愛媛県新文書から逆算すると、安倍晋三と加計孝太郎の面会は事実中の事実となる

2018-05-31 13:13:46 | Weblog
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2018年5月21日に愛媛県の中村知事が参議院に提出した加計学園に関わる新文書の画像を「AERA dot.」からダウンロードし、文字起こししてみた。

 読み通した感想は、内閣府地方創生推進室次長藤原も首相秘書官の柳瀬唯夫も愛媛県と今治市、さらに加計学園に対して加計学園獣医学部新設認可を既定路線として対応し、愛媛県文書に記載の2015年2月25日の安倍晋三と加計学園理事長加計孝太郎との面会は加計学園は実際はなかったこと、いわばニセ情報としていることも、事実中の事実として浮かび上がってくるというものである。

 文書はなるべく画像とおりの形式にし、文書№が付いているものは付け、続きの文書でない場合は赤の水平線で区切った。

 
     平成30年5月21日

      参議院予算委員会 御中

                                    愛媛県企画振興部
                                      地域振興局 地域政策課

 
                   文書の提出について(回答)

       参議院予算委員会理事会における与野党の合意により、国政調査権に基づいて平成30
      年5月10日付けで依頼があり、5月17日に電話で督促いただきました件について、県庁
      をあげて調査したので、下記文書を提出いたします。
       なお、提出する文書には、個人情報が含まれておりますので、その取扱いにはご注意く
      ださいますようお願いします。

                        記

      a:平成27年3月24日

       → 同日には首相官邸に出張していません

      b:平成27年4月2日
       ① いわゆる出張命令書に該当するもの
            → 旅行命令簿(4枚)
       ② いわゆる出張命令書に該当するもの
            → 復命書のコピー(3枚)
    
       ③ 上記、①及び②に付随する書類等一式
           → 精算請求書(2枚)
           → 関連する個人メモ(6枚)
           → 名刺(1枚)
           → 面談結果概要メモ(2枚)
           → 柳瀬氏への説明内容を書き起こしたメモ(1枚)
     
       ④ 審議会や関係部局等で、上記それぞれの出張結果に関して報告及び
             関連した結果がわかる書類一式
           → 該当する文書はありません

       ⑤ 上記、①及び②に関して面談等を録音したもの
           → 該当するものはありません

     c:平成27年6月4日ないし5日の前後
       → 当該期間には首相官邸に出張していません
   
           
                             愛媛県企画振興部地域振興局
                                地域政策課
                             TEL 089-912-2235


                   提出書類目次



           旅行命令簿                    1

           復命書のコピー                  5
 
           精算請求書                    11    
     
           関連する個人メモ                 15

           名刺                         23

           
           面談結果概要メモ                 24


           柳瀬氏への説明内容を書き起こしたメモ   27


           (全27ページ)



 文書№5

   供覧  部長 ■■   政策企画局長 ■■  地域振興局長 ■■  担当係長 ■■


                 復  命  書                 ■■

      命により 平成 27 年 4 月 2 日 限り
     内閣府地方推進室次長及び総理秘書官との面談のため、東京都に出張したので、復命
     します。

         平成27年4月3日

 
        愛媛県知事  中 村 時 広 様


                            課長  ■■■
                  
                  出張者職氏名

                            主幹  ■■■


    1  日時及び場所


       平成27年4月2日(木)11時30分~12時30分 内閣府
 
                 15時~15時40分   首相官邸


    2  用途


      今治新都市への獣医師系養成大学の設置に係る内閣府地方推進室及び総理秘書官    

     との協議

    
    3 内容

      別紙のとおり


文書№6 (名刺5名) 


文書№7・8・9・10

別紙

訪問者

愛媛県    地域政策課長 ○高石淳
         主幹       ○宇佐美伸次

愛媛県
東京事務所 行政課主任   ○森山圭美

今治市    企画課長    ○秋山直人
        課長補佐      ■■■

加計学園  相談役    ○田丸憲二    
        事務局長    ○渡邉良人
        次長         ■■■
        参事         ■■■

 注 総理官邸への訪問者は部屋の大きさとの関係で6名に制限されたため、○のあるものが訪問

【相手方】
○内閣府地方創生推進室次長[国家戦略特区]広域等担当 藤原豊(経済産業省)
              近畿圏地方連絡室     杉浦あおい

○内閣総理大臣秘書官    柳瀬唯夫(経済産業省)
 内閣参事官          角田佳彦(文部科学省) 
 内閣参事官          青山豊久(農林水産省)

《県・市と加計学園との事情打合せにおける渡邉事務局長主な発言》

 ・柳瀬秘書官に対しては内閣府藤原次長を紹介をいただいたことに対してお礼を述べたい。
 ・先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答
  もなくけしからんといっているとの発言があったことに対し、理事長から柳瀬秘書官に
  ちゃんと説明しておくように言われている。同秘書官からも、本日、その点を質問され
  る可能性があり、県・今治市から、100%の回答にはなっていないが、ちゃんと昨年
  12月26日にペーパーにより文部科学省に直接説明している旨を回答してほしい。

《藤原地方創生推進室次長の主な発言(内閣府)11:30》

 ・加計学園からは3月24日に1度話しは聞いているとして、県・今治市から、獣医学部へ
  取り組む目的や姿勢、今治市が既に大学用地を準備していること、日本獣医師会や既存
  の獣医大学の反対がネックになっていることなどを説明。
 ・要請の内容は総理秘書官から聞いており、県・市がこれまで構造改革特区を申請をされ、実
  現に至っていないことも承知。
 ・政府としてはきちんと対応していかなければならないと考えており、県・市・学園と国が
  知恵を出し合って進めていきたい。  
 ・そのため、これまでの構造改革特区のように事務的に対応されて終わりということでは
  なく、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい。
 ・国家戦略特区は、地方自治体に限らず、事業者や個人からでも全国レベルの制度改革の
  の提案を受け付けるが、制度改革の実現のためには地方自治体の強力なバックアップが
  必要。言い換えると、知事や市長など自治体にどれくらいの熱意があるかというところが
  重要になってくる。
 ・国家戦略特区は、自治体等から提案を受けて、国の判断により地域を指定するものであ
  るが、風穴を開けた自治体(提案をした自治体)が有利。仮に国家戦略特区申請を行っ
  てその指定を受けられない場合でも、出口は、構造改革特区の指定や別の規制緩和によ
  り、要望を実現可能。  
 ・〈現在26次特区申請を行っているところであり、その最終結果が公表されていないが、
  その点はどうなるのかとの質問に対して〉最終結果の公表は保留している。
 ・今年度から構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱うこととし、年2回の募集を
  予定しており、遅くとも5月の連休明けには1回目の募集を開始。
 ・ついては、ポイントを絞ってインパクトのある形で、2、3枚程度の提案書案を作成い
  ただき、早い段階で相談されたい。
 ・総理は第一次産業にも熱心であり、提案内容は、獣医大学だけでいくか、水産、養殖
  といった他産業などの関連分野も含めるかは、県・市の判断によるが、幅広い方が熱意を
  感じる。
 ・事前相談も対応する。むしろ熱心な自治体ほど持ってきているといった感じがある。
 ・獣医師会等とは真っ向勝負にならないよう、摩擦を少なくして、既存の獣医学部と異な
  る特徴、例えば、公衆衛生の観点や公務員獣医師や産業獣医師の養成などのカリキュラ
  ムの工夫や、養殖魚病対応、アジアの拠点・四国の拠点にする、鳥インフル対策、人獣
  共通感染症対策、地域の人材育成などに加え、ペット獣医師を増やさないような卒業生
  の進路の見通しなどもしっかり書きこんでほしい。
 ・かなりチャンスがあると思っていただいてよい。
 ・〈本件は地方創生特区にならないのかとの質問に対して〉地方創生特区は、現在3件指定
  しているが、地域に限定したものであり、その数をどんどん増やしていくものではない
  と考えている。本件は、四国という地域に限定したもので、地方創生になじむ面もある
  ものの、地方創生特区としては考えていない。
 ・獣医学部の設置について、愛媛県だけでなく、四国4県で応援している形がほしい。
 〈四国知事会では、四国に獣医学部が必要であるとして要望しているが、今治市に設置
  ということになると、他の3県も同意していないとの回答に対して〉
  四国他県の対応として、それは理解できるし、そこまでは、求めない。
 ・(新潟市の国家戦略特区の獣医学部の現状はどうかとの質問に対して)愛媛県・今治市と
  しても気になることだと理解できるし、ここだけの話であるが、新潟市の国家戦略特区
  の獣医学部の現状は、当初よりもトーンが少し下がってきており、大学用地を用意して
  いる今治市と比べても、具体性に欠けていると感じている。
 
 《柳瀬首相秘書官の主な発言(総理官邸)15:00》  
 ・本日は、地方創生関連の一部改正法の議員説明が予定されており、多忙を極める内閣府
  藤原次長に面会できたのは良かった。
 ・本件は、首相案件となっており、何とか実現したいと考えているので、今回、内閣府に
  も話を聞きに行ってもらった。今後は、こういった非公式の場ではなく、藤原次長の公
  式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい。魅力的なものを持って行って
  相談してほしい。
 ・国家戦略特区でいくか、構造改革特区でいくかはテクニカルな問題であり、要望が実現
  するのであればどちらでもいいと思う。通しやすい方でいい。現在、国家戦略特区の方
  が政治的に勢いがある。地方創生特区がピッタリではあるが、そう数は増やせない。四 
  国は国家戦略特区の指定がないという点もいい。香川が打診中だったと思うが、申請す
  る意味はある。
 ・いずれにしても、自治体がやらされモードではなく、死ぬほど実現したいという意識を
  持つことが最低条件。
 ・県も市も首長がやる気になっているのかとの質問に対し〈積極的に取り組む姿勢である
  と回答〉
 ・四国に獣医大学がないのは有利。まずは企画書を提出いただきたい。その後に四国の獣
  医師会などの応援団、こういうものを作ってほしいという後押しをしてくれるところを
  味方に付けること。鳥インフル対策や水産物の輸出の関係で人がほしいとか、県だけで
  なく、四国全体の要望として出てくるのであればベスト。日本獣医師会が反対している
  中で、愛媛県獣医師会が賛成しているのは評価できる。
 ・四国全体の要望としてはどうかとの問いに対して〈四国各県も公衆衛生に携わる者、公
  務員獣医は不足しているという共通認識がある。四国知事会でも、「今治地域で」との文
  言はないが、要望として上げている旨回答〉。
 ・四国の獣医大学の空白地帯が解消されることは、鳥インフル対策や公衆衛生獣医師確保
  の視点から、農水省・厚労省も歓迎する方向。
 ・文科省についても、いい大学を作るのであれば反対しないはず。
 ・獣医師会には、直接対決を避けるよう、あまり心配しなくていいんですよといったよう
  な、既存の獣医大学との差別化を図った特徴を出すことや卒後の見通しなどを明らかに
  すること。自治体等が熱意を見せて仕方がないと思わせるようにするのがいい。
 ・要望が出てくれば、政府の中は、内閣府が説明していくことになる。藤原次長は、多少
  強引な所もあり、軋轢が生じている点もあるが、突破力はある。
 ・〈加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園
  は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があったとのことであり、その
  対応策について意見を求めたところ〉今後、策定する国家戦略特区の提案書と併せて課
  題への取組状況を整理して、文科省に説明するのがよい。

〈挨拶(あいさつ)回り〉 

・文部科学省専門教育課を訪問したが、 ■■課長、■■課長補佐の両名が不在。
・文化庁記念物課 ■■課長を訪問し、四国遍路の世界遺産化、日本遺産認定を要望。


 文書№11・12・13・14 「精算請求書」


文書№15

 報 告 

   獣医師養成系大学の設置に係る加計学園
   関係者との意見交換会等について

                   27.2.
                  地域政策課

 1.2月12日(木)、加計学園関係者と県・市との間で意見交
  換会を行った。

 2.加計学園からは、
  ① イスラム国問題等で多忙を極める安倍首相と同学園理事長と
   の面会が実現しない中で、官邸への働きかけを進めるため、
   2月中旬に加藤内閣官房副長官(衆・岡山5区、当選4回)
   との面会を予定していること
  ② 文科省の事務レベルでは獣医学部新設の方向性は出されてい
   るが、下村文部科学大臣が、自由民主党獣医師問題議員連盟
   会長(日本獣医師会と協力関係)である麻生副総理との関係
   から、一歩引いたスタンスに変化していること
 等の説明があった。
   また、吉川副学長からは、アベノミクス・成長戦略に対応した
  獣医学部の提案や具体的な獣医学部構想等についての説明あっ
  た。

  ●学科・定員 ① 110名、② 動物健康科学・120名、③ 動物応用化学・120名
  ●教員・72名程度(教授と助教授の目途は立っているが、大学設置が確定しない中、
           若い准教授クラスの確保は困難な状況

 3. なお、新潟市の国家戦略特区の獣医学部設置構想を巡る審議の
   中で、委員から、獣医学部の定員制限は既得権の保護ではないの
   かとの厳しい意見が出されるとともに、愛媛県・今治市の構造改
   革特区申請についても言及があった。

 4.今後とも、加計学園からの情報を参考にしながら、引き続き今
   治市と連携して対応してまいりたい。



文書№16 

 「報告」

 獣医師養成系大学の設置に係る現在の情勢について
                     27.2.
                     地域政策課

 1. 今治市から、加計学園と加藤内閣官房副長官との面会の状況は
  次のとおりであり、今治市への設置は厳しい状況にあるとの連絡
  があった。 
  《加藤内閣官房副長官のコメント》
   ① 獣医師養成系大学・学部の新設については、日本獣医師会
    の強力な反対がある。
   ② 加えて、既存大学からの反発も大きく、文科大臣の対応に
    も影響か。
   ③ 県・今治市の構造改革特区への取り組みは評価。ただし、
    関係団体からの反発が極めて大きい。
   ④ 新潟市の国家戦略特区については、詳細を承知していない。
     
 2. そのような中、国では、国家戦略特区申請の積み残し分につい
  て、地方創生特区の名のもとに追加承認を行う模様であり、加計
  学園では、新潟市の国家戦略特区の中で提案されている獣医学部
  の設置が政治主導により決まるかもしれないとの危機感を抱いて
  おり、同学園理事長が安倍総理と面談する動きもある。

 3. 今後とも、加計学園からの情報提供を踏まえながら、今治市と
  連携して対応してまいりたい。

 【参考】 新潟市の国家戦略特区について
  ○新潟市は、大規模農業改革拠点を目指して、平成26年12月19日に国家戦略
   特区「新潟市 革新的農業実践特区」の認定を受け、農地法等の特例措置
   により、ローソンによる農業生産法人の設立や農地での農家レストラン設
   置などに加え、獣医師養成系大学の設置や、一体的な保税地域の設置等の
   追加の規制改革を求め、現在、関係省庁と協議が継続中。
  
  ○本県からは国家戦略特区での提案は行っていない。   




文書№17


 「報告」                 

 「獣医師養成系大学の設置に係る加計学園関係者
  等との打ち合わせ会について」」
                   27.3
                   地域政策課

1 加計学園から、理事長と安倍首相との面談結果等について報告
 したいとの申し出があり、3月3日、同学園関係者と県との間で打
 ち合わせ会を行った。

2 加計学園からの報告等は、次のとおり。

①2/25に 理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医師
  養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、
  国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そ
  ういう新しい獣医学大学の考えはいいね。」とのコメントあり。
 また、柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示が
  あったので、早急に資料を調整し、提出する予定。
 
②下村文科大臣が一歩引いたスタンスになっており、県において
  も、官邸への働きかけを非公式で実施いただけないかとの要望
  があったが、政治的な動きが難しい旨回答。
③検討中の大学付属施設(高度総合検査センター等)の設置には、
  多額の費用が必要であるが、施設設置に伴う国からの補助がな
  い中、一私学では困難であるので、国の支援が可能となる方策
  の検討を含め、県・市の財政支援をお願いしたい。

  なお、3月4日には、同学園と今治市長が面会し、ほぼ同内容
  の説明があった。
  
3 おって、3/3に開催された国家戦略特区諮問会議では、特区法
 改正案に盛り込む追加規制緩和案が決定されたが、新潟市の国家
 戦略特区(獣医学部設置に係る規制緩和)は、含まれていない。
 今後、26年度までに出される構造改革特区提案(愛媛県・今治
 市)に対する回答と合わせて、国家戦略特区の結論も出される模
 様。

4 ついては、加計学園の具体的な大学校構想が示されたことから、
特区提案の動向を踏まえ、今後の対応方針について、今治市とし
っかりと協議を進めていきたい。




文書№18・19

 「報告」     

     「獣医師養成系大学の設置に係る今治市
      と加計大学との協議結果について」
                       27.3.
                       地域政策課

 (1) 柳瀬首相秘書官と加計学園の協議日程について(2/25の学園理
    事長と総理との面会を受け、同秘書官から資料提出の指示あり)
   (学園)3/24(火)で最終調整中である。

 (2) 柳瀬首相秘書官への提出資料について
   (学園)今後、資料の最終調整を行う。資料が出来次第、、連絡する。
           資料としては、① 県・市の資料(アベノミクス支
          援プログラムの企画提案)、② 参考資料と
          して「海外の動向」、「特区提案の経緯」及び「全国の獣医
          大学分布」などを添付予定。
       (市) 県・市作成資料(25年12月副知事と市長の文科省訪問時の
          資料)と学園作成の大学構想資料とを区分して提出願いたい。
            26.12.17 東京圏国家戦略特区域会議「成田市分科会」
           (医学部の新設を検討)における成田市及び国際医療福祉大
          学の資料を例に構成すること。(別紙p.3)
           学園作成の概要版資料の表紙(別紙p.4)は、写真及び県
          と市のマークやキャッチフレーズは削除し、学園名を明記。

 (3) 大学構想について
  (学園)日本獣医師会の反対意見から考えて、今回提案したレベル
      のものでなければ難しいと思う。
  (市)今回の構想の実現に関しては非常に巨額の資金が必要との
    ことであるが、今治市としては、50億円の支援と用地の無償
    提供が限界である。その中で資金計画を練ってほしい。
      また、県からも協力をいただけると思っているが、県とし
    ても厳しいとの話は受けている。《加計学園からの反応なし》

  (学園)構想の実現のために、愛媛大学との共同大学院の開設や愛媛県
     の研究機関との連携を検討しているので、協力願いたい。

(4) 文部科学省の動向について   
  (学園) 文科省から獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力
    者会議委員に対する意見照会を実施している模様。
     2/25に学園理事長と総理との面会時の学園提供資料のう
    ち、「新しい教育戦略」(別紙p.5-6)に記載の目指すべき大
    学の姿に関する部分を抜粋したアンケート形式の資料を示し
    て、短期間での回答を求めている。アンケート結果は、柳瀬首
    相秘書官との面会時に、学園に対し、情報提供されるものと推
    測。
     なお、委員からの評判は概ね良いとの情報を得ている。
2. ついては、引き続き、今治市と連携しながら、柳瀬首相秘書官に提
  出する資料確認や面会結果及び文科省の動向について、情報収集に
  努めて参りたい。



 

   (参考)加計学園の直近の動向・今後の予定

    2/25 理事長と安倍総理が面談
    3/3  県との打合せ会
    3/4  今治市長と面談
    3/8 山本順三参議院議員を励ます会に出席した下村文科
       大臣と面談
    3/15 今治市と協議
        市 :企画財政部長、企画課長
        学園:渡邉事務局長、■■次長、■■参事
    3/24 又は3/26 (調整中)柳瀬首相秘書官に資料提出



 文書№20

 「報告」           
     
   「獣医師養成系大学の設置に係る内閣府及び
    首相秘書官訪問について」
                    27.3.
                    地域政策家

 1 3/24 (火)、首相官邸において、柳瀬首相秘書官らと加計
  学園関係者(田丸相談役、渡邉事務局長)との間で、獣医
  師養成系大学の設置について協議した結果について、次の
  とおり今治市から報告があった。
   《柳瀬秘書官の主なコメント》
    ・獣医師の反対が強い。
    ・この反対を乗り越えるためには、地方創生特区の活用
     が考えられるので、県や今治市と一緒に内閣府の藤原地方創生推進室次長に相談されたい

 2. また、加計学園から内閣府の藤原次長との相談日程が4月
   2日11時30分に調整できたとの連絡があったと今治市から
  報告があった。
   さらに、安倍総理と加計学園理事長が先日会食した際に、
  獣医師養成系大学の設置について地元の動きが鈍いとの話が
  出たとのことであり、同学園としては柳瀬首相秘書官に4月
  2日午後3時から説明したいので、県と今治市にも同行願い
  たいとの要請があったと今治市から連絡があった。

 3.ついては、柳瀬首相秘書官に対し、県・今治市の獣医師系
  養成大学の設置に向けた取組状況を丁寧に説明するとともに、
  内閣府藤原次長から地方創生特区等について、情報収集をい
  たしたい。

 (参考)加計学園の直近の動向・今後の予定
   2/25 理事長と安倍総理が面談
   3/3  県との打合せ会
   3/4 山本順三参議院議員を禿げます会に出席した下村文科
     大臣と面談

   3/15 今治市と協議
   3/24 柳瀬首相秘書官との面談




文書№21・22

 「報告・伺」

     「獣医師養成系大学の設置に係る内閣府藤原次長
      ・柳瀬首相秘書官との面談結果について」

                       27.4
                      地域政策課

 1  4/2(木)、獣医師養成系大学の設置について、県地域
  政策課長・今治市企画課長・加計学園事務局長らが内閣府
  藤原次長及び柳瀬首相秘書官らとそれぞれ面談した結果は、
  次の通り。  
                    
 《藤原地方創生推進室次長の主な発言(内閣府)11:30》

  ・要請の内容は総理官邸から聞いており、県・今治市がこ
   これまで構造改革特区申請をされてきたことも承知。
  ・政府としてきちんと対応をしていかなければならないと考
   えており、県・市・学園と国が知恵を出し合って進めてい
   きたい。
  ・そのため、これまでの事務的な構造改革特区とは異なり、
   国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい。
  ・国家戦略特区は、自治体等から全国レベルの制度改革提供
   案を受けて国が地域を指定するものであるが、風穴を開
   けた自治体が有利。仮にその指定を受けられなくても構
   造改革特区などの別の規制緩和により、要望を実現可能。
  ・今年度から構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り
   扱うこととし、年2回の募集を予定しており、遅くとも
   5月の連休明けには1回目の募集を開始。
  ・ついては、ポイントを絞ってインパクトのある形で、2、
   3枚程度の提案書案を作成いただき、早い段階で相談さ
   れたい。
  ・提案内容は獣医大学だけでいくか、関連分野も含める
   かは、県・市の判断によるが、幅広い方が熱意を感じる。

  ・獣医師会等と真っ向勝負にならないよう、既存の獣医学
   部と異なる特徴、たとえが、公務員獣医師や産業獣医師の
   養成などのカリキュラムの工夫や、養殖魚病対応に加え、
   ペット獣医師を増やさないような卒後の見通しなどもし
   っかり書き込んでほしい。
  ・かなりチャンスがあると思っていただいてよい。
  ・新潟市の国家戦略特区の獣医学部の現状は、トーンが少
   下がってきており、具体性にかけていると感じている。し


 《柳瀬首相秘書官の主な発言(総理官邸) 15:00》
 
 ・本県は、首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式
  のヒアリングを受けるという形で進めて頂きたい。
 ・国家戦略特区でいくか、構造改革特区でいくかはテクニ
  カルな問題であり、要望がじつげんするのであればどちらで
  もいいと思う。現在、国家戦略特区の方が勢いがある。
 ・いずれにしても、自治体がやらされモードではなく、死
  ぬほど実現したいという意識を持つことが最低条件。
 ・四国の獣医大学の空白地帯が解消されることは、鳥イン
  フル対策や公衆衛生獣医師確保の観点から、農水省・厚
  労省も歓迎する方向。
 ・獣医師会には、直接対決を避けるよう、既存の獣医大学
  との差別化を図った特徴を出すことや卒後の見通しなど
  を明らかにするとともに、自治体等の熱意を見せて仕方
  がないと思わせるようにするのがいい。
 ・加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した
  際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけ
  しからんといっているとの発言があったとのことであり、
  その対応についての意見を求めたところ、今後、策定す
  る国家戦略特区の提案書と併せて課題への取組状況を整
  理して、文科省に説明するのがよいとの助言があった。

2 ついては、県としては、今治市や加計学園と十分協議を行
 い、内閣府とも相談しながら、国家戦略特区の申請に向けた
 準備を進めることとしたい。 
  また、これと併行して、加計学園が構想する事業費や地元
 自治体への支援要請額を見極めるとともに、今治市新都市への
 中核施設整備の経緯も踏まえながら、経費負担のあり方につ
 いて十分に検討を行うこととしたい。



文書№ 23 (名刺)


文書№24・25・26

    「内閣腑藤原次長と柳瀬総理秘書官との面談について」

   4月2日(木)の面談結果について下記の通り概要メモを報告します。

  【内閣府 藤原次長】
   愛媛県と今治市からこれまでの取組を簡単に説明した後、今後の特区提案に
  ついて下記のような話があった。
 ・構造改革特区として提出されているが、突破口を開くという意味では国家戦
  略特区で申請することも考えられる。
 ・今年度から構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱うことになった。
  国家戦略特区では広く全国レベルの制度改革提案というものであり、一般的
  な話にはなるものの、やはり風穴をあけた自治体を特区として指定するとい
  うのは十分に考えられる。
 ・今後4月末か5月の連休明けには提案を募集しゅるので、、それにぜひ応募を。
 ・総理は一次産業にも熱心である。申請の軸として獣医学部のみならず水産、
  洋食といった他産業についても盛り込むことも考えられるが、その辺りは
  自治体に任せる。
 ・事前相談にも対応する。むしろ熱心な自治体ほどもってきているといった感じ
  がある。言い換えると自治体にどれくらいの熱意があるのか、というところが
  重要になってくる。
 ・公衆衛生の観点、公務員獣医の確保といったこれまでの獣医学部ではなかっ
  ようなものを提示することも重要である。加計学園の名前は公式なペーパ
  ーには出ていないそうだが、実際の事業者と具体的な話ができている、とい
  った点でかなりプラスであると思う。
 ・申請するにあたっては、2、3枚の分量で具体的かつインパクトがあるもの
  を。資料を作成されたら、早めに相談してもらいたい。
 (現在26次特区申請を行っているところだが、(今治市))
 ・特区申請を一体化するという理由は現在審議をとめているところ。
 (新潟市から国家戦略特区で追加申請があったかと思うが。(愛媛県))
 ・一時期は打診があったが、現在はそうでもない。具体性があるかどうかでい
  えば、今治市のほうが上だと思われる。

 【官邸 柳瀬秘書官】
 ・獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えている
  ので、今回内閣府にも話を聞きに行ってもらった。
 ・こういった非公開の場でなく、ちゃんとした公開でのヒアリングを行い、「民」
  の評価を得る必要がある。そのためには魅力的な提案であること示す必要が
  ある。
 ・獣医師会の反対がある、という点については、これから新設する獣医学部は
  既存の学部と競合しない分野であることを主張するほうが良い。進路が競合
  するのではないか、という心配を払しょくするものができれば。
 ・役所としても、厚生省・農水省は獣医学部の空白地帯である四国に学部ができ
  ることは、鳥インフル対策等の観点からも望ましいと思っているはず。文科
  省もいい大学ができるのであれば反対はしないだろう。
 ・ただし、正面をきるのは得策ではない。こういう特徴があり、これまでとは
  こういった点を差別化している、という情報をクリアにする必要がある。
 ・まずは企画書を。その後に応援団、こういうものを地域は望んでいた、とい
  う後押しをしてくれるところを味方につけること。四国全体の要望として出
  すのであればベスト。
 ・特区担当(内閣府)は調整するところである。官邸にも内閣参事官として
  農水省と文科省から出向している者がいるので必要に応じて相談してはどう
  か。構造改革特区でやるか国家戦略特区でやるかはテクニカルな問題である。
 ・公開ヒアリングの日程を決めること。そしていい中身をつくることがマスト。
 (先ほど内閣府で藤原次長とも話したが、まずは国策として国家戦略特区
  で申請する、という話が出た。(愛媛県))
 ・国家戦略特区のほうが、政治的に勢いがある。地方創生特区はあまり数が増
  やせないということもある。四国はまだないから、香川が打診中だったと思
  うが、申請する意味はあるだろう。
 ・確認だが、愛媛県・今治市の両首長がやる気である、ということで間違いな
  いか。
  →間違いない。県からは重要要望として毎年提出させていただいているし、
  今治市は土地の準備まで行っている。
 ・四国全体の要望としてはどうか。
  →四国各県も公衆衛生に携わる者、公務員獣医は不足しているという共通認
  識がある。四国知事会でも、今治地域で、との文言はないが、要望としてあ
  げている。
 ・そのスタンスであれば獣医師会の反対は要件ではないように思うが。
 (懸案として、安倍総理が文科省からの宿題を返せていないという話あり。
   そのことを心配されていたと聞いたが(加計学園))   ・・・
 ・その話は下村大臣のところにもっていったのか?
 (百点満点の答えがでているわけではないが、その点については県・市からも
  説明してもらいたい(加計学園))
 (昨年12月に専門教育課にはご説明に伺っている。獣医師会について一度説明
  はしているものの、それから面会すらできないといった状況であり、こちら
  としてもなんとかしたいとおもっているところである。(愛媛県))
 (中央(獣医師会)からの引き留めが強いが、「うちに作るなら」という話が
  あるのも事実(加計学園))
 ・それならば企画書をつくって特区担当者に説明するがてら下村大臣の耳にも
  入るようにすればよい。文科省でいうと高等教育局の吉田局長にしかるべき
  ときに提案を。
 ・文科省からの宿題(獣医師会の賛同を得ること)については個別に対応する
  のではなく、企画書として全体を見られる形でつくるべき。
 ・文科省の中では求めたものに対応していない、という認識があり県や市が
  行っているという認識にずれがあるように思う。(角田参事官)
 ・状況は常に本省にも説明している。企画書ができれば農水省にも説明を(青
  山参事官)
 〈特区関連は直接藤原次長に行ったのでいいか)
 ・構わない。とにかくいいものを作ること。



文書№27

     「獣医師養成系大学の設置に向けた県の取組みについて
           (柳瀬首相秘書官説明用)       」

    ○今治新都市への獣医師養成系大学の設置の必要性
      ・危機管理事象が発生時の四国ブロックとしてのゾーニング対応が必要  
      ・愛媛県が全国1位であ界面養殖の技術革新
      ・本県畜産物のブランド化や安全確保
      ・獣医師の卒後教育、地域動物医療の2次診療拠点施設
      ・公務員獣医師・産業動物医師の育成・確保
      ・地域産業活性化

    ○愛媛県と今治市による獣医学部新設にかかる規制緩和のこれまでの取組
      ・平成19年11月から、15回(第26次提案)にわたり、共同で構造改
       革特区提案を行う。
      ・当初は「特区対応不可」、平成22年からは「提案の実現に向けて対応
       を検討」という状況が続く
      ・国に対し本県の最重点項目として要望を行う
      ・平成21年度からは、本県と徳島県の提案により四国知事会でも提言
      ・平成25年度には愛媛県議会も要望書を採択 
      ・文部科学省には、副知事と今治市長が事務次官らを訪問し、獣医大学
       構想と地元定着策を説明。
      ・文部科学省からの地元の要望が大きな要素との助言を受けて、県と今
       治市で四国3県や各県獣医師会、四国経済連合会にも協力要請

    ○今後の対応
      ・日本獣医師会の強い反対、その意向を踏まえて愛媛を除く四国3件獣
       医師会や四国他県の積極的な協力が得られない状況
      ・賛同が得られるよう、各県の獣医師会等への粘り強い働きかけを行う(以上)

 「文書№7」に、〈先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があったことに対し、理事長から柳瀬秘書官にちゃんと説明しておくように言われている。同秘書官からも、本日、その点を質問される可能性があり、県・今治市から、100%の回答にはなっていないが、ちゃんと昨年12月26日にペーパーにより文部科学省に直接説明している旨を回答してほしい。〉とある。

 要するに下村博文が加計学園に対して文科省として望む獣医学部の形態に添う課題を出したが、何の回答もないと言って、自身も同席していた安倍晋三と会食していた加計孝太郎に「けしからん」と伝えた。伝えられた加計孝太郎は加計学園の渡邉事務局長に対して、会食後、2015年4月2日の首相官邸での面会が決まってからだろう、このことを柳瀬唯夫との面会に際して「柳瀬秘書官にちゃんと説明しておくように」と指示した。

 と言うことは、この指示自体が安倍晋三と加計孝太郎とが下村博文を加えて会食し、獣医学部について話し合ったことを事実中の事実としていて、そのことの証言ということになる。

 だが、加計学園は面会は自作自演のデッチ上げたとしている。

 同じ文書№7、その他の文書で藤原豊が加計学園獣医学部新設は「かなりチャンスがあると思っていただいてよい」と発言しているが、認可に持っていくまでを既定路線としている発言ということになる。

 藤原豊は、〈本件は地方創生特区にならないのかとの質問に対して〉「地方創生特区は、現在3件指定しているが、地域に限定したものであり、その数をどんどん増やしていくものではないと考えている。本件は、四国という地域に限定したもので、地方創生になじむ面もあるものの、地方創生特区としては考えていない」と答えていることも認可に持っていくまでを既定路線としている発言であろう。
 
 「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするための関係制度を直ちに行う」ことを決定したのは2016年11月9日開催の第25回国家戦略特区諮問会議である。この決定によって“広域的に存在しない地域”として四国が有利となり、今治市へと獣医学部新設が決定していくプロセスを踏んだ。

 ところが、2015年4月2日の首相官邸訪問時に既に「四国という地域に限定したもの」と決めていた。既定路線としていなければ、このような発言は出てこない。

 柳瀬唯夫の「首相案件」という発言を待つまでもなく、「首相案件」となっていたからこそ、周辺の登場人物が既定路線とすることができる。この点から、安倍晋三と加計孝太郎との面会を直ちにニセ情報とすることはできない。

 文書№9の 《柳瀬首相秘書官の主な発言》で、〈本件は、首相案件となっており、何とか実現したいと考えているので、今回、内閣府にも話を聞きに行ってもらった。今後は、こういった非公式の場ではなく、藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい。魅力的なものを持って行って相談してほしい。〉と発言していることも、例え安倍晋三と加計孝太郎との面会がデッチ上げだったとしても、この面会とは無関係に認可に持っていくまでを既定路線としている態度から発していることになる。

 既定路線は「首相案件」でなければ、出てくるはずもない態度であろう。

 藤原豊が〈四国知事会では、四国に獣医学部が必要であるとして要望しているが、今治市に設置ということになると、他の3県も同意していないとの回答に対して〉、「四国他県の対応として、それは理解できるし、そこまでは、求めない」と返答しているが、「求めない」の主語は国であろう。要するに四国への獣医学部新設が必要との要望があるものの今治市への設置は他の3県は同意していないが、国としてはそのような同意は求めないという意味となる。 

 今治市が戦略特区に獣医学部新設提案を提案したのは2015年6月4日。そして戦略特区指定を受けたのが2015年12月15日。

 藤原豊がいくら優秀・有能な役人であろうと、一役人が2015年4月2日の段階でこのように返答する資格も権利もない。既に求めないことが決まっていたからできた返事であって、ここからも加計学園獣医学部新設認可を既定路線としていることを窺うことができる。そして「首相案件」であるからこそできる早手回しの既定路線であろう。

  柳瀬唯夫が発言している。「要望が出てくれば、政府の中は、内閣府が説明していくことになる。藤原次長は、多少強引な所もあり、軋轢が生じている点もあるが、突破力はある」

 柳瀬唯夫が藤原豊の突破力一つで大丈夫だと請け合うようなことができるのは既定路線を前提としているからこそであろう。安倍晋三のバックアップがなければ、今治市が戦略特区に獣医学部新設提案した2015年6月4日以前に、あるいは今治市が国家戦略特区指定を受ける2015年12月15日以前にこうも既定路線とした態度を取ることはできない。「突破力」を認可実現の大きな要素とすることはできない。

 柳瀬唯夫は「国家戦略特区でいくか、構造改革特区でいくかはテクニカルな問題であり、要望が実現するのであればどちらでもいいと思う。通しやすい方でいい」とどちらで行くかは今後の検討や状況に掛かっているようなことを言いながら、下村博文の「けしからん」発言の対応策を加計学園から求められて、「今後、策定する国家戦略特区の提案書と併せて課題への取組状況を整理して、文科省に説明するのがよい」と答えているが、既に国家戦略特区でいくことに絞っている。

 認可を既定路線としているということであり、「首相案件」という条件がなし得ている既定路線と見ないわけにはいかない。

 文書№18の2015年3月愛媛県地域政策課作成の「獣医師養成家大学の設置に係る今治市と加計大学との協議結果について」の文書に、〈柳瀬首相秘書官と加計学園の協議日程について(2/25の学園理事長と総理との面会を受け、同秘書官から資料提出の指示あり)(学園)3/24(火)で最終調整中である。〉なる文言が記されている。

 いわば愛媛県と今治市と加計学園の「獣医師養成家大学の設置に係る」協議で加計学園側から「2/25の学園理事長と総理との面会」の事実と同時にその面会を受けて柳瀬秘書官から資料提出の指示あったことが伝えられたということになる。

 そして加計学園は、〈3/24(火)で最終調整中である。〉と答えている。既に触れたように愛媛県の平成30年5月21日の参議院予算委員会宛文書提出に関する報告には、愛媛県は〈平成27年3月24日 同日には首相官邸に出張していません〉とあるから、愛媛県はこの日の首相官邸訪問に参加しなかった。

 と言うことは、2015年2月25日の安倍晋三と加計孝太郎との面会と2015年3月の加計学園から愛媛県と今治市に対する首相官邸訪問日時の調整や提出資料等についての報告、さらに2015年3月24日の加計学園首相官邸訪問と柳瀬唯夫との面会は一連の流れとしての連続性を持っていたことになる。

 もし2015年2月25日の安倍晋三と加計孝太郎との面会が加計学園が発表したように加計孝太郎と安倍晋三との面識を、言ってみれば忖度させて事を有利に運ぶためのニセ情報だったとしたら、先ずは味方を騙すために愛媛県と今治市に対してその面会を信じ込ませるまでは理解できるが、では、柳瀬唯夫はどのような情報に基づいて獣医学部新設に関わる「資料提出の指示」を加計学園に対して行ったのか理解できなくなる。

 無理に理解するなら、面会などなかったニセ情報だと柳瀬唯夫も心得ていて、兎に角「資料提出の指示」を行い、加計学園は資料を作成してそれを2015年3月24日に首相官邸に持参、柳瀬唯夫はその資料を受け取ったと言うことになる。

 但し文書№19の(4)に「文部科学省の動向について」の中の加計学園からの報告の内容は、文科省が〈2/25に学園理事長と総理との面会時の学園提供資料〉の一部を「獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議委員」に示して、加計学園作成の獣医学部新設構想の是非についてなのだろう、〈短期間での回答を求め〉る意見照会を行っていることと、〈委員からの評判は概ね良いとの情報を得ている〉となっているが、この面会がデッチ上げだったとしたら、文科省が意見照会のために「獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議委員」に提供した資料を〈2/25に学園理事長と総理との面会時の学園提供資料〉だとしていることも、事を有利に運ぶためのハッタリだったということになる。

 面会という一つの事実を崩すと、加計学園獣医学部新設認可に向けたそれぞれの動向が一連の流れとしての連続性を持っているがゆえにあちこちに綻びが生じることになる。

 様々に綻びが生じること自体が面会がデッチ上げなどではなく、一連の連続性の中に収めて置かなければならないということであろう。

 要するに安倍晋三と加計学園理事長加計孝太郎の会食中に加計孝太郎に対して下村博文が行った「けしからん」発言のの対応策として2015年4月2日の首相官邸訪問時に首相秘書官柳瀬唯夫に「ちゃんと説明しておくように」と指示したことことからも、藤原豊や柳瀬唯夫が認可を既定路線とした態度を取っていることからも、面会を事実中の事実ということにしなければ、収まりがつかない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

28日参院予算委:安倍晋三の愛媛県新文書記述「伝聞の伝聞」との解釈は却って加計孝太郎との面会を事実とする

2018-05-29 11:32:47 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2018年5月21日に愛媛県の中村知事が参議院に提出した加計学園に関わる新文書には2015年2月25日に安倍晋三と加計学園理事長が獣医学部新設構想について15分程度の面会をしたことが記載されていて、愛媛県はその事実を2015年3月3日開催の加計学園関係者と愛媛県の打ち合わせ会で知らされたということも同じ文書に記録されていろ。

 このような形式の情報授受を5月23日に加戸守行前愛媛県知事が「伝聞のまた伝聞」だとして、その信憑性を乏しいとした。

 新文書には次のように記載されている。〈加計学園から、理事長と安倍首相との面談結果等について報告したいとの申し出があり、3月3日、同学園関係者と県との間で打ち合わせ会を行った。〉――

 報告は加計学園側からの能動的行為であって、そこで直接知らされた事実関係を愛媛県側がメモにするなりしてして自らの情報とする、それを「伝聞のまた伝聞」で信憑性に乏しいとするのは読解力不足だと5月26日の当ブログに書いた。

 2018年5月28日の参院予算委員会での立憲民主党福山哲郎との遣り取りで安倍晋三は愛媛県職員が安倍晋三と加計孝太郎の面会に居合わせたわけでないことを以って愛媛県が得た情報は「伝聞の伝聞」だと排除しているが、安倍晋三の論理からすると、多くの場合、「伝聞の伝聞」と言うことになる。

 例えば国会質疑をテレビで見て、その録画から直接、あるいはネットからダウンロードした動画から文字に起こしてブログに載せるとする。ブログ作者は国会に居合わせたわけではないから、遣り取り全体は「伝聞」となる。遣り取りについての解釈は評価は分かれるだろうが、ブログの読者はブログに書いてある質疑自体は「伝聞の伝聞」で得た情報ということになる。

 このことを以って信憑性を欠くとすることができるだろうか。あるいはその場に居合わせるか居合わせないかで、伝達される情報自体を一概に不確かだと切り捨てることができるのだろうか。

 一概に「伝聞の伝聞」だと切って捨てる態度は却って事実であることを疑わせる。

 この日の福山哲郎は安倍晋三の行政府への不当介入・政治関与が疑われる加計学園の獣医学部認可を追及の一つとしたが、その安倍晋三に対して他の野党議員と同様に突くべき点を突かずに遣り過ごしてしまい、結局の所、中途半端な質疑で終わらせてしまっている。

 適宜発言を取り上げ、それぞれの発言の途中で思ったことを書き止めて見たいと思う。

 福山哲郎の出だしの発言。

 福山哲郎「立憲民主党の福山哲郎です。どうか宜しくお願いします。もう1年以上、私たちは国会で森友・加計問題に付き合わされています。もううんざりしています。国会で、当初から正直に答弁を、資料をしっかり提出していたら、もっと違う審議になっていたのではないかと思います。

 改竄や虚偽答弁、資料を廃棄するという前代未聞の異常状態が続いています。安倍内閣の言葉が全く信じられない状況になっています。そんな最中、先週、データの2割が誤っていた働き方関連法案を強行採決をしました。また、過労死家族の会の要望、総理との面会も、結局、総理はされませんでした。

 権力行使に対して謙虚さのカケラもない。私は非常に残念に思っております。色んな森友も加計も、そして防衛省の日報問題も、新たな事実、廃棄してなかったものが出てきたりすることは、横行をしています。

 新事実、新しい証拠が出てくれば、本来なら誰かが責任を取り、真相究明に進むはずなのが、誰も責任を取らない。そのことの繰返しがこの延々と続く、本当に情けない国会の状況になっています。私たちも他の課題やりたいです。予算委員会で外交も経済もやりましょうよ」

 この出だしの発言を聞いただけで、満足な追及はできないなと思った。加計学園問題を追及すべく国会に立っていながら、そのことだけに絞らずに安倍晋三には痛くも痒くもない最近の国会の状況の説明に時間を費やす。

 このような国会の状況を許しているのも、元を言えば、自分たち野党議員の追及不足も影響しているはずだが、気づいていないから厄介なことになる。

 福山哲郎「総理、我々は、この国会、ひどい状況が続いています。内閣不信任を突きつけたとしたら、解散をされて、受けて立つ用意はおありですか」

 安倍晋三「仮定の質問にはお答えすることはできません」

 アホな質問でしかない。選挙に勝てる万全の状況にあったら、受けて立つだろうし、その状況になかったら、数の力で不信任案を否決するだけの話である。この程度のことは質問の前に認識していなければならない。

 福山哲郎「一昨日、驚くべきコメントが加計学園から発せられました。当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、『県と市に誤った情報を与えてしまったように思う』と。えー、これですね、総理、このコメントの発信に対して加計理事長、もしくは加計学園から、総理に事前の連絡、官邸への連絡ありましたか」

 安倍晋三「全くございません」

 要するに愛媛県新文書に記されていた加計学園側から打ち合わせ会で伝えられた15分程度の安倍晋三と加計学園加計孝太郎との面談は「当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と(今治)市に誤った情報を与えてしまった」と加計学園が5月26日に発表したコメントの一部を取り上げて質問した。

 もし面談が事実なら、安倍晋三の窮地を救うために、「これこれこういうコメントを発表します」と了解を取るための何らかの連絡があり、了解を与えたという経緯を経たかもしれないし、あるいは安倍晋三の方から自らの窮地を救うために加計学園側に対して入れ知恵し、加計学園側が引き受けたとも考えることができる。いわば連携プレーだったと疑うこともできる。

 だが、こういったことを匂わせる質問ではなくて、単純に連絡があったかと聞くだけでは、会ったと答えればややこしくなるだけのことで、なかったと答えるのは前以って承知していなければならないムダな質問であることに気づいていなければならない。

 福山哲郎「このコメントはですね、学校法人の誰から誰の責任で発せられたか全く不明です。昨日、中村(愛媛県)知事も言われましたけども、本来なら、先ずは愛媛県と今治に説明と謝罪があって、記者会見等やるはずです。それもやらないで、土曜日にいきなり紙だけで送ってくる。私はかなりおかしい状況だと思います」

 加計学園が2015年2月25日の安倍晋三と加計孝太郎との面会を「実際にはなかった」「誤った情報」、いわばニセ情報だったとするコメントを発表したとしても、それを実際にはあった面会の事実を隠す偽装と見做して、あくまでもその偽装を打ち破ることに追及の的を絞るというわけでもなく、コメントを出しただけで愛媛県と今治に説明と謝罪がなかったことを問題にしたり、どっちつかずのふらついた質問ではとてもとても安倍晋三を追い詰めることはできない。

 どっちつかずのふらついた質問となっていることはこのあと、福山哲郎が「27ページの復命書に書いてある、あの前後の遣り取りで会食の話が出てきているが、会食あったんですか、なかったですか」と、安倍晋三が都合が悪くなければ答える無駄な質問をしていることでも分かる。

 安倍晋三「既に国会でも答弁をさせて頂いておりますが、前年の12月とその後の8月に会食をしています。既に外に出されていることでございます」

 福山哲郎「じゃあ総理、2月25日前後、電話で加計理事長とこの件で電話で話をされた可能性はありますか。もしくは電話で総理はこのことは話さないと言われたかもしれませんが、電話でやられた、何か会話をされた記憶はございますか」

 一体何の意味があるというのだろうか。

 安倍晋三「先ず加計理事長とはですね、獣医学部新設について話はしたことはございません。話をしてないと言っているわけございますから、電話でもないということでございます。

 一方、じゃあこの近辺に電話で話したかどうかということでございますが、電話でですね、3年前に友人と電話で話したかどうかっていうことについては正確にお答えすることはできません」

 加計学園のコメントは安倍晋三が「獣医学部新設について話はしたことない」としていることと整合性を取るための偽装の疑いが濃いのだから、その偽装を暴くことに的を絞るのではなく、バカッ正直に電話したかどうかを聞く。そして当然の答が返ってきた。

 福山哲郎「つまりこれ、面会もですね、首相動静で否定をされているだけ。電話は否定をされていない。私も官房副長官で官邸におりました。首相動静になくても、面会することは可能です。

 首相の公邸に行くことも可能です。あらゆる可能性がありますが、そのことについては明確に反論されていませんので、このことについては最後の最後まで面会は100%パーセントは否定できないと私は考えています」

 「首相動静を使った面会否定は否定の根拠とすることはできません。ご自身も全ての首相官邸来訪や面会が首相動静に載るわけではないことを知っているはずです。知っていながら、首相動静を面会否定の根拠としたのはゴマカシであって、国民を欺く行為です」と単刀直入に追及すべきを自身の官房副長官時の経験に基づいて「面会は100%パーセントは否定できない」とどっちつかずの追及となっている。

 どう見ても、偽装を暴くことに重点を置いているようには見えない生ぬるい質問にしか見えない。

福山哲郎「なぜ柳瀬(唯夫)さんは今治と愛媛と会ったかどうか分からないというのを参考人で言ってる。まさに虚偽の答弁をしてる可能性が高いんです。

 だから証人喚問してくれと。さらに言えば、この加計学園のコメントが出てきたことによって、ひょっとしたらですよ、柳瀬さんが違和感なく答えているということは加計学園と柳瀬さんで会ってもいない総理と加計学園の面談を柳瀬さんも一緒になって、架空で作った可能性も否定はできません」

 十分にあり得る話であるが、唐突に過ぎる。ある程度の根拠を見い出さずに突然持ち出しても、極々当然の答しか返ってこないことになる。いや、極々当然の答を引き出した。

 安倍晋三「今、委員の推測を基にですね、私はお答えすることはできません」

 福山哲郎「もう一個、不思議なんです。もしこれ本当に総理と加計孝太郎理事長、会ってないんだったら、なぜ愛媛県の文書が発表された際に加計学園側に抗議されなかったんですか。

 愛媛県側じゃないですよ。加計学園がそのことを大きくしてるんですか。今治にも。

 (大きな声で叱る)秘書官、いらないときに出るな。総理と話してるのに。

 どうぞ総理、総理と話してるんですから。今秘書官が問題になってるんですから。どうぞお答えください」

 満足に追及できない自らの苛立ちの反映であろう。いわば八つ当たり。

 本来なら、次のように質問すべきだった。

 「愛媛県の文書が発表された際に加計学園側に抗議されなかったのは総理と加計孝太郎理事長が実際には会っていたからではないのですか。

 だが、面会の事実を打ち消さなければならなかったから、加計学園に『実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と(今治)市に誤った情報を与えてしまった』といったコメントを出させた。

 中村知事が愛媛県新文書を参議院に提出したのが5月21日、加計学園が安倍首相と加計理事長の面会を否定するコメントを出したのが5月26日。5日も経過しているのは遅過ぎませんか。面会が事実でなかったら、加計理事長本人が知っていることだから、早急に調査して早急に手を打たなければならないことだから、5日後というのはちょっと理解できない。どう対処すべきか、あのようなコメントを作るための作戦会議に5日間要したと言うなら理解できますが」

 最後に偽装だと匂わせる。安倍晋三は「加計学園や私を犯罪者扱いにしている」と非難するだろうが、「5日間はそうとでも解釈しなければ、納得できません」と最後まで偽装の線で突っ走っていく。

 安倍晋三「(福山哲郎が「秘書官、いらないときに出るな」と大声を出したことについて)それはあの、事実関係についてですね、私が間違ったことを言わないように念のためにメモを入れることは秘書官もありますから、その秘書官に対してそんなに激しい言葉で言われたらですね、仕事自体が萎縮しますから、ということでございます。

 えー、そこでですね、加計学園からはですね、何もなかったのではないかということでございますが、そうではないわけでありまして、加計学園からはですね、理事長が2015年2月に私とお会いしたことはない旨のコメントが発表されたと承知をしております。

 また、抗議をする、抗議をするということについてはそもそも、その理由はないんだろうと、このように思います」

 福山哲郎「だって、会ってもいない会合を会ったと言われて、それを秘書官に全部報告されていたんでしょ、それを前提に。愛媛も今治もそれを前提に挙げていたんですよ。

 官邸側として会っていないものを会ったと言われて、それは抗議なり、おかしいということを発するのが普通じゃないんですか」

 安倍晋三「あのそもそも伝聞の伝聞であるわけでありまして、ま、それは、あー、今治市長も言われているわけでございます。いわば私と、例えば加計理事長とその場に愛媛県がいたわけではないわけでございます。いずれにせよ、伝聞の伝聞であったわけでございますし、それと私は会ってはいないということは申し上げているわけでございます。

 そして加計理事長も会っていないということを述べているわけでございます。また愛媛県が出されたもの、出された文書については政府はコメントをするという立場にはないということは今までも何回も国会で答弁しているとおりでございます」

 愛媛県新文書にある安倍晋三と加計孝太郎の面会に関する記載を「伝聞の伝聞」と解釈することと、加計学園が実際にはなかったとしている安倍晋三と加計孝太郎との面会をあったかのようにニセ情報として愛媛県と今治市に流して信じ込ませたこととは別問題である。

 つまり加計学園が面会はニセ情報だったとするコメントを出した時点で、「伝聞の伝聞」という解釈はどうてもいい問題となる。逆のことを言うと、ニセ情報を「伝聞の伝聞」だと拘っていることになる。

 だが、安倍晋三はなおも「伝聞の伝聞」だと問題にしている。「伝聞の伝聞」だから、面会の記述は信用性が乏しいといったニュアンスを持たせていることになる。

 もし面会が事実でなかったら、事実でなかったことは加計孝太郎同様に安倍晋三自身にしても最も承知していることだから、愛媛県新文書の記述を「伝聞の伝聞」だと解釈する必要も、そう解釈することで、信用性が乏しいといったニュアンスを持たせる必要もない。

 いわば安倍晋三は「伝聞の伝聞」とする解釈に拘ることで却って面会を事実としている。

 以後の安倍晋三の答弁はお決まりの内容となっている。

 福山哲郎「えーとですね、嘘の報告を愛媛県と今治にして、官邸を、各役所を動かそうとしたわけですよ。これは政府を騙して、自分の事業をやろうとした犯罪的行為に等しくなります。これ、総理、獣医学部含めて加計学園には税金である私学助成金が出されていますが、これ出すことが適切だと思いますか」

 安倍晋三「これはあの、いわば透明なルールに則ってですね、えー、これは民間委員の座長である八田座長も仰ってるとおり、プロセスには一点の曇りもないという中に於いて、(場内騒がしくなる)という中に於いてですね、申請が認められ、そして申請についてはですね、まさに極めて独立性を守った委員会がこの申請を受けて認可をしたと承知をしております。

 そんな中で判断されたことではないかと思います」

 福山哲郎「いや、総理、違うんですよ。加計学園さん自身が偽りを言ったと認めているんですよ。あの実は私学の補助金取扱要項には『不交付又は減額の事由』に明確にあります。『偽りその他不正の手段により設置認可を受けたもの』

 これ完全にですね、あのー、交付の対象のある可能性があります。総理、加計学園さんが嘘偽りを言ったと、面会もしてないのに面会をしたというふうに認めて発表されてるんです。

 そしてこれは申請するのは愛媛県と今治だったんです。どうですか」

 安倍晋三「設置認可の基準についてですね、偽りがあったら駄目なわけでございます。先生は集められないのに先生を集められる、あるいはアクセス(?)についての偽りで、私と理事長が会ったかないかっていうことはですね、設置認可で全くですね、信じもしていないわけでございますし、当然またですね、いわばこれは特区の民間委員の皆さんが議論した中に於いてですね、私と加計さんが会ったからということで、別にそれは認可をしたわけではないということは、これはまあ、福山委員もご承知のとおりであって、いわば設置に、いわば特区で最終的に今治市、加計学園であることが認められたということについても、これは私と加計理事長が会ったことは全く関係ないことであって、会ったか会わなかったということについては全く関わりはないわけでございますし、設置についても、全くそんなことは議論の対象ですらないというのは、これはご存知の通りだろうと、このように思います」

 認可等を含めた様々な決定に与える影響は大きく分けて、目に見える形と目に見えない形での影響がある。目に見えない形の影響であった場合、その影響に気がつかずに民間議員は正当な議論を経て決定したと思い込むことになる。

 いわば安倍晋三と加計孝太郎との面会が国家戦略特区諮問会議の議論に目に見える形での影響がなかったからと言って「プロセスには一点の曇りもない」と断言できるわけではない。

 加計学園の存在を最後の最後まで表に出さなかったのは獣医学部認定に向けた動きが安倍晋三自身の政治関与によって実行されたことから、その政治関与を目に見えない影響とする必要があっためということも考えられる。

 大体がウソつきが長広舌になるように安倍晋三がくどいくらいの長たらしい答弁をするとき、事実でない発言が多い。多分、「私学の補助金取扱要項には『不交付又は減額の事由』に明確にあります。『偽りその他不正の手段により設置認可を受けたもの』」との福山哲郎の発言に慌てたのかもしれない。

 だとしたら、安倍晋三の長広舌とウソとの関係に気づいて、この点を徹底的に追及すべきだった。

 福山哲郎「偽りその他不正の手段により設置認可を受けたものです。スタートラインで、そもそもですね、事業対象者に会っている、官房副長官(?)が会っていること、藤原さんが会って、色々アドバイスしていること自身が実は怪しいんです。

 その中の元々のスタートの愛媛と今治に対して総理と加計理事長が会って、総理が『いいね』と言ったと。『いいね』というところまで作り話を作ったとしたら、これ大問題ですよ。

 腹心の友なら、そんなことまでしていいと、総理、思われるんですか。これ加計理事長の証人喚問は勿論ですが、加計理事長に記者会見等でしっかりと愛媛と今治に謝罪、説明するようにお求めになるべきだと思いますが、如何ですか」

 安倍晋三「そもそもですね、これはあの、先程申し上げました今治の市長もおっしゃっているように伝聞の伝聞を書いたということであるわけでございます。それについてはですね、これは、あの、誰もが認めていることであろうと、こおう思う次第でございます。

 加計学園がどのような行動を取るかということについてですね、総理大臣が指示をすべきではないと、このように思っております」

 福山哲郎「伝聞の伝聞とか、何言ってんのかさっぱり分かりません。結局加計学園さんに対しては何も国会で説明を求めない。世間に対して求めない。愛媛や今治に対して求めない。

 それじゃ、絶対この真相明らかになりませんよ。膿など出るわけないじゃないですか」(以上)

 結局のところ、「「私学の補助金取扱要項」違反でも、そのことに的を絞ることができない生煮えの追及で終わってしまった。

 安倍晋三が民間議員も持ち出して、「プロセスには一点の曇りもない」と公平性を主張した際、福山哲郎はせめて、「仲間、あるいは一味を持ち出した自己正当性には証拠能力を欠く」ぐらいは一言言うべきだったが、それもできなかった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍晋三と加計孝太郎との面談:加計学園側の否定と安倍晋三の否定から浮かぶ面談肯定

2018-05-28 09:56:39 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2018年5月21日に中村時広愛媛県知事が愛媛県や今治市職員、加計学園関係者と当時の首相秘書官柳瀬唯夫との首相官邸面会に関連する新たなメモや文書を参議院の要請に基づいて提出した。

 その文書の1枚に2015年2月25日に加計学園理事長加計孝太郎と安倍晋三が約15分程度の面談を行い、加計孝太郎から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。安倍晋三から「そういう新しい獣医学大学の考えはいいね」とのコメントがあったことが記されていた。

 同文書には加計学園と今治市長の面会も記載されていて、菅良二今治市長は5月25日の記者会見で、加計孝太郎と安倍晋三が面会したことを当時、市の担当者から報告を受けていたと明らかにした。

 その一方で面会が事実か否かの判断には慎重姿勢を示した。
 
菅良二「私どもに対する力強いエールではないか、と受け止めている。直接総理から聞いたわけでもなく、官邸の記録もない。(面会があったかは)白紙で考えないといけない」(朝日デジタル/2018年5月25日22時00分)

 勿論、安倍晋三は面談を否定している。加計学園獣医学部認可に関わるこれまでの国会答弁や記者会見発言を全て虚偽一色で塗りつぶすことになるから肯定はできない。

 ところが、加計学園は5月26日に面談を否定するコメントを発表した。その全文をネットで探したところ、「Hatena Keyword」が「自称ニュースサイト」と紹介しているページが全文を載せていた。

 「netgeek」(2018年5月26日)

▼加計学園のコメント全文

 平素より学園の教育活動にご理解とご協力を賜り誠にありがとうございます。

 一連の愛媛県文書にある打ち合わせの内容について、当時の関係者に記憶の範囲で確認できたことを下記の通りコメントいたします。

 当時は、獣医学部設置の動きが一時停滞していた時期であり、何らかの打開策を探しておりました。そのような状況の中で、構造改革特区から国家戦略特区を用いた申請に切り替えれば、活路が見いだせるのではないかとの考えから、当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と(今治)市に誤った情報を与えてしまったように思うとのことでした。その結果、当時の担当者の不適切な発言が関係者の皆さまに、ご迷惑をお掛けしてしまったことについて、深くおわび申し上げます。

 なお、学生たちの平穏な教育環境を確保することが大字の責務と考えますので、夢と希望に満ちあふれて、勉学に励んでいる在学生を、どうぞ温かく見守っていただきますようお願い申し上げます。

 同ページは、〈蓋を開けてみれば加戸前知事の読み通り。やはり加計学園側が交渉を有利に進めるためにポロッと言ったことだったのだ。〉と、面談否定を肯定している。

 先ず第一にこの場合、一般的にもだが、加計学園側が「誤った情報」、いわばニセ情報を愛媛県と今治市に吹き込んで信じ込ませ、そのニセ情報を三者が共有する関係に持っていくについては、そうすることによって加計学園側が自らの獣医学部新設を有利に進めることができると踏んだ何らかの目的・意図、あるいは謀略を有していなければならない。

 ところが、加計学園のコメントからはそのような目的・意図、あるいは謀略は一切見えてこない。見えてくるのは「一時停滞していた」「獣医学部設置の動き」に「活路」を見い出す「打開策」だけのために安倍晋三と加計孝太郎が「面会」したというニセ情報を愛媛県と今治市に吹き込んで信じ込ませ、三者がそのニセ情報を共有するに至ったという経緯のみである。

 このことのどこが加計学園の獣医学部新設を有利に進めることができる目的・意図、あるいは謀略に値すると言うことができるだろうか。

 さらに言うと、ニセ情報の伝達が愛媛県と今治市止まりであったなら、そのニセ情報は獣医学部新設を有利に進めることができる目的・意図、あるいは謀略の役目を何ら果たさず、ニセ情報を流したこと自体の意味を失う。

 なぜなら、加計学園にしても、愛媛県と今治市にしても、獣医学部新設を働きかける側であって、その働きかけを受けて獣医学部新設の実現を進める側ではないからだ。

 事実ニセ情報であったとしても、そのニセ情報を真に役立たせるためには内閣府や文科省、さらには農水省、安倍晋三を含めた首相官邸等の働きかけを受ける側にまで流してこそ、ニセ情報としての意味を初めて持つ。

 だが、コメントはニセ情報が、そんなことはあるはずもないのに愛媛県と今治市止まりの説明となっている。当然、ニセ情報を流した目的・意図、あるいは謀略を隠していることになって、コメント自体に信用を置くことはできない。

 例えば、これはニセ情報ではないが、国有地売却の財務省側と当時森友学園理事長籠池泰典との打ち合わせの際に籠池泰典が、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」と財務省側に対して発言したのは、財務省が国有地売却をどう進めるかの決定権を握っている側であって、そうであるからこそ、国有地売却を森友学園側に有利に進めることができる目的・意図、あるいは謀略の意味を持たせた「いい土地ですから、前に進めてください」云々の安倍昭恵の発言ということであろう。

 いわば決定権を握っていない側が決定権を握る側に対して事を有利に進めるための情報、あるいはニセ情報を後者の側にまで伝達して初めて、特別配慮や忖度を得ることを目的とし、意図していたとしたら、あるいは謀略としていたとしたら、それらを手に入れる可能性ある状況をつくり得る。

 先ずは味方を騙して安倍晋三と加計孝太郎の面談を事実と思わせ、事実と思わせたそのニセ情報を愛媛県と今治市はそれがニセ情報とはしらずに加計学園、愛媛県、今治市の三者が協力して決定権を握る側にまで事を有利に運ぶ材料として信じ込ませるべく働きかけを行い得たとき、あるいはその働きかけが成功し得たとき初めてニセ情報としての意味を持つ以上、決定権を握る側に向けた“働きかけ”というプロセスを欠いたニセ情報、あるいはそのプロセスを隠したニセ情報ということなら、決して面談否定とするところにまではいっていない

 却って面談が事実であることを否定するためのレトリックとしか受け取ることができない。いわば否定の肯定という構図を取っている。

 このことは安倍晋三の愛媛県新文書公表後の態度にも現れている。中村時広愛媛県知事が加計孝太郎と安倍晋三の面談が記載されている新文書を参議院の要請に基づいて提出したと公表したのは2018年5月21日夕方の記者会見。

 安倍晋三が首相官邸でこのことを記者団に問われたが、無言のまま行き過ぎたのは2018年5月21日夜。

 この間の時間が短かったから、面会が事実かどうかの確認は取れなかったという言い訳は成立しない。なぜなら、安倍晋三は「加計理事長が私の地位や立場を利用して何かを成し遂げようとしたことは一度もなかった」、あるいは「最終的には本年(2017年)1月に事業者の公募を行い、加計学位園から応募があったわけであります。その後の分科会でのオープンの議論を経て、(2017年)1月20日に諮問会議で認定することになりますが、その際私は初めて加計学園の計画について承知をしたところであります」とずっと国会答弁して来たのだから、獣医学部新設に関わる加計孝太郎との面会は有り得べからざることとして直ちに否定しなければならなかった。

 だが、即座には否定できなかったということは面会の事実を物語って余りある。多分、推測に過ぎないが、否定のためのレトリックを構築する作戦会議を開く時間を必要としたのだろう。

 安倍晋三がそのレトリックを用いることができたのは2018年5月22日午前の首相官邸での対記者団発言によってである。「毎日新聞」(2018年5月22日 09時44分)

 記者首相は2015年2月25日に加計学園の理事長と面会したか。その際に、獣医学部設置計画について「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と話したか」

 安倍晋三「ご指摘の日に加計孝太郎理事長と会ったことはございません。念のために昨日、官邸の記録を調べたところでございますが、確認できませんでした。加計孝太郎氏とは獣医学部新設について、今まで国会等でお話をさせて頂いてきたように、そういう事柄について、加計孝太郎氏から話をされたこともございませんし、私から話をしたこともございません」

 この発言はそっくりそのまま前日の2018年5月21日夜の対記者団発言で口にしていなければならなかったものでありながら、十数時間かそれ以上の時間を要したことも面談が事実であることを物語っている。

 以下はブログに書いたことだが、5月22日午後の衆院本会議でも立憲民主党の阿部知子の質問に答えて面会を否定している。

 安倍晋三「ご指摘の平成27年2月25日に加計理事長とお会いしたことはありません。念のため入邸記録を調査しましたが、加計理事長が官邸を来訪した記録は確認できませんでした」――

 2018年5月23日の衆院厚生労働委員会では次のように面会否定している。


 安倍晋三「ご指摘の平成27年2月25日に加計理事長とお会いしたことはない。念のために訪問予約も調査を致しましたが、加計理事長が官邸を来訪した記録は確認できなかったということでございます」

 2018年5月21日夜の対記者団発言で「官邸の記録」と言っていることは5月22日の国会答弁で言っている「入邸記録」、あるいは5月23日の「訪問予約」ということになる。「訪問予約」は正式には「訪問予約届」であるらしい。

 だが、安倍晋三自身も官房長官の菅義偉も、当時官房副長官だった安倍晋三の腰巾着萩生田光一も、「入邸記録」、もしくは「訪問予約届」も「業務終了後はその使用目的を終えることから速やかに廃棄される取り扱いになっている」との趣旨の発言で廃棄済みの証言を行っている。

 にも関わらず、面会否定の根拠に廃棄済みで存在するはずもない「官邸の記録」、いわば「入邸記録」、あるいは「訪問予約届」を持ち出さなければならない苦しい国会答弁、あるいは対記者談発言となっている。

 要するに加計学園の面会否定のコメントにしても、安倍晋三の面会否定発言にしても、正当な否定を成立させていないのだから、約15分程度の安倍晋三の加計孝太郎との面談は事実としないと、事実関係の整合性は一切取れなくなる。

 結局の所、面談否定が面談肯定としかなっていない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍晋三の27/2/25加計孝太郎との面談記載の愛媛県文書は加戸守行が言うように「伝聞のまた伝聞」ではない

2018-05-26 11:28:49 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 前愛媛県知事加戸守行が2018年5月23日、自民党本部での議員らの勉強会に講師として出席後、記者団の取材に応じて、愛媛県の中村知事が参議院に提出した加計学園に関わる新文書を「伝聞の伝聞で信憑性に乏しい」といった趣旨の発言をしたという。

 果たして「伝聞の伝聞」と言えるのか、その発言の詳報を伝えている2018年5月23日付「産経ニュース」記事から、どのようなことを言っているのか、その箇所だけ取り上げてみる。

 記者「愛媛県側から新たな県の文書が国会に提出された。首相の『いいね』発言を、どう思うか」

 加戸守行「愛媛県庁の職員は真面目だ。聞いた話をおよその流れをつかみながらメモしたんだろう。ただ、このケースは伝聞のまた伝聞だから、発信者である加計学園の事務局、おそらく事務局長ではないかと思うが、その方はどのようなかたちで発言をしたのかという信憑性は、これは加計学園の方しか分からない。

 多分それらしきことを今治市が聞き、県に伝え、県がメモにしたんだろうと思う。ただ、そのことをもって、メモがあるから絶対正しいということにはならない。発信をした方が本当に正確なことを言ったのか、そこは確かめるすべもない。

 私個人の感想だが、あの話があった平成27年2月25日の時点では、すでに構造改革特区で14回もはねられて、しかも首相のもとで4回はねられている案件だから、(加計孝太郎理事長から)『首相の手で4回もはねられましてね』ぐらいの話が出ないのは不思議だ。あの会話を見ていると、この中身がどうなのかなというのはちょっと違和感は覚える。ただ、県庁の職員はまじめにメモするということは(今日の会合で)申し上げた」(以上)

 愛媛県新文書のうち、安倍晋三と加計孝太郎との15分程度の面談を触れている2015年(平成27年)3月付の「報告」を見てみる。文飾は当方。

 「報告」  

 「獣医師養成系大学の設置に係る加計学園関係者
  等との打ち合わせ会について」
                      27.3
                      地域政策課

1 加計学園から、理事長と安倍首相との面談結果等について報告
  したいとの申し出があり、3月3日、同学園関係者と県との間で打
  ち合わせ会を行った。


2 加計学園からの報告等は、次のとおり。

① 2/25に 理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医師
  養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、
  国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そ
  ういう新しい獣医学大学の考えはいいね。」とのこコメントあり。
   また、柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示が
  あったので、早急に資料を調整し、提出する予定。
 
② 下村文科大臣が一歩引いたスタンスになっており、県において
  も、官邸への働きかけを非公式で実施いただけないかとの要望
  があったが、政治的な動きが難しい旨回答。
③ 検討中の大学付属施設(高度総合検査センター等)の設置には、
   多額の費用が必要であるが、施設設置に伴う国からの補助がな
  い中、一私学では困難であるので、国 の支援が可能となる方策
  の検討を含め、県・市の財政支援をお願いしたい。

  なお、3月4日には、同学園と今治市長が面会し、ほぼ同内容
  の説明があった。
  
3 おって、3/3に開催された国家戦略特区諮問会議では、特区法
  改正案に盛り込む追加規制緩和案が決定されたが、新潟市の国家
  戦略特区(獣医学部設置に係る規制緩和)は、含まれていない。
  今後、26年度までに出される構造改革特区提案(愛媛県・今治
  市)に対する回答と合わせて、国家戦略特区の結論も出される模
  様。

4 ついては、加計学園の具体的な大学校構想が示されたことから、
  特区提案の動向を踏まえ、今後の対応方針について、今治市とし
   っかりと協議を進めていきたい。

 最初に言っておくが、断るまでもなくこれは愛媛県の文書である。今治市の文書ではない。上記文書作成当事者が「地域政策課」名となっているのは愛媛県が国会提出の際の宛名を「参議院予算委員会御中」としていて、差出人として「愛媛県企画振興部 地域振興局 地域政策」となっている「地域政策課」であることからも、愛媛県の地域政策課を指す。

 そして愛媛県文書に〈加計学園から、理事長と安倍首相との面談結果等について報告したいとの申し出があり、3月3日、同学園関係者と県との間で打ち合わせ会を行った。〉とあるように、加計学園の方から愛媛県に対して報告の申し出があって、「同学園関係者と県との間で打ち合わせ会を行った」のである。

 この3月3日の加計学園関係者と愛媛県の「打ち合わせ会」に今治市職員が加わっていなかったことは、少し下の文言、翌日の〈3月4日には、同学園と今治市長が面会し、ほぼ同内容の説明があった。〉としていることから理解できる。

 3月3日の「打ち合わせ会」に今治市職員が加わっていたなら、職員から今治市長に報告は上がるだろうから、今治市長への説明は二度手間となる。

 具体的には3月3日の「打ち合わせ会」で愛媛県地域政策課の職員が加計学園関係者から直接報告を受け、その愛媛県職員自身がその報告を直接「メモにした」という段階を踏んだことになる。

 となると、加戸守行が加計学園関係者から「多分それらしきことを今治市が聞き、県に伝え、県がメモにしたんだろうと思う」と言っていることは、いわば「伝聞のまた伝聞」と解釈していることは基本的読解の点でそもそもからして間違っていたことになる。

 要するに加戸守行の基本的読解力不足が「伝聞のまた伝聞」と思わせた。但し加戸守行は東京大学法学部を卒業、愛媛県知事を3期11年10カ月も務めている。この程度の文書で読解力不足があっていいはずはないが、人間は何らかの強い思い込み(先入観)があると、それが当たり前の読解を妨げる場合がある。

 加戸守行のこれまでの言動からすると、今治市国家戦略特区活用の加計学園獣医学部認可が一部が疑っているように決して安倍晋三の行政府への不当介入、不正な政治関与によって実現したものではないという反発を一方で持ち、自身もその実現を強く押した側の一人として関係省庁や関係機関が公平・公正な議論を経て決定したものであるとの強い思い込み(先入観)を持つに至り、このことが自身の強い思い込み(先入観)に反する文書を正しく読むことを拒否して後者の心理のみで解釈したい読解力不足を引き起こすことになっているのだろう。

 言ってみれば、自分で自分の目を曇らせているのと同じようなもので、素直に読めば、〈平成27年3月3日、加計学園から報告の申し出があって愛媛県との間で打ち合わせ会を開くことになりそこで2月25日の加計理事長と安倍晋三との面談内容の説明を受けた。〉といった趣旨の報告を記していることは容易に理解できるはずだ。

 この平成27年2月25日の安倍晋三と獣医学部新設を希望する加計孝太郎との面談に首相秘書官の柳瀬唯夫が同席、〈柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があったので、早急に資料を調整し、提出する予定。〉へと話が進むことになり、このことが約1カ月後の平成27年4月2日の愛媛県と今治市の職員に加計学園関係者を含めて首相官邸面会へと繋がったということであろう。

 上記文言の中に、〈改めて〉なる言葉が挿入されていて、前にも提出したようにも読み取れるが、、柳瀬唯夫に一度提出してあるなら、同じ人間に二度も提出する必要はない。加戸守行は上記記者団の取材に、「私個人の感想だが、あの話があった平成27年2月25日の時点では、すでに構造改革特区で14回もはねられて、しかも首相のもとで4回はねられている案件だから、(加計孝太郎理事長から)『首相の手で4回もはねられましてね』ぐらいの話が出ないのは不思議だ。あの会話を見ていると、この中身がどうなのかなというのはちょっと違和感は覚える」と発言している。

 〈改めて資料を提出するよう指示があった〉〈改めて〉を構造改革特区の担当省庁である内閣府に資料を提出しているが、柳瀬唯夫のところに〈改めて資料を提出するよう指示があった〉と解釈すると、辻褄が合う。

 面談の約15分を〈理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医学大学の考えはいいね。」とのこコメントあり。〉の会話だけで埋めることはできない。様々に伏せてある会話があって当然と見なければならない。

 愛媛県文書は加戸守行が言うように決して「伝聞のまた伝聞」の形式を取っていない。安倍晋三と加計孝太郎のこの平成27年2月25日の面談以後の推移を見ると、柳瀬唯夫の平成27年4月2日の首相官邸面会を含めてだが、30年来の腹心の友人同士でありながら、獣医学部新設認可を巡る安倍晋三と加計孝太郎との関係を一貫して隠そうとする意図が窺えるのみとなっている。

 このような両者の関係の隠蔽はその関係が便宜供与の関係を築いていなければ、そうする必要性は生じない。便宜を与え、便宜を受ける関係がそこに働いていたからこそ、隠蔽しなければならないことになる。

 「伝聞のまた伝聞」でもないのに無理にそうだとこじつけて愛媛県文書の信憑性を貶めることで翻って加計学園獣医学認可を「一点も曇りもない」と印象づけようとすること自体、極めて如何わしく、こじつける人物自体が信用できないことになる。

 安倍晋三の加計孝太郎との獣医学部認可に関わる関係の一貫した隠蔽、加戸守行という人物の信用性のなさは却って安倍晋三が行政府に不当に介入、自らの不正な政治関与によって認可を実現させた証明となり得る。

 公明党代表山口那津男も5月22日午前の記者会見で加戸守行と同じようなことを言っている。「産経ニュース」

 山口那津男「当事者である首相も、加計氏も面談を否定している。一方、出された文書はまた聞きのまた聞きというような伝聞を重ねている要素もある。

 (野党側が愛媛県の中村時広知事の国会招致を求めていることに関して)自分の直接経験したことに基づいて表現するのが真実に近づく大事な要素だ。中村氏はまったく自身の経験ではない。それで事実の解明が大きく進むとはあまり期待できない」

 愛媛県文書が「また聞きのまた聞きというような伝聞を重ねている要素もある」ことを以って安倍晋三と加計孝太郎の面談否定の正当性の根拠にしている。

 決して「また聞きのまた聞き」ではないし、愛媛県文書の内容だけではなく、文科省公表の多くの文書からも窺うことのできる獣医学部認可に向けた策動とも言うべき動きから判断しても、両者の否定に直ちに正当性を与えることはできない。
 
 山口那津男は中村愛媛県知事の国会招致について「自身の経験ではない」ことを聞いたとしても、事実解明の前進は期待できないと言っているが、「自分の直接経験した」首相官邸面会を正直に話さなかった柳瀬唯夫の例もある。

 問題は「自身の経験」であるかないかではなく、隠す意図を持って国会に立つか立たないかであって、中村知事が隠す意図を持たずに職員から聞いた話を正直に国会で発言したなら、事実解明に何も役に立たないとすることはできない。にも関わらず、「自身の経験」であるかないかに証言の信用性の基準を置く。

 このようなこじつけも、山口那津男が与党の一味という利害関係を同じくした立場にあることの限界から発した、決して間違ってはいないとしたい強い思い込み(先入観)がそうさせているのだろう。

 安倍晋三の一派・一味は何らかの利害関係に絡められて、獣医学部は正当に認可されたものだとしたい衝動を至るところで見せている。正当なのか正当でないか、ハッキリとは自信が持てないということもあるのだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍晋三の愛媛県新文書「加計孝太郎との15分程度の面談」にどう立ち向かうのか、その貧しき1例を長妻昭が披露

2018-05-24 11:38:40 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2日前のブログに愛媛県が参議院に提出した加計学園に関わる新文書に記載されている新事実を野党の面々は満足に追及できるのか、その追及能力に疑問符を付けたが、昨日午後の衆院厚生労働委員会で立憲民主党代表代行の長妻昭が新事実に基づいた追及を行ったことをマスコミ記事で知り、動画をテキスト化してみた。

 2018年5月23日衆院厚生労働委員会

 長妻昭「(森友問題に続いて)加計学園についても総理に尋ねなければなりません。これは政権の正統性の話でございますので。

 総理はですね、愛媛県の文書が出まして、2015年の2月25日前後にですね、加計孝太郎理事長とですね、会話、あるいは面談というのはされましたですか」

 安倍晋三「ご指摘の平成27年2月25日に加計理事長とお会いしたことはない。念のために訪問予約も調査を致しましたが、加計理事長が官邸を来訪した記録は確認できなかったということでございます」

 長妻昭「いや、私が聞きましたのはですね、今焦点になっております平成27年2月25日、そのものズバリの日ではなくて、2月25日前後にですね、加計理事長と電話でもいいです。電話、あるいは、面談、自宅でもいいんですけども。官邸以外でも。

 2月25日前後に電話を含めて加計孝太郎理事長とお話をされたことはありますか」

 安倍晋三「電話をしたかどうかということについてはですね、3年前でございますから、それについてはこれは記録に残っているわけではございませんので、私は確たることは申し上げることはできませんが、いずれにせよ、いわば獣医学部の新設についての遣り取りは一切していないということは今まで申し上げているとおりでございます」

 委員長「長妻君に申し上げます。本日は働き方改革に関する法案審議でございます。質問はこの範囲内でご協力お願いします」 

 長妻昭「これ委員長ですね、この働き方改革、委員長、委員長、よく聞いてください。この働き方改革の法案は、政府の案はですね、閣法なんですね。安倍内閣の責任でここに出ているわけで、安倍内閣の正統性を問うというのは、これだけの事態が起こってるんですよ。言論封殺じゃないですか、そんなことを言うのは。

 それで私が申し上げますと、これは安倍総理、そうするとですね、これ15分なんで、面談というのがですね、あるいは電話かもしれませんが、2月25日前後に電話で話した可能性というのは否定されないということなんですか、加計理事長と」
  
 安倍晋三「これはあの(と言って、鼻でフット笑う)3年以上前にですね、電話で話したかどうかということについては、これは何とも申し上げようがないわけでございまして。これ普通、大体そうだと思いますよ。

 長妻さん、じゃあ、3年前のですね、3月にこれこれこういう人と電話しましたかと言われて、しているかしていないかって、それは分からないですよね。割と電話している相手であればですね。

 と言うことでありまして、それは今いきなり聞かれてもですね、えー、お答えのしようがない、と言うことであります」

 長妻昭「総理ね、総理ですね、私が申し上げているのは――」

 安倍晋三「いずれにしましても、いずれにしましてもですね、いずれにしましてもですね、獣医学部新設についての話は一切していないということは電話でもそういうことでございますので、それは重ねて申し上げておきたいと思います」

 長妻昭「 総理、ちょっとですね、おかしいのは私は昨日ですね、何度も念を押して、担当の方を呼んで(質問)通告しましたよ。電話を含めてですね、できる限り思い出してくださいと。

 『突然聞かれても』って、突然聞いていないじゃないですか。こんな重要なこと。 

 そうするともう一回、総理ですね、確認しますと、じゃあ、会ったことは自宅も含めて2015年の2月25日、そのものズバリでなくても、その前後に加計孝太郎さんと会ったことは、自宅でも、官邸内外を含めて、それはないということは、これは明言されるということですか」


 安倍晋三「先ずあのー、電話についてはですね、これは3年以上も前の話であってですね、確認のしようがないわけでありますが、先程から申し上げておりますように加計理事長とはこれまでも何度も会っていますが、これまでも繰返し答弁してきたとおり、獣医学部の新設についてはですね、話をしたことはないということでございます。

 また25日につきましてはですね、25日につきましては、これは自宅も入っているのでございますが、いずれにしましても官邸に於いても自宅に於いてもですね、常にみなさん(総理番記者と言うことか)が出入りする人を逐一確認をしておりまして、首相動静にも載って、これも確かめたところでございますが、首相動静にも載っておらず、自宅も含めて会っていないということは今までも申し上げてきたとおりでございます」

 長妻昭「これまでですね、第2次安倍政権になって、加計孝太郎さんとは何回ぐらいお会いしてるんですか」

 安倍晋三「加計理事長と会った回数でありますが、首相動静で確認できたものはですね、合計14回ということで、動静で確認できたものであります。

 そしてフェースブック等、国会の議論で確認できたもの、これはですね、例えば首相動静につていはですね、私と会った人が複数、食事の場合等、ゴルフもそうなんですが、相手が複数であればですね、えー、友人だっていうことで、欄に乗せる場合もあります。

 相手が主催する場合はそれは中心的な人物ですから、動静上も発表している。そして、あるいはこれはまあ、先の国会質疑で答弁をさせて頂いたようのにカベックフイギュア(? ネットで調べたところ、著名人という意味の「prominent figures」という英単語があるが)として確立しておられる方については公表するわけでわけでございますが、あのー、必ずしも全ての方々が公表されることはないわけでありまして、我々もですね、確かめるには首相動静上で見る。

 その中に含まれるのはこれは分からない場合もあるわけでございますが、ただ今まで写真を撮っていた等々で確認できる場合もあるわけでございます。
 
 そこで今申し上げたようにですね、それ以外確認できたものがですね、5回あったということでございます」

 先ず長妻昭が質問に取り上げた点に関しては愛媛県の新文書に次のように記載されている。

 〈①2/25に 理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、 国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医学大学の考えはいいね。」とのこコメントあり。

また、柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があったので、早急に資料を調整し、提出する予定。〉・・・・・・

 長妻昭の質問の主意は新文書によって表面化することになった安倍晋三と加計学園理事長加計孝太郎との15分程度の面談が記載通りに事実であると認めさせることにあったということであろう。

 認めさせることに成功すれば、30年来の腹心の友人でありながら、加計学園が新設獣医学部の事業主体であることを知ったのは2017年1月20日だと繰返してきた、誰もが心証的には事実ではないと思っている国会答弁を虚偽発言だと断じることができる。国会に対してばかりか、国民に対してもウソをついてきたと、長妻昭の言葉を借りると、「政権の正統性」はもはや失っていると、その退陣を求めることができる。

 でなければ、面白くも何ともない。

 と言うことは、安倍晋三の面談の否定を覆す努力をしなければならない。あるいは否定を覆すことの一点に絞って追及しなければならない。ところが、「平成27年2月25日でなくてもいい、その前後で官邸以外でも自宅でも、面談でもいい、電話でもいい、話をしたことがあるか」と、面談を否定しているのに認めるはずもない質問をムダに繰返している。

 このように一点に絞り切ることのできない散漫な質問を繰返すだけでは、とてもとても海千山千の安倍晋三を追い詰めることはできない。

 安倍晋三は最初に平成27年2月25日の加計孝太郎との面談を否定、その上で「念のために訪問予約も調査を致しましたが、加計理事長が官邸を来訪した記録は確認できなかったということでございます」と、面談否定の裏付けとして訪問予約の調査を持ち出した。

 安倍晋三は「訪問予約」と発言しているが、一般的には「訪問予約届」という言葉で国会答弁されたり、政府答弁書に用いられている。

 以下は昨日のブログに書いたことだが、昨日5月22日午後の衆院本会議では同じ立憲民主党の阿部知子から15分程度の面談を問われたとき、安倍晋三は「ご指摘の平成27年2月25日に加計理事長とお会いしたことはありません。念のため入邸記録を調査しましたが、加計理事長が官邸を来訪した記録は確認できませんでした」と答弁している。

 何のことはない、「入邸記録」と「訪問予約届」との違いだけで、長妻昭は面談を記載通りに事実であると認めさせるどころか、同じ答弁を引き出したに過ぎない。

 安倍晋三や官房長官の菅義偉、官房副長官だったときの萩生田光一は「入邸記録」にしても、「訪問予約届」にしても、「業務終了後はその使用目的を終えることから速やかに廃棄される取り扱いになっている」といった趣旨の発言をしている。

 森友学園問題でも使っている文書やメモに対する廃棄という手段は事実を曖昧にする陰謀に過ぎないのだが、安倍晋三は廃棄されて存在しているはずのない3年前の「訪問予約届」の調査を「加計理事長が官邸を来訪した記録は確認できなかった」ことの有り得べからざる裏付けとしたことになる。

 この点をこそ突くべきを、長妻昭は「面談だけではなく、電話でも、官邸内外、自宅でも加計孝太郎と話をしたことはあるのか」と的外れな質問に執着している。

 長妻昭が再度電話での会話の有無を問うと、安倍晋三は「長妻さん、じゃあ、3年前のですね、3月にこれこれこういう人と電話しましたかと言われて、しているかしていないかって、それは分からないですよね。割と電話している相手であればですね」と答えている。

 電話したかどうかは相手が誰かだけで記憶しているわけではなく、会話した内容に応じて記憶に濃淡が生じる。内容が重要でなければ、年月の経過と共に忘れてしまうし、重要な内容であった場合は一旦は忘れたとしても、自分の中で何かのキッカケが生じたり、第三者から何かのキッカケを与えられて記憶に蘇るということはよくある。

 要するに一般的には電話した相手よりも、会話の内容の重要性が記憶により影響することになる。

 だが、安倍晋三は電話した相手である加計孝太郎のみを対象にして「電話したかどうか分からない」と答えているのは長妻昭の質問の仕方が悪いからだろう。誰と会話をしたか、誰と電話をしたかどうかではなく、「獣医学部新設の話をしたのか」と会話の内容の記憶を尋ねるべきだったはずだ。

 勿論、否定するのは分かっているが、否定されても質問の仕方は重要であって、それが悪ければ、いつまで経っても望んでいる結末を得ることはできないはずだ。

 安倍晋三にしても、「獣医学部の新設について電話したのであれば、3年前であっても記憶しているかもしれませんが、3年前であろうと何年前であろうと、そういった会話を電話でも口頭でもしたことはありません」で済むところを余分なことをくどくどと続けている。

 安倍晋三は事実に反することを言うとき、ウソつきがそうであるように言わなくても済む言葉を長々と費やす傾向にある。

 「総理が言わなくても済むことを長々と続けるときは事実ではないことを喋っている疑いが濃厚だから、加計理事長との15分程度の面談は事実あったということではないですか」ぐらいは言ってやるべきだろう。

 安倍晋三は平成27年2月25日の加計孝太郎との面談を「首相動静を確認したが載っていない」と否定、「首相動静」の信用性を高めるために「首相動静で確認した加計孝太郎と面会した回数は合計14回」と答えているが、これは愛媛県新文書が公になった直後、マスコミ各社が首相動静を確認して、載っていないことの報道を受けた発言の可能性がある。

 但し同内容の5月21日付け「時事ドットコム」記事は、〈ただ、首相動静に表れない「密会」が日常的に行われているとの証言もある。官邸や公邸に記者の目に触れないように出入りするのは容易とされており、動静だけで判断するのは難しい。〉と解説している。

 長妻昭は愛媛県新文書に関わる報道は全て目を通しておかなければ、野党の政権監視の役目に反するし、満足な追及はできないことになる。この記事にもし目を通していれば、民主党政権時代の鳩山内閣と菅内閣で厚労大臣を務めているのだから、上記解説が自分の知識としてなかったなら、鳩山由紀夫や菅直人に尋ねるか、民主党政権時代の他の閣僚に尋ねるかして、安倍晋三も首相動静について「必ずしも全ての方々が公表されることはないわけでありまして」と発言しているのだから、上記記事に書いてあるとおりなら、首相動静の信用性の疑わしいことを言って、それだけでは面談否定にはならないことを突きつけるぐらいのことはすべきだったろう。

 2018年5月22日のTBS「ひるおび!」が加計疑惑を取り上げていて、民主党菅内閣で総務大臣を務めていた片山善博が首相動静について発言していた。
 
 片山善博「(新聞の首相動静は)総理が会った人を全部書いてあるわけではないですね。例えば首相官邸に要人が、総理もですが、入ると、(総理番記者がカメラのシャッターを)パシャパシャっとやって、『それ何ですか』とか言って、『おはようございます』とか言って、あそこ(首相官邸玄関からエントランス)を通るのが普通ですけど、脇道もあるんですよ。

 脇のエレベーターもあるんですね。そこから入ると、ああいうマスコミの皆さんと会わないんですよ。

 そういうルートが一つあるのと、総理の執務室に正面から入ると、モニターか何か付いていて、(記者)クラブの人には見えるようになっていて、そこを通らない執務室への入り方もある。

 私なんか何回か総理執務室に入ったときに、そういうとこを通ると、全くモニターされないわけです」――

 「時事ドットコム」記事が解説しているとおりにマスコミに知られたくない要人・著名人との首相官邸での「密会」はいくらでも可能と言うことになる。その中に女性とホテルのベッドで行うような類いの密会が入っている可能性も否定できないことになる。

 長妻昭が「ひるおび!」を観る暇がなくても、首相動静の記事に目を通すぐらいのことをして、かつての同僚に事実確認していたなら、もう少しは満足な追及ができたはずだが、不勉強としか言いようがない。

 愛媛県国会提出の新文書が折角新しい疑惑を突きつけているのに満足に追及ができない。2日前の当ブログで指摘した杞憂が現実となって現れた今回の長妻昭の質問であった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍晋三の愛媛県新文書記載加計孝太郎との面談否定は、誰もが気づくウソにウソを重ねるウソの上塗り

2018-05-23 10:18:18 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2018年5月21日、中村時広愛媛県知事が愛媛県や今治市職員、加計学園関係者と当時の首相秘書官柳瀬唯夫との首相官邸面会に関連する新たなメモや文書を参議院の要請に基づいて提出した。

 その1通、2015年3月の「報告」には、〈2/25に 理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医学大学の考えはいいね。」とのこコメントあり。

また、柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があったので、早急に資料を調整し、提出する予定。〉との文言がある。

 安倍晋三はこれまで今治市の戦略特区に新設の獣医学部の事業主体が加計学園であることを知ったのは「最終的には本年(2017年)1月に事業者の公募を行い、加計学位園から応募があったわけであります。その後の分科会でのオープンの議論を経て、(2017年)1月20日に諮問会議で認定することになりますが、その際私は初めて加計学園の計画について承知をしたところであります」と、知った経緯をそのように答弁、「それまで知らなかった」、「実際に彼が獣医学部をつくりたいという話を聞いたことは実際ないわけであります」、あるいは「「理事長から頼まれたことはないし、(関係省庁へ)働き掛けていない」等々と認識していなかったことの常套句としてきた。

 もし愛媛県新文書の文言が事実であるとすると、安倍晋三は虚偽答弁を繰返してきたことになる。虚偽答弁=政治関与の隠蔽を意味する

 但し安倍晋三は翌5月22日に記者団に対して上記15分程度の面談を否定。面談が事実でなければ勿論のことだが、事実だとしても、否定以外に選択肢はない。否定の根拠の正当性を以下の記事から見てみる。文飾は当方。

 「安倍晋三首相ぶら下がり全文」産経ニュース/2018.5.22 08:59)

 記者「愛媛県が国会に提出した文書に関してお伺いします。総理は平成27年2月25日に、加計学園の理事長と面会をされましたでしょうか。また、その際に獣医学部の設置計画について、『そういう新しい獣医大学の考えはいいね』というふうにお話はされましたでしょうか」

 安倍晋三念のために昨日、官邸の記録を調べたところでございますが、確認できませんでした。

 加計孝太郎氏とはですね、獣医学部申請について今まで国会等でお話をさせていただいてきたように、そういうことがらについてですね、加計孝太郎から話をされたこともございませんし、私から話をしたこともございません」

 記者「総理、野党は加計理事長の国会招致を求めていますが、どうお考えでしょうか。真相解明にはどう取り組むお考えでしょうか」

 (首相は無言で立ち去る)

 カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案審議入り5月22日午後の衆院本会議でも立憲民主党の阿部知子から15分程度の面談を問われて、上記ぶら下がりと同じような答弁を行っていることを昨夜のNHKニュースで知り、「衆議院インターネット審議中継」から動画をダウンロードして、関係箇所のみを文字に起こしてみた。

 安倍晋三念のため入邸記録を調査しましたが、加計理事長が官邸を来訪した記録は確認できませんでした。

 加計理事長とはこれまで何度もお会いしていますが、獣医学部の新設について話したことはありません」

 廃棄することになっていて存在するはずもない「入邸記録」を確認した。廃棄して影も形もなくなって3年も経過している。どう確認したというのだろうか。国会審議等に興味を持っていて、それらの情報に目を通している人間なら誰でも気づくこれ以上のイカサマはない。

  2018年5月18日付「NHK NEWS WEB」記事が政府は5月18日の閣議で柳瀬元総理大臣秘書官が総理大臣官邸で愛媛県関係者と面会した記録は残っていないとして、確認は困難だとする答弁書を決定したと伝えている。

 答弁書「総理大臣官邸への入邸に当たっては、訪問予定者に対し、訪問先への訪問予約届の事前提出を求め、入邸時にこれに記載されている内容と訪問予定者の身分証明書を照合し、本人確認を行っている。

 訪問予約届は訪問予定者の入邸確認後、その使用目的を終えることに加え、これをすべて保存すれば個人情報を含んだ膨大な量の文書を適切に管理する必要が生じることもあり、遅滞なく廃棄する取り扱いとしている」

 ここでは「訪問予約届」となっているが、「入邸記録」という名称が存在する以上、その形式も存在することになって、訪問予約者が官邸に入廷した時点で「訪問予約届」の内容は「入邸記録」に転載されるか、「訪問予約届」がそのまま「入邸記録」となるか、あるいは「入邸記録」の代わりになるということでなければならない。

 「訪問予約届」だけを廃棄して、「入邸記録」は残っている、あるいは「訪問予約届」を廃棄したら、「入邸記録」まで廃棄したことにならなければ、政府答弁書そのものが矛盾した内容を記していることになる。

 安倍晋三は5月18日のこの閣議決定の時点で、「入邸記録」は使用目的終了後速やかに廃棄される運命にあることを弁えていなければならなかった。

 だが、4日後の5月22日にぶら下がり記者会見と午後の衆院本会議で存在しないはずの「入邸記録」を調査したが、官邸来訪の記録は確認できなかったと、そのことを加計孝太郎と会っていないことを信じ込ませる傍証に利用している。

 官房長官の菅義偉自身も5月22日午前の記者会見で安倍晋三と加計孝太郎の面談に関して「入邸記録」の廃棄を根拠に間接的に面会を否定している。
 
 「朝日デジタル」(2018年5月22日11時03分)

 菅義偉「入邸記録は業務終了後速やかに廃棄される取り扱いとなっており、残っているか調査を行ったが、確認できなかった。残っていなかった」

 記者「首相の記憶としても面会していないと確認しているのか」

 「それは確認している」

 本人の「記憶」についての証言は疑惑当事者の言うことで、証言足り得ない。証言足り得ないないから、存在しないはずの「入邸記録」まで持ち出して、面会していないことを信じ込ませる傍証にしようとしているはずだ。

 記事は菅義偉が〈面会記録やスケジュール表も「ない」とした。〉と補足している。

 安倍晋三自身も「入邸記録」の廃棄の決まりを国会答弁している。

 2017年7月24日衆議院予算委員会

 玉木雄一郎「2015年の4月2日、今治市の担当課長さん、課長補佐さん、官邸に来て話をした、会った。会っていますよね。先程お願いしたので、記録、その彼らの入館記録とともに御説明いただけますか」

 柳瀬唯夫「秘書官時代に自分の面談記録とか誰に会ったとかという記録は特にとってございませんでした。手帳も含めて、そういう、どなたにお会いしたとかというのは、一切、全く書いたことはございません。

 官邸の入館記録は私分かりませんので、今の内閣の方に聞いて頂かないと、私がお答えするのはちょっと場所が違うのかなと思います」

 安倍晋三「最初の、基本方針についても……(玉木委員「それはいいです、官邸の記録を」と呼ぶ)それはよろしいですか。

 今治市職員の方が誰と面会したかについては、既に萩生田副長官が国会で答弁しているとおり、記録が保存されておらず確認できなかったと承知をしております」

 2018年4月25日参院予算委員会

 片山大介(日本維新の会)「審議の中で総理は、(愛媛県や今治市の職員、加計関係者が)官邸に来たのかどうかもう一度調べてみるというふうにおっしゃっていた。その結果どうなったのか、どのような調査をしたのかも含めて教えていただきたいんですが」

 安倍晋三「官邸の入邸記録については、使用目的終了後、遅滞なく廃棄する取扱いとされており、昨年6月、当時の萩生田副長官が答弁したとおり、2015年4月2日の今治市の官邸訪問については確認できなかったところであります」

 安倍晋三が「昨年6月、当時の萩生田副長官が答弁したとおり」と言っていることは、ネットで調べたところ、2017年6月13日参院農林水産委員会と判明した。

 森ゆうこ(自由党)「萩生田官房副長官、平成27年4月2日、今治市課長、そして課長補佐、官邸を訪れたということが事実だということは既に分かっております。なぜ、その事実、官邸では確認できないんでしょうか」

 萩生田光「前回もお答えしましたが、総理大臣官邸の入邸につきましては、通行証を貸与し、厳格に管理を行っております。通行証の貸与に当たり、訪問予定者に対し、訪問先への訪問予約届の事前提出を求め、入邸時にこれに記載されている内容と訪問予定者の身分証を照合し、本人確認を行っています。

 このため、訪問者の入邸確認後、訪問予約届はその使用目的を終えることから、公文書管理法や関係規則等に基づき遅滞なく破棄する扱いとしているところであり、適切に取り扱っているものと承知をしております」

 森ゆうこ「別途記録あると思いますけれど、ないんですか」

 萩生田光「ございません」

 訪問予約届の廃棄は、勿論、「入邸記録」の廃棄までを意味するか、「入邸記録」の廃棄に繋がらなければならない。

 安倍晋三とその一派は2015年4月2日の愛媛県や今治市の職員、加計学園関係者の首相官邸訪問を「入邸記録」の廃棄、あるいは訪問予約届の廃棄を訪問の事実関係を曖昧にする根拠として散々に利用してきた。

 あるいは訪問を確認できないことを以って訪問の事実関係はないと見せかけるすり替えに散々利用してきた。

 森友問題でも、同じ手を利用している。ところが、加計問題ではここに来てその利用が藪蛇となりかねない状況を安倍晋三自らが招き寄せた。

 安倍晋三が首相官邸の職員に使用目的終了後速やかに廃棄すると言い立ててきた3年前になる2015年2月25日の「入邸記録」を調べさせて、加計学園理事長加計孝太郎の官邸来訪の有無を確認させたとしたら、一遍のコメディーである。

 安倍晋三は野党からこの点を突かれたら、どう言い繕うのだろうか。見ものではあるが、どう言い繕うと、廃棄したとしてきた「入邸記録」を持ち出して確認すること自体が既に誰もが気づくウソそのものであって、ウソにウソを重ねるウソの上塗りとなるのは目に見えている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愛媛県新文書国会提出:新文書が出ても、追及を前に進めることが疑問な野党のお粗末な国政監視能力

2018-05-22 12:18:47 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 昨夜2018年5月21日夜7時からのNHKニュースが愛媛県の中村知事から2015年4月2日に元首相秘書官柳瀬唯夫が首相官邸で愛媛県の今治市の職員、それに加計学園関係者との面会に関連する加計学園獣医学部新設に関わる新たな文書が国会に提出されたと報じていた。ニュースが終わってからNHKサイトにアクセスして記事を採取した。

 「NHK NEWS WEB」(/2018年5月21日 19時10分)

 記事は、中村知事が〈午後5時半すぎに取材に応じ、「国権の最高機関の国会から与野党合意のうえ、関連文書を出してほしいと要請があったので提出した」と述べ、文書の今後の扱いは国会に委ねる考えを示した〉と記している。

 同じ2018年5月21日付「朝日デジタル」記事に文書の画像が2枚掲載されていたから、テキスト化した。

 「報告」

 「獣医師養成系大学の設置に係る情勢について」
                      27.2
                      地域政策課

 1 今治市から、加計学園と加藤内閣官房副長官との面会」の状況は
   次のとおりであり、今治市への設置は厳しい状況にあるとの連絡
   があった。
  
   《加藤内閣官房副長官のコメント》

   ① 獣医師養成系大学・学部の新設については、日本獣医師会
     の強力な反対運動がある。
   ② 加えて、既存大学からの反発も大きく、文科大臣の対応にも影響か。
   ③ 県・今治市の構造改革特区への取り組みは評価。ただし
     関係団体からの反発が極めて大きい。

 2 そのような中、国では、国家戦略特区申請の積み残し分につい
  て、地方創生特区の名のもとに追加承認を行う模様であり、加計
  学園では、新潟市の国家戦略特区の中で提案されている獣医学部
  設置が政治主導により決まるかもしれないとの危機感を抱いて
  おり、同学園理事長が安倍総理を面談する動きもある。
 
 3 今後とも、加計学園からの情報提供を踏まえながら、今治市と
  連携して対応してまいりたい。

 【参考】

 ○新潟市は、大規模農業改革拠点を目指して、平成26年12月19日に国家戦略
  特区「新潟市革新的農業実践特区」の認定を受け、農地法等の特例措置
  により、ローソンによる農業生産法人の設立や農地での農家レストラン設
  置などに加え、獣医師養成系大学の設置や、一体的な保税地域の設置等の
  追加の規制改革を求め、現在、関係省庁と協議が継続中。
 ○本県からは国家戦略特区での提案は行っていない。
 

  
「報告」                   

 「獣医師養成系大学の設置に係る加計学園関係者
  等との打ち合わせ会について」
                      27.3
                      地域政策課

1 加計学園から、理事長と安倍首相との面談結果等について報告
  したいとの申し出があり、3月3日、同学園関係者と県との間で打
  ち合わせ会を行った。

2 加計学園からの報告等は、次のとおり。

① 2/25に 理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医師
  養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、
  国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そ
  ういう新しい獣医学大学の考えはいいね。」とのこコメントあり。
   また、柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示が
  あったので、早急に資料を調整し、提出する予定。
 
② 下村文科大臣が一歩引いたスタンスになっており、県において
  も、官邸への働きかけを非公式で実施いただけないかとの要望
  があったが、政治的な動きが難しい旨回答。
③ 検討中の大学付属施設(高度総合検査センター等)の設置には、
   多額の費用が必要であるが、施設設置に伴う国からの補助がな
  い中、一私学では困難であるので、国 の支援が可能となる方策
  の検討を含め、県・市の財政支援をお願いしたい。

  なお、3月4日には、同学園と今治市長が面会し、ほぼ同内容
  の説明があった。
  
3 おって、3/3に開催された国家戦略特区諮問会議では、特区法
  改正案に盛り込む追加規制緩和案が決定されたが、新潟市の国家
  戦略特区(獣医学部設置に係る規制緩和)は、含まれていない。
  今後、26年度までに出される構造改革特区提案(愛媛県・今治
  市)に対する回答と合わせて、国家戦略特区の結論も出される模
  様。

4 ついては、加計学園の具体的な大学校構想が示されたことから、
  特区提案の動向を踏まえ、今後の対応方針について、今治市とし
   っかりと協議を進めていきたい。

 平成27年2月の愛媛県地域政策課作成の最初の文書では「加計学園と加藤内閣官房副長官との面会」の状況を、〈今治市への設置は厳しい状況にあるとの連絡があった。〉

 次の平成27年3月の愛媛県文書では、平成27年2月25日に加計学園理事長加計孝太郎と安倍晋三が15分程度面会し、加計孝太郎から、「獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指す」ことなどを説明。

 対して安倍晋三が 「そういう新しい獣医学大学の考えはいいね」と応じたことを3月3日、加計学園から理事長と安倍首相との面談結果等について報告したいとの申し出があり、同学園関係者と県との間で打ち合わせ会で知ることとなった。

 但し安倍晋三と加計孝太郎は30年来の腹心の友であり、一緒にゴルフをしたりバーベキューをしたりする仲であることからすると、加計孝太郎の国際水準の獣医学教育を内容とする獣医学部新設計画に対して「そういう新しい獣医学大学の考えはいいね」の一言では済まなかったはずだ。

 このことは、〈柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があった〉ことが証明している。この「指示」は安倍晋三が加計孝太郎に対して何らかの協力の言質を与えたことを証明している。その言質が柳瀬唯夫の資料提出指示となって現れた。

 そして最初の愛媛県文書では獣医学部の今治市への設置は厳しい状況にあると知らされたが、次の文書ではたった1カ月の間で前へ動き出したことを窺わせる文面となっている。

 〈加計学園の具体的な大学校構想が示された〉としていることも、前進の一つの形とすることができる。

 上記「NHK NEWS WEB」記事は愛媛県新文書について野党や自民幹事長の発言を伝えているが、以下2者の発言を取り上げてみる。

 立民国対委委員長辻元清美「「『柳瀬元総理大臣秘書官の証言がウソだった』という濃厚な証拠が出てきたと思うし、『1国の総理大臣が国会や国民に対し、ウソを突き通してきたのではないか』ということにつながると思う。

 『ウソをウソで上書きして、書き直そうとしても無理だ』ということだ」

 国民民主党共同代表玉木雄一郎「「『加計ありき』がより鮮明になったし、『一連のストーリーは安倍総理大臣の指示から始まったのではないか』という極めて核心的な疑惑が出てきた。

 この疑惑を明らかにすることなく、ほかの重要法案の審議は到底できない。安倍総理大臣、加計理事長、愛媛県の中村知事ら関係者に一堂に予算委員会の集中審議に集まってもらい、真実をしっかり話してもらわなければならない」

 2015年4月2日付の今治市の文書では今治市職員が「獣医師系養成大学の設置に関する協議」を目的として都道府県会館東京事務所と内閣府、首相官邸を訪問したことが記されているが、公開された文書は面会の相手側は黒塗りされて誰か分からなかったが、首相官邸での相手方は当時の首相秘書官柳瀬唯夫だと目されていて、それを質すために2017年7月24日の加計学園衆院予算委員会閉会中審査と翌日2017年7月25日参議院予算委員会閉会中審査に柳瀬唯夫を参考人招致して質疑が行われたが、柳瀬唯夫は面会を「記憶にない」一点張りでかわして、野党は満足な追及はできずじまいとなった。

 ところが面会を事実とする愛媛県文書の存在を2018年4月10日付「朝日デジタル」が報じ、同日のうちに愛媛県知事中村時広が記者会見でその存在を認めた。

 その文書には、〈獣医師養成系大学の設置について、県地域政策課長・今治市企画課長・加計学園事務局長らが内閣府藤原次長及び柳瀬首相秘書官らとそれぞれ面談した結果は、次のとおり。〉と記されていて、面会者は今治市職員ばかりか、愛媛県職員と加計学園事務局長が加わっていて、内閣府での応対者は内閣府地方創生推進室次長の藤原豊、首相官邸での応対者は首相秘書官の柳瀬唯夫となっていた。

 そして《藤原豊の発言は、「要請の内容は総理官邸から聞いており、県・今治市がこれまで構造改革特区申請をされてきたことも承知」、その他が、柳瀬唯夫の発言は「本件は、首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい」、その他が書かれていた。

 朝日新聞の報道と愛媛県の中村知事による愛媛県文書の公表を受けて、野党は柳瀬唯夫の証人喚問を求めて与党と交渉、与党は受け入れず、参考人招致で妥協して、2018年5月10日、午前中衆院予算委、午後参院予算委で加計学園獣医学部認可安倍晋三政治関与疑惑を追及する質疑が柳瀬唯夫を相手に行われた。

 だが、安倍晋三の政治関与の疑惑を膨らませることができても、決定的証拠を上げることはできず、いわばクロとすることはできずにグレーのまま幕引きさせることになった。

 柳瀬唯夫の答弁の不合理な点、辻褄が合わない点を追及しなければならなかったはずだが、それが満足にできなかったのだから、新しい文書の公表が役に立たなかったことになり、今回の愛媛県の新文書も果たして追及の切り札とすることができるかどうかは至って断言できないことになる。

 2018年5月11日のブログ、《5・10柳瀬唯夫参考人招致:名刺交換と「首相案件」に関わる発言を取り上げただけで矛盾とウソを追及可能 - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》と題して既に取り上げたが、例えば2018年5月10日午前中衆院予算委のトップバッター自民党の後藤茂之から質問早々に「4月2日に柳瀬元秘書官は愛媛県、今治市、加計学園関係者と会っていないのか。先ず最初にしっかりと説明して下さい」と問われて、柳瀬唯夫は、「メーンテーブルの真ん中に座った加計学園の元東大教授と加計学園の事務局長が殆んど話していたためにて、随行されていた方の中に愛媛県の方や今治市の方がいらしたかどうかという記録は、残っておりません」と答弁している。

 今治市と加計学園は構造改革特区でタッグを組んでいた。「メーンテーブルの真ん中に座った」加計学園関係者の二人だけが殆ど話して、愛媛県と今治市の職員が獣医学部新設に向けた県と市に関わる発言をしなかったということは、不合理そのものである

 この時点では名刺交換には触れていない。但し後藤茂之は次の質問で、「名刺を交換しなかったのか」と質問している。

 柳瀬唯夫「随行者の方々全員と名刺交換をしたかどうかは分かりません。私は普段から失礼にならないように自分から名を名乗って、名刺交換をするように心がけておりますが、多くの方とお会いするために交換した名刺の中で保存するのはごく一部でございます。今回の件で私が保存している名刺の中に今治市や愛媛県の方の名刺はございませんでした」

 一般的には面会者全員と名刺交換するのが礼儀であるのに対して「随行者の方々全員と名刺交換をしたかどうかは分かりません」というのは常識的には矛盾しているし、「私は普段から失礼にならないように自分から名を名乗って、名刺交換をするように心がけております」と言っていることとも矛盾する。

 しかも名刺交換は顔を合わせてからほぼ即座に自己紹介と共に行う儀式であにも関わらず、「今回の件で私が保存している名刺の中に今治市や愛媛県の方の名刺はございませんでした」と言っていることからして、「名刺交換をしたかどうかは分かりません」ではなくて、名刺交換をしなかったことになる。

 応対者である柳瀬唯夫の正面に最初に自然と立つのが面会者の中でも主だった人物ということになるが、愛媛県と今治市の職員を最初から加計学園関係者とは明確に分けて「随行者」扱いしていて、それゆえに名刺交換をしなかったことの理由としている。

 この明確に分けた「随行者」扱いにしても不自然で、合理的な対応とは言えない。

 名刺交換をしなかっただけではない。例え加計学園関係者が主として説明を受け持っていたとしても、今治市に校舎を建てる以上、愛媛県と今治市の職員は用件に入る前に柳瀬唯夫に対して自己紹介もしなかったことになって、これも不合理な話しとなるだけではなく、失礼な話で、社会常識に照らしても矛盾する。

 名刺交換についてもう一つ不審な点を挙げてみる。同じ5月10日午前中柳瀬証人喚問衆院予算委で野党トップバッターの立民長妻昭が「加計孝太郎理事長含めて加計学園関係者と会ったのは何回だ」と尋ねたのに対して柳瀬唯夫は「ゴールデンウィークに総理の別荘がある河口湖にお供をして自身はゴルフをしなかったが、ゴルフコンペの後のバーベキューをしたときに加計学園の理事長と事務局長と会ったという記憶がございます」といった趣旨の答弁をしている。

 このゴルフコンペとバーベキューは2013年5月6日だそうだ。

 柳瀬唯夫はここで加計孝太郎と事務局長に会った際、後藤茂之の質問に対して「私は普段から失礼にならないように自分から名を名乗って、名刺交換をするように心がけております」と答えていることからしても、安倍晋三の仲立ちのもと、双方共に自己紹介をし、名刺交換したはずだ。

 安倍晋三の首相秘書官たるものが2013年5月6日に安倍晋三の「お供」をして、単にバーベキューの肉を焼いたり、皿に盛ったりのお助けマンを演じていたわけではあるまい。柳瀬唯夫が正直に答弁するはずはないが、安倍晋三と加計孝太郎、学園の事務局長を混じえて、どういったことを話し合ったか、話題については質問者は頭に入れておかなければならない。

 入れておけば、質問の機会が訪れるかもしれない。
 そして約二年後の2015年4月2日。柳瀬唯夫は首相官邸での加計学園関係者との面会を後藤茂之に対して「以前、総理とご一緒した際に加計学園の関係者の方とお会いしたことがございました。その後、平成27年の2月から3月頃だったと思いますけども、加計学園の事務局の方から上京する際に『お伺いしたい』という申し入れがありまして、官邸でお会おしました」と答弁している。

 要するに2013年5月6日の安倍晋三の仲立ちによって加計孝太郎と加計学園事務局長と名刺交換までしたであろう面識を持った相手方から平成27年の2月から3月頃に「加計学園の事務局の方から上京する際に『お伺いしたい』という申し入れがあり」、官邸で面会した。

 安倍晋三を交えてこういった関係となり、加計学園の事務局長の背後に加計孝太郎が控えていることを考えると、事務局長の私事で首相官邸を訪れることはないはずだから、その事務局長が天下の首相秘書官に面会するのに「上京する際に『お伺いしたい』」の一言しか口にしないと言うことはあり得るだろうか。

 一般的には用件を最初に伝えて、相手がその用件を認識した上で面会するか否かを決める。そうなっていないことの不合理な点をあとで質問に立ったときに野党は追及しなければならないはずだが、追及したとの報道もないし、テレビの中継を聞いた限りでは誰も追及していない。

 柳瀬唯夫が「随行されていた方の中に愛媛県の方や今治市の方がいらしたかどうかという記録は、残っておりません」と答弁し、名刺交換については「今回の件で私が保存している名刺の中に今治市や愛媛県の方の名刺はございませんでした」と答弁したことに対して愛媛県の中村知事は5月11日の記者会見で、「県職員はメインテーブルに座り柳瀬氏と名刺も交換し、しっかりと県の立場を発言した」(NHK NEWS WEB)と柳瀬唯夫を批判、面会した際に受け取った柳瀬唯夫の名刺を公開した。(左掲)

 国政の監視、国家権力の監視が役目だと言うなら、本来なら野党が名刺交換を含めた柳瀬唯夫の説明の不合理な点、矛盾点を国会で追及し、事実究明にまで持っていかなければならないはずだが、それが満足にできなくて、国会以外からの報道機関を含めた第三者からの新たな事実の公表に頼った追及をするが、それでも満足な事実究明ができない堂々巡りの力不足を露呈している。

 立憲民主党の辻元清美や国民民主党共同代表の玉木雄一が何と言おうと、野党のお粗末な国政監視能力と言わざるを得ない。多分、各野党の政党支持率を正直に反映したお粗末さではないだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

藤原豊の今治市出張官用車使用とする粉飾は安倍晋三加計学園獣医学部認可不当政治関与隠蔽の一環

2018-05-21 12:39:54 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 当時国家戦略特区担当の内閣府地方創生推進室次長だった藤原豊が2015年8月に岡山市や今治市に主張した際、移動に加計学園の車を使っていながら、出張記録には自治体の「官用車」を使った移動であるかのように虚偽記載していたと、2018年5月15日付け「日経電子版」記事が、《「官用車」と虚偽記載か 内閣府次長、今治出張時》 と題して伝えていた。

 記事が、〈学校法人「加計学園」(岡山市)の車を使用したとみられる問題があり、内閣府は15日の野党合同会合で、交通手段の欄に「官用車」と記した職員の出張記録を公表した。〉と伝えてることからすると、最初にこの問題が何らかの理由で浮上して、野党が5月15日の合同会合に内閣府職員を呼んで事情を聞いたところ、「官用車」と記した藤原豊の出張記録を公表したという経緯を踏んだのだろう。

 記事はさらに、〈内閣府担当者は矛盾を認め「確認中」と説明。〉と伝えている。つまり移動手段として実際には加計学園提供のお車のお世話を受けていたにも関わらず、さも自治体提供の官用車を使った移動手段であるかのように記載していた。

 加計学園提供のお車のお世話を受けていながら、出張記録には官用車と記載する。このことを記事は、〈学園側から便宜供与を受け、虚偽記載をした可能性がある。〉と端的に記している。

 公表された「旅費精算請求書」などの複数の出張記録から判明した出張の具体的な日付は2015年8月5~6日まで。出張の具体的な目的は国家戦略特区の意見交換会。出張場所は熊本市や岡山市、今治市。虚偽記載の疑い箇所は、「岡山市内~今治市内~松山空港は官用車利用」との記載部分。

 さらに記事は末尾で次のように解説している。
 
 〈藤原氏は15年4月2日、学園関係者や愛媛県、今治市の職員が首相官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と会う前に内閣府で面会していた。(愛媛)県職員が作成した文書には、藤原氏が「要請の内容は総理官邸から聞いており」「県・市・学園と国が知恵を出し合って進めていきたい」などと発言したと記載されていた。内閣府によると、藤原氏は調査に「(発言の)記憶がない」と答えている。〉――

 藤原豊が虚偽記載に関わる出張の出発点とした岡山市には加計学園の本部がある。ネットで調べてみると、岡山市から山陽自動車道と本州四国連絡道路の3ルートのうちの1つである西瀬戸自動車道(通称瀬戸内しまなみ海道)経由で138.8 km、2 時間8分の所要時間と出ている。

 岡山空港に到着したか、あるいは山陽新幹線岡山駅に到着した藤原豊を加計学園の車が出迎えたということもある。そして岡山市の加計学園本部に向かった。

 もしもこのことが事実だとしたら、当然、加計孝太郎と面会するはずだ。面会後、加計孝太郎を混じえて、完成模型があったなら、それを前にして目標としている獣医学教育の内容・方針・規模、そして校舎のデザイン等々の講釈を受けてから今治市に向かったとすると、真っ先に今治市役所に足を運んで、獣医学部の建設計画、校舎建設場所や周囲の環境等、さらには愛媛県や今治市の資金的なバックアップがどの程度なのかといった説明も含まれていたかもしれない、そういった説明を受けた上で獣医学部校舎建設予定地にまで足を運んで、その場所を目で確認した可能性も考えることができる。

 いずれにしても、加計学園の車を移動手段としていながら、自治体が使用する官用車を移動手段に使ったかのように粉飾、虚偽記載した疑いが出たということは加計学園の車を使ったことを隠す必要があって隠したことになる。

 上記記事は既に触れたように、〈学園側から便宜供与を受け、虚偽記載をした可能性がある。〉と解説しているが、便宜供与を生じさせるには前以ってある種の特殊な関係性が存在しなければならない。

 そのような関係性があって初めて便宜供与を生じさせることができる。いわば隠す必要があったその対象は加計学園と内閣府の関係、あるいは加計学園と内閣府の藤原豊との関係であったはずだ。

 その関係を隠す必要上、便宜供与となる移動手段のための車の提供まで隠す必要性に迫られて、さも自治体の官用車を移動手段としたかのように粉飾することになった。

 加計学園と内閣府の関係、あるいは加計学園と内閣府の藤原豊との関係を正々堂々と公にできるものなら、加計学園の車を使ったことを隠す必要性に迫られることはない。

 上記記事が触れている藤原豊が2015年4月2日に内閣府で愛媛県と今治市の職員、さらに加計学園事務局長と面会した際に発言した記載している愛媛県文書を見てみる。

 《藤原地方創生推進室次長の主な発言(内閣府)11:30》

・要請の内容は総理官邸から聞いており、県・今治市がこれまで構造改革特区申請をされてきたことも承知。

・政府としてきちんと対応していかなければならないと考えており、県・市・学園と国が知恵を出し合って進めていきたい。

・そのため、これまでの事務的な構造改革特区とは異なり、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい。

・国家戦略特区は、自治体等から全国レベルの制度改革提案を受けて国が地域を指定するものであるが、風穴を開けた自治体が有利。仮にその指定を受けられなくても構造改革特区などの別の規制緩和により、要望を実現可能。

・今年度から構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱うこととし、年2回の募集を予定しており、遅くとも5月の連休明けには1回目の募集を開始。

・ついては、ポイントを絞ってインパクトのある形で、2、3枚程度の提案書案を作成いただき、早い段階で相談されたい。

・提案内容は、獣医大学だけでいくか、関連分野も含めるかは、県・市の判断によるが、幅広い方が熱意を感じる。

・獣医師会等と真っ向勝負にならないよう、既存の獣医学部と異なる特徴、例えば、公務員獣医師や産業獣医師の養成などのカリキュラムの工夫や、養殖魚病対応に加え、ペット獣医師を増やさないような卒後の見通しなどもしっかり書きこんでほしい。

・かなりチャンスがあると思っていただいてよい。

・新潟市の国家戦略特区の獣医学部の現状は、トーンが少し下がってきており、具体性に欠けていると感じている。

 だが、藤原豊は上記記事に書いてあるとおりにこのような発言を否定している。

 この面会の4カ月後の2015年8月5日から6日までの今治市出張で隠す必要性を招いた加計学園と内閣府の関係、あるいは加計学園と内閣府の藤原豊との関係は、他にも様々にあるだろうが、愛媛県文書にある藤原豊の発言に対する自身の否定と対応していると見なければならない。

 いわば2015年4月2日の内閣府での藤原豊と愛媛県及び今治市の職員と加計学園事務局長を加えた面会自体に対する隠す必要性に対応させた出張時に於ける両者の関係の隠す必要性だということになる。

 愛媛文書の存在は2018年4月10日付「朝日デジタル」が報じ、同日のうちに愛媛県知事中村時広が記者会見でその存在を認めた。つまり少なくとも2015年4月2日から2018年4月10日までの3年間、藤原豊の内閣府での面会発言は秘密にされていた。

 この秘密と対応させた今治市出張時の加計学園との関係の秘密が加計学園の車を使いながら、さも官用車を使ったかのように粉飾しなければならなくなって虚偽記載に迫られたということであろう。

 加計学園獣医学部認可が安倍晋三の行政に対する不当な政治関与によって実現したことでなければ、何一つ隠す必要性は生じないし、隠す必要性は前のウソが次のウソを必然的に生む一環性を取るように不当な政治関与という全体的な隠蔽が様々な事実関係に対してそれぞれに個々の隠蔽を必然的に誘うことになる、このような前後全体の一環性によって成り立っていると見なければならない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野党が間抜けな追及ばかりだから、前川喜平氏が安倍首相に「答弁で私の名前使うな」と言わなければならない

2018-05-18 11:28:06 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 前川喜平前文科省事務次官が安倍晋三が5月14日の衆参の予算委員会での答弁で前川喜平氏に言及していることに対して「(獣医学部新設への関与を否定する材料として)私の名前を使わないで頂きたい」とする抗議のコメントを代理人弁護士を通じて報道機関に出しそうで、その全文を5月15日付「産経ニュース」記事が伝えていた。

 文飾は当方。

 「コメント全文」

 5月14日の衆参両院の予算委員会において、安倍首相は再三にわたり私の名前に言及しましたが、その発言内容は私の事実認識に反するものでしたので、以下の点を明らかにしておきたいと思います。
 1 国民民主党玉木雄一郎衆院議員の質問に対し、安倍首相は、「(加計学園は)ずっと構造改革特区のときから岩盤規制に穴を開けようとしてきたのは事実であります。安倍政権になってからも構造改革特区については安倍政権では4回却下をしているわけであります。そこであの前川前次官ですらですね、前川次官ですら、京産大はすでに出していたんですが、そのことをですね、そのことはまだ準備が十分ではないという認識の上にですね、熟度が十分でないという認識の上に、加計学園しかなかったということをおっしゃっていたわけであります。」と述べましたが、この発言は事実に反します。

 国家戦略特区ワーキンググループが2016年10月17日に京都府・京都産業大学からのヒアリングを実施したこと及びその内容については、その当時私は全く知りませんでした。文部科学省はこのヒアリングに呼ばれていなかったからです。「加計学園しかなかった」という認識は持っていましたが、それは首相官邸や内閣府が初めから加計学園の獣医学部新設を認めようとしていたこと、すなわち「加計ありき」という認識を持っていたということです。2016年10月17日の京産大の提案内容を知らされていない私が、加計学園の提案と京産大の提案とを比較考量することは不可能でした。

 したがって、加計学園と比べて「(京産大は)まだ準備が十分ではない」「熟度が十分でない」という認識を私が持っていたとする安倍首相の発言は事実に反し、極めて心外です。

 2 公明党中野洋昌衆院議員の質問に対し、安倍首相は、「これまでの国会審議を通じて、柳瀬元秘書官のみならず、前川前次官も含め、誰一人として私から国家戦略特区における獣医学部新設について、何らの指示も受けていないことが、すでに明らかになっています。」と述べました(共産党田村智子参院議員の質問に対しても同様の答弁あり)。

 たしかに、私は、国家戦略特区における獣医学部新設について、安倍首相から直接の指示は受けておりません。

 しかし、私は、2016年9月9日に和泉洋人首相補佐官に首相官邸へ呼ばれ、国家戦略特区における獣医学部新設について速やかな対応を求められました。その際、和泉補佐官は「総理は自分の口から言えないから、私が代わっていう。」と発言されましたので、私はこれを安倍首相自身の意思だと受け止めました。

 また、内閣府から文科省担当課に伝えられた内容を記録した文書(「官邸の最高レベルが言っている」や「総理のご意向」と記された文書)からも、私は加計学園の獣医学部の平成30年度新設が安倍首相自身の強い意向だという認識を持っていました。

 したがって、安倍首相が加計学園の獣医学部新設に自分が関与していないと主張するための材料として、私の名前に言及することは極めて心外であり、私の名前をこのように使わないでいただきたいと思います。

 2018年5月15日  前川喜平

 安倍晋三は自身の加計学園獣医学部新設政治関与の否定材料として国家戦略特区諮問会議ワーキンググループ八田座長を初め、民間議員が決定プロセスに「一点の曇りもないと言っている」ことと前川喜平前文科省事務次官が「私(安倍晋三)から何の指示も受けていないと言っている」ことを伝家の宝刀の常套句とし、水戸黄門の葵の印籠さながらに振り回している。

 その一例を2017年10月総選挙の結果を受けた自民党本部での安倍晋三の記者会見から取り上げてみる。

 記者「幹事社、西日本新聞のイトウと申します。森友学園問題や加計学園問題についておうかがいします。

 野党は先の臨時国会冒頭での開催について、『森友・加計隠し』と批判してきました。今回の衆議院選挙の結果は、森友・加計学園問題についてすでに十分に説明し、国民から理解を得られたからだと受け止められているんでしょうか。

 また各種世論調査では、内閣支持率はなお下回っています。この状況にどう向き合っていくお考えでしょうか。

 安倍晋三「この問題については、私の予算委員会、あるいは閉会中審査において、相当時間をかけて、また丁寧に質問にお答えをさせていただきました。その中に於いて、前川(喜平)前次官も含めて、私から依頼された、また指示を受けたという方は1人もいなかったということが明確に明らかになりました。

 そしてまた、特区のプロセスを進めてこられた民間議員のみなさまは、『プロセスには一点の曇りもない』と述べておられました。

 また、ずっとこの獣医学部の新設に信念を持って努力をされてきた、ドアを叩き続けてこられた加戸(守行)前愛媛県知事は、行政が歪められたのではなく、歪められた行政を正したのであると明確に述べておられました。

 こうした、あまり報道されなかった部分も含め、公開審議をすべてご覧になった方には、かなりご理解をいただけたものと思っております」――

 そして安倍晋三はこの伝家の宝刀を一種の魔除けとしているのだろう、今日に至るまで使い続けている。

 2017年10月27日の当「ブログ」、その他にも取り上げてきたが、確かに前川喜平前文科省事務次官は自身が参考人招致された2017年7月24日午前衆院予算委員会閉会中審査で「私自身は、総理から直接伺ってはおりません」と安倍晋三からの指示を否定している。

 前川喜平前文部科学事務次官「この今治市における加計学園の獣医学部の新設の問題につきましては、文部科学省は基本的には内閣府からさまざまな指示を受けていたということでございますので、その結果はペーパーに残っておりまして、その中に、『官邸の最高レベルの言っていること』、あるいは、『総理の御意向と聞いている』、こういう文言があることは御承知のとおりでございます。

 私は、これは事実であるというふうに思っておりますし、そのように恐らくは内閣府の藤原当時の審議官がおっしゃったのであろう。その先のことは、これはわかりません。藤原さんが誰からそれを聞いたのか、それはわかりません。

 私自身は、総理から直接伺ってはおりませんが、しかし、9月9日と記憶しておりますけれども、和泉総理補佐官から、国家戦略特区における獣医学部の新設について文部科学省の対応を早く進めろ、こういう指示をいただきまして、その際に、総理は自分の口からは言えないから代わって私が言うんだ、こういうお話がございました。

 これにつきましては、私は、総理は御自身では言えないのだというふうに思いましたので、そのことについて総理にお伺いするということは考えてもみなかったわけであります」――

 当日、同じく参考人招致された総理補佐官の和泉洋人は、勿論、前川が証言したこのような対応を否定している。

 和泉洋人「いろいろ報道されてございますので、少し丁寧に御説明させていただきます。

 当時、前川さんと私が私の執務室で何度かお会いしたことは事実でございます。そして、記録も残っていないものですから、どういったやりとりがあったかについては確認できません。したがって、今までそういったことをお答えしています。

 しかしながら、今回、参考人として出るに当たって当時を振り返ってみますると、前川さんと当時の私が話す中身としては、この獣医学部の新設か明治日本の近代産業遺産のことだと思います。その際、私は2012年9月まで地域活性化統合事務局長をやっておりました。3年2カ月でございます。構造改革特区も担当してございました。

 したがって、当時からこの獣医学部新設の問題が岩盤規制の象徴であるということは認識しておりました。そのことが今回国家戦略特区の中でやっと動き出すんだという感慨もございました。そこで知らない仲ではない前川さんに来ていただいて状況をお聞きしたわけでございますが、当時、前川さんは余り承知していないようでございました。したがって、私は、事務次官としてしっかりフォローしてほしい、そういったことは申し上げたと思います。

 また、加えて、私は補佐官として特区諮問会議にも陪席し、総理が常々、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めるんだ、こういったことを聞いておりました。したがってそういったことについては前川さんに対してスピード感を持ってということが大事だ、こういったことは申し上げたかもしれません。

 今おっしゃった、総理が自分の口から言えないから私が代わりに言う、こんな極端な話をすれば私も記憶が残っております。そういった記憶が全く残っておりません。したがって、言っておりません。(発言する者あり)言っておりません」――

 前川氏の発言は安倍晋三から直接的には依頼も指示も受けていないが、安倍晋三の代理人の役を担った和泉総理補佐官から依頼・指示を受けたとしているのに対して和泉洋人はその否定となっていて、言った、言わなかったで対立する関係を築いている。

 但しここに安倍晋三を親分とし、和泉洋人や柳瀬唯夫、国家戦略特区担当の内閣府次長だった藤原豊や諮問会議を仕切った内閣府特命担当大臣(地方創生、規制改革)だった山本幸三、当時官房副長官だった萩生田光一、諮問会議の民間議員、特にワーキンググループヒヤリングの座長だった八田達夫、その他その他を忠実な子分とした一つの陰謀で仲間を組んだ“悪事の構図、あるいは役割の構図”という見立てをすると、柳瀬唯夫の「首相から指示を受けた面会ではない」も、面会結果について「首相に報告していない」も、適宜「記憶にない」という言葉を使って追及回避、その他の否定、八田達夫の「プロセスに一点の曇りもない」も、和泉洋人の前川氏に対して「総理が自分の口から言えないから私が代わりに言うとは言っていない」も、陰謀を守るための虚偽の発言であって、前川喜平氏のみを安倍晋三一派の親分・子分関係からの仲間外れと考えた場合、陰謀とは無縁の事実の発言と見ることができる。

 この一つの陰謀を中心に仲間を組む“悪事の構図、あるいは役割の構図”は文科省で発見された「獣医学部新設に係る内閣府の伝達事項」「文科大臣ご指示事項」、あるいは「これは総理のご意向だと聞いている」の文言が記されている(文科)「大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」「「10/21萩生田副長官ご発言概要」等々の文書を見れば、嫌と言いたくなる程に炙り出すことができる。

 勿論、各文書に登場する安倍晋三親分と子分の陰謀仲間は「そんな仲間は組んでいない」と否定するだろうし、特に安倍晋三は「組んでいると言うなら証拠を示せ」といきり立つだろうが、それに対して証拠を示すことができなくても、「発見された文書や今までの国会答弁等から利害を一致させている身内と見ないわけにはいかない。そのような身内の証言能力は信用性を担保されているわけではない。安倍総理が信用性を担保できない身内の証言に頼って、『プロセスは公平・公正だ』、『行政が歪められたのではなく、歪められた行政を正したのだ』といくら口を酸っぱくし政治関与を否定しても、信用できる証言とすることはできない」という論理を成り立たせることができる。

 「安倍総理が森友学園疑惑で妻がああ言っている、こう言っていると言って疑惑に関係ないとする証言と同じで、信用性を担保できない証言だけで、ハイ、そうですかと引き下がることができないとの同じなんですよ」と、身内、あるいは仲間の証言を用いた身の潔白説の信用性に疑義を挟む努力ぐらいはしなければならないはずだ。

 対して身内の証言の信用性の怪しさに対して安倍晋三と親分と子分の陰謀仲間を組んだ身内と利害を一致させていない、それゆえに前川喜平前事務次官の証言の信用性を際立たせる。

 安倍晋三の5月14日衆参の予算委員会での「一点の曇りもない」、「前川前次官も含めて何らの指示も受けていないことを言っている」とする答弁は公明党衆院議員中野洋昌に対する答弁だが、5月17日の衆院内閣委員会で立憲民主党の阿部知子に対しても同じ伝家の宝刀を性懲りもなく振り回している。

 同じ与党の公明党議員が性懲りもなく振り回すのを許すのはある種の仲間、身内だから仕方がないとしても、森友疑惑・加計疑惑追及側の野党までが何の策もなく性懲りもなく振り回すのを許している。

 「2018年5月17日衆院内閣委員会」

阿部知子「2016年に於ける何回かの面会のうち、もし総理が加計孝太郎さんから強要を受けたとしたら、これ自身は問題だと思われますか。如何でしょうか」

 安倍晋三「先ず柳瀬総理の秘書官から聞いていなかったということについては既に委員会等でお答えさせて頂いているとおりでございますし、(柳瀬総理秘書官が)なぜこれを私に伝えなかったかということについては柳瀬元秘書官が述べているとおりでございます。

 いずれにせよ、この面会の後柳瀬元秘書官は数カ月後に交代をしているところでございます。そしてまたこのプロセスについてはですね、まさに民間人の皆様が主導して行なわれるのが国家戦略特区でございます。

 勿論私が議長ではございますが、私が議長という名のもとに民間人の皆様が積極的にですね、果敢に議論を行って、岩盤規制に穴を開けていくという仕組みになっているというところでございますが、その座長を務めている八田さんがですね、プロセスには一点の曇りもなかったということであり、八田さんも私や柳瀬さんから全くそうした指示や依頼等がなかったということは既に明らかになっているとおりでございます。

 また前川前次官を含めて私から指示や依頼を受けたことは一人もいないとうことは既に明らかになっているととろでございまして、何の影響も与えていないと、こう思うところでございます。


 いずれにせよ、私と加計孝太郎氏との付き合いに於いてはゴルフ代については私が基本的に私の分は持っていたということはもう既に委員会等で述べているとおりでございますが、食事については私が持ったり、加計氏が持ったり、いずれにせよ、これはポケットマネーで、こういう範囲内ということでございます」

 阿部知子は安倍晋三の加計学園獣医学部新設政治関与否定の常套手段としているこの答弁に対して何らかの直接的な反論を加えもせずにスルーさせている。

 「総理はお仲間がそう言うに決まっていることを繰返し繰返し紹介しているに過ぎません。今のところ、お仲間以外の人でその証言能力の信用性が担保できるのは前川前事務次官のみです。

 このような構図となっているからこそ、安倍内閣の支持率が低下しているのであって、柳瀬唯夫参考人招致の国会答弁『納得できない』が7~80%にも達しているという事実となって現れているはずです」と、どちらが事実を話しているのか、論理的に印象づけることはできる。

 つまり国民は前川前事務次官の国会答弁をこそ、事実と見ている。安倍晋三の国会答弁に限りなく疑いの目を向けている。

 安倍晋三の政治関与の事実を物理的な証拠によって証明できなくても、より多くの国民が納得できる、極めて合理性を持たせた論証によって、少なくとも真の事実を浮かび上がらせることはできるはずだ。

 だが、野党が間抜けな追及ばかりだから、安倍晋三が伝家の宝刀を水戸黄門の葵の御紋の印籠のように振り回すのをいつまでも許している。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍晋三の柳瀬唯夫が首相官邸面会は首相の指示ではない、報告もしていないをウソにする5/14衆院予算委答弁

2018-05-17 11:29:26 | Weblog
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 安倍晋三が2018年5月11日にフジテレビの番組に出演、柳瀬唯夫元首相秘書官が2015年4月2日に首相官邸で加計学園関係者等と面会したことの報告がなかったことについて次のように発言したと「時事ドットコム」記事が伝えていた。

 安倍晋三「全然問題ではない。国家の重大事でない限り、途中経過を報告することは殆どない」

 柳瀬唯夫は参考人招致で首相官邸での面会を安倍晋三から指示もなかったし、報告も一切していないと答弁している。いわば安倍晋三は柳瀬証言の正当性を裏付けた。

 対して2018年5月14日の衆院予算委で安倍晋三が公明党の中野洋昌の質問に対して「総理秘書官というのはたくさんの人と会っているのでいちいち報告は上がらない」と答弁、次の質問者である立憲民主党の本多平直が問題視してこの答弁について追及することになった。

 但し安倍晋三から指示もなかったし、報告も一切していないとした柳瀬唯夫の答弁の辻褄合わせが目的の安倍晋三の無理なこじつけ・牽強付会に過ぎないという認識を前提とすることができなかっために本多平直の質問は的を得ることができず、ダラダラとした締まりのない内容のまま終えることになってしまった。 

 2018年5月14日衆院予算委

 本多平直「総理に加計学園問題についてお聞きしたいと思います。私も先週この場で柳瀬元総理秘書官の参考人招致を聞かせて頂きました。本当に納得のいかないことが多い参考人招致だったと思います。

 国民の皆様も共同通信社の世論調査でも75%の方が納得がいかないというお答えをされています。一方で私は野党が本当に粘り強くこの参考人招致を求めてきたお陰で、これまで会ってもいないと、記憶にないと言ってきた面会が何と3回もあったんだと、そういう事実が明らかになったということも一方で一歩前進したと思ってるんですけれども、まだまだ75%の国民の皆さん、ご理解頂いていない、納得頂いていないということなので、さらに質問を続けたいと思います。

 私、先程の答弁聞いていておかしいなと思ったんですよ。総理秘書官というのはそんなにたくさんの人と会っているので、いちいち報告は上がらないということことを総理、先程、中野さんかな、答えられてるんですけど、本当にそうなんですか」

 安倍晋三「私には6名の秘書官がおります。6名の秘書官それぞれの働き方は色々でございますが、あの、同時に総理大臣というのは、ですね、これは仕事は多岐に亘るわけでございます。

 (本田が何か言う)総理大臣の仕事とですね、総理大臣の仕事と報告を受ける時間はですね、密接に関わっておりますので、そのことの説明もして頂かなければ、説明させて頂かなければ、ご納得頂けないのではないかと。

 つまり私に無限の時間があればですね、様々な報告を受けることができるわけでありますが、そうではないということで申し上げているわけでございますが、私の仕事というのはほぼ全省庁に対して、えー、関わってくるわけでございます。

 そして全省庁には様々な進行中の仕事があるわけでございまして、そしてそれはそれぞれ最終段階を迎えればですね、私の判断を仰いでくる。

 あるいは途中経過に於いても私の判断を仰ぐ場合はあります。えー、『A案、B案、C案に絞られてきたんで、どうしましょうか』。あるいは方向性に私に聞かれる場合――」

 本多平直が何か抗議する。

 安倍晋三「今、これ答えているんだろうと思います。方向性についてですね、方向性について、いわば決める。いわばある種の私が判断をしなければいけない、方向性について決めていくということのときに基本的にですね、報告が上がってくる。
 
 それだけで相当の数なんです。相当な報告の数になるわけでございます。

 今日もこれ、5時までですね、5時半か、この委員会がありますが、その後も様々な会議があり、その会議の合間にですね、まさに、これは(秘書官から)報告があるわけでございます」

 本多平直「いや、すみません、先程、総理のお忙しさはよく分かっています。総理の忙しさではなくて、『総理秘書官と言うのはたくさんの人と会っているので、いちいち報告を上げられない』と仰ったんですが、本当ですかという質問なんです。

 総理秘書官がたくさんの外部の方と会っているのか。秘書の方と調節するかもしれませんが、『たくさんの外部の人と会っているのでいちいち報告が上がらない』ということを言われたので、えー、本当にそうなのかということでございます」

 安倍晋三「あの、それはですね、今申し上げたことも含めて、えー、ご理解頂けるのではないかと思います。つまり私は無限の時間があればですね、それは、あのー、(本多平直が何か言う)、いや、それは」

 本多平直「(席から)総理秘書官の話をして下さい」

 安倍晋三「いや、ですから、ですから、総理秘書官との関係に於いても、えー、私に無限の時間があればですね、相当報告する時間を確保できるわけですが・・・

 えー、すみません、私がお答えしている間はですね、暫くちょっと聞いて頂けないでしょうか。その後に疑問があれば、また問い質して頂ければいいんだろうと。その方がですね、実りある議論になるんだろうと、こう思うわけでありますが、そこでですね、今申し上げましたように、私の時間も限られています。

 他方ですね、秘書官も数多くの来客があるわけでございますが、(本多平直が何か抗議)委員長、すみません。普通の会話ではないのですから、私が答えている間は暫く聞いて頂けないとですね、私も答えようがないのでありますが、(ヤジ)、すみません、少し、えー、みなさんも少し静かに聞いて頂かなければ、私もご説明しにくいのでありまして、ご了解頂きたい、このように思います。

 そこでですね、いわば今私が申し上げたいことはですね、私の時間も限られている。他方ですね、秘書官も多くの来客がある。その中で秘書官はですね、取捨選択をして、何を総理に上げて、そこで判断を仰ぐかということについて選択をしていくわけでございます。

 そういう意味に於いて先程答弁をしたところでございます」

 本多平直「私の質問時間限られてるんで、聞いたことに答えてください。私は、総理秘書官が連日たくさんのお客さんと、外部からのお客さんと会ってるんですかということを聞いてるんです。

 総理は今も、『たくさんの人と会っている』と言いましたけど、柳瀬さんの証言は違うんですよ。柳瀬さんは『首相官邸に入ったら、外部の方と会うチャンスは殆どない』と。『だから、アポが来たから、アポが来た人と合うようにしていた』と言ってるんです。

 総理、総理官邸、私も総理補佐官をさせて頂きました。本当にそういう環境で外部の方と総理秘書官がそんなにお会いしていたという感触はないんですよ。で、総理秘書官は、柳瀬さんも、総理秘書官は殆んど外部の人と会えなかったと話をして、総理は今、秘書官はたくさんの人と会っている。これ、どちらが正しいんですか」

 安倍晋三「あの、今、私がたくさんの人と会っているというのは、来客というのは外部の民間人の方の来客もあればですね、他省庁の役人同士の、ま、それが実際殆んどなんですが、役人同士の来客も、これも来客と言う場合も、官邸に来るのは、例えば外務省から来たり、あるいは経産省から来たり、農水省から来たり、内閣府から来たりしますよね、しますよね。

 ですから、そういう意味に於いて来客は多数おりますよ。ずうーっと一人でポツネンとデスクに座って仕事をしているということでは全く無いわけでございまして、そして我々多くの仕事をしておりますので、当然、そういう来客は、来客というのはそういう意味の来客でありまして、いわば柳瀬さんのとこに来て、柳瀬さんさんと話したいという意味に於ける来客はたくさんあるということであります。

 これは大部分の方はご理解頂けるのではないかと思います」

 本多平直「私は理解できないんです。今総理が説明を頂きました。総理秘書官に来る来客というのは殆どが役所の方なんです。普通外部の方の色んなお願い事というのは内閣府に行ったり、農水省に行ったり、文科省、これだってなかなか大変なんですよ。

 で、総理秘書官が外部の業者やそれから自治体の課長クラス、こういう方と会うということが私は異常なので、こういうことがたくさんあったんですか、と言うことを聞いてるんですよ。

 ないということを柳瀬さんは言ってるんで、それに合わせて総理は答弁されたらいいんじゃないんですか」

 安倍晋三「いや、あまり大きな意味はないんだろうと思うわけでありますが、柳瀬秘書官を(ヤジ)、私は大きな意味はないと思いますよ。
それは今お話をさせて頂きます。

 宜しいですか、今私の考え方を率直に述べさせて頂いたところでありまして、言ってはいけないかどうかということはですね、国民の皆様にお決め頂きたいと、こう思います。

 先の参考人質疑に於いてはですね、柳瀬元秘書官は『結果としてご指摘の通りになっただけで、そもそも人と会うときに国家戦略特区の関係か否かで選り分けて面会しているわけでなく、時間の許す限り東京都の方、NGO関係の方、民間の方、地方のベンチャーの方など様々な方と会っていた』と述べていると承知をしているわけでございます。

 そうした方々、且つ役所の方々も含めて、柳瀬さんは様々な方々と会っていたと、来客と会っていたということを申し上げていたわけでございまして、その違いにはないわけでありまして、同じことを、これと同じことを、私に繰返しさせようということであれば、それはもう当然、柳瀬さんの答弁をただ紹介させて頂くことになるのではないかと、こういう意味に於いてですね、大した差はないのではないかと、こういうことでございます」

 本多平直「あのー、それでは聞き方を少し変えますけれども、総理秘書官が一般の地方自治体と、それからまた業者、規制緩和を望む業者と3回も面会したこと自体は今思うと、適切だったと思われますか」

 安倍晋三「これは何回会うかどうかということでありますが、柳瀬さんがですね、答弁をされたのはいわば結果として加計学園の方と
3回会ったということでございますが、しかし、それはですね。ほかから要望があったかないかということにも関わってくるんだろうと、こう思うわけであります。

 当然ですね。また私には6人の秘書官がおりました。それぞれの仕事の遣り方があるとは思いますが、現場の声や生の情報に耳を傾けることが必要と考えることもあるんだろうと思います。

 ただ秘書官によって遣り方が違いますから、あの、外部の方と必ずしもそう頻繁に会わないという遣り方もあるんだろうと、まあ、私は6人の秘書官がおりますから、それはそれぞれの遣り方に任せているわけでございますが、当然ですね。行政の公正・公平が保たれなければならないことは大前提であります。

 そしてそこでですね、では公平であったかどうかということでございますが、特区プロセスはですね。民間有識者が主導して進められておりますが、先の参考人質疑に於いてもワーキンググループの八田座長から柳瀬元秘書官から何の働きかけを受けたことはない、また面会の半年以上前の時点で既に民間人ペーパーで獣医学部新設が重要と明記しており、面会が民間の有識者に影響を与えたことは一切ないことの発言があったことを承知をしているわけですでございます。

 要は、要はですね、面会し、面会した結果ですね、例えば八田座長と民間議員に柳瀬秘書官が働きかけをして、こういう方向でやってくださいと言えば、これはもう問題です。明らかに問題。

 しかしプロセスに於いてはですね、いわば、それが重要な点でありまして、皆さんは一切そこに目を向けようとされないし、八田座長の意見にも耳を傾けようとして頂けないわけでありますが、八田座長はこのようにはっきりと民間議員の全員の皆さんはこう仰ってるわけでありますから、そうした観点からも問題はないと考えております」

 本多平直「あの、安倍総理の周りというのは聞かれなかったら答えないという柳瀬さんのような方がいる。念のため確認しておきますけれども、あの柳瀬秘書官から加計という言葉がない報告、一般的な総理の重点課題としての国家戦略特区での獣医学部の問題についての報告は、時々あったんですか」

 安倍晋三「これまでも答弁をさせて頂いたところでございますが、あの、獣医学部新設に関わる制度論、いわば制度論でございますが、制度論については平成26年の9月9日の特区諮問会議に於ける民間有識者議員からの優先改革項目の提案や、あるいは平成27年6月30日の日本再興戦略改訂2015の閣議決定に際し、獣医学部新設を含む規制改革項目の全体像について説明を受けたことがあったと思いますが、今治市や加計学園などといった個別具体的な話を全くしていないということでございます」

 本多平直「あの、今の話ではなくて、柳瀬秘書官から、あの、ときより報告が入ってたんですかってことなんですよ、私の質問は」

 安倍晋三「今、お答えをしたのですが、柳瀬さんとの会話について今申し上げたわけでございまして、獣医学部新設にかかる制度論についてはですね、制度論については2千、平成26年9月9日の特区諮問会議に於ける民間有識者議員からの優先改革項目の提案があった際には説明を受けました。
 これは、あの、この獣医学部だけではなくて、たくさんの提案の一つとして説明を受けました。平成27年6月30日の日本再興戦略改訂2015の閣議決定などに際してもですね、寸前に説明を受けるわけでございますが、獣医学部新設を含む規制改革項目の全体像について説明を受けたことはあったと思います」

 先ず安倍晋三の本多平直に対する答弁は質問に端的には答えずに柳瀬唯夫が安倍晋三に面会の報告をしていないことの理由をあれこれと多弁を弄して納得させようとするものとなっている。

 雄弁とは異なる。こじつけのために否応もなしに多弁になっているに過ぎない。

 これはウソつきがウソを事実と信じ込ませることは不可能であるにも関わらず、事実と信じ込ませようと多くのウソでしかない言葉を費やさざるを得なくなるす習性から出るのと同じ多弁さであって、安倍晋三の答弁は一言で言うと、それと同じである。

 大体から言って、安倍晋三が質問者の追及に直接答えずに関係ないことを長々と答弁する場合は、ウソつきの原理に基づいていると見ていい。

 本多平直は自身に対する安倍晋三の答弁がウソつきの自己正当化の原理に基づいていることも気づかなければならなかった。

 本多平直は首相官邸面会に参加した愛媛県職員が残した文書に記してあった、〈加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があったとのことであり、その対応策について意見を求めたところ、今後、策定する国家戦略特区の提案書と併せて課題への取組状況を整理して、文科省に説明するのがよいとの助言があった。〉とする件について追及を変えている。

 安倍晋三はフジテレビの番組では「(報告がないことは)全然問題ではない。国家の重大事でない限り、途中経過を報告することは殆どない」と発言、公明党の中野洋昌に対しては「総理秘書官というのはたくさんの人と会っているのでいちいち報告は上がらない」と答弁。

 「国家の重大事でない限り、途中経過を報告することは殆どない」ことと「たくさんの人と会っているのでいちいち報告は上がらない」こととの理由は同次元で扱うことはできない楯と矛の関係を築いている。

 前者は面会人数の多さからの多忙さではなく、政策の重要性を報告の基準としている。後者は政策の重要性には関係なしに面会人数の多寡が報告の基準となっている。

 後者で言うと、「たくさんの人と会っていなければ、国家の重大事でなくても、途中経過を報告することもあり得る」ことになって、前者の理由と矛盾することになる。本多平直はこの矛盾をなぜ突かなかったのだろうか。

 安倍晋三は「私に無限の時間があればですね、様々な報告を受けることができる」と断りながらも、「進行中の仕事」が「最終段階を迎えれば、私の判断を仰いでくる。途中経過に於いても私の判断を仰ぐ場合はある。様々な案が絞られてきた場合も、方向性につての質問もある」と報告の実態について解説している。

 この発言のどこもこフジテレビで発言した報告の基準とした「国家の重大事」といった政策の重要性は窺うことはできないし、総理秘書官の面会者数の多い少ないかは何も問題にはしていない。

 要するに言っていることは、報告は秘書官それぞれの判断だとしている。当然と言えば当然だが、だとしたら、安倍晋三の首相としての多忙さも報告の阻害要件とはしていないことを示すことになり、「私に無限の時間があればですね」は報告がなかったことを正当化するためのこじつけに過ぎないことになる。

 「無限の時間」があるとかないとかではなくて、秘書官からの報告も首相の多忙を形成する要因の一つであり、でなければ、6名も秘書官を置いて国政遂行の一翼を担わせる意味がなくなる。

 と言うことは、首相官邸面会を報告することもあり得ることになる。だが、柳瀬唯夫は何も報告しなかったとしている。

 「今日もこれ、5時までですね、5時半か、この委員会がありますが、その後も様々な会議があり、その会議の合間にですね、まさに、これは(秘書官から)報告があるわけでございます」は、「私に無限の時間があればですね、様々な報告を受けることができる」と言っていることを自ら否定するこじつけそのものとなる。

 本多平直は「総理の忙しさではなくて、『総理秘書官と言うのはたくさんの人と会っているので、いちいち報告を上げられない』と仰ったことは事実か」一本に拘って追及して、巧まずして安倍晋三の発言の矛盾とこじつけを引き出すが、それを矛盾として、あるいはこじつけとして突くのでなければ、結果的にウソつきの原理に基づいた多弁な答弁を許すだけとなっている

 安倍晋三は総理秘書官は多くの来客があり、忙しいが、そういった忙しさの中でも、「取捨選択をして、何を総理に上げて、そこで判断を仰ぐかということについて選択をしていく」と一つの結論を示すが、「国家の重大事でない限り、途中経過を報告することは殆どない」としたフジテレビでの発言とも、公明党の中野洋昌に対する「総理秘書官というのはたくさんの人と会っているのでいちいち報告は上がらない」とした答弁とも異なる矛盾した、それゆえにこじつけに過ぎない結論をウソつきでなければできない平気さで披露している。

 辻褄が合うはずもない異なる答弁、矛盾した答弁に異なってもいない、矛盾もしていないと辻褄を合わせようとすれば、合うはずもないから、自ずと多くの言葉を費やしてこじつけ・牽強付会に走らざるを得なくなる。天性のウソつきでなければできない技であろう。

 ご丁寧にも秘書官というものが如何に来客で多忙かを証明するために「来客というのは外部の民間人の方の来客もあればですね、他省庁の役人同士の、ま、それが実際殆んどなんですが、役人同士の来客もある」と、内幕まで曝け出さなければならなくなっているのも、辻褄が合うはずもない異なる答弁、矛盾した答弁に辻褄を合わせようとするからだろう。

 安倍晋三は柳瀬唯夫から首相官邸面会の報告はなかったとする一方で、この報告の有無が焦点となっているにも関わらず、柳瀬唯夫からは獣医学部新設に関わる制度論について「平成26年9月9日の特区諮問会議に於ける民間有識者議員からの優先改革項目の提案があった際には説明を受けました」と、報告の機会を無関係なところにまで広げて辻褄を合わせようとしている。 

 獣医学部の新設を規制改革の一つ、制度論として議論することと、首相秘書官が獣医学部新設を狙う特定の学校法人関係者と首相官邸で面会することとは次元の違う問題であるはずだ。次元が違いながら、同じ次元として扱うにはこじつけ・詭弁なくして扱うことはできない。

 加計学園が新設獣医学部の事業主体として初めて公に名乗り出たのは四国今治市への獣医学部新設決定を受けて内閣府が2017年1月4日に事業主体を1月11日期限で公募、1月10日に応募した際であって、これより遡ること2年9カ月前に加計学園関係者が国家特区の自治体と共に2015年4月2日に首相官邸で首相秘書官と面会した。しかも面会の報告は安倍晋三にはなかった。

 これらの前後関係に辻褄を合わせるためにこじつけ・牽強付会を様々に用いなければならない。しかもこれらのこじつけ・牽強付会は多くの言葉を費やした多弁によって成り立たせている。ウソつきがウソを事実と思い込ませるときのようにである。

 柳瀬唯夫が首相官邸面会は安倍晋三からの指示ではない、面会結果を安倍晋三に報告はしていないとしていることを何もかもウソにすることになる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする