天皇主義者安倍晋三、海上保安大卒業者と特修科修了者に天皇主義・天皇への奉仕を吹き込む欲求を働かせた

2018-03-30 10:29:00 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 

 「海上保安大学校卒業式 安倍晋三祝辞」首相官邸/平成30年3月24日)

 本日、海上保安大学校本科卒業式及び特修科修了式に当たり、祝辞を述べる機会を得たことを、内閣総理大臣として大変うれしく思います。 

 卒業生・修了生諸君、卒業おめでとう。

諸君が、この海上保安大学校から錨(いかり)を揚げ、海上保安官として前途洋々たる航海に船出するに際し、一言、はなむけの言葉を申し上げます。

我が国と世界を結び、恵みの源である海。古来より、我が国は、海を愛し、海に守られ、発展を遂げてきました。

しかし、先の大戦で、我が国の周辺海域は、灯台は破壊され、沈没船が航路を塞ぎ、大量の機雷が浮遊する暗黒の海と化していました。

諸君の先輩たちは、再び日本の海を拓くことが祖国の復興につながると信じ、機雷の掃海という極めて困難な任務にもひるむことなく、命を賭して、この危険な海に立ち向かい、恵みの海を取り戻しました。

海上保安庁が創設されてから70年。先人たちが灯(とも)した光は、今日に至るまで、日本の海路(うみじ)をしっかりと照らし、国民の生命と財産を守り続けてくれています。

私たちは、四方を海に囲まれた我が国の平和と繁栄が、あまたの人々の身をていした貢献の上に築かれていることを忘れてはなりません。 

現在、我が国の海域を取り巻く環境は、海上保安庁の歴史で類を見ない厳しさを見せています。

日本海では、北朝鮮漁船が我が国の排他的経済水域の中での活動を活発化させています。昨年、海上保安庁は、2,000隻にも及ぶ違法操業船に退去警告を実施し、300隻以上に放水措置を実施しました。

北朝鮮からと思料される漂流・漂着船もこの数か月で急増し、昨年11月には、北海道沖、松前小島に多数の乗組員が上陸し、窃盗を行いました。その際、巡視船しれとこが立入検査を行ったときの状況を、大岩主任航海士は、次のように語っています。

殺気漂う北朝鮮の船に乗り込む際、16年前、北朝鮮工作船から攻撃を受けた事件が脳裏によぎりました。しかし、国民の安全を守り抜く。その使命感が、自然と背中を押し、検査を全うすることができました。

いかなる状況にも敢然と立ち向かい、任務を全うする。並大抵の覚悟や努力でなし得るものではありません。諸君には、これからも、日々、鍛錬を重ね強靱(きょうじん)な精神力を涵養(かんよう)してほしいと思います。尖閣諸島周辺海域では、24時間365日、そして、今この瞬間も、諸君の先輩たちは、我が国の主権を守るため、絶え間ない緊張感の下、荒波をものともせず、歯を食いしばり、領海警備に当たっています。 

平成24年の尖閣諸島の国有化以降、年間延べ700隻もの外国公船が接続水域を航行し、領海侵入を試みています。近年は、外観上、明らかに機関砲を搭載した公船も出現しています。

平成28年8月、巡視船みずほの山田船長の全身に、かつてないほどの緊張感が走りました。レーダー画面をびっしりと覆う300隻もの外国漁船の姿、その周囲には15隻の外国公船。これらの船が一斉に領海に侵入してきました。

実効支配の既成事実を作らせない。何としても活動を阻止しなければならない。だが、巡視船の大きな船体に漁船の網が巻き込まれるだけで、漁船は転覆し、船員の命を奪ってしまうことにもなりかねない。集中力の途切れが、操船ミスにつながり、外交問題にも発展する。

極度の精神的重圧の下で、5日間、120時間にわたり、保安官たちは、漁船団のわずかな間を縫って公船に近づき、警告を発し、退去要求を続けながら、漁船の侵入を阻止し、領海外へ退去させました。

 培ってきた技能とチーム力で、完遂できると確信を持っていた。

後に、現場指揮の遠山次長が、語った言葉です。

こうした中、漁船団の1隻が、航行中の貨物船と衝突しました。巡視船、航空機がすぐさま現場に向かい、沈みゆく船から投げ出された外国人6名を救助し、行方不明となった8名の捜索に当たりました。

外国漁船が、対峙する警備の対象から救助する対象に変わった瞬間に、現場のメンバーは迷うことなく、全力で乗組員を救助し、行方不明者を捜索したのです。彼らの行動に、現場及び外交ルートで、相手国側から感謝の意が伝えられました。

日本が体現した協力と人道主義精神に、賞賛を表明する。

正義仁愛。海上保安庁創設以来の、このすばらしい理念を、先輩たちは、当たり前のように実践していました。

初代 大久保長官は、犯罪の取締りに必要な正義の信念と厳しい行動、そして、人命救助の象徴である仁愛の情と献身の勇気、こうした行動と心情が調和したところに、海上保安庁の伝統と精神が生まれると、訓(おし)えています。

諸君にも、そのような心構えを常に持って、本庁から現場に至る各層の指揮官として、将来の海上保安庁を担っていただきたいと思います。

今年は明治維新から150年の年に当たります。五箇条の御誓文には、旧来の陋習(ろうしゅう)を破り、天地の公道に基づくべし、すなわち、古くからの悪い習慣をなくして、世界共通の正しい道理である国際法に従うべきこと、が示されています。

明治の時代も、今も、日本の繁栄は海洋と貿易の自由によってもたらされました。ルールに基づく自由で開かれた海を、次の世代へと引き継いでいかなければなりません。

私は、就任以来、争い事が生じた際には、国際法に照らして正しい主張をし、力の行使や威嚇に頼らず、平和的解決を図るべきと、国際社会に訴え続けてきました。しかし、この広い海において、我が国一国だけで、これを成し遂げることはできません。

法の支配が貫徹する公共財として海を保つことに、共通する利益がある。日本がリーダーシップを発揮し、こうした考えを共有し、広めていく必要があります。それを体現するのが正に海上保安庁であります。その白い船体は、事を平和裏に解決する意思を明確に示しています。

指揮官たる諸君には、このような精神でこの海を守り抜き、志を同じくする国々の仲間たちと共に、法の支配にのっとった自由で平和な海を、後世に引き継いでほしい。

諸君は間もなく、現場の最前線に出ることとなります。

我が国の存立基盤たる海の平和の守り人として、人の命を救い、凶悪な犯罪に立ち向かう。海上交通路の安全を守り、領土・領海を守り抜く。海洋権益の確保のための調査や海洋環境の保全も重要な任務です。

任務は常に危険と隣り合わせで、極度の緊張を強いられます。ときには、その重圧に押しつぶされそうになるかもしれません。ぎりぎりの判断を迫られ、身がちぎれそうになることもあるでしょう。

卒業生・修了生諸君。そうした苦難に直面したとき、大学校での鍛錬の日々を、思い出してほしい。

海に頼める日本の、前途を担う我が使命、と、声の限り歌ってきた校歌は、諸君を再び奮い立たすに違いありません。

同時に、広い視野を持ち、国際感覚を涵養し、自ら考え抜き、従来の発想にとらわれることなく柔軟に事に当たっていってほしい。

この場から新しい歴史を作り上げるのは、正に諸君であります。

御家族の皆様。この晴れの日に当たり、心からお祝いを申し上げたいと思います。皆、入学前とは見違えるような、たくましい若き指揮官に成長しました。

皆様の大切なお子様を、平和な海を次世代につなぐ海上保安官として送り出してくださったことに、内閣総理大臣として、心から感謝いたします。お預かりした以上、しっかりと任務が遂行できるよう、万全を期すことをお約束申し上げます。

最後となりましたが、学生の教育に尽力されてこられた平田大学校長を始め教職員の方々に敬意を表するとともに、日頃から海上保安大学校に御理解と御協力を頂いている御来賓の方々に感謝を申し上げ、私の祝辞と致します。

 平成30年3月24日 内閣総理大臣 安倍 晋三

 (文飾は当方)

 言っていることは至極立派である。スピーチライターの素晴らしい贈り物だろう。だが、「明治維新」云々と「五箇条の御誓文」の下りは天皇主義者である安倍晋三が求めたこの男なりの信条表明であろう。安倍晋三が天皇主義者でなかったら、スピーチライターが現代社会から遥か遠く離れた150年も昔の「明治維新」だ、「五箇条の御誓文」だを書き入れていたとしたら、削除を命じていたに違いないからだ。

 要するに「明治維新」とその時代の産物である「五箇条の御誓文」に時代的にも認識的にも近い感覚――親密性を持っているからこそ、自らスピーチに取り入れたことの証左とすることができる。

 安倍晋三が天皇主義者であることの証拠は数々あるが、2012年12月26日に発足する第2次安倍政権の前の2012年1月10日発売「文藝春秋」2月号に寄稿した 『民主党に皇室典範改正は任せられない 「女性宮家」創設は皇統断絶のアリの一穴”』という題名の中の「皇統断絶」なる言葉と文中の一節からも見て取ることができる。

 安倍晋三「私は、皇室の歴史と断絶した『女系天皇』には、明確に反対である」――

 「皇室の歴史」とは皇祖神武天皇に発した天皇家の血の歴史を言い、「皇統断絶」とは、そのような天皇家の血と歴史を女系天皇を混じえることによってもたらすことになる男系天皇の断絶を言う。

 だから、「『女系天皇』には、明確に反対である」と強く主張する。

 そして安倍晋三は7年間の占領期間を終えて日本が主権を回復した日を祝う2012年4月28日の自民党主催「主権回復の日」に寄せたビデオメッセージで、「占領時代に占領軍によって行われたこと、日本はどのように改造されたのか、日本人の精神にどのような影響を及ぼしたのか」との表現で戦前の日本の時代と同じく戦前の日本国家に悪影響を与えた戦後の米軍占領時代を嫌悪・否定、当然の成り行きとして戦前の時代と戦前国家の連続性を願い、「戦後レジームからの脱却」を掲げることになった。

 では、戦前の日本の時代と戦前の日本国家の起点をどこに置いているか言うと、2018年の年頭所感は、「新年あけましておめでとうございます。 本年は明治維新から、150年の節目の年です」で始めている。

 要するに安倍晋三は日本国家の歴史のスタート地点を神武天皇即位に置き、日本の近代国家のスタート地点を明治維新に置いている。靖国神社参拝で行う「国のために命を捧げた英霊に対して国のリーダーが尊崇の念を表する」戦死者への追悼の形式は「国のために」とすることによって戦前日本国家称揚の儀式となる。

 戦前そうしていたように命を捧げる対象として「天皇陛下」を加えて、「天皇陛下のために」と口にしたいはずだが、そうした場合、あまりにも天皇主義者であることを露出させることになるから、腹の中だけにして、口にはすまいとじっと我慢しているに違いない。

 かくこのような天皇主義者である安倍晋三が海上保安大学卒業式及び特修科修了者に戦後民主化された日本に於ける2018年の年を「明治維新」から数えて「150年の年」だと言い、1868年(慶応4年)3月14日に明治天皇が天地の神々に誓うという形式で示された明治新政府の基本方針である、その時代の産物「五箇条の御誓文」の精神を吹き込もうとした。

 五箇条の御誓文   

一,広ク会議ヲ興シ,万機公論ニ決スヘシ。
一,上下心ヲ一ニシテ,盛ニ経綸ヲ行フヘシ。
一,官武一途庶民ニ至ル迄,各其志ヲ遂ケ,人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス。
一,旧来ノ陋習ヲ破リ,天地ノ公道ニ基クヘシ。
一,知識ヲ世界ニ求メ,大ニ皇基ヲ振起スヘシ  

 ネット上の幾つかのページから最も理解しやすい現代語訳を引用して、思う解釈を加えることにした。

 「万機公論ニ決スヘシ」 「天下の政治は世論に従って決定すべきである」

 下からの方向の政治志向性となっている。

 「経綸」 「国家の秩序を整え治めること。また、その方策」

  上からの方向の政治志向性となっている。

 「官武一途庶民ニ至ル迄,各其志ヲ遂ケ,人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス」

 上からの統制志向性を成り立たせようとしている。

 「旧来ノ陋習ヲ破リ、天地ノ公道ニ基クヘシ」 「古い慣習を脱して、世界の正しい道、おおやけの道理に基づくべき」

 道義の掲揚。個人に任せるべき価値判断だが、国家指導の意志が見える。

 「皇基」 「天皇が国家を統治する基礎」

 「振起」 「奮い起こすこと。盛んにすること」

 最後の最後になって、「知識ヲ世界ニ求メ,大ニ皇基ヲ振起スヘシ」との文言で、「知識の限りを尽くした手段・方法を用いて、天皇が国家を統治する基礎を奮い起こそう」と天皇への奉仕を求めている。

 これは「教育勅語」と同じ構図を取っている。最初は臣民に「忠義と孝行」、「父母への孝行」、「親密な兄弟関係」、「仲睦まじい夫婦関係」、「信頼性を持った友人関係」を求め、さらに「公共の利益や世間の務めへの尽力」、「憲法と他の法律遵守」への期待、最後の最後になって、「天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スベシ」(永遠に続く皇室の運命を援助するようにしなさい)と天皇への奉仕を求めている。

 当然、国家から国民に向けた最も肝要な要求は天皇への奉仕であって、天皇への奉仕を中心思想とした構図という点で、「五箇条の御誓文」も「教育勅語」も何ら変わりはない。

 日本国家の歴史のスタート地点を神武天皇即位に置き、日本の近代国家のスタート地点を明治維新に置いている天皇主義者安倍晋三は海上保安大卒業者と特修科修了者に対して民主体制下の日本の2018年を「明治維新から150年の年」と位置づけ、天皇への奉仕を中心思想としている「五箇条の御誓文」に触れることで、海上保安大卒業者と特修科修了者に天皇への奉仕の精神のみならず、自らの天皇主義まで吹き込む欲求を働かせた。

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安倍晋三が森友疑惑で国民の信任を失っている状況下で総選挙勝利による国民の信任の永久保存版は裸の王様

2018-03-29 10:50:45 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
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“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2018年3月28日の参院予算委集中審議で自由党共同代表の山本太郎が安倍晋三に辞任を迫った。文飾当方。

 山本太郎「自由党共同代表の山本太郎です。社民党との共同会派希望の会を代表してお聞きします。総理大臣、総理、いつ辞めて頂けるんですか」

 安倍晋三「あの、この場でですね、進退についてお話をする必要はないんだろうと思っております。いずれにせよ、私は先ずやるべきことをしっかりと成し遂げていくことが私の責任だろうと、こう考えております。

 昨年の総選挙に於いてですね、私供、やるべきことは国難を突破していくということを国民に申し上げて、そして国民の信を得たところでございます。

 その上に於いて当然、選挙でお約束したことはしっかりと進めていくことが私の責任だろうと、こう考えているところでありますし、まさにこの国会に於いてですね、国会でお約束したこと等に含む予算が入っております。しっかりとこの予算を成立させ、約束通りに果たしていきたいとこのように考えております」

 山本太郎「総理ご自身、責任を痛感していると、最終的責任はご自身にあると、自分にあるんだろうというふうに仰ってるんですよね。部下の不祥事、財務省ですね、部下の不祥事、その責任をトップが取るっていうのは、これ当たり前なんですよ。世の中の常識なんですよ。

 例えば今年発表、神戸製鋼、品質データ改ざん問題、これ現場の判断で行ったということですが、会長兼社長、引責辞任されてるんですよ(等々、部下の不祥事に対して企業トップが責任を取って辞任する例を幾つか挙げる。)

 不祥事があれば、責任を取るのはトップなんですよ。これ世の中の常識なんですね。で、行政に於いて公文書の改竄が行われた、ウソをベースに国会が1年も続けられたわけですよ。

 国会も国民も欺かれ続けた。この案件のケジメは誰が取るかって言ったら、トップなんですよ。あなたなんですね。

 もう一度お聞きしますけど、総理をいつ辞めて頂けるんですか」

 安倍晋三財務省の決裁文書の書き換え問題によって国民の皆様の信頼を穿つ結果になっていることについて、こういう事態になっていることについて行政の長としてその責任を痛感しているところであります。

 そして行政全般に対する最終的な責任は内閣総理大臣たる私にあるということは、まさにそれは事実でありますし、何回もこの場で申し上げているところでございます。この上はなぜこのような問題が起こったのか、徹底的に明らかにし、全容を解明していく。

 同時に全容を解明した段階に於いてですね、二度とこうしたことが起こらないように組織を根本から建て直していく。その責任を果たしていかなければならないと、こう思っております。

 同時に、同時に昨年の総選挙を、ま、行ったわけでございます。総選挙というのはまさに政権を賭けるわけでございます。その政権を賭ける、その総選挙に於いて私供は公約で掲げたことを私達は実行していく。他党と比較してどちらを選択して頂くかと言うことを国民の皆様に訴えたところでござます。

 お陰様で我々は国民の支持を頂き、政権を維持することができたわけでございます。私の使命としては公約でお約束したことをしっかりと実行していくことだろうと、このように思います。

 同時に今山本委員が指摘をされたように私には責任という(ことを)、また辞職ということを求められておりますから、しっかりと説明させて頂かなければならないと、こう思っております。

 その上に於いてですね、責任をどのように果たしていくかということについてはですね(長広舌に対してだろう、山本太郎が自席から何か抗議をする)、これは私の中で判断していくことだろうと、このように思っております」

 山本太郎「総選挙のことを言いましたけども、その総選挙の手前にあった国会はニセモノの文書で行われた可能性があるんじゃないですかって言うことなんです。

 何を約束したんですか、国民と。デタラメな国会運営が行われていたっていうことを元にその先で選挙があって、約束したも何もないんじゃないですか。

 調査を徹底的にやる、再発防止だ。職務を全うするのが責任の取り方?通用しませんよ。あなたのもとで起こった、行政府のトップがあなたのもとで起こった不祥事ですよ、これは。

 真相究明・再発防止は次のリーダーの仕事です。往生際の悪い、地位に恋々としがみつくみっともない総理なんてやめてくださいよ。日本のリーダーがそれなんて勘弁して頂きたい。一刻も早く責任を取って辞めて頂きたい。

 『佐川が勝った、夫人の証人喚問はなし』と言う自民党の中にいるらしいんですよ。これは寝ぼけているか、話をすり替えているだけです。

 森友問題は大きく二つありますうよね。一つはもう文書の改竄、国会虚偽答弁、1年間空転問題。これは佐川さんの証人喚問でやっと昨日スタートラインに立ちました。

 もう一つ、国有地をタダ同然に、関係していたんですかっていう問題。いわゆるアッキード事件。これはまだ入口に入ったばかりですよ。安倍昭恵さんの証人喚問を求めます。加えて(佐川宣寿前任理財局長)迫田(英典)さん、谷査恵子(安倍昭恵付き職員)さんの証人喚問を求めます」

 自民党委員が委員長席に行き、「アッキード事件」なる表現に抗議しているのだろう、しばし中断。山本太郎が自席かから自民党席を振り返って誰かにかなりきつい表情を見せて「質問中にヤジを飛ばすのはやめてくださいよ」と抗議している。

 委員長「只今山本君の発言中に不穏当な言葉がありましたので、委員長と致しましては後刻理事会で速記録を調査の上、適当な処置を取ることにします。

 先程の要求の件(証人喚問要求)に関しては理事会で協議をさせて頂きます」

 山本太郎の質問は続くが、今日のブログ記事のテーマから外れるゆえに以下省略。

 安倍晋三は「昨年の総選挙で国民の信を得た」、あるいは「国民の支持を頂き、政権を維持することができた」云々の決まり文句で2017年10月の総選挙の勝利によって得た国民の支持・国民の信任を前面に打ち立てて文書改竄やその他で生じた混乱に対する責任回避の道具としているようだ。

 山本太郎は午前中の質問だが、午後に民進党の小西洋之から改竄文書の提出が国会の国政調査権を妨害したとの理由で総辞職を求められると、安倍晋三は似た答弁をしている。

安倍晋三「(総辞職の)必要はないと思います。そもそもですね、内閣総理大臣である私がなぜここに立っているかと言えばですね、昨年の総選挙に於いて国民の皆様から与党が、その政権としての負託を得たわけでございます。私が負っている責任は選挙で公約したことをしっかりと実行していく、その責任を果たしていく決意でございます」

 さながら一度選挙で獲得した国民の支持・国民の信任・国民の負託が次の選挙まで永久保存版とすることができるような答弁となっている。

 あるいは国民の支持・信任・負託を錦の御旗、あるいは水戸黄門の葵の御紋がついた印籠さながらに揺るぐことのない権威づけを行っている。
 
 次の選挙まで永久保存版とすることも、錦の御旗や水戸黄門の印籠のように揺るぐことのない権威づけも不可能なことは山本太郎に対して行った次の発言が証明する。

 安倍晋三「財務省の決裁文書の書き換え問題によって国民の皆様の信頼を砕く結果になっている」と――

 森友問題で急激に内閣支持率を下げていることは2017年の総選挙で得た国民の支持・国民の信任・国民の負託を自らが侵蝕している現状の提示に他ならない。タコが身を食すように自身に与えられた信任その他を自分で食い潰していることを示す。

 このように国民の信任を、支持、負託と言葉を変えようが、失っている状況下にありながら、2017年総選挙での勝利を根拠に政権担当の正当性を言い立てて、国民の信任が永久保存版であるかのように国会その他で振る舞う。あるいは錦の御旗や水戸黄門の印籠のようにゆるぎのない権威づけができる対象であるかのように扱う。

 裸の王様もいいとこである。

 山本太郎は安倍晋三が決裁文書改竄に関して「なぜこのような問題が起こったのか、徹底的に明らかにし、全容を解明していく」と答弁したとき、「全容解明には安倍昭恵総理夫人の証人喚問がどうしても必要なんですよ。彼女の証人喚問を避けた全容解明なんて、柱だけ立てて家だと言うようなもんですよ」、あるいは「底をつけない船を海に浮かべるようなもんですよ」といった表現で切り返したなら、少しはグサリとさせることができたかも知れない。

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安倍晋三・安倍昭恵の森友学園国有地違法売却関与・指示の否定は佐川証人喚問答弁拒否で正当化できず

2018-03-28 12:30:55 | 教育

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2018年3月27日午前中、参院予算委員会で佐川宣寿の証人喚問が行われた。安倍晋三と権謀術数の点で匹敵する自民党丸川珠代が決裁文書改竄に安倍晋三や安倍昭恵、その他の政治家等の指示・関与があったかどうか、そして森友学園に対する国有地の貸付と売却に同じく安倍晋三や安倍昭恵、その他の政治家等の指示・関与があったかどうかを質問。

 対して佐川宣寿は一切の指示はなかったと証言している。この件に関してのみ、ブログに取り上げてみる。

 質疑応答は「産経ニュース」に依った。

 丸川珠代「理財局の内部で(決裁文書の)書き換えが行われたということでございますが、改めて確認をいたします。佐川さん、あるいは理財局に対して安倍総理からの指示はありませんでしたね」

 佐川宣寿「ございませんでした」

 丸川珠代「念のために伺いますが、安倍総理夫人からの指示もありませんでしたね」

 佐川宣寿「ございませんでした」

 丸川珠代「官邸の官房長官、官房副長官、総理秘書官からの指示はありましたか」

 佐川氏「ございませんでした」

 丸川珠代「では、安倍総理の秘書官からの指示はありましたか」

 佐川宣寿「ございませんでした」

 丸川珠代「ここまでの証言踏まえますと、まず官邸からの指示はなかったということになります。間違いありませんか」

 佐川宣寿「間違いございません」

 丸川珠代「財務省内についても、念のため伺いますが、麻生財務大臣からの指示はありましたか」

 佐川宣寿「大臣からの指示もございませんでした」

 丸川珠代「麻生財務大臣の秘書官からの指示はありましたか」

 佐川宣寿「財務大臣秘書官からの指示もございませんでした」

  丸川珠代「財務省の事務次官、官房長等の大臣官房や他の局の幹部からの指示というのはありましたか」

 佐川宣寿「大臣官房その他の部局からの指示もございませんでした」――

 決裁文書改竄に関しての全ての指示を否定している。いわば財務省理財局が他の関与も指示も受けずに独自に改竄したと証言している。

 では、国有地の貸付と売却に関する質疑を見てみる。

 丸川珠代「森友学園への国有地の貸し付け、ならびに売り払いの取引そのものに、総理あるいは総理夫人が関わっていたかどうかというのも国民の大きな関心事です。このことについてお伺いします。安倍総理、あるいは総理夫人から、森友学園との国有地の貸し付け、売り払いについて何らかの指示がありましたか」

 佐川宣寿「貸し付け契約、それから売り払い契約が行われた。売り払い契約が実質的に結ばれた28年の6月の半ばということでありますと、私が理財局にはおりませんで、現場で私が対応したわけではないんですが、昨年の国会答弁を通じまして公的取得要望から始まって貸し付け契約、売り払い契約の経緯について勉強もし、局内でもいろいろ聞いて、過去のものも見ていますけれども、そのなかで総理や総理夫人の影響というのがあったというのは、私は全く考えていません」

 丸川珠代「総理の意向を受けて、官房長官、官房副長官、総理補佐官、あるいは総理秘書官、その他の官邸関係者から指示がありましたか」

 佐川宣寿「今申した通りでございますけど、昨年、私が勉強した範囲でございますけど、そういうものも一切ございませんでした」

 丸川珠代「それでは明確な指示ではなくても、従わざるを得ない何らかの圧力を理財局が受けて判断を変更したという経緯は確認できましたか」

 佐川宣寿「私が昨年ずっと国会答弁の中で勉強した中では、そういうことはございませんでした」――

 森友学園に対する国有地貸付け契約にしても売り払い契約にしても、一切の指示・影響を全否定している。

 安倍昭恵が小学校の名誉校長であったこととの関係。

 丸川珠代「総理夫人が森友学園の名誉校長であることが、貸し付け契約や売買契約に何らかの影響を与えた経緯はありますか」

 佐川宣寿「総理夫人が名誉校長であるという話は、2月の最初の報道で、私も知りました。ただ私、昨年ずっと勉強しておりますが、やはりきちんとこの貸し付け契約、あるいは売却契約ともに、全て不動産鑑定にかけた価格契約をしておりますので、そういう影響はございません」
 
 丸川珠代は影響ないことと改竄との関係を尋ねる。

 丸川珠代「それならばなぜ、書き換えを行って、安倍総理夫人の名前を削除したんでしょうか」

 佐川宣寿「(補佐人の助言を求めてから)書き換え前の決裁文書に関わる話全般につきまして、やはり経緯そのものでございますので、そこは答弁を控えさせていただきたいと思います」

 丸川珠代「では、改めて伺いますが、この森友学園への国有地の貸し付け、ならびに売り払いに総理、および総理夫人が関わったことはないと断言できますか」

 佐川宣寿「私が昨年、勉強して、ずっと一連の書類を読んで、国会で答弁させて頂いた中で言えば、総理も総理夫人の影響もありませんでした」――

 安倍晋三と安倍昭恵の国有地の貸付けと売払い契約への関与と影響を否定している。だが、ここで押さえておかなければならないことは、「私が昨年、勉強して、ずっと一連の書類を読んで、国会で答弁させて頂いている」としている発言である。「一連の書類」とは貸し付け・売却の事実経緯を記載した決裁文書に他ならない。

 読んでいるとしているこの決裁文書は改竄前の決裁文書なのか、改竄後の決裁文書なのか、あるいはその両方ともなのかが問題となる。

 佐川宣寿が財務省理財局長に就任したのは2016年6月17日。この3日後の2016年6月20日に財務省と森友学園の間で国有地の売買契約が成立している。

 そしてマスコミが森友疑惑の報道を開始したのが2017年2月上旬。2017年2月17日に国会で取り上げられることになった。財務省の説明では文書改竄は2017年2月下旬から4月に本省の理財局で行ったとしている。

 国有地売却を所管している財務省理財局長に就任していた佐川宣寿が2017年2月15日の財務金融委員会で取り上げられた時点で決裁文書を直ちに確認しなかったというのは職務不履行に当たる。

 (別のブログで、〈森友問題が取り上げられたのは衆院予算委では2月17日から〉と、「衆院予算委では」と断って書いた。)

 報道が伝えている不当格安売却が事実であったなら、大問題となるからである。時系列的にも職務上も改竄前の決裁文書に目を通した上で国会答弁を行った。だが、その国会答弁に合わせて、いわば国会答弁と整合性を持たせるために決裁文書の改竄を行ったと財務省が説明している以上、佐川宣寿は改竄前の決裁文書の事実経緯と異なる国会答弁を行い、その答弁に齟齬を来たさない目的で決裁文書を改竄したことになる。

 改竄の際、理財局長であるだけではなく、主として国会答弁を担当していた佐川宣寿が改竄に関与しなかったということがあるだろうか。改竄前の決裁文書記載の事実経緯と異なる答弁をしている以上、常識的には改竄に主導的な役割を果たさなければならない。

 丸川珠代「佐川さんが理財局長であったときに文書の書き換えが行われたということについては、これは事実でしょうか」

 佐川宣寿「お答え申し上げます。その森友学園の問題が要するに新聞報道で、国会も含めて大きな問題となったのは昨年の2月以降でございます。従いまして、そういう推測と申しますが、予測は成り立ちますが、本当に決裁文書そのものがいつ書き換えられたかどうかという点につきましては、まさに委員がおっしゃいましたように、私の関与も含めて全体の経緯の話になりますので、その点についても刑事訴追の恐れがございますので、その点ご容赦願いたいと思います」――

 「決裁文書そのものがいつ書き換えられたかどうかという点」は「私の関与も含めて全体の経緯の話」になって「刑事訴追の恐れ」が生じるとの理由で答弁拒否している。

 要するに決裁文書の改竄がいつ行われたかを話し出すと、自身の関与の有無から始まって改竄のキッカケ・理由・目的まで含めた「全体の経緯の話」となることが刑事訴追の対象となりかねないことを以って答弁拒否の理由としている。

 但し「全体の経緯」とは改竄のキッカケ・理由・目的のみならず、改竄前に決裁文書に反映されていた、そして改竄後に反映されている貸し付けや売却、その他の交渉等々の事実経緯まで含めた全体を指す。また、改竄しなければならなかった以上、改竄前も改竄後も秘密裏の事実経緯を暗黙の了解として背後に塗り込めていた、あるいは塗り込めていることになる。

 秘密裏の事実経緯が隠していなかったら、改竄の必要性は発生しない。当然、官邸の関与・指示、あるいは圧力も、その他の関与・指示、あるいは圧力も、暗黙の了解のもと秘密裏の事実経緯として「全体の経緯」の中に塗り込められていない保証はない。

 だとすると、「刑事訴追の恐れ」が生じるとの理由で官邸の関与・指示、あるいは圧力も、その他の関与・指示、あるいは圧力を含めた「全体の経緯」についての証言を答弁拒否していながら、決裁文書改竄についても国有地違法売却に関しても安倍晋三の関与も指示もなかった、安倍昭恵の関与も指示もなかった、麻生太郎の関与も指示もなかった、その他その他を断言することは矛盾そのものとなる。

 全て事実経緯を明らかに証言して、誰の目から見てもそこに不正も違法もなかったとの保証を受けて初めて関与・指示もなかったと断言できる。

 ところが、このように断言できるプロセスも踏まず、答弁拒否という事実経緯の隠蔽を受けながら、今日2018年3月27日の参院予算委員会では丸川珠代が関与・指示がなかったことが明らかになったとのご託宣を早くも流布させている。

 丸川珠代「昨日の佐川前国税庁長官の証言では森友学園の決裁文書書き換えや国有地の貸付けや国有地の売払いに関して安倍総理や総理夫人の指示や関与、また総理官邸の指示や関与、あるいは圧力がなかったということが明らかになりました」

 昨日の証人喚問では丸川珠代は安倍晋三も安倍昭恵も官邸も、その他その他不正に無関係だとする構図で質問を展開していながらの無関係論に過ぎない。

 答弁拒否という事実隠蔽を一つでも許す以上、その一つは明らかになったら困る肝心要の事実に当たるはずだから、断言できる真相を存在させることはできない。

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安倍晋三の否定に関わらず、小賢しい妻昭恵は「いい土地ですから、前に進めて下さい」と言った、その根拠

2018-03-27 12:14:36 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2015年4月30日付〈5・特例承認の決裁文書②「普通財産の貸付けに係る特例処理について」〉の
記述中、当時森友学園理事長籠池泰典の発言として、〈なお、打合せの際、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた。」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)〉の文言が削除され、別の文書に改竄されていることが判明した。

 勿論、この記述を、他の多くの記述と同じく、残しておくことの不都合から削除・改竄したことは明白である。不都合の予測は記述した事実・経緯が
違法性を成り立ちとしているからに他ならない。全てが合法性に則った事実・経緯の記述であったなら、削除・改竄の必要性はどこからも発しない。

 安倍昭恵の「いい土地ですから、前に進めてください」はあくまでも当時森友学園理事長だった籠池泰典がそう言っていたとしていた発言である。事実そう言っていたのかどうか、その信憑性が問題となった。安倍晋三は勿論、妻は言っていないと否定している。

 2018年3月14日参議院予算委員会。

 安倍晋三「妻に確認を致しました。そのようなことは申し上げていないということでございました。勿論、この妻がですね、この学校をつくる責任者ではないわけでありますし、籠池氏とも上下関係もあるわけではないわけでございますから、当然、そんなことは言っていないということでございました」

 安倍晋三のこの「この学校をつくる責任者ではないわけでありますし、籠池氏とも上下関係もあるわけではない」は安倍昭恵が「いい土地ですから」云々を言わなかったとする理由とはなり得ない。

 2018年3月15日付当「ブログ」に次のように書いた。

 〈安倍晋三のこの発言は安倍昭恵の件(くだん)の発言を否定する根拠とはなり得ない。勿論、安倍昭恵は「この学校をつくる責任者ではない」。だが、小学校の名誉校長に就任していた。一般的には名誉職を依頼する場合、依頼者よりもは社会的地位が高い人物か、高くなくても、依頼者よりも社会的に人気を博している人物を選ぶ。

 でなければ、名誉職に就ける意味を失う。安倍昭恵は籠池泰典の部下でも、逆に上司でもないから、直接的な上下関係はなくても、首相夫人であり、そのバックに一国の首相である安倍晋三が控えているから、小学校の名誉校長を依頼したはずで、この点に於いて安倍昭恵は籠池泰典よりも上の関係にあり、籠池泰典を下にした社会的地位上の上下関係にあったと言い得る。

 籠池泰典は自身と首相夫人であり、そのバックに安倍晋三が控えている安倍昭恵との社会的地位上の上下関係を利用して、「『いい土地ですから進めてください』と夫人が言っていた」と、さも安倍昭恵から後押しを受けているかのように装い、役人側に圧力を掛けたということは十分にあり得る。

 いわば安倍昭恵が言っていたとする「いい土地ですから進めてください」なる言葉が籠池泰典の創作、あるいはハッタリであったとしても、役人側の忖度の動機にはなり得る。〉――

 勿論、安倍昭恵本人が言っていることを耳にした否定発言ではなく、安倍晋三を通した安倍昭恵の発言だから、事実か否かの決着がつくわけではない。

 籠池泰典は森友学園運営塚本幼稚園に対する大阪府交付補助金を騙し取ったとする詐欺と詐欺未遂罪等で大阪拘置所に勾留されている。立憲民主党の川内博史、希望の党の今井雅人、共産党の宮本岳志が弁護人以外は禁じられている接見を大阪地裁が3月22日に認める決定を出したのに伴い、3月23日、45分間の接見を行った。

 続いて3月26日に民進党参院国対副委員長の矢田稚子、自由党参院会長の森ゆうこ、社民党副党首参院議員の福島瑞穂が接見をしている。

 最初の接見で籠池泰典は国有地の小学校建設予定地に安倍昭恵を案内した際、安倍昭恵から「いい田んぼができそうですね」と言われて、「学校の建設予定地です」と答えると、「いい土地ですね。是非前に進めてください」と言われたとマスコミは伝えている。

 安倍昭恵は小学校建設予定地に案内されることを承知して籠池泰典と国有地に同道したはずである。しかし広い土地を眺めて、「いい田んぼができそうですね」と、小学校建設とは関係のないことを言った。

 これを言うはずはない発言と見て、籠池泰典が言ったとする安倍昭恵の発言は安倍昭恵と安倍晋三がバックに付いていると見せかけ、役人側に圧力を掛け、忖度させるための籠池泰典の創作、あるいはハッタリと断定することもできる。

 だが、安倍昭恵は農業女子を気取っている。インターネットで調べてみると、〈農業に女性や若者の参加を呼びかける国際的な会合が(2016年12月)12日、都内で開かれた。午後のパネルディスカッションには、特別ゲストとして安倍首相夫人の昭恵さんが参加し、日本の農水省がすすめる“農業女子プロジェクト”について紹介した。〉と伝えている「日テレNEWS24」記事と、安倍昭恵が参加する「福島の農業とソーシャル・コミュニケーション」をテーマにしたプレイベントを紹介する2014年2月14日付け「現代ビジネス」記事に出会った。

 後者の記事に、〈自ら地元・山口県で稲作を営む安倍昭恵氏を特別ゲストに〉と伝えている。さらにネットを探すと、「安倍昭恵オフィシャルサイト」には田植えを行っている写真が載っていた。ついでにここに載せておくことにした。
 
 安倍昭恵は農業女子として、女子と言えるかどうかは分からないが、あるいは農業おばさんと言った方が近いのかも知れないが、小学校が建設される土地だと承知していながら、自身の稲作りへの関心から、殊更口にした「いい田んぼができそうですね」の冗談と見るべきだろう。

 こういった冗談はよくある。例えばデートの途中で相手の女の子に「腹が空いたね」と食事に誘う。「何を食べたいか」と聞くと、「何かパスタを食べたい気分」と言う。男は一番の好みは中華料理だが、「じゃあ、俺もパスタに付き合う」

 パスタ専門のイタリア料理店に行き、テーブルに座ってメニューを見る。
 
 「何にする?」
 「そうね、煮込み豚バラ肉のローマ風カルボナーラにしようかしら。あなたは?」
 「じゃあ、俺は」とメニューを仔細に眺める振りをしてから、「良し、決めた。パスタ料理の中でもチョー人気な、豪勢に鶏肉を乗せた鶏中華麺、大盛り一丁」

 パスタ専門のイタリア料理店のテーブルに座っていながら、わざと中華料理の名前を出して相手をからかう。

 「何ー、こいつ」
 「ごめん、ちょっとからかった。同じでいいよ」

 籠池泰典が小学校建設予定地とは関係のない安倍昭恵の「いい田んぼができそうですね」という発言を紹介したことこそが、「いい土地ですね」云々の発言を事実と断定できる根拠となる。

 「いい土地ですね。是非前に進めてください」が役人側に圧力を掛け、忖度させるための籠池泰典の創作、あるいはハッタリから出たウソでしかない安倍昭恵の発言であったなら、「いい田んぼができそうですね」の発言にしてもなかったことになるか、この発言だけあったとしても、役人側に圧力を掛け、忖度させる目的に合致しない発言であるということだけではなく、小学校建設とは関係ない発言だから言うはずはないと疑問視される危険性からわざわざ紹介する意味を失う。

 だが、紹介した。冗談で言い得る発言でもある。事実に他ならないからだろう。

 社民党の福島瑞穂が昨日2018年3月26日の参院予算委員会で安倍昭恵の「いい土地ですね」の発言を捉えて質問した。どういった追及をしたのか、対して安倍晋三がどう答弁したのか、文字起こししてみた。

 福島瑞穂「今朝、大阪拘置所に於きまして籠池さんと接見をしてきました。森ゆうこさん、矢田稚子さんと一緒です。9時10分から58分まで48分間接見をしてきました。

 様々なことを確認してきました。で、5番目の決裁文書の中にある、『いい土地ですね、前に進めるといいですね』についてもお聞きをしました。これについては籠池さんの説明は安倍昭恵さんが、『いい田んぼになりそうですね』と言い、『いや、これは学校を造る予定地ですから』と籠池さんが言うと、安倍昭恵さんは『いい土地ですね、前に進めて下さい』ということを言ったというふうに聞いてきました。

 安倍総理は妻がそんなことを言っていないと言っていると言いますが、両方共間接話法、伝聞なんですよ。裁判でも伝聞証拠は証拠とはなりません。人がこう言っているというのは証拠にならないんですよ。

 で、100万円の授受についても籠池さんは偽証罪の制裁のある証人喚問で去年の3月23日、『一人にさせて申し訳ありませんが、これは安倍晋三からのものです』と貰ったと言っています。

 安倍昭恵さんは貰っていない(「渡していない」の間違い)と言っていると総理は言っています。安倍昭恵さん、きちっと来て、直接説明をすべきだと思いますが、如何でしょうか」

 安倍晋三「そういう意味では今、今日は籠池さんから今、福島氏が、福島委員がですね、この発言を紹介されたことだと思います。それは籠池さんと昭恵の二人の遣り取りでありますから、どちらかが自分の正しさを証明するためには第三者が必要だというのが自明の理だろうとこう思う次第であります。

 その中で田圃の話と、こうー(小さく笑う)、『進めて下さい』を一緒にしておられますが、それはですね、あのー、証人喚問のときは田んぼの話しかされていないわけです。

 ま、そこで『進めて下さい』という話が重要であれば、そこで述べておられるわけです。今我々が田んぼの話をされましたねと言ったら、そこで、あの、あの、辻褄合わせのためにですね、田んぼの話も、『進めて下さい』も両方言ったということでございます。

 そしてこの(小学校建設)予定地行ったのはですね、たまたま幼稚園を訪問したときにですね、是非行ってくださいと言って、まあ、連れてこられたわけでございます。

 ま、そこで別に本人も特別見たかったわけではございませんが、見せられてですね(周囲から小さな笑いが起きる。安倍晋三の背後で小野寺五典が顔だけで笑う)、そしてそこで、えー、一方的にですね、籠池氏がですね、喋っていたことを大体聞いているわけでございます。

 えー、『進めて下さい』ということを言ったことは、これは妻も言っていないということを言っているわけであります。大体が籠池氏はですね、殆んど会話をテープで録っておられる。また、テープで録って、それを公開しておられる方でありますから、えー、その、もし(昭恵が)言ったんであれば、テープを録っておられるんでしょうから、それはまさにそういう証拠がないと言うことは、これは明確ではないかと、そう考えるところでございます。

 また籠池氏氏はですね、安倍晋三記念小学校として申請したと明確に言っておられましたが、当然、それはコピーだってあるでしょうけれども、いや、そうではなくて開成小学校であったわけでございます。
 
 これは事実上ですね、それが分からなくて、そういうわけがないわけでございまして、事実が分かっているのに違うことを言ったのではないという、ま、これは簡単に推測されるのではないかと、このように考えているわけです」

 福島瑞穂「安倍昭恵さんの講演の中で籠池さんと安倍昭恵さんが会っていると言ってるじゃないですか。せ、両方共伝聞証拠であり、一方は決裁文書に載って、これが削除・改竄されているわけですよ。

 安倍昭恵んさんは中心人物、キーパーソンでありながら、これだけ森友学園と関係がありながら、一度も、一度も説明していなんですよ。安倍昭恵さんはきっちりと自分の言葉で説明すべきです。

 夫と妻は別人格です。総理は妻の代わりに私が話すと言いますが、夫と妻は別人格で、妻は夫の道具ではありません。夫は妻の代弁などできないですよ。

 委員長、安倍昭恵さんの証人喚問をお願いします」

 委員長「要求に関しましては後刻、理事会で協議を致します」

 安倍晋三が「証人喚問のときは田んぼの話しかされていないわけです」と言っていることは2017年3月23日の参議院予算委員会籠池泰典証人喚問での籠池泰典の発言を指す。

 小池晃「安倍昭恵さんと学校設置前の更地の豊中のあの敷地、行ったことございますか。そこでどんな話されました」

 籠池康博「一緒に行かせていただきまして、ここに学校ができるんですというふうな話でお話をさせていただきました」

 小池晃「何か学校の名前についてのサジェスチョンみたいなものはそこでありましたか」

 籠池康博「いい田んぼができそうですねということでありましたので、そのお言葉をいただいて瑞穂の国というふうにさせていただきました」(以上)

 小池晃から「何か学校の名前についてのサジェスチョンみたいなものはそこでありましたか」と聞かれて、その範囲で「瑞穂の國記念小學院」と名付けたキッカケを披露したということであって、それ以外の安倍昭恵との会話に考え及ばなかっただけのことかも知れない。「証人喚問のときは田んぼの話しかされていない」ことを以って、「いい土地ですね」の発言はなかった、事実無根だとすることはできない。

 福島瑞穂は籠池泰典が接見時に安倍昭恵は「いい土地ですね、前に進めて下さい」と確かに言ったと証言したことを明らかにした。そして安倍晋三が国会で「妻は言っていない」と否定していることに対して「伝聞証拠は証拠とはならない」と言い、その否定に疑義を呈した。

 それだけのことである。

 当然、安倍晋三は伝聞証拠だ何だは取り合わずにこれまでの国会答弁どおりに「妻は言っていない」と否定し、妻と籠池とどちらを信用できるかと言うと、妻の方だと答えれば、それだけのことで済む。

 だが、二人の遣り取りのどちらが正しいかは第三者の証明が必要だ、「証人喚問のときは田んぼの話しかしていない」だ、安倍昭恵は小学校建設予定地など「特別見たかったわけではない」、「籠池が喋っていたことを大体聞いていただけだ」、「籠池は殆んど会話をテープで録っていて公開しているのだから、そういった証拠がないのは言っていないことが明確ではないか」などと、否定の根拠とはならないことを延々と喋っている。

 これは「妻は言っていない」としている発言がウソだからに他ならない。ウソだから、それを事実と見せかけるためにこれでもかこれでもかと無関係なことを喋って取る繕うことになる。

 だが、どう取り繕おうとウソはウソであって、事実にすり替えることはできないから、事実と見せかける会話を簡単には切り上げることができなくなる。その結果の答弁の長さだろう。

 安倍昭恵は小学校建設予定地に案内されたことを承知していて、その土地の広さを見て、自身の稲作りへの関心から「いい田んぼができそうですね」と冗談を言った。「いい土地ですね、前に進めるといいですね」と言ったとする安倍昭恵の発言を紹介したことは国有地の取得を進める便宜として自身に安倍昭恵、さらにはその背後に安倍晋三が控えていることを匂わせるためであったとしても、小学校の建設に供する土地の話とは関係のない安倍昭恵の発言まを紹介したことが逆に「いい土地ですね」云々の発言に事実としての信憑性を与える。

 福島瑞穂の質問に対する答弁を簡単に切り上げることができずに安倍昭恵発言の明確な否定根拠となるわけでもない無関係な答弁を長々と続けたことからも、ウソをついているのは安倍晋三方であろう。

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森友国有地売却「特例承認の決裁文書」からの安倍晋三・昭恵等の存在削除・改竄が違法売却の“特例”を証明

2018-03-26 12:40:40 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 財務省は朝日新聞が報道した森友学園に対する国有地売却関係の決裁文書の改竄を認め、2018年3月12日に改竄箇所を公表した。

 「決裁文書についての調査の結果」(平成30年3月12日 財務省)

○ 昨年2月に本件が国会で取り上げられて以降、昨年2月下旬から4月にかけて、財務省理財局において、下記の決裁文書について、書き換えが行われていたことを確認した。

 1.貸付決議書(平成27年4月28日、5月27日)
 2.売払決議書(平成28年6月14日)
 3.特例承認の決裁文書(平成27年2月4日、4月30日)

○このほか、主として上記の決裁文書の書き換えの内容を反映するかたちで、残り9件の決裁文書の書き換えが行われており、計14の決裁文書について 書き換えが行われていることを確認した。

・承諾書の提出について(平成26年6月30日)
・未利用国有地等の処分等の相手方の決定通知について(平成27年2月20日)
・予定価格の決定について(年額貸付料(定期借地)(平成27年4月27日)
・特別会計所属普通財産の処理方針の決定について(平成27年4月28日)
・有益豊支払いに関する意見について(照会)(平成28年2月25日)
・有益費支払いに関する三者合意書の締結について(平成28年2月25日)
・国有財産の鑑定評価委託業務について(平成28年4月14日)
・予定価格の決定(売払価格)及ぴ組手方への価格通知について(平成28年6月14日)
・特別会計所属普通財産の処理方針の決定について(平成28年6月14日) (以上)

 一旦決裁した文書を後から秘密裏に削除・改竄して、決裁までの事実・経緯を別の姿に変えて最初の事実・経緯を隠蔽する。殺人者が遺体を山中に投棄したり、埋めたり、殺人現場の指紋を拭き取ったりする証拠隠滅の手法と何ら変わりはない。

 国有地売却に違法行為があったからこその不都合な事実・経緯の削除・改竄であり、証拠隠滅ということであって、誰もが考える結論であるはずだ。

 違法な売却であったことを前提にして考えると、2015年4月28日と5月27日の「貸付決議書」、2016年6月14日の「売払決議書」、2015年2月4日と4月30日の「特例承認の決裁文書」の中で特に「特例承認」の名前がついている最後の「決裁文書」が何を以って“特例”としているのか、その“特例”性に違法性を嗅ぎ取らないわけにはいかなくなる。

 なぜなら、正当性ある「特例承認」であるなら、削除等の証拠隠滅で決裁文書を改竄する必要性は微塵も生じないからだ。当然、どのような違法な「特例承認」なのかは改竄された文言の中から炙り出すことができる。

 2015年2月4日と4月30日の文書は重複する箇所が多いことから、4月30日の〈特例承認の決裁文書②「普通財産の貸付に係る特例処理について」〉の改竄箇所から何を以って“特例”としているのか、その違法性を嗅ぎ取ってみたいと思う。

 削除箇所は文飾を施し、売却の「対象財産」や国有地に対する森友学園の利用計画・要望、あるいは賃貸か売却かといった処理方法等々の改竄されていない文言のうち理解の必要に供しなければならない箇所を除いて証拠隠滅の必要性のない箇所と看做して省略することにする。

 5・特例承認の決裁文書②「普通財産の貸付けに係る特例処理について」(平成27年4月30日)

 調 書

 1.事案の概要

  大阪航空局から処分依頼を受けた、大阪府豊中市所在の財産(自動車安全特別会計)(空港整備勘定)所属)について学校法人森友学園(以下「森友学園」という。)から私立小学校用地としての取得要望があり、売払いを前提とした貸付を行うため、近畿財務局から、平成13年3月30日付財理第1308号「普通財産貸付事務処理要領」通達(以下「貸付通達」という。記の第1節の第11の1に基づき、承認申請があったものである。

  ※ 本件は平成25年8月、鴻池祥肇議員(参・自・兵庫)から近畿財務局への陳情案件。
  ※ これまでの経緯については別紙の通り。

  (以下中略)

 これまでの経緯

 H25.6.28 森友学園理事長が近畿財務局へ来所
          小学校用地として本件土地の取得を検討している旨を聴取。
          近畿財務局は取得要望書の提出等、必要となる手続きについて説明。
 
 H25.6.28 森友学園理事長が近畿局へ架電。
          本件土地の取得要望を提出する予定である旨の電話連絡。

 H25.8.13 鴻池祥肇議員■秘書から近畿局へ照会(受電)。
          森友学園が、本件土地について購入するまでの間、貸付けを受けることを希望しており、大阪航空局に直接相談したいとの要請を受ける。
 H25.8.28 学校法人森友学園 籠池理事長が大阪航空局に来局(財務局同席)本件土地については、学校経営が安定する平成35年3月頃までは貸付けを受け、その後購入することを希望している旨を聴取。

 H25.9.2 森友学園が本件の取得要望書を近畿財務局へ提出。 

 H25.9.12 近畿財務局が小学校設置認可権限を有する大阪府私学・大学課に訪問し、今後の連携について要請。

 H25.10.30 近畿財務局が小学校設置認可権限を有する大阪府私学・大学課に認可の事前審査状況について照会。審査できる書類が整っていない状況である旨を確認。

 H26.2.3 大阪府私学・大学課に認可の状況について照会。
 森友学園から相談は受けているが、資金計画の妥当性が説明できる資料の提出がなく、小学校新設の計画書を正式に受理した状況にない旨を確認。


 H26.4.15 森友学園から、計画している平成28年4月の開校に向けて豊中市との開発協議を急ぐ必要があるため、大阪府私立学校審議会の結果(大阪府の認可)を契約の停止条件として国有地を先行して貸付けてほしいとの要請があり、近畿財務局は、国有財産近畿地方審議会及び大阪府私立学校審議会の答申を得る前の契約はできないとして断る。

 H26.4.28 近畿財務局から森友学園に対し、資料提出を速やかに行うよう要請したところ、森友学園から、①当初計画していた本年7月の大阪府私立学校審議会への諮問を本年12月に変更したいので、その前提で対応してほしいとの要望とともに、②豊中市との開発協議を急ぐ必要があるため、大阪府が小学校新設に係る設置計画書を受理した段階で、近畿財務局から豊中市に「森友学園と本財産の契約を締結することを証する」旨の文書を提出してもらいたいとの要望あり。

  なお、打合せの際、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた。」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)。

 H26.6.2  近畿財務局から森友学園に対し、①当局の審査を延長すること、②豊中市に対して、開発行為等に係る手続のみを可能とする「承諾書」を当局から提出すること、③売払いを前提とした貸付けについては協力させていただく旨を回答。

 H26.6.30 開発行為等の手続きのみを実施可能とする「承諾書」を、豊中市へ提出。

 H26.8.29 大阪府が森友学園の設置計画書を正式受理し、平成26年12月定例私立学校審議会での本件諮問に向けて事務を進めることと決定。

 H26.10.2 近畿財務局から大阪府私学・大学課に対して、審査基準(総負債比率制限)について照会。
 森友学園が本地を購入するために銀行等から借り入れを行う場合だけでなく、延納売払いの場合でも延納額が負債として計上されることを確認(現状の収支計画では審査基準に抵触し、本地を即購入することができないことを確認)。


 H26.10.7 近畿財務局から森友学園に対し、あらためて現状の収支計画を改善することにより、本地を即購入することができないか検討を依頼(延納売払い及び分割売払い(建物敷地のみ先行取得)も含む)。

 H26.10.15 森友学園から近畿財務局に対し、関連法人の資産売却や寄付金の増加などについて検討したものの、すぐに収支計画を改善することは不可能であるため、大阪府の審査基準に抵触しないで本地を即購入することはできない旨の回答有。

 H26.10.31  大阪府が森友学園の設置認可申請書を正式受理。

 H26.12.17 近畿財務局から森友学園に、契約に向けての今後のスケジュール、予定している契約書式等について説明。

 H26.12.18 大阪府定例私立学校審議会において、児童数確保が見込める根拠資料の不足などの理由から本件小学校設置計画が継続審議とされ、大阪府は、森友学園から追加資料を求めて平成27年1月中に同審議会の臨時会を開催することとした。

 H27.1.8 産経新聞社のインターネット記事(産経WEST 産経オンライン【関西の議論】)に森友学園が小学校運営に乗り出している旨の記事が掲載。
 記事の中で、安部首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した旨が記載される。


 H27.1.9 近畿財務局が森友学園を訪問し、国の貸付料の概算額を伝える。

 H27.1.15 森友学園が国土交通省北川イッセイ副大臣秘書官に「近畿財務局から示された概算貸付料が高額であり、副大臣に面会したい」と要請。
 国土交通省は、「貸付料は近畿財務局において決定する内容であるため、面会しても意味はなさない」旨回答。


 H27.1.27 大阪府私立学校審議会の臨時会において、本件小学校設置計画が以下の条件を付されて「認可適当」の答申を得る。
          (条件)「小学校建設に係る工事請負契約の締結状況、寄付金の受入れ状況、詳細なカリキュラム及び入学志願者の出願状況等、開校に向けった進捗状況を、次回以降、の当審議会定例会において報告すること。」

 H27.1.29 平沼赳夫衆議院議員秘書から財務省に「近畿財務局から森友学園に示された概算貸付料が高額であり、何とかならないか」と相談。
 財務省は、「法律に基づき適正な時価を算出する必要があるため、価格についてはどうにもならないこと、本件については学校の設立趣旨を理解し、これまで出来るだけの支援をしていること」を説明。

 H27.2.10 国有財産近畿地方審議会において、本地を学校法人に小学校敷地として売払いを前提とした10年間の事業用定期借地契約(時価貸付)行うことについての答申を得る。

 H27.2.12 森友学園が、大阪府教育記者クラブにて小学校の開設について記者発表。出席者は、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞。朝日新聞から用地に関する質問があり、学園は、底地は国有地で借受予定と説明。

 H27.2.16 鳩山邦夫衆議院議員秘書から国会連絡室に「森友学園が近畿財務局から国有地を借受ける件について相談したい」との連絡。

 H27.2.17 鳩山邦夫衆議院議員秘書が近畿財務局に来局し「近畿財務局から森友学園に示された概算貸付料が高額であり、何とかならないか」と相談。近畿財務局はH27.1.29の財務省対応と同様な説明を行う。

 H27.3.13 森友学園と貸付料の見積り合わせを実施。学園は、事前に伝えている概算金額から相当に低い額の見積書提示を繰り返し(3回)、見積り合わせ不調となる。

  H27.3.26 森友学園理事長が弁護士と来局し、昨年10月に実施した本地のボーリング調査結果を提示し、本地が軟弱地盤であり多額の建物基礎杭等の工事費を要するとして、貸付料の減額と国による杭工事等の工事費負担を要請される(具体的な要請金額の提示はなし)。

 H27.4.2 森友学園委託設計業者をヒアリング。校舎の基礎工事について通常の設計より杭の本数を多く必要とする見込みであるが、現在、建物設計中であるため、詳しい内容を説明できる状況ではないとの説明を受ける。

 H27.4.17 森友学園に対して、ボーリング調査結果はこれまで認識していなかった価格形成要因と判断されるため、貸付料の修正を検討するが、建物基礎杭工事費等の地耐力不足に起因する費用の支払いは行わないと説明。学園はこれを了解。

 H27.4.28 再評価に基づく貸付料により、見積り合わせを実施。

 「学校法人 森友学園」の概要等

 (1)森友学園の概要(略)

 (2)理事長 籠池康博氏(別添名刺参照)

 同氏は、「日本会議大阪(注)代表・運営委員」を始めとする諸団体に関与している。

  (注)日本会議大阪は、全国的な国民運動団体である「日本会議」(美しい日本の再建と誇りある国づくりのために政策提言と国民運動を推進することを目的として設立された任意団体)が平成9年に設立されたのに呼応する形で、大阪に根付いたより広汎な国民運動を推進すべく、平成10年6月に設立された任意団体。

  なお、国会においては、日本会議と連携する組織として、超党派による「日本会議国会議員懇談会」が平成9年5月に設立され、現在、役員には特別顧問として麻生太郎財務大臣、会長に平沼赳夫議員、副会長に安倍晋三総理らが就任。

 (参考)森友学園への議員等の来訪状況
 平成20年11月 中山成彬議員(衆・維・比例九州)講演会
  平成25年9月 平沼赳夫議員(衆・維・岡山3区)講演会
  平成25年12月 日本維新の会女性局(三木圭恵議員、杉田水脈議員、上田小百合議員(いずれも衆・維・比例近畿)等)視察
  平成26年4月 安倍昭恵総理夫人 講演・視察


 (3)教育方針・教育内容(改竄文書に(2)として掲載されているために省略。)
  (以下略) 

 件の国有地は2013年9月に森友学園から小学校用地としての取得等要望が提出された。条件は買受けを前提とした定期借地であった。

 但し定期借地に付する資金不足にあった。〈森友学園が本地を購入するために銀行等から借り入れを行う場合だけでなく、延納売払いの場合でも延納額が負債として計上されることを確認(現状の収支計画では審査基準に抵触し、本地を即購入することができないことを確認)。〉との記載が資金不足を証明している。

 だから、国土交通省北川イッセイ副大臣秘書官に対して「近畿財務局から示された概算貸付料が高額であり、副大臣に面会したい」、あるいは平沼赳夫衆議院議員秘書に対して財務省に「近畿財務局から森友学園に示された概算貸付料が高額であり、何とかならないか」、さらには鳩山邦夫衆議院議員秘書に対して国会連絡室に「森友学園が近畿財務局から国有地を借受ける件について相談したい」等々、概算貸付料を安くする交渉を依頼しなければならなかった。

 鳩山邦夫衆議院議員秘書は国会連絡室に「相談したい」と申し出た翌日(2015年2月17日)に直接近畿財務局を訪ね、「近畿財務局から森友学園に示された概算貸付料が高額であり、何とかならないか」と相談している。

 対して近畿理財局は平沼赳夫秘書に対して答えたのと同じく、「法律に基づき適正な時価を算出する必要があるため、価格についてはどうにもならないこと、本件については学校の設立趣旨を理解し、これまで出来るだけの支援をしていること」と応じている。

 この約1カ月後近くに近畿財務局はこの文言通りの行動を取って、森友学園と貸付料の見積り合わせを実施している。

 〈H27.3.13 森友学園と貸付料の見積り合わせを実施。学園は、事前に伝えている概算金額から相当に低い額の見積書提示を繰り返し(3回)、見積り合わせ不調となる。〉

 規約通りの契約以外の拒絶、政治家に依頼云々に関わらず手心を加えることの拒絶である。だが、以上の政治家の名前も、厳格な姿勢を示していた見積り合せに関しても、削除という手を使った改竄で決裁文書から隠さなければならなかった。

 違法に向かうカラクリを認識しないわけにはいかない。

 転換点は2015年3月26日以降であろう。この日の削除した記述は〈森友学園理事長が弁護士と来局し、昨年10月に実施した本地のボーリング調査結果を提示し、本地が軟弱地盤であり多額の建物基礎杭等の工事費を要するとして、貸付料の減額と国による杭工事等の工事費負担を要請される(具体的な要請金額の提示はなし)。〉となっている。

 「軟弱地盤」であるかどうかは不動産鑑定士が不動産鑑定評価をする際に把握していたはずである。軟弱地盤か、そうでないかは不動産鑑定の重要な評価対象の一つであって、軟弱地盤か否かで不動産の鑑定評価額は大きく違ってくる。

 にも関わらず、「軟弱地盤」が突然出てくる。そして「軟弱地盤」は尾を引くことになる。

 〈H27.3.26 森友学園理事長が弁護士と来局し、昨年10月に実施した本地のボーリング調査結果を提示し、本地が軟弱地盤であり多額の建物基礎杭等の工事費を要するとして、貸付料の減額と国による杭工事等の工事費負担を要請される(具体的な要請金額の提示はなし)。〉

 〈H27.4.2 森友学園委託設計業者をヒアリング。校舎の基礎工事について通常の設計より杭の本数を多く必要とする見込みであるが、現在、建物設計中であるため、詳しい内容を説明できる状況ではないとの説明を受ける。〉

 これらの事実・経緯が偽りのない真正な事実・経緯であったなら、削除・改竄を使った決裁文書からの隠蔽を謀る必要性は何ら生じない。

 2015年4月17日の「軟弱地盤」を原因とした問題、〈森友学園に対して、ボーリング調査結果はこれまで認識していなかった価格形成要因と判断されるため、貸付料の修正を検討するが、建物基礎杭工事費等の地耐力不足に起因する費用の支払いは行わないと説明。学園はこれを了解。〉は一見、国有地売買の規約に則った厳しい姿勢に見えるが、この記述は前段と後段が否応もなしに相矛盾している。

 「軟弱地盤」であるがゆえに「これまで認識していなかった価格形成要因と判断される」、いわば余分に工事費が嵩むことになるが、「建物基礎杭工事費等の地耐力不足に起因する費用の支払いは行わない」、余分に嵩んだ工事費用は支払いませんと逆の表現となっている。

 もし不動産鑑定評価時に見落とした事実その通りの「軟弱地盤」であり、そのことによって工事費用が余分に嵩むことが想定されるなら、見落としの責任は森友学園側にはないのだから、その費用は国有地の所有者となっている財務省側が負うのが理の当然であろう。

 だが、逆の責任となっている矛盾自体は何らかの違法性を隠して無理やり表面化させた「軟弱地盤」であり、それゆえに削除・改竄の道連れとしなければならなかった。決裁文書から追放を謀らなければならなかったということであるはずだ。

 「軟弱地盤」が理由の「費用の支払いは行わない」とする一方で、〈H27.4.28 再評価に基づく貸付料により、見積り合わせを実施。〉と、「貸付料」で工事費増加の調整を行おうとしている。

 これが正規の遣り方なら、削除・改竄の生贄の一つとしなくても良かったはずだ。にも関わらず、削除・改竄を断行したのは北川イッセイ副大臣秘書官や平沼赳夫の秘書、鳩山邦夫の秘書からの貸付料相談に対するルールに則って何事も行うかのような厳正な態度の提示にしても、そのように見せかけただけの可能性は十分にあり得る。

 彼ら政治家からの働きかけが前以っての不動産鑑定評価で把握して置かなければならない「軟弱地盤」を突然持ち出すことになり、それが貸付料にしても売却額に影響していったということであり、政治家の介入を含めた諸々の事実・経緯の削除・改竄ということでなければ妥当性を得ることはできない。

 実際に「軟弱地盤」であったかどうかは「9.特別会計所属普通財産の処理方針の決定について」(平成27年4月28日)に次のような記述があり、それを削除・改竄していることも、

 〈10.本地の地盤について
 森友学園は、平成26年に、開校スケジュールから早期に設計に着手したいため本地のボーリング調査を行いたいと国に要請し、当局と大阪航空局が協議の上、平成26年10月に大阪航空局が学園に一時貸付けを行うことにより、これを許可した経緯がある。

 森友学園は、平成27年4月になって当該ボーリング調査結果資料を当局に提示し、本地は軟弱地盤であり貸付料に反映されるべきものと主張し、併せて校舎建設の際に通常を上回る杭工事(建物基礎工事)が必要であるとして、国に工事費の負担を要請した。

 地質調査会社に、当該ボーリング調査結果を基に本地の地盤について意見を求めたところ、特別に軟弱であるとは思えないとした上で、通常と比較して軟弱かどうかという問題は、通常地盤の定義が困難であるため回答は難しいとの見解であった。

 対応方針を定めるに当たり、当局及び本省で法律相談を行った上で検討した結果、校舎建設の際の杭工事費用等は、土壌汚染除去工事費とは異なり有益費として整理すべき内容とは考えられないことから、国は当該工事費を負担しないこととするが、貸付料及び将来の完払時の売却価格を評価する際には当該調査結果等により地盤の状況を考慮することとした。

 以上の内容について、貸付契約書及び売買予約契約書の条項に整理することで、森友学園と合意に至っている。〉
――

 地質調査会社が言っている、〈特別に軟弱であるとは思えないとした上で、通常と比較して軟弱かどうかという問題は、通常地盤の定義が困難であるため回答は難しい〉が正しい見解であるなら、杭打ち業者に地質調査会社の調査資料を見せて判断を仰ぐべきだったろう。

 地質調査会社は杭打ちの当事者でないために想定外の事態が発生して責任問題が生じるケースを回避する意味から断言できないという側面を有している。

 だが、そうしていないばかりか、上記記述も削除・改竄の生贄に供している。事実・経緯を隠す必要があったからだろう。

 平成27年4月30日付のこの〈特例承認の決裁文書②「普通財産の貸付けに係る特例処理について〉について記述早々に、〈鴻池祥肇議員(参・自・兵庫)から近畿財務局への陳情案件。〉とし、北川イッセイ、平沼赳夫、鳩山邦夫等の政治家の名前が出てきた。

 そして当時の森友学園理事長籠池泰典を、同氏は、「日本会議大阪(注)代表・運営委員」を始めとする諸団体に関与している。〉と紹介、さらに、〈(注)日本会議大阪は、全国的な国民運動団体である「日本会議」(美しい日本の再建と誇りある国づくりのために政策提言と国民運動を推進することを目的として設立された任意団体)が平成9年に設立されたのに呼応する形で、大阪に根付いたより広汎な国民運動を推進すべく、平成10年6月に設立された任意団体。〉であり、〈なお、国会においては、日本会議と連携する組織として、超党派による「日本会議国会議員懇談会」が平成9年5月に設立され、現在、役員には特別顧問として麻生太郎財務大臣、会長に平沼赳夫議員、副会長に安倍晋三総理らが就任。〉と、その影響力を忖度している。

 さらに平沼赳夫の講演、中山成彬の講演、三木圭恵議員や杉田水脈議員、上田小百合議員の日本維新の会女性局の視察、安倍昭恵の講演・視察等を〈森友学園への議員等の来訪状況〉として参考までに書いて、森友学園に対する政治家の影響力を匂わせ、にも関わらず、明記した事実を削除・改竄して隠蔽している。
 
 要はこういった政治家の影響を消滅すべく企んでいるだけではなく、近畿財務局と森友学園の打ち合わせの際、〈「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた。」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)。〉との文言で安倍昭恵という存在の影響力を一つの事実・経緯として決裁文書に明記しておきながら、不都合の認識が生じたからだろう、不都合の認識が生じること自体が大問題だが、削除・改竄によって安倍昭恵の存在を国民の目からの隠すべく謀っている。

 この削除・改竄は安倍昭恵の存在が国有地売却に絡んでいなければ、行われることはない。

 〈H27.1.8 産経新聞社のインターネット記事(産経WEST 産経オンライン【関西の議論】)に森友学園が小学校運営に乗り出している旨の記事が掲載。
 記事の中で、安部首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した旨が記載される。〉


 削除・改竄の同じ憂き目に遭うのは極く自然である。安部昭恵が影響しない国有地正当売却であるなら、決裁文書にその名前を明記する必要もなく、書いてから、削除・改竄を行う必要もない。

 政治家の存在、安部昭恵、さらに安倍晋三や麻生太郎の存在を明記・削除・改竄の経緯を取っていること自体、削除・改竄の方法で隠す必要があったからで、その必要性は国有地の違法売却の隠蔽が目的でなければ到底、整合性は取れないし、このような歪んだ違法性が「特例承認」という言葉に潜んでいると見なければならない。

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辻元清美の佐川宣寿証人喚問に対する野党の国会対策委員長とは思えない他力本願のたわいもない青臭い期待

2018-03-23 12:27:39 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 前財務省理財局長、前国税庁長官の佐川宣寿の証人喚問が3月27日(2018年)、衆参で行われることが決まった。証人喚問が決まったからと言って、全て正直に話すとは限らないことはわざわざ断るまでもない。国有財産所管の理財局長であった佐川宣寿の森友学園国有地売却に関わる決裁文書改竄への関与についての財務省の調査に対して「具体的にどのように関与したかは、刑事訴追の可能性もある状況なので答えを差し控えたい」と回答したとマスコミは伝えている。

 折角証人喚問したとしても、「刑事訴追の可能性」を楯に答弁拒否する恐れの方が確率は高いかも知れない。この恐れを前にして立憲民主党の才女辻元清美が発言している。

 「NHK NEWS WEB」(2018年3月22日 19時37分)

 まず記事が取り上げている他の二者の発言を取り上げてみる。

 民進党代表大塚耕平「財務省の理財局長の一存で、膨大な資料の改竄ができるとは到底、信じ難い。当然、財務省の事務次官や官房長が知っていなければならないし、総理大臣や官房長官の秘書官も取りまとめる者に相談していたり、その者から指示があったと考えざるを得ない。安倍総理大臣の側近とも言われる政務担当の今井総理大臣秘書官など、重要な役割を果たしたのではないかと思われる方々が何人かいるので、佐川氏に質すべきだ」

 いくら質そうとしたとして、「刑事訴追の可能性」を楯に答弁拒否されたなら、質しただけで終わる可能性は否定できない。

 日本維新の会幹事長馬場伸幸「文書の改竄は事と次第によっては犯罪だが、問題の本質は、なぜ国有地の売却で8億円のディスカウントがあったのかだ。この真相を明らかにしないと国民の納得はえられない」

 当たり前のことを言っているが、「8億円ディスカウントの真相」は証人喚問で佐川宣寿に如何に喋らせるか、その一点にかかっている。その一点を突破できなければ、疑惑を深めることはできたとしても、真相には到達できない。

 辻元清美「佐川氏が刑事訴追の恐れがあるからと事実を否定し続ければ、自己保身に過ぎない。総理大臣官邸の方を向いて、ウソの上塗りをするような証言をすれば、財務省の権威は地に落ちる。財務省の自浄能力を示すためにも真実を証言して貰いたい」

 この程度のことしか発言できない人間が立憲民主党の国会対策委員長だと言うから、驚きである。「自己保身」だ、「財務省の権威は地に落ちる」だ、「財務省の自浄能力」だ、「真実を証言して貰いたい」だなどと、たわいもない青臭い期待を掛けている。

 「刑事訴追の可能性」を楯にした答弁拒否は自己保身だけとは限らない。自己保身以上に背後にいる政治家の保身を謀る目的を隠した防波堤という意味での自己保身ということもある。

 保身の一蓮托生から出ている「刑事訴追の可能性」を楯にした答弁拒否であるなら、「財務省の権威」どうのこうは問題外であろうし、「財務省の自浄能力」よりも保身の方を優先順位を上に置かなければならないだろうし、真実の証言など望むべくもなくなる。

 保身を請け負わなければならない政治家が官邸の住人であったなら、「総理大臣官邸の方を向いて、ウソの上塗りをするような証言」は痛くも痒くもなく当たり前にすることができる。

 相手を海千山千の元役人だと思った方がいい。勿論、事実を洗いザラぶちまける可能性はゼロとは断定できない。佐川宣寿が洗いザラぶちまける心の備えのもと、証人喚問に立つ覚悟でいたなら、追及側が質問をしなくても、佐川宣寿の方から何でも喋ってくれる。追及側が気づいていない事実までも気づかせ、詳しく話すことになるだろう。

 要は「刑事訴追の可能性」を楯にした答弁拒否に対する備えこそが決定的に必要となる。如何に答弁拒否を破るか、そのことに意を用いずに「真実を証言して貰いたい」などと他力本願のたわいもない青臭い期待を掛ける。

 佐川宣寿は敵である。野党の、あるいは多くの国民の味方につくのか、敵のままでいるのかは佐川宣寿自身が決める。こちら側が決めることはできないのだから、国会対策委員長であるなら、他力本願のたわいもない青臭い期待を掛けずに敵の答弁拒否に備えた理論武装を構築し、武装した理論で以って敵と戦う覚悟は持つべきだろう。

 少なくとも違法行為に手を染めている状況下にある佐川宣寿自身を炙り出すことはできる。その違法行為に政治家が関わっているのかどうか、その疑惑をかなりの確度で提示することはできる。

 例え真相には到達できなくても、「刑事訴追の可能性」を楯にした答弁拒否に無策であるよりも良策であるはずだ。

 佐川宣寿が答弁拒否する。――

 「あなたがしたのか、誰がしたのか、あるいはあなたが言ったのか、誰が言ったのか、した理由、言った理由、このような質問に対して事実を正直に告白した場合、その告白は刑法その他の刑罰法規に規定する犯罪構成要件に該当する可能性があり、刑事訴追の恐れが生じるような違法行為に触れる内容になるということなんですね。

 答弁拒否とはそういうことですね。

 つまり森友学園に対する国有地売却問題に関わる財務省としての行政行為を正々堂々と青天白日のもとに曝すことができない違法な一連の行動だった。それを答弁拒否であくまでも隠し続けるということですね」

 いわば答弁拒否自体が佐川宣寿、あるいはその他の財務省理財局の他の職員が違法行為をしていたことの証明であり、違法行為を隠すために残されている手段が答弁拒否しかなくなっていることを相手に伝え、伝えることで、国民に対してもそのことを知らしめることができる。

 「刑事訴追の恐れがある違法な行政行為は、当然、違法である以上、国民の利益を目的にはしていない。何しろ不動産鑑定評価額9億3200万円の国有地を地下のゴミを過大に見積もって、その処理・撤去費用を8億1900万円と法外に算定、差引いて約1億3400万の不当な格安で売却したのだから。

 森友学園への格安売却という特大の利益供与が当初の目的ではなかったはずで、財務省の利益を直接的な目的とした違法売却だったのですか。そんなことはないでしょう。

 決裁文書の改竄を見ると、官邸からの何らかの力が働いて、行政自身が法律を犯す犯罪に走ったようにも見える。その犯罪が世に知れるようになって、今度は犯罪の痕跡を隠すために虚偽公文書作成罪等々を犯すことになるかも知れない決裁文書の改竄に迫られた。

 まあ、改竄当初は誰も改竄に気づくまいと思っていたのでしょうが。大体犯罪というものは犯す当初は誰も気づかないだろうと思って始める。財務省自身の利益のために背任罪に相当するような国有地の違法な格安売却を行ったとは考えられないから、官邸の何らかの力が働いて、止むを得ず犯すことになった違法売却ということですか」

 違法売却であることはゴミの量を過大に多く存在するように見せたとする工事関係者の証言を各マスコミが伝えていることによって既に明らかになっている。そして財務省職員には不正が露見した場合の不利益と天秤にかけた場合、格安売却の利益を受ける森友学園とは比較にならない危険を背負うことになるはずだから、財務省の利益から出た違法行為とは到底考えられない。

 あとは忖度行為しか残されていない。

 再度「刑事訴追の恐れがある」と答弁拒否した場合は最初の「事実を正直に告白した場合、その告白は刑法その他の刑罰法規に規定する犯罪構成要件に該当する可能性があり、訴追の恐れが生じるような違法行為に触れる内容になるということなんですね」と繰返して、答弁拒否自体が違法行為をしていたことの証明であることを改めて印象づける。

 「いくら答弁拒否をしたとしても、そのことによって却ってあなた方が犯した違法行為を浮き立たせることになるんですよ」と。

 「刑事訴追の恐れがある」と答弁拒否に務めたとしても、何が行われたのかの実態を隠すことに役立ったとしても、答弁拒否自体が森友学園に対する国有地売却が違法行為で成り立たせていたことの証明にしか役立たないことを知らしめることはできる。

 果たして違法売却と決裁文書の改竄に官邸が関与していのかである。もっと直接的に安倍晋三が関与していたのかである。一度ブログで取り上げた3月16日(2018年)の参院予算委員会での安倍晋三の答弁を別の角度から眺めてみる。

 3月20日(2018年)のブログでは、〈政治家の役人たちに対する不正な関与にしても、役人たちの政治家に対する忖度にしても一般的には暗黙の了解という形を取る。〉と書いて、不正な関与や忖度は決裁文書に具体的に書くはずはないから、削除した文言に不正な関与や忖度に触れていないことが明らかになったからといって、それらを否定することはできないといった趣旨のことを書いた。

 安倍晋三「お答え致します。決裁文書の書き換えについてはですね、私は全く指示をしておりません。そもそも理財局内や(近畿)財務局内の決裁文書などですね、私はその存在すら知らず、指示のしようはないわけであります。

 また書き換え前の文書でも、私や私の妻が国有地の払い下げや学校の認可に関与した事実はなく、私や私の妻が関わったことにならないことは明らかであります。

 私の2月17日の答弁は、私や私の妻が認可にも国有地払い下げにも関係ないというものであります。

 書き換え前のですね、貸付にかかる特例承認の決裁文書に土地を見に行ったとか、応援したとか書いてありますが、書き換えがなされたとする(2017年)2月下旬から4月には既に妻が名誉校長であり、講演に行ったこと、あるいは学校建設予定地に行ったことは、いわば既に知られていたことであり、国会でも議論になっていました。

 2月17日の一切関係はないという答弁をですね、これは財務省の記述にはないということは明らかであろうと、このように思います。

 決裁文書の書き換えが行われた目的・経緯等については財務省に於いて引き続き調査が行われているところでありますが、その上で申し上げれば、書き換え前の文書を見ても、私の妻について書かれた記述は全体の中の極く一部に過ぎず、政治家からの問い合わせや、さらにそれ以外の詳細に記載されていた経緯の部分についてほぼ全てが削除されています。

 しかも貸付にかかる特例承認の決裁文書だけではなくて、私の妻が出てこない、これは貸付にかかる決裁文書もあるんですが、この貸付文書の経緯の部分についても同様にほぼ全て削除されていることから、私の妻の記述に関わりなく削除されたと思われることを指摘しておきたいと思います」――

 「書き換え前の文書でも、私や私の妻が国有地の払い下げや学校の認可に関与した事実はなく、私や私の妻が関わったことにならないことは明らかであります」といくら言おうと、安倍昭恵に発した対安倍晋三忖度国有地格安売却だとしたら、安倍昭恵の存在自体を決裁文書から削除という方法で隠すだけではなく、その存在に対する忖度から発生した出来事・決裁の全てを違法行為となる故に同じ削除という方法で隠す必要が生じるゆえに他の箇所の削除を以って安倍昭恵の削除と関係ないとは言えない。

 当然、「書き換えがなされたとする(2017年)2月下旬から4月には既に妻が名誉校長であり、講演に行ったこと、あるいは学校建設予定地に行ったことは、いわば既に知られていたことであり、国会でも議論になっていた」からといって、安倍昭恵の存在の決裁文書からの削除が国有地売却が忖度行為であることを隠す目的であるなら、「名誉校長であり、講演に行ったこと」、あるいは「学校建設予定地に行ったこと」、「国会でも議論になっていた」こと、いわば安倍昭恵と森友学園の関係が周知の事実として多くの人間に記憶されることになればなる程、なお忖度行為を隠す必要性に迫られることになって、その必要性がそのまま安倍昭恵の存在だけではなく、忖度と関連性のある箇所全てを削除する必要性に繋がるはずだから、安倍昭恵と森友学園の関係に於ける公然性を以ってして削除と切り離すことには無理がある。

 当然、忖度と切り離すことはできない。逆に決裁文書の改竄が多方面に亘っていることから、忖度が誘発したそれだけのゴマカシであり、そのようにもゴマカシが多かったことと対応した忖度の大きさ、その広がりを読み取らなければならない。

 もし官邸が、あるいは安倍晋三自身が森友学園に対する国有地の違法な格安売却が安倍昭恵に対する忖度から発したことを知ったなら、当然、売却の経緯に触れいている決裁文書の改竄という手を使って忖度を隠す必要に迫られる。

 忖度の大きさ、その広がりは「刑事訴追の可能性」を楯にした答弁拒否を意志強固なもとする。逆に忖度が軽度で、当然、決裁文書改竄が少しのことで済んでいたなら、答弁拒否は限られることになる。

 答弁拒否の程度からも、その違法性の程度、他に動機が考えられない忖度の程度を推し量ることができる。

 「余りにも頑な、徹底した答弁拒否ですね。忖度の程度が強度に働いたがゆえの国有地の違法な格安売却、決裁文書のあれだけの改竄でなければ、これ程の徹底した答弁拒否は考えられなですね。答弁拒否が逆にこういったことを証明していることになるんですよ」

 答弁拒否の程度を忖度の程度に結びつけることもできる。答弁拒否にタダ無策である必要はない。

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森友国有地違法売却:価格決定の主導権を森友学園に可能とさせた大きな力は安倍昭恵一人か、安倍晋三もか

2018-03-22 12:25:49 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2018年3月20日付マスコミが財務省は14件決裁文書改竄問題で3月19日、新たに1文書削除の判明を公表したと伝えている。「NHK NEWS WEB」記事から見てみる。

 削除箇所は2016年に近畿財務局が国有地の地中から見つかった新たなゴミを早急に撤去するよう学園から求められて行った対応方針を纏めたものだという。

 国有地所有の大阪航空局は近畿財務局に対してゴミ処理の責任を認めつつ、早急な予算措置は困難として撤去費用を差し引いて土地の価格を安くする方法を提案。
 近畿財務局はこの提案を受け入れたものの、通常は民間の業者に頼む撤去費用の見積もりを大阪航空局に依頼、8億円余りの値引き額が算定されたという。

 近畿財務局は大阪航空局への見積もり依頼と同時期に学園側から予算の上限額を聞き出していたという。その記事。「NHK NEWS WEB」(2018年3月17日 19時39分)

 〈売却をめぐる交渉では、財務局が学園側に対して、いくらまでなら支払えるのか予算の上限を尋ね、およそ1億6000万円という金額を聞き出していたことがすでに判明していて、この具体的なやり取りが行われたのが、文書から削られていた3月30日だったことが検察当局の調べなどでわかりました。〉

 この内容から窺うことができる近畿理財局と森友学園の関係は価格決定の主導権は森友側が握っていたということである。国有地を売る側ではなく、買う側が主導権を握るに至っていたそもそもの理由は何なのだろうか。

 いずれにしてもゴミの処理・撤去費用が8億1900万円と見積もられて、この金額が不動産鑑定評価額9億3200万円から差し引かれて約1億3400万となった経緯には価格決定の主導権を森友側が握っていた点、通常は民間の業者に頼む撤去費用の見積もりを大阪航空局に依頼した点にそのカラクリがあるはずだ。

 ところが3月16日、17日(2018年)になって、各マスコミが大阪地検特捜部の任意聴取に対してゴミ撤去費算出に関わった業者が森友学園と財務省近畿財務局からの働きかけがあり、積算は虚偽の写真が根拠になったと説明していることが関係者への取材で分かったなどと伝え始めた。

 「朝日デジタル」(2018年3月17日05時32分)

 〈ごみの量の積算に際し、業者は2016年3月下旬に試掘し、「深さ3・8メートルまでごみが混入」との結果を財務局に提出。その根拠として、掘った穴にメジャーが差し込まれた現場写真が添付された。
 しかし、関係者によると、業者は特捜部に写真は実際には3メートルより浅い地点で撮られたものだったと証言。ごみの量は深さと面積などで算出される。ごみがある場所が深いほどごみの量は多いとみなされ、最終的な値引き額に影響する。業者は過大報告について、学園と国から働きかけられたとも説明しているという。

 財務局は最終的に、2016年6月20日に更地の鑑定価格から8億1900万円を値引き。1億3400万円で売却した。〉――

 「時事ドットコム」(2018/03/16-13:09)によると、〈関係者によると、試掘を行った業者の職員は特捜部の事情聴取に対し、深さ3.8メートルの場所を写したとされる写真について、「もっと浅い場所の写真で、3メートル以上の場所にごみはなかった」などと証言した。過大な値引き額を算出するために、虚偽の資料が作成された疑いがある。〉と伝えている。

 「3メートル以上の場所にごみはなかった」と言っていることの意味は3・8メートルの深度での試掘に対して「3メートル以上の場所にごみ」は存在していなかったものの、つまりゴミは3メートルまでの場所に存在していただけだったが、80センチ深くして「深さ3・8メートルまでごみが混入」と偽ったことを示している。
 
 上出2018年3月17日付「NHK NEWS WEB」記事は通常は民間の業者に頼む撤去費用の見積もりを大阪航空局に依頼したと伝えているが、このことは「産経ニュース」(2018年3月20日)記事の、〈森友学園側が国に提出した試掘結果の報告書に基づいて国土交通省大阪航空局がゴミの撤去費を算定した。〉と伝えていることにも符合する。

 「産経ニュース」には試掘したこの業者に3月19日に取材し、その証言を得ている。

 試掘業者「同じ場所の写真を別の2カ所の写真として学園側に誤って提供するミスがあった」

 森友学園は「誤って提供」を受けた試掘箇所のゴミが埋まっている写真を添付して試掘結果の報告書を国に提出、国はこの報告書に基づいて「杭打ち部分は9・9メートル、それ以外は3・8メートル」(記事説明)を範囲とするゴミ量を推計、ゴミ撤去費を約8億円と積算していたと解説、〈同じ場所の写真が使われている単純ミスを見つけられないまま、値引きを積算したことになる。〉と記述しているが、その一方で試掘深度3・8メートルの写真に関しては、〈業者は「それは正しい写真」とし、「国の値引き額は妥当だった」と主張。〉と伝えている。
 試掘深度3・8メートルの写真については「正しい写真」だとすると、「同じ場所の写真を別の2カ所の写真として学園側に誤って提供」した「写真」とは杭打ち部分の「9・9メートル」を写した写真ということになり、さらにその場所の写真を「誤って提供」したがゆえに杭打ち部分9・9メートルのゴミの量に関してのみ過大に見積もられたということを意味することになる。

 いわば杭打ち部分9・9メートルの深度にゴミは存在していたことになる。

 だとすると、上出「時事ドットコム」が深さ3.8メートルの場所を写したとされる写真について、「もっと浅い場所の写真で、3メートル以上の場所にごみはなかった」とした証言と齟齬を来たす。

 「産経ニュース」が取材した試掘業者の証言が正しいのか、「時事ドットコム」記事が伝えている証言た正しいのか、どちらなのだろうか。

 但し「時事ドットコム」記事が伝えている証言は「会計検査院森友学園国有地売却検証報告」(2017年11月)の、〈杭工事において新たに確認されたとする廃棄物混合土は、(仮称)M学園小学校新築工事地盤調査報告書等によれば、おおむね地下3m以深は沖積層等が分布しているとされていることなどから、既知の地下3m程度までに存在するものであることも考えられる。これを踏まえると、新たに確認されたとする廃棄物混合土がどの程度の深度に埋まっていたかについては、十分な確認を行う必要があったと認められる。〉(文飾当方)と一致する。
 
 このことと併せて、財務省が決裁文書を改竄しなければならなかった法に外れた必要性から見ると、後者の証言が正しいと見る他はないが、前者の証言が怪しいと見る根拠はある。

 「産経ニュース」伝えている試掘業者の証言を再度記載する。

 「同じ場所の写真を別の2カ所の写真として学園側に誤って提供するミスがあった」

 合計3箇所、同じ写真を使い回したことになる。但し試掘や予定外の障害物確認等を含めた工事途中の写真や工事完了写真等は黒板に撮影場所を番号付けしてチョークで書き込む。

 そして検査する側は現場に立ち会わずに写真のみで工事を検証する場合、写真に撮られている番号によって場所の確認と工事の目的と結果を判断する。

 当然、同じ写真を使い回しすることはできない。できることは説明書きを変えた写真を別に撮って、最初に写真を撮った場所を別の場所として使い回すことだけである。これは工事業者がよく使うゴマカシのテクニックとなっている。 

 例え「同じ場所の写真を別の2カ所の写真として学園側に誤って提供するミスがあった」としても、写真が同じである以上、大阪航空局側がその“誤ち”に気づかなければならない。

 気づかずにそれらの写真をゴミの量と撤去・処分費用の算定材料に使ったのは、上出「朝日デジタル」記事が工事業者の証言として森友学園と国から働きかけられて「深さ3・8メートルまでごみが混入」との報告を財務局に提出したが、実際には3メートルより浅い地点で撮られた写真だと伝えているように森友学園と掘削業者と国がグルになって国有地の売却価格を森友学園が支払うことができる金額の範囲に収めるべく企んだからだろう。

 また使い回しの写真の黒板の文字はぼやけていて判読不可能だという。判読された場合、ゴミの量を過大に見せるための陰謀が簡単にバレることの回避手段ということなのだろう。それ以外に理由は見当たらない。

 こうまでも巧妙に陰謀を巡らす。そして陰謀に関わる不都合な経緯を隠す目的で決裁文書の改竄という手を使う。そしてこういったことは森友学園側が価格決定の主導権を握っていた状況下で行われた。

 森友学園側から国に向かって大きな力が働いていたからこそ可能となる数々の陰謀であるはずだ。逆の方向はあり得ない。その大きな力は改竄される前の決裁文書の中に提示されている。それを隠すために改竄した。

 〈「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)。〉が削除され、改竄された。

 〈H27・1・8 産経新聞社のインターネット記事(産経WEST産経オンライン【関西の議論】)に森友学園が小学校運営に乗り出している旨の記事が掲載。

 記事の中で、安部首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した旨が記載される。〉が改竄前の決裁文書から削除されて改竄後の何事もない文書として残り、国会にも提出されることになった。

 大きな力の源が安倍昭恵をその一人と目することができる。首相夫人としての安倍昭恵一人の力だったのか、その背後にいる一国の首相である安倍晋三の影響力も加わっていたのか。

 少なくとも大きな力から安倍昭恵を除くことはできないはずだ。

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安倍晋三関与・昭恵忖度対森友国有地不当売却疑惑:安倍晋三が展開する正当性理論打破が真相解明のカギ

2018-03-20 12:21:16 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 ――政治家の役人たちに対する不正な関与にしても、役人たちの政治家に対する忖度にしても一般的には暗黙の了解という形を取る――

2018年3月19日参院予算委員会・共産党辰巳孝太郎

 辰巳孝太郎「国有地がタダ同然で売却された森友疑惑は前代未聞の公文書改竄疑惑に発展を致しました。総理は『私や妻が関わっていたら、総理を辞める』

 (3月)16日の(参院)予算委員会では財務省が総理のこの答弁の整合性を取るために改竄をしたのではないということ(という質問)を否定できませんでした。

 (注:3月16日の参院予算委員会で辰巳孝太郎が「総理の答弁と整合性を取るために消された可能性を否定できるのか」と追及したのに対して財務省理財局長太田充が「政府全体の答弁を気にしていた」と答弁したこと)

 総理にお尋ねを致します。ご自身には不都合な真実が明らかになるかも知れませんが、ご自身の発言がキッカケとなってこの改竄が始まったかどうかは明らかにする必要があるのではないでしょうか」

 安倍晋三「お答え致します。決裁文書の書き換えについてはですね、私は全く指示をしておりません。そもそも理財局内や(近畿)財務局内の決裁文書などですね、私はその存在すら知らず、指示のしようはないわけであります。

 また書き換え前の文書でも、私や私の妻が国有地の払い下げや学校の認可に関与した事実はなく、私や私の妻が関わったことにならないことは明らかであります。

 私の2月17日の答弁は、私や私の妻が認可にも国有地払い下げにも関係ないというものであります。

 書き換え前のですね、貸付にかかる特例承認の決裁文書に土地を見に行ったとか、応援したとか書いてありますが、書き換えがなされたとする(2017年)2月下旬から4月には既に妻が名誉校長であり、講演に行ったこと、あるいは学校建設予定地に行ったことは、いわば既に知られていたことであり、国会でも議論になっていました。

 2月17日の一切関係はないという答弁をですね、これは財務省の記述にはないということは明らかであろうと、このように思います。

 決裁文書の書き換えが行われた目的・経緯等については財務省に於いて引き続き調査が行われているところでありますが、その上で申し上げれば、書き換え前の文書を見ても、私の妻について書かれた記述は全体の中の極く一部に過ぎず、政治家からの問い合わせや、さらにそれ以外の詳細に記載されていた経緯の部分についてほぼ全てが削除されています。

 しかも貸付にかかる特例承認の決裁文書だけではなくて、私の妻が出てこない、これは貸付にかかる決裁文書もあるんですが、この貸付文書の経緯の部分についても同様にほぼ全て削除されていることから、私の妻の記述に関わりなく削除されたと思われることを指摘しておきたいと思います。

 また売払いに関する決裁文書には一切、妻のことは出てこないわけであります。

 このように考えればですね、この2月17日の答弁があるからと言って、書き換えを行う理由・必要性はないものと思われるわけでございます。これまで申し上げてきたとおり、私や妻がこの国有地払い下げや学校の認可に、勿論事務所も含め、一切関わっていないということは明確にさせて頂きたいと思います」

 辰巳孝太郎「委員長、長答弁、注意して頂きたいんですよ。これ質問妨害ですよ。私は総理が指示していたのかどかということは聞いておりません。総理の答弁がキッカケとなって改竄が始まったのか、それを調査すべきではないかと聞いたわけであります。

 総理、一部に過ぎないと言いますけれどもね、これ一部であっても、全体であっても、関係ないんですよ。安倍総理の発言によってこの改竄がキッカケとなって始まったのか、それを私は聞いたわけであります。

 指示はしていない、一部だ、色々おっしゃいましたけど、今調査中なんでしょ?今調査中なんでしょ?政治家の指示も含めて、それをきちっと調査して頂きたい。

 総理には不都合かも知れないけれども、総理の2月17日の発言がキッカケとなって改ざんが行われたのか、これを国民は知りたがってるんですよ。総理はこの点を含めて調査をきっちりとして頂きたい」

 安倍晋三「今ですね、辰巳委員からでですね、私の発言がキッカケではなかったかという問いがございましたのでね、私は今までのその仮設に対してこの事実を申し上げたわけでございまして、いくつかある文書、仮設が事実であるなら、全ての削除された文書に私も妻の記述がなければならないところでございますが、そうではなかったということについてですね、申し上げたところでございます。

 いずれにしましても調査をしっかりとしていく。そして全容解明された段階に於いて二度とこうしたことが起こらないように、えー、国民の信頼を得るために組織を建て直していくことは申し上げているとおりでございます。その責任を果たしていく考えであります」

 辰巳孝太郎は「身内の調査ではダメ、国会法104条に基づいて野党・与党全会一致での国政調査権の発動を委員長に求める。

 安倍晋三は自身の不関与正当性理論に打破の機会を与える宝庫とも形容できる答弁をしている。だが、辰巳孝太郎は「総理、一部に過ぎないと言いますけれどもね、これ一部であっても、全体であっても、関係ないんですよ。安倍総理の発言によってこの改竄がキッカケとなって始まったのか、それを私は聞いたわけであります」と自身の質問に拘って、そこから離れることができなかった。

 安倍晋三は「決裁文書の書き換えについてはですね、私は全く指示をしておりません。そもそも理財局内や財務局内の決裁文書などですね、私はその存在すら知らず、指示のしようはないわけであります」と「決裁文書の存在すら知らない」ことを以って自身の潔白、自身の不関与正当性理論としている。

 この日辰巳孝太郎から4番目に質問に立った立憲民主党の福山哲郎に対して財務省理財局長の太田充は「決裁文書を前提に答弁書を作ることはしていると思うが」と答弁している。

 決裁文書とは言ってみれば、“役所が役所として公に行った行為に付した決裁の文書”であり、公に行った行為に対する一連の決裁文書を見れば、“役所が役所として公に行った行為”の始まりから終わるまでの経緯を知ることができる。

 また国有地売却に関わる安倍晋三や麻生太郎の国会答弁書は国有財産を与る財務省理財局が一連の国有地売却に関係した決裁文書を参考にして作成する。決裁文書を通して一連の経緯を振り返らずに答弁書を作成できるとしたら、神業である。

 安倍晋三は首相以外に内閣官房副長官や内閣官房長官を歴任している。それぞれの役職で国会答弁に立つときに各政策を所管する省庁が行為の決定と経緯を記した決裁文書を詳細に振り返って要約・作成した答弁書を参考にしてきたはずだから、「理財局内や財務局内の決裁文書などですね、私はその存在すら知らない」としている答弁は明らかにウソ八百に堕する。

 辰巳孝太郎はこの点を追及すべきだったが、見逃してしまった。

 この日の予算委員会で太田充が安倍昭恵名前記載文書の改竄は2017年4月4日に行ったことを明らかにしたとマスコミは伝えている。

 安倍晋三の2017年2月17日衆院国会答弁は改竄前の決裁文書に記載されていた事実に基づいて作成された答弁書を参考にしていたことになる。

 問題は森友学園に対する財務省理財局の国有地不当売却疑惑に関わる安倍晋三の2017年2月17日衆院国会答弁「(私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに)もし関わっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい」が財務省理財局や近畿財務局が保管していた一連の決裁文書を一覧して財務省理財局が作成した答弁書に2014年4月28日付の決裁文書中にある「安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」との籠池前理事長の発言の記載を転載していたかどうかである。

 答弁書に転載がないままに自身の不関与を確信して自身と妻の潔白の訴えに代えて、関与があった場合の条件付きで辞任発言をしたのか、転載があったにも関わらず、こういったことを発言したのかで意味が違ってくる。

 いずれにしても、各省庁が国会答弁作成に重要な素材としているゆえにその存在を知らないはずはないのに「理財局内や財務局内の決裁文書などですね、私はその存在すら知らない」とウソの証言をしている関連から、2017年2月17日の国会答弁にしても、決裁文書に安倍昭恵の名前が記載されていることを承知していながら、自身と妻は潔癖だと強弁を謀った疑いは濃い。

 強弁が改竄の必要性を誘発せしめたとしたら、安倍晋三の2017年2月17日の国会答弁がキッカケとなった決裁文書改竄の可能性は高くなる。

 安倍晋三はまた、「書き換え前の文書でも、私や私の妻が国有地の払い下げや学校の認可に関与した事実はなく、私や私の妻が関わったことにならないことは明らかであります」との発言で以って自身と妻に対する不関与の正当性理論としている。

 例え「関与した事実」が改竄前の決裁文書に記載されていなくても、決裁文書に書くはずはない「関与」の事実であって、記載されていなことを以って「私や私の妻が関わったことにならない」の証明とは到底ならない。

 なぜなら、政治家の関与やその妻の関与の事実があったとしても、それが不正な性格を帯びた関与であるなら、露見した場合の大事(おおごと)となる危険性回避の危機管理から、文書に記載せずに暗黙の了解という手を使うことが一般的だからである。

 もし役人側が安倍昭恵という存在とその背後にいる安倍晋三という存在に対して忖度という力が働いた不当に格安な価格の国有地売却だとしても、その忖度は役人たちの間で暗黙の了解という形を取るだろう。

 安倍晋三、あるいは安倍昭恵の関与があったから、これこれした、あるいは安倍昭恵という存在とその背後にいる安倍晋三を忖度したから、これこれしたと誰が決裁文書に証拠を残すだろうか。

 当然、「2月17日の一切関係はないという答弁をですね、これは財務省の記述にはないということは明らかである」との物言いで「記述にはない」ことを以って関与も忖度もなかった正当性理論とすることの根拠とはならない。

 「書き換え前のですね、貸付にかかる特例承認の決裁文書に土地を見に行ったとか、応援したとか書いてありますが、書き換えがなされたとする(2017年)2月下旬から4月には既に妻が名誉校長であり、講演に行ったこと、あるいは学校建設予定地に行ったことは、いわば既に知られていたことであり、国会でも議論になっていました」

 関与も忖度も暗黙の了解で進行していく一般的な慣行からすると、安倍昭恵が名誉校長であった事実、森友学園の幼稚園に講演に行った事実、学校建設予定地を籠池泰典と訪問した事実が世間に知られていて、「国会でも議論になっていた」からといって、このことを以って安倍晋三の関与を否定する材料にも、役人側の忖度を否定する材料にもならない。

 ましてや「書き換え前の文書を見ても、私の妻について書かれた記述は全体の中の極く一部に過ぎない」ことを以って不正関与否定の正当性理論とすることは不可能である。

 「貸付にかかる特例承認の決裁文書だけではなくて、私の妻が出てこない、これは貸付にかかる決裁文書もあるんですが、この貸付に文書の経緯の部分についても同様にほぼ全て削除されていることから、私の妻の記述に関わりなく削除されたと思われることを指摘しておきたいと思います」と言っている、安倍昭恵の名前やその行動だけではなく、「ほぼ全て削除されている」、あるいは「私の妻の記述に関わりなく削除されている」ことを以ってして、さらに「売払いに関する決裁文書には一切、妻のことは出てこないわけであります」ことを以ってして、関与や忖度否定の理論とすることはできない。

 当然、「2月17日の答弁があるからと言って、書き換えを行う理由・必要性はないものと思われる」は自分のためにしている自己都合の不関与正当性理論に過ぎない。

 安倍晋三は自身の2017年2月17日の答弁が決裁文書改竄のキッカケとなったのではないかとする辰巳孝太郎の追及を「仮設」とし、「いくつかある文書、仮設が事実であるなら、全ての削除された文書に私も妻の記述がなければならないところでございますが、そうではなかったということについてですね、申し上げたところでございます」と自身や妻の関与を否定する正当性理論としているが、これも政治家の役人たちに対する不正な関与にしても、役人たちの政治家に対する忖度にしても暗黙の了解という形を取る一般例からすると、正当性理論として成り立たせることのできない発言に過ぎない。

 安倍晋三が国会答弁で好き勝手に展開する自身の不関与正当性理論、あるいは安倍昭恵忖度否定理論を打ち壊さない以上、いつまで経っても森友学園疑惑追及は中途半端で終わる。

 既に値引き額に反映された地下埋設物・ゴミの量が過大に見積もられた不当な国有地格安売却である事実が明らかになりつつある。当然、決裁文書の改竄はこの不当な格安売却を隠す目的を有していたことになる。改竄するに当たって削除箇所も同じ目的で行われたはずだが、特に安倍昭恵の名前を削除した目的・必要性は徹底的に明らかにしなければならない。

 明らかにすることができたなら、その過程で安倍晋三の関与の有無をも明確になるはずである。

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森友疑惑:虚偽混じりの答弁書の作成と決裁文書改竄は安倍晋三の指示が端緒とも、佐川宣寿主導とも解釈可能

2018-03-19 11:59:49 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2018年3月18日放送の「新報道2001」が今回の森友学園国有地売却に即して財務省理財局による局長佐川宣寿と安倍晋三相答弁書作成の流れを伝えていた。

 ① 野党議員から衆参各委員会に質問書(質問通告)が届く
 ② 財務省大臣官房文書課が財務省理財局(当時課長は佐川宣寿)に答弁書の作成を指示
 ③ 理財局国有財産企画課・課長補佐が答弁書作成
 ④ 理財局国有財産企画課・企画課長の了解
 ⑤ 理財局国有財産企画課・審議官の了解
 ⑥ 理財局国有財産企画課・次長の了解
 ⑦ 理財局長(佐川宣寿)に挙げられ、了解を取る
 ⑧ 財務省大臣官房文書課に上げられる
 ⑨ 財務大臣が関わる答弁の場合は財務大臣秘書官に提出。両者の間で内容や答弁の適否等の検討
 ⑩ 総理答弁の場合は答弁書は内閣参事官に上げられる。
 ⑪ 案件に応じて内閣参事官から首相秘書官(政務・財務・外務・経産・防衛・警察)に上げられ、各秘書官から官房長官、そして首相に伝えられる(以
   上)

 当時の財務省理財局長佐川宣寿は理財局国有財産企画課・課長補佐が作成し、関係担当者が稟議した答弁書に目を通してOKを出し、総理答弁に関する場合は内閣参事官や首相秘書官、さらに官房長官に上げられて最終的に総理が目を通し、各担当と検討して、詰める場合もあるだろうが、答弁内容を決定する。

 上記「新報道2001」は森友学園疑惑追及開始の2月17日衆議院予算委員会で安倍晋三が「(私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに)もし関わっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい」と国会答弁したことが国有地売却に関わった理財局に対するプレッシャーとなって安倍政権を守るために各文書で決裁した事実(改竄される前の文書で決裁した事実)とは異なる虚偽の事実を混じえた答弁書の作成に繋がったといった趣旨の疑惑を掲げている。

 と言うことは、佐川宣寿が局長であった財務省理財局に端を発した虚偽事実を混じえた答弁書の作成であり、佐川宣寿自身も虚偽の答弁書に即した虚偽答弁を行い、この虚偽答弁に整合性を与えるために決裁した事実を削除するなどして決裁事実を見えなくする、あるいは虚偽の事実に変えるなどして最終的に文書改竄を行ったことになるだけではなく、安倍晋三の国会答弁にしても、自身が与り知らない虚偽の答弁書に即して答弁していただけとなる。

 いわば佐川宣寿陰謀説を成り立たせると同時に安倍晋三潔白説を成り立たせることができる。
 
 森友学園に対する財務省理財局の国有地不当売却疑惑は2017年2月9日付の朝日新聞によって報道された。近畿財務局が慣例に反して売却額を非公表としたこと、森友学園側に契約違反があった場合、国が「1億3400万円」で買い戻す特約がついていたこと、買い戻し額と売却額が通常同じであることから、近畿財務局が2010年に公共随契で豊中市に売った価格約14億2300万円に対して「1億3400万円」の売却額となっている疑いがあること、籠池理事長が憲法改正を求めている日本会議大阪の役員であること、さらに安倍晋三夫人安倍昭恵が森友学園が国有地に建設予定の小学校の名誉校長に就任していることなどが記事内容となっている。

 この新聞報道が報道から8日後の2月17日衆議院予算委員会での安倍晋三の国会答弁、「関与していたなら、総理大臣を辞任する」の自身の潔白説に繋がったとしたら、潔白説に添う答弁書の作成を指示することは可能となる。

 少なくとも当時の森友学園籠池泰典が狂信的と言ってもいい程の安倍晋三信奉者であること、当初設立予定の小学校の名前を安倍晋三記念小学校名にしようと考えていたこと、安倍晋三と同じく右翼の政治集団「日本会議」に関係していること、小学校名誉校長に自身の妻が就任している等々の諸々の関係から、安倍昭恵に国有地売却に関わっているのかと尋ねるだけで終わらせることはなく、あるいは答弁書が作成されて上がってくるのを待つだけではなく、内閣官房長官の菅義偉なりを通して財務省理財局に対して売却交渉に安倍晋三と安倍昭恵に触れている事実経緯箇所の有無について尋ねたはずである。

 特に朝日新聞の上記報道から疑えば可能となる安倍晋三関与疑惑の否定に繋がる事実を欲するのは安倍晋三の立場上、必要に迫られる人情であり、理財局から上がってくる答弁書に否定の根拠となる確かな事実が含まれていることを望んだはずである。

 だが、決裁文書に籠池前理事長の「安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」との発言の記載がある事実、あるいは籠池泰典氏が「日本会議大阪」に関与していて、〈国会においては、日本会議と連携する組織として超党派による「日本会議国会議員懇談会」が平成9年5月に設立され、現在、役員には特別顧問として麻生太郎財務大臣、会長に平沼赳夫議員、副会長に安倍晋三総理らが就任〉(NHK NEWS WEB記事から)との記載がある事実等々を知らされた場合、安倍晋三関与疑惑説払拭には好ましからざる望んではいない事実となるばかりか、安倍晋三関与疑惑説払拭とは逆に安倍晋三関与疑惑説増幅一途の軌跡を取らない保証はないことになる。

 現実問題としても、決裁文書改竄の事実が表面化しない状況下でも、安倍晋三や理財局の強硬な疑惑否定の答弁は国民の疑惑を膨らませる現象を導き出す作用にしか役立ってはいない。決裁文書の事実が事実通りに公表されたら、どうなっただろうか。

 そして安倍晋三にとって決裁文書に記載された好ましからざる望んではいない事実の数々が削除されるに至った。 

 理財局が安倍昭恵の名前や安倍晋三の名前、さらに森友学園と価格交渉をした事実等を決裁文書から削除したことは両者に対する役人たちの忖度によって国有地が森友学園に不当に格安に売却されたのではないかとする安倍晋三にとって不都合な疑惑(現在では疑惑というよりも事実に限りなく近づいている)を同時に削除する行為に否応もなしに相当する。

 と言うことなら、「新報道2001」が報じていたように2月17日衆議院予算委員会での安倍晋三の関与否定答弁が理財局のプレッシャーとなって安倍政権を守るために虚偽答弁書の作成や決裁文書改竄の方向を取ったとのみ断言することは不可能で、関与否定の答弁を成り立たせる必要上、いわば自身が国会答弁した関与潔白説に添う答弁書の作成の必要上、安倍晋三の側から虚偽事実を混じえた答弁書の作成とそれを正当化するための決裁文書の改竄の指示が出た可能性は否定できない。

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安倍晋三の国家的言論・思想統制欲求の反映か 前川喜平前文部事務次官中学校講演内容調査

2018-03-16 10:13:44 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 「NHK NEWS WEB」/2018年3月15日 19時15分)

 文部科学省の前川前事務次官が先月、愛知県の公立中学校(名古屋市立中学校だそうだ)から総合学習の時間の講師に招かれて、不登校や夜間中学校などをテーマに授業を行った。参加者は全校生徒のほかに地元の住民たち。

 今月(3月)1日、文部科学省の課長補佐からこの学校を所管する教育委員会(名古屋市教育委員会と言うことになる)宛てに前川氏が天下り問題で辞任したことや、出会い系バーの店を利用していたことを指摘、「道徳教育が行われる学校にこうした背景のある氏をどのような判断で授業を依頼したのか」等、15項目に亘って質問、文書で回答するよう求めるメールが届いたという。この15項目の中にはあればの話で録音の提供が含まれていたとのこと。

 このことだけで前川喜平氏に対する徹底的な検閲と監視の意思を窺うことができる。

 講演者に講演内容は全て任せるにしても、講演者はどのような内容なのか前以って学校側に話し、了承を得るのが常識的な手順であろう。学校側にしても、そこに希望する個別の内容が含まれていなければ、含めて欲しいといった要望を出すぐらいのことをするだろうし、話し合って決めることになるはずだ。

 記事が教育委員会は授業内容を事前に了承していたと伝えているから、中学校側が隠れてしたことではなく、あくまでもオープン姿勢で行った講演であることが分かる。

 そして講演の内容の良し悪し、ためになった、ならなかったは教師と生徒で話し合って考え、あるいは生徒同士で話し合って考え、あるいは親と生徒が話し合って考えたりして評価すべきことであって、この評価は国が決めることではなく、当然、国は講演の内容・評価から距離を置かなければならない。

 要するにそれぞれの責任で決めていくべきそれぞれの行為であるはずだが、個別の責任行為とすることができずに国が関与して責任行為の個別性を奪い、それを検閲と監視という手段でコントロールしようとする。

 そういった構造がここから窺うことができる。コントロールが過ぎると、戦前のように国家的統制の性格を帯びない保証はない。そのような危険性の萌芽を見る。

 中学校は文部省の要望を教育委員会から伝えられ、録音の提出については拒んだという。唯々諾々と従っていたなら、戦前の思想・言論の国家統制にほんの数センチ近づくことになる。

 最初はほんの数センチであろうと、それが責任行為の個別性を国が奪って自らの責任行為に取って代わろうとする端緒としない保証はなく、その数センチを許したがゆえに知らない間に国民は思想・言論の国家統制に雁字搦めとなった自らの姿に気づくことになりかねない。

 記事は、〈今の法律では、いじめによる自殺を防ぐなど、緊急の必要がある場合は文部科学大臣が教育委員会に是正の指示を出すことが認められているが、今回のように個別の学校の授業内容を調査することは原則、認められていない。〉、〈戦前の愛国主義的な教育の反省に立ち、国による学校教育への関与は法律で制限されている。教育基本法16条にも「教育は不当な支配に服することなく」と記されている。〉と文部省の調査を批判している。

 要するに国による言論・思想に対する検閲と監視の危険性の指摘となっている。

 記事は講演を聞いた主婦や男性、教育者、そして文部科学省の発言を伝えている。

 50代主婦「夜間中学校について、熱く語られたのが印象残っています。とても勉強になりました」

 男性「政治的な話は全くなく、和やかな雰囲気でした」

 文科省は「自ら考え、自ら決定する」教育を掲げながら、一方でその責任を蔑ろにする、あるいは奪おうとする。

 日本教育学会の会長で教育行政に詳しい日本大学広田照幸教授「国の地方の教育行政への関わりは、基本的に抑制的であまり口を出さないのが基本だ。学校の教育内容は教育委員会の管轄であり、何より個々の学校が責任を持って行うものだ。それに対し、明確な法律違反の疑いもないまま授業内容にここまで質問するのは明らかに行き過ぎだ。

 行政が必要以上に学校をコントロールすることになりかねず、現場は国からの指摘を怖れて萎縮し、窮屈になってしまうのではないか。国があら探しするような調査をかけることは教育の不当な支配に当たると解釈されてもおかしくない」

 国による「教育の不当な支配」とは思想・言論の国家統制を意味する。その走りとなりかねない懸念を持たざるを得ないということなのだろう。

 文部科学省「前川氏が文部科学省の事務方トップだったことや、天下り問題で辞任したことを踏まえ、講師として公教育の場で発言した内容や経緯を確認する必要があると判断した。正確性を期すために文書での確認を行った。問題があるとは思っていない」

 「天下り問題で辞任」も、出会い系バーの利用も、それをどう判断するかは講演を依頼した中学校の責任行為であろう。中学生が判断する能力と責任に欠ける年齢だと言うなら、教師の主導で判断の手助けをし、生徒たちの考える力と責任能力を育むのも教育の一環である。

 当然、「講師として公教育の場で発言」する資格有無の判断も個別的責任行為の範疇に属する問題であって、国がその資格を判断して「内容や経緯を確認する」、結果として統制への指向性を備えかねない権利は有していない。

 「正確性を期すために文書での確認を行った」と言っているが、口頭ではなく、文書を用いたのは国としてより重大視していることの表現であるはずだ。

 重大視に対応して思想・言論の国家統制への指向性も強まる。

 「問題があるとは思っていない」は検閲と監視の意思、あるいは思想・言論の国家統制意思の隠蔽に過ぎない。

 問題は安倍晋三の意思が働いた文科省の検閲と監視の意思、あるいは思想・言論の国家統制意思であるかどうかである。加計学園獣医学部新設問題では前川喜平氏から「行政が歪められている」と批判され、歪めている張本人を安倍晋三と目された。

 その恨みだけではなく、安倍晋三は元々戦前日本国家を国家の理想像とする国家主義者であって、思想・言論の国家統制意思を自らの血とし肉としている。

 安倍晋三と中川昭一はかつて200年代に従軍慰安婦に対する日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷を取り上げて番組を制作したNHKに対して政治的圧力を掛け、番組の内容を一部改変させたと訴えられた。

 東京最高裁判決では安倍晋三と中川昭一の政治的圧力は取り上げられず、東京高裁判決を破棄し、原告の請求を退ける逆転判決を言い渡したが、高裁判決では、〈数十人の右翼団体が一審被告NHKの放送センターに押し掛け,本件番組の放送中止を求める抗議行動を行〉い、〈一審被告NHK総合企画室の担当者らは,古屋圭司,平沢勝栄,荒井広幸ら自民党の複数の国会議員と面談して, 本件番組について説明し,同月29日には野島(NHK総合企画室担当局長)も,中川昭一国会議員(に呼び出されて,本件番組内容を批判され〉、〈事前に面会を約束した安倍晋三官房副長官と首相官邸内にある官房副長官室で面会し〉、〈安倍官房副長官は,本件番組に関連していわゆる従軍慰安婦問題の難しさや外交について持論を展開した上で, 一審被告NHKに対して公正中立を求めた。安倍官房副長官が公平公正な番組にすべきであるとの意見をして干渉したことにより, 一審被告NHKは,その面談直後から,その意向に沿うように,松尾及び野島の主導により本件番組の改編を繰り返した。〉(文飾当方)と事件の経緯を述べている。

 安倍晋三は「公平公正」という口実のもと、2014年12月の総選挙でもテレビ局に対して報道の自由に干渉している。選挙の前の月にTBSの「NEWS23」に出演、番組が取り上げた街の声の殆どがアベノミクスに反対すると、「街の声ですから、皆さん選んでおられると思うんですよ」とさもテレビ局が情報操作してるかのように言い、そのたった2日後に安倍晋三の側近・太鼓持ちである「自由民主党 筆頭副幹事長 萩生田光一/報道局長 福井照」の差出し人名で在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに番組報道の公平・公正・中立を求める文書を送りつけているのだから、安倍晋三の意思から発した報道の自由に対する干渉であることは否定できない。

 内容は出演者の発言回数や発言時間の平等性、ゲスト出演者の選定の平等性、特定の立場からの質問が集中することの禁止、街角インタビューや資料映像等使用に於ける一方的な意見の偏りの回避等、事細かに規制する内容となっていて、要するに安倍政権批判を抑える欲求を持たせたテレビ報道への介入であって、このような介入を以ってして公平・公正・中立だとしている。

 文科省の今回の前川喜平氏の講演に対する市教育委員会と中学校への検閲と監視の意思、あるいは思想・言論の国家統制意思を孕んだ干渉が安倍晋三のこれらの精神性の反映であるとしたら、空恐ろしいことが起こりつつあると見なければならない。

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