安倍晋三のゴマカシと責任転嫁と責任回避と開き直りの一人舞台となった対長妻昭2/20衆院予算委質疑

2018-02-22 10:57:20 | Weblog
安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 

 【訂正とお詫び】(2月23日7時10分)

 当記事に聞き取りにくかったが、「事務PT」と聞き取って「(事務プロジェクトチーム?)」と丸括弧付きで記載したが、昨日、2月22日衆院予算委NHKテレビ国会中継で立憲民主党逢坂誠二が「労働政策研究・研修機構、何とかPT]と発言していたことから、「事務PT」と聞き取った言葉は労働政策研究・研修機構(JILPT)と分かりました。訂正し、お詫びします。

 なお、「裁量労働制等の労働時間制度に関する調査結果 労働者調査結果」(労働政策研究・研修機構・平成26年6月30日)には、裁量労働制と通常労働制に於ける労働時間の比較に関して、〈1ヵ月の実労働時間をみると、「専門業務型」は、「企画業務型」「通常の労働時間制」に比べて「150 時間以上200 時間未満」の割合が低く、「200 時間以上250 時間未満」「250 時間以上」といった長い労働時間の割合が高い。「企画業務型」も「通常の労働時間制」と比較すれば労働時間が200 時間以上の割合が高い(図表2)。〉との記載があります。

 昨日(2018年2月21日)の当ブログで2018年2月20日衆院予算委での立憲民主党長妻昭と安倍晋三の裁量労働制を巡る安倍晋三の答弁撤回問題に対する追及と答弁のみを文字起こしして、遣り取りの解説は今日に回すことにした。

 文字起こししてみる気になったのはNHKの国会中継テレビを視聴したとき、長妻昭が攻めることができる相手の答弁を見逃してムダな発言を繰返すばかりの追及の甘さが結果として安倍晋三のゴマカシと責任転嫁と開き直りの一人舞台を許してしまったことに気づいたからである。

 意に留めるべき発言には文飾を施し、ページ最後に昨日文字起こしした遣り取りを参考のために再度記載することにした。

 長妻昭は2018年1月29日の衆院予算委員会で安倍晋三が厚労省の調査を基にして「裁量労働制で働く平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」と答弁し、その答弁を2月14日の衆院予算委で撤回したことを問題視して、そのデーターは捏造ではないか、捏造を基に世論誘導を謀ったのではないかといった追及を混じえているが、そのような疑いを持ったなら、そのことのみに集中した追及を行うべきだったが、それができなかった。

 長妻昭は1時間の質問時間を与えられていたが、その時間的余裕が聞かなくてもいい余分な質問にまで時間を割いてしまうムダをつくり出してしまったのかもしれない。

 以下、長妻昭の質問はなるべく簡単に、問題とすべき安倍晋三の答弁は詳しく取り上げてみることにする。

 先ず長妻昭は「何を撤回されたのですか」と最初の質問の矢を放った。

 安倍晋三「只今厚労大臣から答弁をさせて頂いたとおりでございます。引き続き精査が必要と厚労省から報告があったためですね、精査が必要なデータに基づいて行った答弁については撤回をして、そしてお詫びをさせて頂いたところでございます

 既にこの時点で安倍晋三の答弁を問題にすべきだったが、遣り過して、「総理が撤回したデータというの、どのデータ、どういうデーターなんですか。一般労働者よりも短いというデータがあると総理が答弁されたわけですね。総理ご自身がですよ」と如何なるデーターか聞いたのはいいが、もっと的確に「何という名称のどのような内容のデーターですか」と聞くか、開示を求めるべきだったろう。

 「世論誘導を目的とした捏造、情報操作の類いでなければ、開示はできるはずだ」とより直截に攻めるべきだった。

 そうしなかったから、同じ答弁の繰返しを招くことになった。
 
 安倍晋三「(からかうふうに)お・こ・た・えを致します。私が撤回を致しましたのは、先程の答弁を繰返させて頂きますが、『引き続き精査が必要と厚労省から報告があったため、精査が必要なデータに基づいて行った答弁については撤回をして、そしてお詫びをさせて頂きます』

 これは同じ答弁を引き出す時間のムダを費やしただけではなくて、質問のまずさを示している。安倍晋三は「引き続き精査が必要と厚労省から報告があったためですね、精査が必要なデータに基づいて行った答弁については撤回」と述べている。

 卑しくも総理大臣や所管大臣が国会答弁に使うデーターである。「満足に精査していないデータを厚労省はなぜ出したのか」といった追及ができなかたのだろうか。厚労相の加藤信勝は「データーを出した職員は精査不足だったことに気づかなかった」とは答えることはできないはずだ。答えたとしたら、精査がいい加減だったことになって、職員の能力に疑いを差し挟まなければならない適性の問題にかかってくる。

 安倍晋三が後の方で、「性格の異なる数値を比較していたことは不適切であり」と発言しているが、「性格の異なる数値」に気づかずに比較していたことも、無能と言ってもいい考えられないいい加減さである。

 このように追及していったなら、事実精査不足のまま出したのか、国会答弁を通して世論を騙すために意図的に数値を操作したのか、炙り出すことができる可能性も否定できない。

 後者であるなら、明らかに捏造に基づいた世論誘導となるが、長妻昭自身は「捏造ではないか」、「世論誘導ではないか」と言うだけで、安倍晋三の発言から疑惑が推定できる事実を特に突つくことはせずに、最後の方で「捏造ではないということはぜひ証明して頂きたい」と証明するはずもない相手に証明を預けたばかりか、精査不足のこのデーターを厚労省が2015年3月に民主党の厚生労働部門会議に出した際、課長と局長に説明はあったが、当時の塩崎大臣には説明を行っていなかったと加藤勝信が答弁したことに関して「検証して、きちっと紙で後日出して頂きたい」と要求する程度の生ぬるい追及で終えている。

 続いての質問で長妻昭は「そのデータが総理知らないで答弁しちゃったんですか、そのデータを」などと聞いているが、データの捏造と捏造したデータに基づいた世論誘導を疑って質問に立った以上、「総理は知っていて答弁したのではないのか」と聞かなければならなかったはずだが、そのように聞かなかったのは質問に立った自身の意図に明らかに逸脱していて、そのことに気づかないまま質問していたことになる。

 次の長妻昭の「撤回されたということは総理の答弁は虚偽だったと。事実と異なるということでよろしいですね」との質問に対する安倍晋三の答弁からも攻め込むことのできる点があったが、見逃してしまった。、

 安倍晋三「先程答弁をさせて頂いているところでありますが、私が答弁を致しました、いわば撤回を致しましたのはデーターを撤回すると申し上げたのではなくて、引き続き精査が必要と厚労省から報告があったため、精査が必要なデータに基づいて行った答弁について撤回し、お詫びをしたところでございます。

 ここで激しいヤジが起こるが、当然である。「精査が必要なデータに基づいて行った答弁」は撤回するが、「精査が必要なデータ」そのものは撤回しない。

 答弁を撤回せざるを得なくなった原因となったデータはそのままにしておくと言っているのだから、明らかに矛盾している。「精査が必要」と言っているが、意図的操作云々は抜きにしても正しくなかったデータであったことからの精査の必要性であって、それを「精査が必要」と表現しているのは正しくなかったとすることによって生じる責任を曖昧にする目的があるからだろう。

 このような目的が答弁は撤回、データは撤回せずという矛盾となって現れ、目的と矛盾が整合性の関係を取ることになる。責任を曖昧にする目的で矛盾を平気で犯すのは開き直り以外の何ものでもない。

 安倍晋三のこの後の発言からも、追及しなければならない点がいくつかあった。

 安倍晋三「詳細について答弁するのは、あの、詳細にですね、詳細について答弁させて頂くのは勿論、厚労大臣でありますし、この問題については詳細にですね、事実を全て把握しているのはこれは厚労大臣であります」

 確かに厚労大臣は厚労行政に関する政策・知識に関しては首相よりも詳細に把握しているだろうが、それでも政策その他の細部についての国会答弁や記者会見発言に関しては厚労省のレクチャーを受けたり、データに頼ったりしなければ大臣を成り立たせることはできないはずだ。

 大体が厚労相がデーター問題に関して「詳細に事実を全て把握」していたなら、「精査が必要」なデータを安倍晋三の国会答弁用に出すこと自体が矛盾することになる。厚労省そのものが働き方改革法案を通したいばっかりに捏造したデーターを安倍晋三に渡し、そのことに前任の塩崎恭久や加藤勝信が加担していたと疑われても仕方がない。

 加藤勝信が「詳細に事実を全て把握」していたわけではないことは、安倍晋三に続いて答弁に立った加藤勝信の発言が証明することになる。

 加藤勝信「私はですね、答弁の中で具体的な数字・データをお示ししておりますので、そうしたデータをお示しさせて頂いたこと、これを撤回させて頂きます。私は撤回させて頂いたところでございます。

 いずれにしても、そうした撤回をしておりますわけですから、今、委員ご指摘のように確か事務PT(事務プロジェクトチーム?) ですか、一般労働者と裁量労働者について実際に働いている方に対するアンケートと言いますか、聞き取った調査の結果で比べると、平均時間に於いては一般労働者の方がですね、裁量労働者よりも短いというデータがあるということは承知をしているところであります」

 虚偽答弁ではないことを証拠立てるためにどこでどう精査不足が生じたのか、にも関わらず、精査不足を罷り通らせたのはなぜなのか等々長妻昭を納得させる答弁ではなく、ウソが混じっているかどうかも分からないこれまでの経緯を表面的に述べた程度の「詳細に事実を全て把握」に過ぎない。

 安倍晋三の引き続いての次の答弁に関しても何らかの追及を行わなければならなかったはずだ。  

 安倍晋三「私の場合は勿論、この予算について、森羅万象全てのことについて私はお答えしなければならない立場ではありますが、全てのことについてはですね、しかし、それは全て私が詳細に把握しているわけではありません。

 私がお答えさせて頂いたのはですね、まさに厚生労働省の調査によれば、『裁量労働制で働く方の労働時間の長さは平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデーターもある』

 そういう旨の答弁をですね、これは厚労省から来るわけであります。そしてそれをですね、私は参考にして答弁をさせて頂いたと、こういうことであります。

 それ以上のものではない。そういうことでございます。その中のそれ以上の詳細については厚労大臣がおりますから、厚労大臣と議論して頂ければいいのではないかと、このように思います」――

 厚労省が出したデータを「全て詳細に把握しているわけではない」が事実そのとおりであったとしても、「精査が必要」は後付けのことであって、そのデーターを国会で自分の口から発信した以上、そのデータと自分の意図なり考えなりを一致させたことになる。

 他人が出したデータだからと言って、あるいは単に参考にしただけであっても、自分の意図なり考えなりと一致させることのできないデーターを国会で答弁として用いることができるだろうか。もし用いるとしたら、これは自分の意図あるいは考えと異なるデータだと前以て断りを入れなければ、国会を騙すだけではなく、国民をも騙すことになる。

 いや、用いる前に自分の意図なり考えなりと一致しなからと、用いることを断るはずだ。

 勿論、国民世論を誘導するために一致させたかどうかは分からない。追及の持っていきどころによっては、そのような一致であるかどうかを炙り出すことができるかもしれないし、炙り出すことができないかもしれない。

 2018年1月29日の衆院予算委員会で安倍晋三が「厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもあるということは御紹介させていただきたいと思います」と発言できたのはそのデータと自分の意図なり考えなりを何らかの目的のもと、一致させることができたからであろう。

 当然、そのデータを国会答弁に用いた責任は生じる。「全て詳細に把握しているわけではない」からとか、厚労省が出したデータだからと言って責任を逃れることはできない。

 このような観点からすると、上記発言は責任を回避する意図に基づいたゴマカシそのものとなる。

 対して長妻昭は「総理の言うことはですね、半分は正しいと思いますよ。厚労大臣は厚労行政を詳細に把握すると。だから、総理はですね、じゃあ、こういう答弁はしちゃあダメなんですよ」と的外れな反応を示している。そして裁量労働制の労働時間と一般の労働時間の平均の違いを「実はあんまり知らなくて言ってしまった」ことを「無責任ですよ。総理、そういう責任はどうなるんですか」と発言しているが、責任の範囲をその回避にまで広げることはできない。

 首相たる者が、例え一大臣であっても、省庁なり他人が出したデーターを国会答弁や記者会見に用いる以上、そのデータと自分の意図なり考えなりと一致させていたことになるという認識がないと、間違えたデータを用いた意図について長妻昭が「私は世論を誘導したんではないかと、そういう強い疑いを持っているわけですが」と追及したとしても、安倍晋三から「ですから、精査が必要なこの調査についてですね、答弁したことについては撤回をし、お詫びをしたところでございます」と繰返し用いている答弁でいとも簡単に片付けられることになる。

 長妻昭がデータは「首相官邸サイドからですね、呟きとか、あるいはこういうデータないんだとか、あるいはそういうデータを探さなきゃいけないと忖度が働いた」意図的な捏造ではないと発言されると、安倍晋三は次のように答弁している。

 安倍晋三「官邸から資料を出したんではないかという疑いを掛けられましたが、私の方から答えさせて頂き、えー、資料についてはですね、厚労大臣からお答えさせて頂き、このように思います。

 で、先ずですね、4月29日の予算委員会でですね、長妻委員から、裁量労働制について質問の通告を頂きました。その後の勉強会、いわばその日、7時間かな、予算委、すべての質問について私は勉強会を早朝から開くわけでございまして、一つ一つの質問についてはそれ程長い時間を掛けれないというのは委員もご承知のとおりだろうと思います。

 その後の勉強会の際にですね、事務PTのアンケート調査、厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは平均的な方で比べれば、一般労働者より短いというデータもあるという「メモ答弁」が厚生労働省から上がってきているという説明を受けました。

 かねてより事務PTのデータかどうかは定かではないが、委員を始めとする野党の皆さんから裁量労働制の方が一般の方よりも労働時間が長くなるとのご指摘を受けてまいりました。


 そうしたご指摘を受けてきたことを踏まえて、1月29日の答弁に於いては厚労省から上がってきた答弁にはデータがあったことから、岩盤規制厚生労働委員会の際、厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは平均の方で比べれば、一般の労働者よりも短いというデータもあるとご紹介させて頂いたところでございます」――
 
 この発言も厚労省が国会答弁用にメモしたデータ(「メモ答弁」)を「ご紹介させて頂いた」だけだと、厚労省に対するゴマカシそのものの責任転嫁を働いている。責任転嫁は責任回避を背中合わせとする。

 「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデーターもある」と発言して、その当時は精査不足だと知らされていないから、裁量労働制の見直し・職業範囲拡大が裁量労働制労働者の不利になるわけではないと思わせた、あるいは、ああ、そんなものかと同意を誘導しようとしたのである。

 それを「ご紹介させて頂いた」だけで済ませようとしている。この責任転嫁=責任回避も開き直りの部類に入る。

 対して長妻昭は「総理、ちょっとお答えになっていないんですよ。このデータが、先程申し上げたじゃないですか。作られたのは今じゃなくてですね、このデーターについて2015年の3月に、直前に作られたんですよ」と応じている。

 この程度の追及しかできないなら、いくら質問時間を与えられても満足な追及はできまい。

 満足な追及ができことに対応した安倍晋三の答弁に現れることになるゴマカシと責任転嫁と責任回避と開き直りの一人舞台ということなのだろう。

 2018年2月20日衆院予算委:裁量労働制発言撤回に関わる安倍晋三と長妻昭の質疑応答

 長妻昭「裁量労働制のデータについて先月私に対する答弁、撤回されたということですが、私が与り知らないところで総理サイドから何の連絡もなく、一方的に撤回されたということで、どういうことなんでしょう。何を撤回されたのですか」

 厚労相の加藤勝信が指名される。

 長妻昭(立ち上がって)「総理に聞いているんですよ。委員長、総理が撤回したんでしょ。何で総理が答えないんですか。何を撤回しているのか聞いているんですよ。最初から何でそういうふうになるんですか」

 加藤勝信「委員の方からご指摘を頂き、私供の方で調査させて頂きましたところ、調査に時間を要するということに対して色々とご議論を頂き、野党の、長妻先生からも撤回すべきだとご指摘を受けたように思っていますし、与党からもそうしたご指摘がございましたので、そうした精査に時間を要するのも申し訳ないのですが、そうしたデータをお示しをし、討論させて頂いとこと、これについて撤回をし、そしてこれまで皆様方に、国会、そして国民の皆様方にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げたところでございます」

 安倍晋三「只今厚労大臣から答弁をさせて頂いたとおりでございます。引き続き精査が必要と厚労省から報告があったためですね、精査が必要なデータに基づいて行った答弁については撤回をして、そしてお詫びをさせて頂いたところでございます」

 長妻昭「総理が撤回したデータというの、どのデータ、どういうデーターなんですか。一般労働者よりも短いというデータがあると総理が答弁されたわけですね。総理ご自身がですよ」

 ここでパネルが示される。

 長妻昭「ヤジを飛ばさないでください、ヤジを。真面目にやっているんですから」

 安倍晋三「(からかうふうに)お・こ・た・えを致します。私が撤回を致しましたのは、先程の答弁を繰返させて頂きますが、『引き続き精査が必要と厚労省から報告があったため、精査が必要なデータに基づいて行った答弁については撤回をして、そしてお詫びをさせて頂きます』」

  長妻昭「そのデータが総理知らないで答弁しちゃったんですか、そのデータを。データとはどんなデータだったんですかと私は聞いたんですが、総理。

 じゃあ、知らないということですね、そのデータを」

 加藤勝信「先程申し上げましたように平成25年の私供厚労相の調査の結果を踏まえてですね、お示しをしたデーターで、それが精査が必要だといったデータ、これについてお示しをしたことについて撤回をさせて頂いたということでございます」

 長妻昭「別に我々は敵じゃないですからね、総理。働き方改革、いい方向に持っていきたいですよ、我々は。ただ事実がですね、違う事実を現状把握をして間違えた方向に政策が進むというのは、これは不幸なことですよ。 

 だから、それを冷静に議論しているわけですから。総理ですね、ちょっと今の遣り取りで驚いているのはデータの中身をご存じなくて答弁されていた、今非常に強く持つわけですございますけども。

 総理、ちょっと伺いますが、撤回されたということは総理の答弁は虚偽だったと。事実と異なるということでよろしいですね」

 安倍晋三「先程答弁をさせて頂いているところでありますが、私が答弁を致しました、いわば撤回を致しましたのはデーターを撤回すると申し上げたのではなくて、引く続き精査が必要と厚労省から報告があったため、精査が必要なデータに基づいて行った答弁について撤回し、お詫びをしたところでございます。   (開き直り)

 この段階ではですね、(ヤジ)すみません、答弁中は。これNHKを見ておられる方は聞こえないかもしれません。大変な声量のヤジでございますから。これ、落ち着いてですね、皆さん、議論しましょうよ。

 そこでですね、私が申し上げたのはいわば精査をしている最中でありますから、精査をしているさ中に於ける私の答弁でありますから。しかし引き続き答弁が、精査が必要な、このデータについて答弁したことについては、これは、えー、撤回をさせて頂きたいと、こういうことでございます。

 そしてその上に於いてですね、今週月曜日にですね、精査したものをですね、厚労省がお渡しをしたんだと、こういう時系列でございますからそのとおり私が申し上げているところでございます。

 そしてですね、また長妻委員が私が知らないで答弁したと、どこまで知っているのかという問題でも、分かるわけでございますが、これはですね、担当大臣は厚労大臣であります。詳細について答弁するのは、あの、詳細にですね、詳細について答弁させて頂くのは勿論、厚労大臣でありますし、この問題については詳細にですね、事実を全て把握しているのはこれは厚労大臣であります。

 私の場合は勿論、この予算について、森羅万象全てのことについて私はお答えしなければならない立場ではありますが、全てのことについてはですね、しかし、それは全て私が詳細に把握しているわけではありません。

 私がお答えさせて頂いたのはですね、まさに厚生労働省の調査によれば、『裁量労働制で働く方の労働時間の長さは平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデーターもある』

 そういう旨の答弁をですね、これは厚労省から来るわけであります。そしてそれをですね、私は参考にして答弁をさせて頂いたと、こういうことであります。

 それ以上のものではない。そういうことでございます。その中のそれ以上の詳細については厚労大臣がおりますから、厚労大臣と議論して頂ければいいのではないかと、このように思います」

 長妻昭「総理の言うことはですね、半分は正しいと思いますよ。厚労大臣は厚労行政を詳細に把握すると。だから、総理はですね、じゃあ、こういう答弁はしちゃあダメなんですよ、

 詳細に把握していないのに、我々の(労働時間が)長いという追及に反論しなかったのか。裁量労働制が短いということを総理自身がおっしゃって、でも、実はあんまり知らなくて言ってしまったと。

 今、そんなような答弁だったと思いますけど、無責任ですよ。総理、そういう責任はどうなるんですか。で、答弁は撤回したけれども、データは撤回しないと。こういうご答弁がありました。これはデータは撤回したんですか。

 つまり裁量労働制の方が長いと、一般の労働者と比べてですね、平均的な者では裁量労働制のほうが長いと。こういう逆のデータがあるとデータになったと。こういうことでよろしいですか」

 加藤勝信「私はですね、答弁の中で具体的な数字・データをお示ししておりますので、そうしたデータをお示しさせて頂いたこと、これを撤回させて頂きます。私は撤回させて頂いたところでございます。

 いずれにしても、そうした撤回をしておりますわけですから、今、委員ご指摘のように確か事務PT(事務プロジェクトチーム?) ですか、一般労働者と裁量労働者について実際に働いている方に対するアンケートと言いますか、聞き取った調査の結果で比べると、平均時間に於いては一般労働者の方がですね、裁量労働者よりも短いというデータがあるということは承知をしているところであります」

 長妻昭「ま、これですね、裁量労働制、これみなし残業時間をつけて、そして、それ以上働いても残業代は出ない。しかも上限の労働時間もないということでございます。

 大体みなし残業時間ですね、厚労省の調査によると、平均で8時間19分、裁量労働制ですね、でも、実際には平均で9時間16分、働いておられる。いうようなことで、非常にですね、みなし、オバーしてしまう。

 まあ、政府はですね、裁量労働制が入れば、短い働き方ができますよ。こんなような話を仰ってるんですけど、現実には全く逆である。過労死が増える。ご家族も、過労死のご家族も仰っておられます。

 その中で平成25は労働時間等総合実態調査というのを厚労省が出され、そこで1日の労働時間については平均的な者では裁量労働制が9時間16分。一般の方が9時間37分で、いや、裁量労働制の方が一般の方よりも短いから、そういうデータもあるんだと。

 こういうようなことで、私は世論を誘導したんではないかと、そういう強い疑いを持っているわけですが、総理、そういう軽率な答弁の責任というのはどうするんです」

 安倍晋三「ですから、精査が必要なこの調査についてですね、答弁したことについては撤回をし、お詫びをしたところでございます」

 長妻昭「お詫びをすれば済むって話なんですかね、これ。これはある意味3年間騙され続けてきたんです。これ、国民の皆さんもそう思うかもしれません。

 一番初めにこのデータが出たのは民主党の厚生労働部門会議というところにですね、我々の昔のスタッフに確認をしましたら、2015年の3月26日に厚労省から提示をされたと。

 その当時はですね、裁量労働制というのは相当に労働時間が長くなる。こんなようなことを我々もですね、問題視をしていたさ中でございます。その中で裁量労働制の方が短い、そういうデーターもあるんです、バックデータもなしでしたけれども、民主党厚生労働部門会議で初めてそれが出てきた。

 経緯を見ますとですね、その前から、前年もそうですけど、総理に対しても当時の塩崎大臣ですか、塩崎大臣に対して相当追及が強まってたんですね、野党から。裁量労働制、長いじゃないかと、おかしいじゃないかと。

 独立行政法人の労働政策研究研修機構、このデータでは平均労働者ではですね、通常の労働者よりも企画型裁量労働制の方が長い、こういう平均時間がきちっとしたデータがあるんです。

 そういうデータがあるというではないかと追及していたときにですね、この2015年3月に出てきた。非常にうま過ぎる話なんですよ。そして今回、そのデータがインチキだったことが分かったわけでありまして、これ、捏造ではないかと言うことを私は強く疑うわけであります。

 捏造というのは事実ではないことを事実のように拵えること、デッチ上げることをいうふうに辞書にはありますけれども、これ捏造であれば、政策を歪める意図が働いたということで、これ、大変なことだと思いますよ。

 本当にこれ捏造ではないのかどうか、きちっとした調査をして確認をしたんですか。あるいは総理も追及をされていました。裁量労働制長くなると言って、前年に。首相官邸サイドからですね、呟きとか、あるいはこういうデータないんだとか、あるいはそういうデータを探さなきゃいけないと忖度が働いたとか。

 このデータ、やっちゃあいけないことをやってるんですよ。総理はやってますけどもね。笑っていることではないんですよ、総理。分かってるんですか、この重大性を。

 政策は、政策はあれですよ、(後ろからヤジ)いやいや、『決めつける』というヤジを飛ばすから、これ、言わざるを得ないんですよ。決めつけじゃなくて、インチキなデータだったんですよ。

 そういう厚労行政、私も携わっていましたけども、データに基づいて現状を冷静に把握していかないと。それは間違うわけですよ。だから、私は言っているんですけども、捏造ではないということはぜひ証明して頂きたい、調査をしていただきたいと思いますが、本当に捏造じゃないんですか、これ」

 安倍晋三「官邸から資料を出したんではないかという疑いを掛けられましたが、私の方から答えさせて頂き、えー、資料についてはですね、厚労大臣からお答えさせて頂き、このように思います。

 で、先ずですね、4月29日の予算委員会でですね、長妻委員から、裁量労働制について質問の通告を頂きました。その後の勉強会、いわばその日、7時間かな、予算委、すべての質問について私は勉強会を早朝から開くわけでございまして、一つ一つの質問についてはそれ程長い時間を掛けれないというのは委員もご承知のとおりだろうと思います。

 その後の勉強会の際にですね、事務PTのアンケート調査、厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは平均的な方で比べれば、一般労働者より短いというデータもあるというメモ答弁が厚生労働省から上がってきているという説明を受けました。

 かねてより事務PTのデータかどうかは定かではないが、委員を始めとする野党の皆さんから裁量労働制の方が一般の方よりも労働時間が長くなるとのご指摘を受けてまいりました。

 そうしたご指摘を受けてきたことを踏まえて、1月29日の答弁に於いては厚労省から上がってきた答弁にはデータがあったことから、岩盤規制厚生労働委員会の際、厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは平均の方で比べれば、一般の労働者よりも短いというデータもあるとご紹介させて頂いたところでございます。

 で、ここでですね、今委員がご指摘になったようにですね、民主党の部門会議に提出する資料の作成についてでございますが、そのときについてどうだったかという経緯を官邸内でもう一度調べてみたわけであります。

 その結果ですね、私や、私が答弁したことをですね、私のスタッフが指示を行ったこともないわけであります。厚労省の所管に属する事項については本来厚労省に於いて責任を持って資料を作成する決まり(?)であります。これは当然のことであろう、ええ、思うわけであります。

 しかしながら、今回、結果として性格の異なる数値を比較していたことは不適切であり、私からも深くお詫びをしたいと思いますが、厚労大臣から厚労省については答弁させてたいと思います」

 長妻昭「総理、ちょっとお答えになっていないんですよ。このデータが、先程申し上げたじゃないですか。作られたのは今じゃなくてですね、このデーターについて2015年の3月に、直前に作られたんですよ。

 そのとき初めて民主党の部門会議に出てきましたから、そのときに首相官邸サイドが色んな所からですね、何かデータがないのか、責められる一方だと。裁量労働制は長い、長いと言われているからと、そういうような話があったんですかと、いうようなことをお伺いしたいのに、今の話じゃないですよ。

 2015年3月より前の話で、お伺いしているわけですけれども、そっちの方、厚労相はどうですか。塩崎大臣でしたけども、決済上がってるんですか」

 安倍晋三「私はお答えさせていただきました。1月29日のことは1月29日とお答えさせて頂きましたから、その後ですね、当時の民主党の部門会議に提出する資料の作成については私や私のスタッフから指示を行ったことではないと、その前に、その当時のことを調べて、そういうふうに答弁させて頂いております。

 その後にですね、また1月29日の答弁について触られておりますが、それぞれお答えさせて頂いております」

 加藤勝信「委員ご指摘のようにそれぞれ異なる形で選んだデータをですね、比較をしてしまったということ、これは不適切とされ、これはそのとおりであります。

 深くお詫びをしたいと思います。その上で平成27年3月、ご指摘のように当時の民主党の厚生労働部門会議に於いてこの裁量労働制初めとした議論がなされておりました。で、具体的な経緯・評価は残っておりませんけれども、その場に於いて裁量労働制について色々とご指摘を頂いた、それにお答えをしていくということで、(指で厚さを示して)20枚以上の資料を提出した中に今ご指摘を頂いている、その提出した資料があったわけであります。

 で、そのときには具体的な手続きとして決済とおっしゃいましたけど、私のイメージでは決済書をつくって回すということではなくて、そういう手続きは厚労省は取っていないようでありますが、こういう文書を民主党のそういったところに出しますよということで課長、そして当時の局長にですね、説明があり、了解を得たということで、大臣には説明を行っていないと、そういうことで確認をしております」

 長妻昭「これだけの資料をですね、野党に出すときに、まあ、私の経験では大臣に説明を行うはずだと思いますよ。

 これも検証して、きちっと紙で後日出して頂きたいと思います。本当に捏造ではないのかどうか。まあ、委員長にですね、採決までに、そういうデーた、資料をお出し頂きたいと言うことを要請します」

 河村委員長「理事会で闘技をさせて頂きます」

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