しさと多額の費用負担

 現行ルートだと小浜駅から京都駅までほぼ全ての区間、大深度地下(地表から40メートル以上深い地下)に線路を通すことになっている。なぜ大深度地下か?というと、大深度地下なら道路や鉄道など公益の事業は地上の地権者との用地交渉や補償をしなくても国交省または都道府県の認可を受けて使用できるからだ。

 小浜駅から京都駅までの山を用地買収しようとすれば、地権者もよく分からない状態で用地補償に何年かかるか分からず、また買収費用も大きくなる。

 しかし、勝手に使えると言っても南丹市美山町の芦生原生林には由良川の源流があるし、桂川の源流もそのあたりだろう。これに悪影響が及ぶと京都府の北中部は人間が暮らせない地域になる可能性がある。美山町の山の中に工事用道路をたくさん通すのにも反対が大きいだろう。

 京都市にしても、その豊富な地下水を利用して、生活、産業、芸術が長年にわたって行われており、反対は大きいだろう。地下工事は難航を極め、工事費はかさむだろうし、工事費は3兆円を超える可能性もあると思われるが、その場合、京都府の負担は1兆円。京都府はその100分の1でも負担できないだろう。

 「観光公害」「オーバーツーリズム」と観光客の増加に困っている京都市へ北陸からのアクセスを良くすることよりも、京都市の観光客を府北中部の丹波、丹後へ送るために山陰本線の複線化に取り組む方がよほど安いし、京都府にも京都市にもメリットがある。

 京都市に二之湯市長が誕生すれば、それを考えてくれるだろう。これまでタイプの官僚的な市長では府市の関係も今のままだろう。

 

 公舎会に出席し、京都に泊まった。


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