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安田純平氏過激派人質自己責任論の是非 大本営発表の回避が戦場ジャーナリストの使命

2018-10-30 12:01:21 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。


 題名を見ただけで、言わんとしている趣旨は理解できると思う。

 2015年6月にシリアで行方不明となり、国際テロ組織アルカイダ系の武装組織に拘束されたと見られていた戦場ージャーナリストの安田純平氏(44)が解放されたとの情報が10月23日夜、日本政府に寄せらたという。拘束は3年4カ月間に亘ったことになる。

 行方不明当時、武装組織との仲介役を務めていたシリア人活動家が武装組織は150万ドルの身代金を要求していたが、自身の交渉によって50万ドルにまで値下げさせることができるといったことを述べたとマスコミは伝えていた。当然、身代金を支払った上での解放なのか、支払わずに交渉のみで解放に漕ぎつけたのかが関心の的となる。

 2018年10月24日付「NHK NEWS WEB」

 官房長官菅義偉の10月24日閣議後記者会見。

 菅義偉「在トルコ日本大使館員が現地におもむき、安田氏本人であるかの確認を行うとともに、健康状態についても確認を行うことになっている。確認は、日本時間の午後3時以降になる見込みだ。職員は現地には到着している」

 記者「解放の条件として身代金の要求はなかったか」

 菅義偉「身代金を払ったという事実はない。武装組織とは直接交渉は行っていない。日本政府としては事案が発生して以来、カタール、トルコをはじめとする関係国にも協力を依頼し、さまざまな情報網を駆使して全力で対応を進めてきた。安倍総理からも大統領、国王に対し強い依頼をしてきた。

 今回の案件は官邸を司令塔とする国際テロ情報収集ユニットを中心に、カタール、トルコをはじめとする各国に協力を求めてきた。これ以上は事案の性質上控えたい」

 武装組織は身代金を要求して3年4カ月間という長い期間に亘って安田純平氏を拘束していた。その執念からして、身代金を手に入れずに解放したとは考えにくい。身代金なしの解放なら、武装組織側が余程の状況の変化に見舞われたかしていなければならない。日本の国際テロ情報収集ユニットがいくら官邸を司令塔としていたとしても、武装組織側に状況の変化を与える力はないはずだ。指摘されているとおり、シリア政府軍の反政府軍を追い詰めつつある攻撃が安田純平氏を人質とした武装組織側をも窮地に立たせることになって、人質を身代金無しで開放せざるを得なくなったということなのだろうか。

 だが、常識的に考えて、官邸司令塔の国際テロ情報収集ユニットが解放任務の前線に立ち、武装組織との直接交渉は避ける形でだが、カタールやトルコを通した解放の依頼交渉を行い、安倍晋三自身もカタール、トルコ、その他の関係国に武装組織に対する人質解放依頼を直接行っていたとしたら、武装組織側は様々な方面から人質解放の交渉を受ける優位な立場に無条件に立つことができていたことになる。

 つまり売り手市場の状況にあったのだから、シリア政府軍の攻撃で追い詰められた状況に立たされていたとしても、人質を無償解放しなければならないどころか、逆に身代金の値を吊り上げてもいい好条件に恵まれていたはずだ。

 2018年10月24日付「NHK NEWS WEB」記事がシリア内戦の情報を集めている「シリア人権監視団」の10月23日発出の声明の要旨を紹介している。

 解放の交渉は中東のカタールとトルコが主導して行い、4日前の10月19日に解放された。但し政治的なタイミングを考慮して後日の発表となった。テロ組織の支援につながる怖れがあるとして日本政府は身代金を払わなかったが、解放と引きかえに身代金が支払われた。

 支払ったのがどこか、「YOMIURI ONLINE」記事が読売新聞の取材に対する在英民間団体「シリア人権監視団」のラミ・アブドルラフマン代表の発言として伝えている。

 ラミ・アブドルラフマン代表「カタールが身代金300万ドル(約3億3700万円)を支払った。カタールは日本人の人命救助への貢献を国際社会にアピールするためだった。日本政府はテロ組織への身代金支払いは拒否した」

 この身代金300万ドル(約3億3700万円)は当初要求していた150万ドル(約1億7千万円)のほぼ2倍に当たる。2倍にすることができた理由は武装組織側が日本政府の依頼を介したカタールやトルコからの人質解放の交渉を受けて、解放に於ける売り手市場に立つチャンスに恵まれたからだろう。

 このような推測の一事を以って、カタールの身代金300万ドル(約3億3700万円)の支払いは事実と推測できる。問題は日本政府がその身代金をあとで秘密裡に補填するのか、しないのかである。補填しないとしたら、武装組織に身代金要求の人質となった場合は身代金を払わない範囲内の限定的な「国民の命を守る」と言うことになる。

 つまり身代金を支払わないことによって例え殺害されたとしても、仕方がない程度の「国民の命を守る」にしていたことになる。

 あとで秘密裡に補填するとしたら、日本政府が直接身代金を支払った場合に確立されることになる武装組織側に身代金支払い国とされて日本人がより人質の標的とされる恐れを避ける意味合いからの方便に過ぎないことになる。

 但しいずれは身代金を補填する予定でいたなら、拘束が3年4カ月間に亘ったことは長過ぎる。どこの国が解放の代理を務めたとしても、身代金要求に対してその支払を以って交渉に臨んでいたなら、相手の要求金額に折り合いを付ける形での解決を目指さなければ、人質の解放を手に入れることは難しくなる。

 外務省は過激派組織「イスラム国」が勢力を拡大しているとして2011年4月からシリア全土に対して最も強い危険情報である「退避勧告」を出し、渡航しないよう呼びかけていた。安田純平氏がこのことを無視してシリア入りしたことに対する懲罰の意味で時間を置いたことから、3年4カ月後の解放ということになったのだろうか。

 自国民の「人命第一」として、あるいは「国民の命を守る」を最優先事項として身代金を支払った場合、それが武装組織のテロや誘拐の新たな資金となることから、「人命第一」、あるいは「国民の命を守る」は日本国民に限った要件となり、他国民の「人命第一」、あるいは「命を守る」ことにならないという理由で身代金は支払うべきではないと考える立場があるが、私自身もその考えに与(くみ)している。

自国民の命だけを考えた場合、自国民と他国民の命に差別をつける一国主義に陥ることになる。

 安倍政権があとで補填しようがしまいが、カタールが300万ドル(約3億3700万円)もの身代金を支払ったとしたら、安倍政権は間接的に自国民と他国民の命に差別をつけたことになる。

 他方、渡航自粛のシリアに危険を承知で自らの意思で入ったということから、自己責任論が噴出、その文脈での身代金は支払うべきではないという主張も存在するということだが、だからと言って、戦場ジャーナリストの居場所を奪った場合、外部の人間は戦争当事国、あるいは紛争当時国の報道のみに接する機会しか与えられないことになる。

 その報道は戦前日本の大本営発表と同じく、戦争当事国や紛争当事国に都合のいい内容、あるいは宣伝に利する内容ばかりとなって、そこで何が行われているか、何がどのように起きているのかの事実から遠ざけられることになり、正しい判断や行動を奪われることになる。

 戦前の日本は新聞やラジオに対する検閲が厳しく、従軍記者が戦地で見聞きした都合の悪い事実は隠されるか、あるいは事実とは程遠い、国民を鼓舞するデッチ上げた戦果を伝えるか、そのような役目を担わされたばかりか、大本営自体が偽りの事実のみを発表して、国民は事実に目隠しされた世界に置かれた。

 このような状況となった場合、戦前の日本がそうであったように国家権力は国民の批判や反対から守られることになって、どのような決定も国家権力の恣意に任される危険性を招くことになる。
 
 安倍政権が直接的にも間接的にも自国民と他国民の命に差別をつけることを避けるために武装組織に人質となった場合の日本人の解放に身代金の支払いを拒否する姿勢を取っているとしたら、解放交渉を依頼した他国に対しても身代金の支払いを拒否しなければ、自他国民に対する間接的な命の差別となって現れ、自らの姿勢と整合性が取れないことになる。

 整合性ある姿勢を守るためには身代金要求の人質を獲った武装組織に対しては身代金を払わない範囲内での人質解放交渉に徹底することを国民の前に明らかにすべきであるし、明らかにした上で戦争当事国、あるいは紛争当時国が発出する報道のみしか知らされない状況を回避するために戦場ジャーナリストがそのような場所に危険を承知で出かけることを良しとすべきだろう。

 このようなルールを国民に明らかにしたなら、戦場ジャーナリストの使命に納得して自己責任論が姦しく噴出することもないはずだ。

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安倍晋三の所信表明「激動する世界をそのど真ん中でリードする日本を創り上げる」の大言壮語・誇大妄想のハッタリ

2018-10-29 11:27:53 | 政治
                                     

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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。 

 2018年10月24日 第197回国会に於ける安倍晋三所信表明演説(首相官邸サイト)

一 はじめに

 まず冒頭、本庶佑(ほんじょ たすく)特別教授のノーベル生理学・医学賞受賞を心よりお慶び申し上げます。日本で生まれた研究成果が、世界中のがんで苦しむ人々に大きな希望の光をもたらしている。同じ日本人として、大きな誇りであります。

 「定説を覆すことで、新たな世界が広がる」

 この世界的な偉業をもたらしたのは、本庶先生の、これまでの「常識」にとらわれない、全く新しいアプローチでありました。

 世界は、今、かつてないスピードで、変化しています。

 この、わずか5年余りの間に、人工知能は急速な進歩を遂げ、様々な分野で人間の能力を凌駕(りょうが)しようとしています。膨大なデジタルデータが、世界を瞬時に駆け巡り、全く新しい価値を生み出す時代となりました。

 次の5年、いや3年もあれば、世界は、私たちが今想像もできない進化を遂げるに違いない。そうした時代にあって、私たちもまた、これまでの「常識」を打ち破らなければなりません。私たち自身の手で、今こそ、新しい日本の国創りをスタートする時であります。

 強い日本。それを創るのは、他の誰でもありません。私たち自身です。

 激動する世界を、そのど真ん中でリードする日本を創り上げる。次の三年間、私はその先頭に立つ決意です。私たちの子や孫の世代のために、希望にあふれ、誇りある日本を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか」

 先ずノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑特別教授の「『常識』にとらわれない、全く新しいアプローチ」による研究成果を以って定説を覆して新たな世界を獲得する模範的な例として持ち上げている。

 しかし何事も"絶対"は存在しない。「日本で生まれた研究成果が、世界中のがんで苦しむ人々に大きな希望の光をもたらしている」としても、本庶佑特別教授の研究成果を基に開発された、「人が本来持つ免疫力を利用してがんを攻撃し退治する免疫チェックポイント阻害剤(オプジーボ)」(「コトバンク」から)が全てのガンに効くわけではない。

 いつの世に於いても、如何なる時代に於いても、人間世界に"絶対"は存在しないということは「常識」であって、この「常識」は覆すことはできない。人間は様々な進歩や進化もたらすが、決して万能というわけではない。

 《「オプジーボは万能ではない」患者団体が注意呼びかけ》朝日新聞デジタル/2018年10月5日16時24分なる記事に案内されて、文中に記されているページにアクセスしてみた。

 《免疫チェックポイント阻害剤を含む免疫療法に関する注意喚起》一般社団法人 全国がん患者団体連合会(全がん連)/2018年10月5日)

このたびの本庶佑先生のノーベル生理学・医学賞の受賞は、私たちがん患者や家族に大きな希望をもたらし得るものであり、がんの克服に向けた貴重な一歩となることが期待されています。一方で、その成果の一つである免疫チェックポイント阻害剤は現状では効果が期待できるがんの種類などは限られており、免疫チェックポイント阻害剤特有の副作用などもあることから、慎重に投与されることが必要な薬剤です。このことを踏まえ、免疫チェックポイント阻害剤を含む免疫療法に関して、ここに注意を喚起する声明を発表いたします。

    ・・・・・・・・

なお、免疫チェックポイント阻害剤では、致死的又は重篤な副作用、従来の治療薬ではみられなかった新しい副作用もあることがわかっています。その使用にあたっては、厚生労働省によるガイドラインに準拠した治療が行える一定の医療機関で治療を行うことが推奨されており、自費診療を行う一部のクリニックなどでは、科学的根拠が明らかでない免疫細胞療法との併用や、添付文書に記された投与量よりもはるかに少ない投与量での投与方法、重篤な副作用が出た場合などの緊急時に対応の出来ない体制であるなど、その有効性や安全性を担保できない危険な治療が行われている場合があり、注意が必要です。〉

 記事は適応ガンを例示しているが、治療に適応しているからと言って、全てに於いて完治する保証があるわけではないはずだ。

 にも関わらず、安倍晋三は"定説を覆すことで獲得した新たな世界"がさも"絶対"、あるいは"万能"であるかのように言うことで自身が"定説を覆して新たな世界を広げる旗手"であるかのような言辞を用いている。これをハッタリと言う。

 「強い日本。それを創るのは、他の誰でもありません。私たち自身です」

 「強い日本」を創ることは結構毛だらけ、猫灰だらけだが、「激動する世界を、そのど真ん中でリードする日本を創り上げる。次の三年間、私はその先頭に立つ決意」はハッタリもハッタリ、誇大妄想のハッタリ、大言壮語のハッタリに過ぎない。

 なぜなら、国際社会は、特に経済に於いて各国共にグローバリズムに基づいた相互依存の力学下に置かれているゆえに一国の経済が世界の経済に多大に貢献することがあっても、単独で世界の経済をリードするという現象はあり得ないからだ。

 具体的には日本はアメリカや中国、その他の国があってこその日本であり、中国にしても、アメリカや日本、その他の国があってこその中国であり、アメリカも中国や日本やその他の国があってこそのアメリカなのだから、このような相互性を強いるグローバリズムの世界ではどこかの国が先頭に立って「リード」するという関係は生まれてこない。

 米中貿易戦争への懸念からの米国株の下落が日本株や中国株に影響を与えて下落を誘う現象も、米金利上昇からの世界同時株安も、それが一時的なものであっても、世界の経済が相互依存関係を核としたグローバリズムの影響下にあるからだろう。

 安倍晋三は2018年10月25日から27日までの中国訪問を前に人民日報など中国メディアの合同書面インタビューに応じている。「人民網日本語版」(2018年10月24日11:10)(一部抜粋)
 
 「改革開放40年で中国は世界の注目する発展の成果を得た。中国の発展は日本さらには全世界にとって多大なチャンスだ。日本と中国は共にこの地域及び世界の平和・繁栄に対して重大な責任を担っており、大局的観点から、友好協力関係を安定的に発展させるべきだ。

     ・・・・・・・・・・・・

 40年で中国は注目すべき多大な発展を遂げ、世界第2の経済大国となった。現在、日中貿易は総額約3000億ドルで、両国経済はすでに密接で分かちがたい関係になっている。中国の経済発展が日本さらには全世界にとって多大なチャンスであり、歓迎すべきであることにいささかも疑いはない」――

 ここに見る安倍晋三の発言からは「激動する世界を、そのど真ん中でリードする日本を創り上げる」といった日本の勇ましい主体性、勢いは見えてこない。見えるのは中国経済の恩恵に与ろうとする依存関係のみである。いわば日本を中国の下に置いた日中「友好協力関係」で、「この地域及び世界の平和・繁栄に対して重大な責任を担って」いると従属性を匂わせている。

 「中国の発展は日本さらには全世界にとって多大なチャンスだ」にしても、「中国の経済発展が日本さらには全世界にとって多大なチャンスであり、歓迎すべきであることにいささかも疑いはない」にしても、日本と中国、さらには世界が相互依存関係にあることの言い替えではあるが、その相互依存関係に自ずと順位をつけている。

 これは当然と言えば当然のことであろう。今後米中貿易戦争で様相がどう変わるか見通すことはできないが、これまでは中国は2030年までに米国を抜いて世界第1位の経済大国になると予想されていたのである。日本は現在の3位から、7位へと後退すると予想されていると言う。

 この一点を取り上げただけでも、「激動する世界を、そのど真ん中でリードする日本を創り上げる。次の三年間、私はその先頭に立つ決意」は大言壮語・誇大妄想のハッタリとなる。

 安倍晋三は2014年11月18日に衆議院の解散を告げる記者会見で2015年10月に消費税8%から10%への増税予定を「アベノミクスの成功を確かなものとするため」という理由をつけて18カ月間、2018年4月まで延期することを表明した。

 ところが、この約束を反故にして2016年6月1日の「記者会見」で更に30カ月延期して2019年10月1日に増税の着地点を持っていくことになった。延期の理由を次のように述べている。

 安倍晋三「中国など新興国経済に『陰り』が見えることです。リーマンショックの時に匹敵するレベルで原油などの商品価格が下落し、さらに、投資が落ち込んだことで、新興国や途上国の経済が大きく傷ついています。

これは、世界経済が『成長のエンジン』を失いかねないということであり、世界的な需要の低迷、成長の減速が懸念されます」――

ここに挙げた発言はグローバリズムという世界規模の経済一体性に制御された、それゆえに一体性に関係した影響は回避困難な相互依存関係にあることを認識している物言いとなっている。中国が不況に陥れば、アジア各国のみならず、日本も不況に見舞われかねないという相互依存関係である。

 但しここでは日本の経済を悪影響を受ける側に位置させているが、悪影響を与える側に位置しない保証はどこにもない。良くても悪くても相互依存の関係から抜け出すことはできない。

 当然、相互依存の関係は誰が「先頭に立つ」といった直線的な関係ではなく、お互いがお互いに手を繋ぎ合って円をなす関係にある。経済規模が大きい国は各国の経済活況に与える貢献度、全体としての世界経済の成長に与える貢献度は高くても、その経済規模の大きさが一歩不況に陥ると、悪影響の大きさとなって跳ね返ってくる。

 かくこのよう各国の経済はグローバリズムの宿命によって良くても悪くても相互依存関係にあり、そのことを認識しているはずの立場にありながら、あるいは日本の経済力から言って世界の経済に対する貢献度が中国やアメリカよりも小さいにも関わらず、「激動する世界を、そのど真ん中でリードする日本を創り上げる。次の三年間、私はその先頭に立つ決意だ」とグローバリズムが要求することになっている各国との相互依存関係を投げ捨てて、臆面もなく言うことができる。

 トランプの米国第一主義にカブレでもしたのだろうか。出来もしないことをできるかのように言うことを大言壮語・誇大妄想のハッタリ言う。

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靖国参拝は国家優先・国民従属の関係性を内包/韓国の対抗措置・挑発としての竹島上陸と文在寅の竹島警備隊激励か

2018-10-26 11:14:11 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。 

 超党派の国会議員でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の衆参両院の国会議員71人が10月18日、秋の例大祭に合わせて午前8時に靖国神社本殿に昇殿、揃って参拝をしたと2018年10月18日付「NHK NEWS WEB」記事が伝えていた。

 記事を読むと、この超党派国会議員団は秋の例大祭だけではなく、春の例大祭と8月15日の「終戦の日」の参拝も年中行事化させていることが分かる。安倍内閣からは衛藤総理大臣補佐官や高鳥農林水産副大臣、山田防衛政務官らが参拝したが、この記事では触れていないが、今回は閣僚からは一人も参加しなかったということで、安倍晋三による10月25日の訪中、習近平国家主席との首脳会談を控えて波風を立てないための配慮だと別の記事が伝えていた。

 このような安倍晋三の配慮は状況の変化に応じて行動する日和見主義・機会主義を発端としていて、決して決定事項としたわけではなく、来年の春の例大祭にはまたぞろ国会議員も参加することになるに違いない。

 靖国神社参拝での「国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊に対して哀悼の誠を捧げる」云々の英霊に対する称揚と哀悼は戦前日本国家と国民の関係性を理想としているからこそ発露される精神性であって、当然、参拝は戦前日本国家を理想の国家像とした靖国神社を舞台とした、日本国家に対する称揚の儀式でもあり、このような儀式を政治の次元で重要としているのはそのような理想の国家像を戦後日本国家に連続させたいと欲しているからに他ならないといったことをブログに常々書いてきた。

 戦前日本国家を理想の国家像とする精神性なくして英霊に対して「国のために戦った」とする称揚の精神性は発揮されることはない。

 また、戦前の日本に於いては古墳時代や飛鳥時代の昔から世俗権力者たちが天皇に絶対的独裁権力を纏わせて、天皇の名に於いてその独裁権力を揮うことで実質的な国民統治装置としてきた権力の二重構造を歴史としてきた。

 江戸時代に於いても天皇を頭に戴いて徳川幕府が独裁的な国家権力を実質的に握ってきたように明治の時代に於いても同じ権力構造を引き継いで薩長政府が、後には軍部が実質的な国家権力母体となって独裁的権力を揮ってきた。

 勿論のこと、独裁性を纏った国家権力は国家優先・国民従属を構造的に内包している。国民優先・国家従属の独裁性は有り得べからざる逆説性を描くことになって、独裁性の破綻そのものを物語ることになる。

 にも関わらず、そのような独裁性を纏った戦前日本国家を今の政治家たちが理想の国家像とする精神性を宿している。当人たちがどう否定しようと、その精神性に国家優先・国民従属の関係性を内包しているからであって、内包している国家優先・国民従属の関係性が理想の国家像とする戦前日本国家の国家優先・国民従属の関係性と呼応させているからに他ならない。

 いわば靖国参拝は戦前日本国家が内包させていた国家優先・国民従属の関係性と自らが内包させている同じ構造の関係性を呼応させる儀式でもあり、であるからこそ、靖国神社を舞台として戦前日本国家を理想の国家像とした称揚の儀式ともし得る。

 このように戦前日本国家を理想の国家像とする精神性が「教育勅語」にも反映されて、それが独裁性を纏わせた天皇への奉仕に役立たせるための道徳規範でありながら、靖国参拝をする政治家たちに現代にも通じる道徳的な価値観だからと道徳教育への教材としたい欲求を疼かせ、戦前と戦後に連続性を持たせたい願望を働かすことになる。

 このような「教育勅語」への肯定的態度にしても、自らが内包させている国家優先・国民従属の関係性と戦前日本国家が内包させていた同じ構造の関係性とを呼応させているからに他ならない。

 国家と国民の在り様に於いて国家優先・国民従属の関係性を内包させているからこそ、靖国神社を参拝して、「国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊に対して哀悼の誠を捧げる」云々の英霊に対する称揚と哀悼が可能となる。戦前日本の戦争を侵略戦争だと否定的に捉えていたなら、「国のために戦った」と称揚することなどできない相談で、「国の犠牲になった」と悼み、この文脈での戦死者に対する哀悼となる。
 
 日本の超党派の国会議員71人が雁首を揃えて秋季例大祭の靖国神社に参拝したのは10月18日。その4日後の10月22日に韓国の超党派の国会議員13人が2018年10月22日に日本が領有権主張する島根県の竹島に上陸、韓国国旗と横断幕を掲げて韓国領土であることをアピール、駐留する警備隊員を激励したと「NHK NEWS WEB」記事が伝えていた。

 〈上陸した議員の1人は写真をフェイスブックで公開し、目的について「日本を糾弾し、正しい歴史認識を広めるための訪問だ。韓国の土地だということを世界に示さなければならない」〉と書かれていたという。

日本の超党派国会議員の靖国参拝に対して韓国の超党派国会議員の竹島上陸、その目的を「日本を糾弾し、正しい歴史認識を広めるための訪問だ」としている。前者に対する後者による目には目の挑発的な対抗措置であることは明らかである。

 韓国の超党派国会議員の竹島上陸10月22日から3日後の10月22日に韓国大統領の文在寅がソウル市内で行われた「警察の日」記念式典で演説し、「本日は『独島(島根県竹島の韓国名)の日』でもある。わが領土の最東端を守っている慶尚北道地方警察庁の『独島警備隊』の皆さんに格別の激励のあいさつを送る」と述べたと2018年10月25日付「時事ドットコム」記事が伝えている。

 記事は、〈「独島の日」は民間団体が定めた記念日で、慶尚北道の議会は条例で毎年10月を「独島の月」に制定している。〉と解説している。つまり韓国国家が決めた記念日でないにも関わらず、韓国大統領が「本日は『独島の日』」だとして、この日に関連付けて独島警備隊に対して「格別の激励のあいさつ」を送った。

 もし日本の超党派国会議員による71人もの大々的な靖国参拝がなかったなら、韓国大統領は国家が決めた記念日でないにも関わらず、「独島の日」に因んだ「格別の激励のあいさつ」を独島警備隊に送るだろうか。この「格別の激励のあいさつ」にしても、日本の超党派国会議員の靖国参拝に対する韓国側の目には目の挑発的な対抗措置、いわば韓国の歴史認識に対する日本側の歴史認識に立った土足で踏み込むような傍若無人な振舞いに韓国側が自らの歴史認識に立った挑発行為で日本側の歴史認識に応じたとしか見えない。

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麻生太郎の平等性担保可能な社会保障制度の構築を考えない医療費負担「アホらしい」同調は政治家の資格なし

2018-10-25 11:43:50 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。  
 
 財務大臣兼自民党副総裁の麻生太郎(78歳)がまたまた名言を吐いたようだ。「共同通信47NEWS」/2018.10.23 13:03)

 10月23日(2018年)の閣議後の記者会見。

 麻生太郎「飲み倒して運動も全然しない(で病気になった)人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはアホらしくてやってられんと言っていた先輩がいた。良いことを言うなと思った」

 23日の記者会見発言で記事が紹介しているのはこれだけだが、〈不摂生の結果、病気になった人への医療費支出を疑問視する見方を示した。〉との解釈を付け、さらに、〈健康管理の自己責任を強調したとみられるが、健康な人も保険料を拠出するのが社会保険制度の基本で、批判を招きそうだ。〉と解説している。

 そして最後に、〈麻生氏は首相だった2008年にも経済財政諮問会議で「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」と発言し、後に陳謝した。〉ことを紹介している。 

 上記のような発言に対して一定程度バランスを取ろうとした麻生太郎の別の発言を同日付「時事ドットコム」記事が紹介している。

 麻生太郎「人間は生まれつきがある。一概に言える簡単な話ではない」

 先天性や後天性であっても、交通事故に遭遇した等の自己責任外の罹病者たちの健康に努力したくてもできないケースに対しては止む得ない保険料の負担となるから、健康への努力を厳格に基準とすることは難しいという意味なのだろう。

 麻生太郎の発言は不摂生をしている人間の医療費を健康に気を使って摂生している人間が払うことは「アホらしい」と疑問視したのは先輩であって、その疑問は的を得た指摘だとして麻生太郎が同調する形を取っている。往々にして他人の言葉を借りる形で自分の考えを主張する、あるいは自身の考えでありながら、他人の言葉であるかのように装って自分の考えを主張するということがある。

 実は2008年の「たらたら飲んで」云々の発言を捉えて、大衆を愚かと見る衆愚意識からの発言だと2008年11月28日付の当ブログ、「打率8割の麻生失言/またまたヒット、「何もしない人の分を何で私が払う」と題して書いている。

 この発言はブログで犯取り上げなかったが、2008年11月20日の経済財政諮問会議での発言で、11月26日に公開された 「議事要旨」で明らかになった。そこから麻生の発言を見てみる。文飾は当方。

 与謝野馨「ただ、社会保障は放っていたら、幾らでもお金が出ていってしまう。 これは相当注意深く物事をやっていかなければいけないし、効率化というのは大 事な目標である。

だから、地方財政については、鳩山(邦夫)議員がおっしゃる通りである。全国知事会会長の麻生福岡県知事にはいつも『地方財政が大変だったら、税制改革に知事会も協力してほしい』と申し上げてきた。今の話は、市町村長も含めた話だから、やはり 総務大臣が先頭に立って、知事会、市町村会が税制改革全体を国民に理解していた だくために、大きな貢献をしていただいた方が、物事はスムーズにいくと思うので、 これは鳩山大臣に課せられた大きな使命ではないかと思っている。

時間になりましたので、議長、お願いします」

 麻生太郎「 67 歳、68 歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる。彼らは、学生時代はとても元気だったが、今になるとこちらの方がはるかに医療費がかかっていない。それは毎朝歩いたり何かしているからである。私の方が税金は払っている。たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金を何で私が払うんだ。だから、努力して健康を保った人には何かしてくれるとか、そういうインセンティブがないといけない。予防するとごそっと減る。

 病院をやっているから言うわけではないが、よく院長が言うのは、『今日ここに来ている患者は 600人ぐらい座っていると思うが、この人たちはここに来るのにタクシーで来ている。あの人はどこどこに住んでいる。』と。みんな知っているわけである。あの人は、ここまで歩いて来られるはずである。歩いてくれたら、2週間したら病院に来る必要はないというわけである。その話は、最初に医療に関して不思議に思ったことであった。

 それからかれこれ30年ぐらい経つが、同じ疑問が残ったままなので、何かまじめにやっている者は、その分だけ医療費が少なくて済んでいることは確かだが、何かやる気にさせる方法がないだろうかと思う。

 与謝野馨「それでは、時間になりましたので、今日の議論を次のようにとりまとめしたいと思います。〉

 ここでの発言を見ると、10月23日の閣議後記者会見発言は自身の考えでありながら、先輩の言葉であるかのように装って自分の考えを主張する類いのように見える。

 麻生太郎は総理大臣として経済財政諮問会議の議長を務めていた。

 健康に気を使わないことでかかることになっている医療費を健康に気を使って医療費の少ない者が負担するのは不公平だから、「努力して健康を保った人には何かしてくれるとか、そういうインセンティブ」を与えることができれば、不摂生な人間も健康に気を使うことになって、「予防するとごそっと減」って医療費節減となり、より平等性が担保できる。

 経営している病院の院長から来院にタクシーを使わずに歩いて健康に気を使えば、病院に来る必要がなくなるという話を聞いてから、「かれこれ30年ぐらい経つが、同じ疑問が残ったまま」の状況の無変化を危惧しているが、「何かまじめにやっている者は、その分だけ医療費が少なくて済んでいることは確かだが、(健康に気を使わない人間に)何かやる気にさせる方法がないだろうかと思う」と、医療費のより公平な分担を図るために不摂生に分類される者たちに病気にならないよう、健康の維持を心がける「インセンティブ」を植え付ける方法はないものかと思案を口にした。

 但し当時内閣府特命担当大臣(経済財政政策)だった議事進行役の与謝野馨から「それでは、時間になりましたので」と簡単に打ち切られてしまった。問題発言と見られたからだろうか。

 あるいは議論が続いたが、議事録に残すことはできないからと割愛されたということもあり得る。

 いずれにしても、医療費負担の不公平について思案することがあるなら、麻生太郎自身が抱えている社会保障分野のブレーンに対してか、抱えていないとしたら、適宜ブレーンとなってくれる周囲の人物に対してか、そのような手掛かりがなければ、厚労大臣に直接申し込んで、多くの人間が健康を心がけるようになる「インセンティブ」となり得る、最終的には制度とすることができる何かしらの仕組みを考案できないかと相談するなり、諮るなりして、より公平な医療費負担の制度構築に向けた努力を果たさなければならなかったはずである。

 ところが、病院長から話を聞いてから2008年11月20日の経済財政諮問会議で上記発言をするまで約「30年」、会議での発言から2018年10月23日の閣議後の記者会見で「あほらしくてやってられんと言っていた先輩」の発言を「良いことを言う」と同調した自身の発言を披露するまで約10年、合計で40年も経過させていながら、医療費負担の不公平を疑問として抱えているだけで、あるいは不摂生な人間に摂生させて病気を予防させ、医療費がかからないようにする「インセンティブ」がないものかと思案し続けただけで、何も答を出すことができないでいたことになる。

 麻生太郎の最初の閣僚は1996年11月7日から1997年9月11日まで務めた経済企画庁長官であり、その頃から自民党内では一廉の政治家であったはずだ。その後総務大臣や外務大臣等を務め、総理大臣まで上り詰め、第2次安倍政権発足後、財務大臣と自民党副総理を務める最大級の実力者となっている。

 にも関わらず、答を出すことことも、社会保障担当部局に答を出させることもできないままに問題発言となりかねない発言を繰返している。財務大臣の資格も自民党副総理の資格も、いや、政治家をしている資格自体、ないことをあからさまに突きつけているはずだ。

 麻生太郎が政治家の資格のないことはこのことに関してだけではない。10月23日(2018年)に東京都内で開かれた自民党麻生派の河野太郎外相のパーティーでの発言が示している一事も麻生太郎が同様の状況にあることを示している。

 「毎日新聞」/018年10月23日 20時15分)

 麻生太郎「(河野氏が)政治家として今後伸びるのに何が欠けているかと言えば、間違いなく一般的な常識だ。キャラは立ち、存在感も出来上がっている。英語もうまい。常識を磨かないといかん」

 記事は、〈財務省の一連の不祥事などで失言も多い麻生氏だけに、党内から「麻生氏には言われたくない」と失笑も漏れた。〉と解説している。

 この恐ろしいまでの自己省察能力ゼロは政治家の資格がどこかにぶっ飛んでしまっている一大証明としかならない。

 2008年1月15日に「医療給付費・医療費の差別化を-『ニッポン情報解読』by手代木恕之」と題してブログをエントリーしている。

 副題として、「そして先天性・後天性に関わらず、体質や遺伝からの難病には手厚い保護を」と書いている。

 要は生まれたときから死ぬまでの国民一人ひとりの身長・体重から飲酒量や喫煙量、運動量まで含めて、それらの影響からの各内臓の健康状態・病歴を一括して記録して(記録は社会保険庁の後身の全国健康保険協会が行うことになるだろう)、生活習慣病等の不摂生からの治療に関しては一部自己負担とするというものである。

 自己負担が嫌なら、健康に心がければいい。

 飲酒量と喫煙量と運動量は当初は自己申告になるが、ウソをついても、血液検査や肝臓検査、肺検査等でどの程度の飲酒量と喫煙量か分かるそうだし、身体の太り具合、内臓脂肪量等で食事の摂り方の適切性、運動量の程度は分かるから、自己申告どおりの健康管理なのかは、いわば摂生・不摂生の程度は定期的な健康診断で判明するため、ウソの自己申告は通用しないことになる。

 このような方式によって健康を「自己管理」できた者が「報われる支払い」システムとすることが可能となり、要支援・要介護に至る老人をも可能な限り減らす道につなげることができる。

 麻生太郎が政治家としての資格を持っていたなら、持っていなくても政治家を続けているが、当方がブログで書いたことよりも素晴らしい負担の公平な社会保障制度を創造できるはずだ。

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安倍晋三の明治150年記念式典式辞:誇りある時代とした明治時代に現代日本の出発点を置く戦前回帰主義

2018-10-24 11:08:16 | 政治
                                   
 沖縄タイムスの動画をgif動画に変換。音声なし

 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。 

 150年前の1868年10月23日に元号が慶応から明治に改められたことを記念して東京・千代田区の憲政記念館で政府主催の式典を行い、安倍晋三が式辞を述べた。

 「安倍晋三式辞」(首相官邸)

 安倍晋三「今から150年前の今日、明治改元の詔勅が出されました。この節目の日に、各界多数の御参列を得て、明治150年記念式典を挙行いたしますことは、誠に喜びに堪えないところであります。皆様と共に、我が国が近代国家に向けて歩み出した往時を思い、それを成し遂げた明治の人々に敬意と感謝を表したいと思います。

 近代化への道のりは、大きな危機意識の中で始まりました。当時、技術に先んじる列強が植民地支配を進め、その波がアジアにも押し寄せていました。国力に後れを取っていた我が国は、正に国家存亡の危機に直面していたと言っても過言ではありません。

 独立を守らなければならない。当時の人々は、文字通り命懸けで、情報を集め、策を練り、そして、果敢に行動しました。内外旺盛な交流により、学びに学んで、最先端の知を貪欲なまでに求め、それにとどまらず、日本の良さや伝統をいかしたものにまで高めていきました。

 五箇条の御誓文が、古い陋習(ろうしゅう)を破れと説き、身分や階級を問わず志を追うべしと勧めたとおり、新しい国づくりに際しては、それまでの身分、武士・農民・町民の別に関わりなく、若者や女性を含め、志を持った人々が、全国各地で躍動しました。外国からも多くの人々が訪れ、我が国の発展に大きな役割を担っていただきました。

 明治という時代が新たに生み出した多くの人材が、急速な近代化の原動力となり、我が国は近代国民国家への第一歩を踏み出しました。憲法の制定、議会の設置、内閣制度の導入など、立憲政治・議会政治の基礎が築かれました。工業化の進展、鉄道の開通、郵便や金融制度の整備。産業も大きく発展しました。義務教育が導入され、女子師範学校が開設されるなど、教育が充実したのもこの時代です。現在の政治、経済、社会の土台が築かれました。

 我が国の近代化は、西洋に比べて、極めて短い期間に行われました。それまでの歴史の礎があっての飛躍であろうことを併せ考えたとしても、それを成し遂げた先人たちの底力、道半ばで倒れた方々も含め、人々にみなぎっていた、洋々たる活力、志の高さに驚嘆せずにはいられません。同時に、今を生きる私たちも、これを誇りに力強く歩んでいかなければならないと思います。

 今日、我が国は、内においては、急速な少子高齢化が進行し、外に目を転ずれば、急激に変化を遂げる国際社会の荒波の中にあります。正に国難とも言える時代にあって、故(ふる)きを温(たず)ね新しきを知る。明治の人々が、勇気と英断、たゆまぬ努力、奮闘によって、世界に向けて大きく胸を開き、新しい時代の扉を開けたことに想いをはせながら、私たちは、この難局に真正面から立ち向かい、乗り越えていかなければならないと思います。

 現在、明治150年関連行事として、近代化の歩みが記された歴史的遺産を次世代に残し、学び、将来につなげていこうとする取組が、全国各地で行われています。特に、若い世代の方々には、是非とも、この機会に、我が国の近代化に向けて生じた出来事、人々の息遣いに触れ、光と影、様々な側面を貴重な経験として学びとって欲しいと思います。

 来年は、約200年ぶりに天皇陛下が御退位され、皇位の継承が行われます。その翌年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、世界中の人々が我が国を訪れ、世界の関心が日本に集まります。我が国は、正に、歴史の大きな転換点を迎えようとしています。

 私たちは、平成のその先の時代に向けて、明治の人々に倣い、どんな困難にもひるむことなく、未来を切り拓いてまいります。そして、平和で豊かな日本を、次の世代に引き渡していく、その決意を申し述べ、式辞といたします。

 平成30年10月23日  内閣総理大臣 安倍晋三

 相変わらず綺麗事満載の発言となっている。安倍晋三の言葉巧みなレトリックにコロッと騙されてはいけない。

 「五箇条の御誓文が、古い陋習(ろうしゅう)を破れと説き、身分や階級を問わず志を追うべしと勧めたとおり、新しい国づくりに際しては、それまでの身分、武士・農民・町民の別に関わりなく、若者や女性を含め、志を持った人々が、全国各地で躍動しました。外国からも多くの人々が訪れ、我が国の発展に大きな役割を担っていただきました」

 確かに江戸時代の士農工商の身分制度は廃止され、「四民平等」が謳われたが、「Weblio辞書」には次のような記述がある。

 〈【四民平等】

 明治維新の改革における身分制廃止のスローガン。1869年(明治2)農工商を平民、1871年・の称を廃止し「平民と同様たるべき事」としたが、華族・士族・平民の呼称のもとに身分秩序が再編成され、被差別民の差別は残存された。〉

 ・は法律上は1871年(明治4)8月の解放令によって平民とされたものの、現実社会では真の平民ではないという意味で「」との呼称で区別され、個人的にだけではなく、集団的な居住地域をと称し、その居住者全体を民と名指しして、社会的にも意識の面でも差別対象とし続けて、その差別構造は戦後も尾を引くことになった。

 このように華族・士族・平民の階級差別、あるいは平民の「」に対する人間差別だけではなく、地主制度も江戸時代から引き継ぐことになり、土地を持つ人間と土地を持たぬ人間の上下身分制的な支配と服従の関係は存在し続けて、第2次世界大戦後のGHQ主導の農地改革を待たなければ、地主制は終止符を打つことができなかった。

 かくこのように明治時代も、その後の時代も、階級制度とそれを受けた各種差別が蔓延っていたのだから、当然、安倍晋三が「五箇条の御誓文が、古い陋習(ろうしゅう)を破れと説き、身分や階級を問わず志を追うべしと勧めた」と言っていることは明治の現実社会から離れた綺麗事の世界を描いたに過ぎないことになる。

 大体が五箇条の御誓文(慶応4年3月14日―1868年4月6日)そのものが「四民平等」意識に基づいた民主的な国民統治体制を目的とはしていない。その一条に「旧来ノ陋習ヲ破リ 天地ノ公道ニ基クベシ」(古い悪習を破り 世界的なおおやけの道理に基づくべし)とあり、一見、世界基準の道理に則ることのススメに見えるが、次の「智識ヲ世界ニ求メ 大ニ皇基ヲ振起スベシ」は(知識を世界に求めて、「皇基」、即ち天皇が国家を統治する基礎に役立つよう、おおいに奮起しなさい)の意味を取ることになるため、「天地ノ公道ニ基クベシ」は「天皇、もしくは上(国家権力)が定めた人が行うべき正しい道に拠って立ちなさい」との解釈となる。

 要するに「五箇条の御誓文」とは、既に触れたように「四民平等」意識に基づいた民主的な国民統治体制を謳っているわけでもなく、世界の道理に従った民主主義を説いているわけでもなく、国民の力を天皇の国家統治体制へと集約させる、一種の独裁体制を忍ばせていた。

 そのような独裁体制への求心力を働かせた「広ク会議ヲ興シ 万機公論ニ決スベシ」であり、「上下心ヲ一ニシテ 盛ニ経綸ヲ行ウベシ」等々なのである。

 このことの証明として次の事実を挙げることができる。天皇を主権者とした大日本帝国憲法は明治時代半ばの1889年(明治22年)2月11日に公布、天皇独裁を明らかにしたが、明治の早い時期の1875年(明治8年)6月28日布告の讒謗律(ざんぽうりつ)は現行刑法の名誉毀損罪の原型となっていると言うことだが、同時に天皇、皇族、華族に対する誹謗中傷等の名誉毀損はより罪を重くしていて、いわば5年後の1880年(明治13年)布告の旧刑法第117条「天皇三后皇太子ニ対シ不敬ノ所為アル者ハ三月以上五年以 下ノ重禁錮ニ処シ二十円以上二百円以下ノ罰金ヲ附加ス」と定めた不敬罪の先駆けを成すもので、明治の早い時点で、あるいは大日本帝国憲法発布よりも遥かに早い時点で既に天皇の存在を絶対とする独裁体制の顔を覗かせていたと指摘できる。

 讒謗律布告と同じ年に制定された新聞紙条例が自由民権運動に対する言論弾圧を目的としていたことも、明治の時代が国家独裁を骨格としていたことの証明となる。

 天皇を独裁者に仕立て、その天皇独裁様式を薩長明治政府が着用し、自分たちが独裁政治の実行者となって国民を統治した。このような国家統治体制を引き継いで、天皇の名のもとに軍部が独裁を揮(ふる)う時代へと繋がっていった。

 いわば明治政府も後の軍部も天皇を傀儡として扱った。

 安倍晋三は最後に「私たちは、平成のその先の時代に向けて、明治の人々に倣い、どんな困難にもひるむことなく、未来を切り拓いてまいります。そして、平和で豊かな日本を、次の世代に引き渡していく、その決意を申し述べ、式辞といたします」と述べているが、明治は「平和で豊かな日本を、次の世代に引き渡していく」ために倣うべき時代、決して手本としていい時代では決してない。

 逆に否定すべき時代であるが、安倍晋三の精神の中では特に明治を戦前日本国家の理想の国家像に仕立てている。この精神性によって上記式辞からも窺うことができるが、明治時代を現代日本の出発点に置くことになっている。敗戦以後の時代を出発点とはしていない。結果、明治時代を優先的な取扱とした連続性を日本の戦後の時代との間に打ち立てようとする衝動を常に見せることになる。

 その一つが戦後レジームからの脱却であり、靖国参拝もその手段の重要な一つとなっている。こういったことが安倍晋三をして戦前回帰主義の姿を取らせている。  

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安倍晋三の2019年10月1日消費税増税に向けた約束の信じ難さとこの場に来てのあり得ないドタバタ

2018-10-22 12:11:18 | 政治
 沖縄タイムスの動画をgif動画に変換。音声なし

 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。
 

 安倍晋三は2018年10月15日午後の臨時閣議で消費税を法律で定められた通りに引き上げる予定だと発言したという。あくまでも予定である。消費税引き上げの前の夏に参院選がある。安倍晋三のことだから、選挙勝利のために三度目の延期を利用しないとも限らない。

 「時事ドットコム」/2018/10/15-18:41)

 安倍晋三首相が15日の臨時閣議で発言した内容は次の通り。

 消費税率については法律で定められた通り、2019年10月1日に現行の8%から10%に2%引き上げる予定だ。

 5年半に及ぶアベノミクスの推進により、生産年齢人口が450万人減少する中においても、経済は12.2%成長した。雇用は250万人増え、正規雇用も78万人増えた。

 今こそ、少子高齢化という国難に正面から取り組まなければならない。お年寄りも若者も安心できる全世代型の社会保障制度へと大きく転換し、同時に財政健全化も確実に進めていく。

 今回の引き上げ幅は2%だが、前回の3%引き上げの経験を生かし、あらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう、全力で対応する。

 第一に、消費税率引き上げ分の使い道を変更し、2%の引き上げによる税収のうち半分を国民の皆さんに還元する。来年10月1日から認可・無認可、併せて幼児教育を無償化する。

 第二に、軽減税率を導入し、家計消費の4分の1を占める飲食料品については、消費税を8%のまま据え置く。軽減税率の実施に向けて、準備に遺漏がないようお願いする。

 第三に、引き上げ前後の消費を平準化するための十分な支援策を講じる。消費税引き上げ後の一定期間に限り、中小小売業に対し、ポイント還元といった新たな手法による支援を行う。さらに、商店街の活性化のための対策もしっかりと講じる。

 また、消費税の引き上げ前後で消費者の皆さんに安心して購買いただくために、消費税引き上げ前後に柔軟に価格付けができるよう、ガイドラインを整備する。もちろん、同時に、中小企業が取引先に対して、消費税を円滑に転嫁できるよう、対策を講じる。

 第四に、消費税負担が大きく感じられる大型耐久消費財について、来年10月1日以降の購入にメリットが出るように、税制・予算措置を講じる。

 自動車については、来年10月1日以降に購入する自動車の保有にかかる税負担の軽減について検討を行い、今年末までに結論を出していただけるよう、(与)党に審議をお願いする。住宅についても、来年10月1日以降の購入などについて、メリットが出るよう施策を準備する。

 こうした対策に加え、国民的な関心事となっている防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための緊急対策をさらにしっかりと講じていく。

 来年度、再来年度予算において、消費税対応で臨時・特別の措置を講じていく。消費税率引き上げによる経済的影響を確実に平準化できる規模の予算を編成していく。

 相変わらずご都合主義な内容となっている。「今こそ、少子高齢化という国難に正面から取り組まなければならない」と言っているが、少子高齢化は1970年代半ば(昭和50年代初め)頃から始まり、2005年(平成17年)には出生数と死亡数の差は2万1266人のマイナスに転じて、長期の人口減少過程に入り、今日に至っている。「今」に始まったわけでもないにも関わらず、それを「今こそ」と言う。

 第2次安倍政権の「5年半」をも含めた過去約40年間の無策を隠して安倍政権最後の3年間に希望を与えようとする詭弁に過ぎない。

全世代型の社会保障制度への転換と同時に財政健全化の確実な推進を約束しているが、自身も何度も「財政健全化」を唱えながら、実効性を与えることができずに年々の国家予算を赤字国債発行に頼って国債残高を累増、いわば返済が借金に追いつかない借金漬けの状況を改善もできていないままに財政健全化の確実な推進を言う、殆どペテンに近い。

 財務省の「公債残高の累増」案内のページには、〈平成30年度末公債残高は約883兆円の見込みで、勤労者世帯の平均年間可処分所得約514万円に対して国民1人当たり約700万円、4人家族で約2798万円の借金〉となり、これで帳消しとならずに年々増えていき、〈平成30年度一般会計税収予算額約59兆円から計算すると、一般会計税収の約15年分に相当〉の公債残高であることが書いてある。

 当然、「全世代型の社会保障制度」にしても消費税に頼る部分があっても、借金の影響を受けないわけはなく、既に方針として示され、一部分実施されている社会保障給付費の減額、特に中低所得層の更なる自己負担増となって跳ね返ることになる局面か、消費税の尚一層の増税に直面する可能性は否定できない。

 となると、「消費税率引き上げ分の使い道を変更し、2%の引き上げによる税収のうち半分を国民の皆さんに還元」も一時的な効果で終わるカラ約束とならない保証はない。

 いわば都合のいいことだけを国民に説明し、都合の悪いことは隠す言葉のマジックがここにはある。

 「5年半に及ぶアベノミクスの推進により、生産年齢人口が450万人減少する中においても、経済は12.2%成長した。雇用は250万人増え、正規雇用も78万人増えた」にしても、額面通りの経済状況とすることはできないことになる。額面通りではないことを知っているからこそ、人口の最も多数を占める中低所得層の収入が消費に向かわずに貯蓄に回ることになっている。

何よりもインチキは「今回の引き上げ幅は2%だが、前回の3%引き上げの経験を生かし、あらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう、全力で対応する」と言っていることである。

 安倍晋三は2014年11月18日に衆議院の解散を告げる「記者会見」(首相官邸)を開いている。

  安倍晋三「デフレから脱却し、経済を成長させる、アベノミクスの成功を確かなものとするため、本日、私は、消費税10%への引き上げを法定どおり来年10月には行わず、18カ月延期すべきであるとの結論に至りました。

 しかし、ここで皆様に申し上げておきたいことは、3本の矢の経済政策は確実に成果を上げつつあります。経済政策において最も重要な指標、それはいかなる国においても雇用であり、賃金であります。政権発足以来、雇用は100万人以上増えました。今や有効求人倍率は22年ぶりの高水準です。この春、平均2%以上給料がアップしました。過去15年間で最高です。企業の収益が増え、雇用が拡大し、賃金が上昇し、そして消費が拡大していく、そして景気が回復していくという経済の好循環がまさに生まれようとしています。

   ・・・・・・・・

 成長戦略をさらに力強く実施することで、来年の春、再来年の春、そして、そのまた翌年の春、所得が着実に上がっていく状況をつくり上げてまいります。国民全体の所得をしっかりと押し上げ、地方経済にも景気回復の効果を十分に波及させていく、そうすれば消費税率引き上げに向けた環境を整えることができると考えます。

   ・・・・・・・・

来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。私はそう決意しています」(文飾は当方)――


 そして増税の18カ月延期の判断を国民に仰ぐための解散だと告げた。延期によって喜ばない国民はごく少数派に過ぎないだろう。

 「経済の好循環がまさに生まれようとしている」が「アベノミクスの成功を確かなものとするため」には消費税増税を「18カ月延期」し、そのような景気減速の影響を排除した環境下でのアベノミクス「成長戦略の力強い実施」によって国民所得の確実な上昇と地方経済への景気回復の波及を図ることができ、「消費税率引き上げに向けた環境を整えることができる」、あるいは増税できる「経済状況をつくり出すことができる」と約束、更に「平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします」と力強く宣言している。

 但し消費税率を5%から8%に上げたのは2014年4月1日であり、2012年12月26日発足の第2次安倍政権は1年3カ月後のその日の増税に向けて景気政策を打ってきたはずだが、2014年11月になって18カ月も延期を迫られたのは増税に打ち勝つだけの力強さをアベノミクスは獲得するに至っていなかった、いわば力不足だったことになる。

 譬えるなら、1000メートル走る体力を養ったつもりが500メートルしか走る体力しか蓄えることができなかった。だから、あと500メートル走る体力を養うために消費税増税を1年6カ月延期する。要するにアベノミクスによる雇用や賃上げ、企業収益の成果は消費税率8%から10%への増税によって打ち砕かれる恐れがあった。

 ところが、2017年4月までに増税ができる経済状況の構築、あるいは増税に向けた環境の整備を首相としての約束(?)、男としての約束(?)を2014年11月18日の記者会見で披露しておきながら、2016年6月1日の「記者会見」で約束を見事反故にし、更に30カ月延期して2019年10月1日に増税の着地点を持っていくことになった。

 増税延期の理由を「中国など新興国経済に『陰り』が見える」ことに置いていたが、実質的にはアベノミクスによって増税可能な経済環境を構築できなかったに過ぎない。結果的に2014年11月18日の記者会見で「確実に実施いたします」などと口にした約束の全てはカラ約束だったことが明らかになった。

 確実に言えることは最初の増税延期が利して衆院選大勝に役立ち、再度の増税延期に関しては、「アベノミクスをもっと加速するのか、それとも後戻りするのか。これが来る参議院選挙の最大の争点であります」(2016年6月1日記者会見発言)と巧妙にアベノミクスの是非を争点と見せかけているが、実質的には増税再延期が利して参院選大勝に役立ったということである。 

 このように過去の増税延期の際の発言がカラ約束で成り立たせていることからすると、2018年10月15日午後の臨時閣議で発言した、「今回の引き上げ幅は2%だが、前回の3%引き上げの経験を生かし、あらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう、全力で対応する」云々が如何にインチキに満ちているか明らかとなる。

 第2次安倍政権の2012年12月26日発足から消費税率の5%から8%への増税がスケジュール表に載っていた2014年4月1日に向けて数々の手を打ったアベノミクス景気対策が増税に役立たなかったばかりか、二度も増税を延期せざるを得なかったのだから、「3%引き上げの経験」にしても活かすことができなかったことになるにも関わらず、その経験を如何にも役立たせることができるかのように言葉を繕うマヤカシは安倍晋三ならではであろう。

 官房長官の菅義偉が10月19日朝、都内のホテルで開かれた経団連の中西会長らとの懇談会に出席し、引き上げに伴う消費の冷え込みなどを抑えるため一層の賃上げに協力を求めたと2018年10月19日付「NHK NEWS WEB」が伝えている。

 菅義偉「皆さんの企業収益は過去最高で、ことしの春闘では多くの企業で5年連続賃上げを行っていただいた。経団連の調査でも4分の3以上の企業が年収ベースで3%以上の賃上げを実現したという報告を受けている。

来年の消費税率の引き上げを踏まえて、皆さんには一層の努力を期待したい。これからの3年でデフレを脱却し、経済の好循環を確かなものにしたい」――

 安倍政権はアベノミクスの好循環を軌道に乗せるために経済界に「5年連続」の賃上げを要請する官製賃上げに頼らざるを得なかった。この一つを取っても、アベノミクスが1000メートル走行を予定していながら、500m程度しか走ることができなかったことが理解できる。

 そして2019年10月1日の10%増税まで1年を切っているこの場に来て増税による景気の腰折れを前以って予防するために賃上げを要請せざるを得ないあり得ないドタバタは増税の「経済状況をつくり出すことができる」と言い、あるいは「消費税率引き上げに向けた環境を整えることができる」と約束していたことを反故としたことの裏返しであろう。

 この点からも、「前回の3%引き上げの経験を生かし、あらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう、全力で対応する」の言葉の中身の無さは明らかであり、中身が無いからこそのこの場に来ての賃上げ要請というあり得ないドタバタであるはずだ。

 要するに他力本願がメインとなっているアベノミクスの好循環に過ぎない。

 記事は懇談会後の経団連の中西会長の対記者団発言を伝えている。

 中西会長「私は以前から、日本の賃金はずいぶん低く抑えられ続けてきたと思っている。来年、消費税率を引き上げる中で消費がぐっと縮むようなことは避けたいというのは経済界も同じ思いだ」

 この発言を以って記事は「賃上げに前向きな姿勢」だと解説している。

 ところが、来年の賃上げは必ずしも芳しい環境にあるとは言えない。トランプが10月18日に自らのツイッターに日本との間の貿易の不均衡を是正するためにアメリカへの更なる投資を求める姿勢を示したと「NHK NEWS WEB」記事が伝えていたし、パーデュー米農務長官がワシントンで記者団に対して来年1月にも始まる日米通商交渉で日本側に求める農産品の関税引き下げ幅について「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)と同等か、それを超える水準を期待している」と述べたと「毎日新聞」が伝えている。

 日本企業の新たな対米投資にかかる経費にしても、日本側の農産品の関税引き下げによって農家のみならず、農産品を扱う企業にも負担が生じることになる経費にしても、賃上げの余地を狭める要因となりかねない。

 いわばトランプの米国一国主義によって日本の経済は先行き不透明な状況に立たされないとも限らない。その影響を受けて来年の賃上げが安倍政権にとって想定外な小幅な金額か、全体的に行き渡らない無残な有様だったなら、夏には控えている参院選に勝利するためにも、2度も延期した前科があるのだと開き直って、三度目の延期へ持っていかない保証はない。

 こういった諸々の状況が想定されること、あるいは消費税増税に向けた約束を反故にしてきた影響が2019年10月1日の消費税増税に向けたこの場に来てのあり得ないドタバタとなって現れているということでもあるのだろう。

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玉木雄一郎の日米共同声明日本文に対する具体的根拠無提示の「捏造」呼ばわりは、党代表の資格を失う

2018-10-19 11:36:24 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。 

安倍晋三は2018年9月26日、トランプとニューヨークで首脳会談を行い、その後の内外記者会見で日米物品貿易協定の交渉入りをすることで合意したと発言、同9月26日に日米共同声明を日本文と英文で発した。国民民主党党代表の玉木雄一郎がこの声明に捏造があると記者会見発言している。

 「朝日新聞デジタル」
 皆さんも(日米首脳が開始に合意した関税交渉の)英語の全文と日本政府の日本語訳を読み比べて頂きたい。ちょっと言葉を強く言えば捏造(ねつぞう)だ。あえて正しく英文を訳さずにTAG(物品貿易協定)という略語を創設し、FTA(自由貿易協定)ではないという国内向けの説明をするために、意図的に誤訳をして作られた捏造(ねつぞう)文書だと言っても良い。日米両国間ではTAGなんてものはありません。政府の説明は極めて不誠実、強く言えばウソをついている。公文書の改ざんに続いて、外交文書も改ざんしているのではないかと、非常に私は憤りも感じるので、国会でも厳しく追及したい。(記者会見で) 
 「あえて正しく英文を訳さずにTAG(物品貿易協定)という略語を創設し、FTA(自由貿易協定)ではないという国内向けの説明をするために、意図的に誤訳をして作られた捏造文書だと言っても良い」と言っているが、どこがどう「正しく英文を訳さない」のか、そのことが「TAG(物品貿易協定)という略語」の「創設」となるのかといった具体的な根拠も提示せずに「捏造」だ、「捏造」と言っている。

 これではただ単に吠えているに過ぎない。具体的な根拠なしだから、国民に対する説明にもなっていない。国民への説明とするためには納得させるだけの理由が必要だが、その理由さえ述べていない。

 だからなのか、知る限りの判断だが、この「捏造説」を取り上げるマスコミを他に見かけない。「非常に私は憤りも感じるので、国会でも厳しく追及したい」と最後に言っているが、この「憤り」自体も国民に納得させるだけの説明がない「憤り」に過ぎないから、国民は関心を持って国会での追及を待つ気持にもならないだろうし、期待も起きないに違いない。

 「日米共同声明」は「日本文」「英文」が同時に発表された。玉木雄一郎の発言に関係する箇所のみを拾ってみる。文飾は当方。

 日本文――〈3 日米両国は,所要の国内調整を経た後に,日米物品貿易協定(TAG)について,また,他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果を生じ得るものについても,交渉を開始する。〉 

英文――〈3. Japan and the United States will enter into negotiations, following the completion of necessary domestic procedures, for a Japan-United States Trade Agreement on goods , as well as on other key areas including services, that can produce early achievements.〉

英語の知識は皆無と言っていい程だから、ネット英辞書を頼りに訳してみた。日本政府は日米間で開始する交渉を「日米物品貿易
協定(TAG)」
と称しているのに対してアメリカは、「Trade Agreement on goods」と表記している。

 一般的に自由貿易協定の「FTA」は「Free Trade Agreement」、経済連携協定の「EPA」は「Economic Partnership Agreement」と頭文字が大文字の単語の連なりとなっていて、最後に「Agreement」(協定)という文字を置いている。これが一般的な表記の仕方であろう。

 だが、英文の共同声明ではそのような連なりとはなっていない。「Trade Agreement on goods」を直訳すると、「物品上の貿易協定」となる。

 名詞についた接尾語の「on」、あるいは「上」(じょう)は「関しての」という意味を取るから、農林水産品から自動車等の工業産品を含めた「物品」全てに関する貿易協定を指すことになる。

もし「FTA」や「EPA」に倣うとしたら、「物品貿易協定」は「Goods Trade Agreement」となって、略語は「GTA」となるはずだが、略語を「TAG」としたのは英文の「Trade Agreement on goods」と表記した単語の連なりをそのままに使用したからだろう。

 但し日本文の共同声明では頭文字が大文字の単語の連なりとはなっていない英文の「Trade Agreement on goods」に対して日本文は「TAG」と頭文字が大文字の単語の連なりに変えている。

 この点を捏造だとするには根拠が乏しすぎる。玉木雄一郎は「TAG(物品貿易協定)という略語を創設した」とか「意図的に誤訳をして作られた捏造文書だ」と言っているが、英文の「Trade Agreement on goods」を日本文で「TAG」との略語表記したとしても、一般例から外れていたとしても、意味内容的には無理があるというわけではない。

 問題はこの日米貿易協定が日本文で、「他の重要な分野(サービスを含む)」、英文で、「on other key areas including services」と、日本文と同じ意味で表記している点である。

 日米首脳会談に同席していた経済再生担当相茂木敏充の会談終了後の発言。

 茂木敏充「国際経済の不安定要因が増大している中、日米が関税について自由で公正な新たな枠組みを確立することで日米間の貿易を安定的に拡大させることは、日米のみならず国際経済全体にとってもよい影響を与えるものだ。

 日米物品貿易協定の交渉中は自動車に関する通商拡大法232条に基づく制裁関税を課されることはないと理解している。新たな協定はFTA=自由貿易協定ではない。今回交渉する協定は、あくまで物品貿易に限定されて、投資・サービス等のルールを含まないもので、包括的なFTAとは言えないと考えている」( NHK NEWS WEB

 9月27日午前の官房長官菅義偉の記者会見発言。「ロイター」(2018年9月27日/12:16)
 
 菅義偉「自由貿易協定(FTA)とは異なり、物品貿易に限定されるものであり、包括的なものではない。背景には農産品については国内での懸念が強いと理解している」

 菅義偉が「物品貿易に限定されるもの」と言っていることは、「サービス」を含まない意味で用いていて、茂木敏充と同じ趣旨となる。

 「日米物品貿易協定(TAG)」は「投資・サービス等のルールを含まないもので、包括的なFTAとは言えない」との意味で、茂木敏充も菅義偉も「自由貿易協定(FTA)」であることを否定している。だが、日本文の「日米共同声明」にしても、英文の「日米共同声明」にしても、「サービスを含む」「including services」とサービスを含んでいることを謳っている。

いわば「日米共同声明」に取り上げられている「日米貿易協定」は物品貿易に限定していない。茂木敏充が言っている「投資」もサービスに入る。「日米貿易協定」が「サービス」を含む貿易交渉を目的としていながら、含んでいないように物言いをして、「自由貿易協定(FTA)」ではないと否定する。

 「サービス」を除外・隠蔽して物品貿易限定だと言い募るのは貿易交渉の目的の捏造に当たる。実質的には「FTA」とし得る貿易交渉を「TAG」と表記することで「FTA」ではないとするある種の捏造がここにはある。この捏造は国民を騙す情報操作となり得る。

 いずれにしても、玉木雄一郎が党代表である以上、発言するその都度、その都度毎に国民の納得を得る内容としなければ、党代表としての資格を失うし、党支持率も低迷したままで推移することになるだろう。

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安倍晋三の「内閣総理大臣」名を用いながら、真榊私費奉納を以って「私人としての行動」とする英霊に対する背信行為

2018-10-18 10:46:40 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。 

 10月16日(2018年)から今月20日までの日程でヨーロッパを歴訪中の安倍晋三が靖国神社の秋の例大祭に合わて「内閣総理大臣 安倍晋三」名で真榊を神前に奉納したと各マスコミが伝えた。但し奉納は公費ではなく、私費、安倍晋三のポケットマネーで行ったと言う。

 「内閣総理大臣 安倍晋三」と公職名を使いながら、私費の奉納とする。この使い分けの理由が官房長官菅義偉の10月17日午前の記者会見発言で明らかになる。「NHK NEWS WEB」/2018年10月17日 12時27分)

 菅義偉「安倍総理大臣が『真榊』を奉納されたという報道は承知している。これは私人としての行動に関するおたずねであり、政府として見解を申し上げる事柄ではない」
 
 真榊を「内閣総理大臣 安倍晋三」という公職名で納めたが、奉納は私費で支払ったから、「私人としての行動だ」と言うことになる。公職名を冠していながら、私人としての行動としていることに釣り合いが取れないが、安倍晋三や菅義偉にとっては釣り合いの取れる事柄なのだろう。

 例えば安倍晋三が妻昭恵以外の女性とホテルに泊まる場合、宿泊名簿に「内閣総理大臣 安倍晋三」と記入、宿泊料は自費で支払って、「私人としての行動だ」とするだろうか。あくまでも「私人としての行動」とするなら、宿泊名簿に「安倍晋三」と記入、宿泊料私費とすることによって世間的常識という点で初めて釣り合いが取れることになる。

 いわば「内閣総理大臣 安倍晋三」名で真榊を奉納している以上、いくら私費で支払おうと、公人としての行動になるはずだが、「私人としての行動」としている。

 靖国神社が日本と中国や韓国、北朝鮮等の国家との間に歴史認識問題を抱えている空間である以上、日本の内閣総理大臣は如何なる理由付けを行おうと、靖国神社を私的空間とすることはできないはずだ。にも関わらず、内閣総理大臣でありながら、日本国家の戦争犠牲者を祀る靖国神社への真榊奉納を「私人としての行動」とすることは靖国神社自体を私的空間としたことになる。

 例えば国家を代表してロシアを相手に北方四島返還に努めている安倍晋三が北方四島を単なる旅行したり、ゴルフを楽しんだりする私的空間とすることは果たして許されるだろうか。許されるはずもなく、常に公的空間の扱いとし、その扱いに則った行動を取らなければならないのと同じである。

 だが、安倍晋三は「内閣総理大臣 安倍晋三」の公職名を使ってながら、真榊奉納自体を「私人としての行動」としたことによって、靖国神社を私的空間とした。

 安倍晋三の靖国神社に祀られた戦争犠牲者=英霊に関わる歴史認識を改めて振り返ってみる。

 2005年5月2日、小泉内閣時代の自民党幹事長代理だった安倍晋三はワシントンのシンクタンク「ブルッキングス研究所」での講演で次のように発言している。

 安倍晋三(中国が小泉首相の靖国神社参拝の中止を求めていることについて)「小泉首相の次の首相も靖国神社に参拝するべきだ。国のために戦った方に尊敬の念を表することはリーダーの責務だ」

 靖国参拝が国の「リーダーの責務」であるなら、真榊奉納に形を変えた靖国神社に祀られている戦争犠牲者に対する尊敬の念の表明にしても国の「リーダーの責務」とすべきであって、だからこそ、奉納しているのだろうが、「内閣総理大臣 安倍晋三」名は便宜的な使用にとどめて、真榊奉納自体を国のリーダーとしての行動ではなく、「私人としての行動」としていることは自らの歴史認識に対する裏切りであって、言っていることと実際の行動とは違うこのような歴史認識の裏切りは、当然、英霊に対する背信行為そのものに相当する。

 安倍晋三の2013年2月7日の衆議院予算員会での答弁からも、真榊奉納を「私人としての行動」としていることが如何に英霊に対する背信行為に当たるか、見て取ることができる。

 安倍晋三「私の基本的な考え方として、国のために命を捧げた英霊に対して国のリーダーが尊崇の念を表する、これは当然のことだろうと思いますし、各国のリーダーが行っていることだろう、こう思っています。

 その中で、前回の第一次安倍内閣に於いて参拝できなかったことは、私自身は痛恨の極みだった、このように思っております」

 安倍晋三は「痛恨の極み」を解き放つために第2次安倍内閣発足満1年を期した2013年12月26日に靖国神社参拝を決行した。

 「国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊」の命を犠牲にする対象は戦前日本国家を措いて他にない。国家のために命を犠牲にするとは命を捧げることを意味する。戦前の日本国家を否定し、その戦争を侵略戦争だと歴史認識していたなら、「国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊」などといった歴史認識は形成されない。戦争の犠牲になったと言う前に国家の犠牲になった言うだろう。

 安倍晋三たちが抱える国家を対象とした国民の命の奉仕は戦前の日本国家という空間で演じられた国家と国民との間の関係性として存在した。いわば戦前日本国家と国民の関係性を肯定し、理想としているからこそ、犠牲になった場合、「尊崇の念を表する」価値を認めることになる。

 だからこそ、戦争の犠牲になったと言うが、国家の犠牲になったとは決して言わない。

 当然、靖国神社参拝とは靖国神社を舞台として戦争犠牲者に対する鎮魂の姿を借りた戦前日本国家と国民の関係性を理想とする戦前日本国家称揚の儀式でしかなく、このような儀式を政治の次元で重要としているのは戦前日本国を理想の国家像とし、そのような理想の国家像を戦後日本国家に連続させたいと欲しているからに他ならない。

 この連続性への願いが安倍晋三が唱えている「戦後レジームからの脱却」――占領軍によって築かれた戦後体制からの脱却となって現れた。

 安倍晋三はこのように戦前日本国家の肯定を出発点とした歴史認識を自らの内に抱えている。そしてこの手の歴史認識に続く政治家がゴマンと存在する。

 こういった歴史認識を抱えている以上、「国のために命を捧げた英霊に対して国のリーダーが尊崇の念を表する」と国会で答弁、その他で発言している手前、繰返すことになるが、例え直接の靖国参拝によってではなく、真榊奉納を手段とした英霊に対する尊崇の念の表明であろうと、徹頭徹尾「国のリーダー」として行わなければならない。だが、「内閣総理大臣 安倍晋三」の公職名を記したものの、私費奉納とすることによって「国のリーダー」としての行動ではなく、「私人としての行動」にとどめた。

 安倍晋三の歴史認識からしたら、国のリーダーとして君臨している以上、あるいは靖国神社が各国との歴史認識問題を抱えている空間となっている以上、靖国神社を私的空間と位置づけることは不可能で、常に公的空間と位置づけ、国のリーダーとしての行動、いわば公人としての行動を自らの責務としていなければならないはずだが、それを平気で裏切って、英霊に対して背信行為で報いる。

 関係改善に向かいつつある中韓との摩擦が公人として行動するよりも私人としての行動とする方が少ないと考えたご都合主義から出た真榊奉納「私人としての行動」なのは間違いないが、そのご都合主義が自身の歴史認識を如何に裏切り、英霊に対してもどれ程の背信行為となっているかまでは考えていなかったようだ。

 ご都合主義からのウソや詭弁は、その正体をいつかは現す。

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安倍晋三の法人所得過去最高額を反映しない賃金に見る満身創痍のアベノミクス欠陥

2018-10-16 12:02:06 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。

 安倍晋三が唱えたアベノミクスの好循環とは、〈企業業績の改善→投資の拡大・賃金の増加→消費の拡大→企業業績の改善→投資の拡大・賃金の増加→消費の拡大〉と拡大サイクルしていくことだと言う。ところが日銀の異次元の金融緩和が捻り出した株高・円安によって企業が大きく利益を上げていながら、それが賃金上げに反映されなかったために安倍晋三は痺れを切らして、春闘前に経済団体の尻を叩いて賃上げを要請、いわゆる官製春闘を待たなければ、企業利益が賃上げに反映されなかった。但し反映されたのはほんの僅かだったが。

 作業命令を与えられると、その行動を自分で計画し、かつ状況を判断して作業を実行することのできるロボットを自律ロボットと言うそうだが、要するにアベノミクスは自力では好循環に向けた自律性を経済活動に与える程の力を持つには至らなかった。

 この傾向は第2次安倍政権発足後、約5年10カ月経過していながら、何ら変わっていない。国税庁が10月12日(2018年)、2017年度に決算期を迎えた法人の申告所得総額を公表したとマスコミが伝えていた。国税庁のページにアクセスしてみた。

 「平成29事務年度法人税等の申告(課税)事績の概要」(2018年10月)

 〈◆申告所得金額の総額は8年連続増加し過去最高

 平成29年度における法人税の申告件数は289万6千件で、その申告所得金額の総額は70兆7,677億円、申告税額の総額は12兆4,730億円となり、申告所得金額
の総額については、前年度に比べ7兆2,928億円(11.5%)増加、8年連続の増加となりました。

 なお、申告所得金額の総額は、過去最高となりました。

 (注)平成29年4月1日から平成30年3月31日までに終了した事業年度に係る申告について、平成30年7月末までに申告があったものを集計しています。〉

 「法人の申告所得金額の総額8年連続増加」と言うことは第2次安倍政権発足2年前の民主党政権当時から増加が始まっていたことになる。

 いずれにしても前年度比+7兆2,928億円(+11.5%)の申告所得金額総額70兆7,677億円は過去最高額ということになる。

 所得金額とは1年間の収入から必要経費を差し引いたものだから、申告所得金額総額70兆7,677億円は法人の利益であり、法人の代表格は企業だから、企業の利益が過去最高と言うことができる。このことは「トヨタやホンダが過去最高益」といった言葉がマスコミ記事に踊っていたことが証明する。

 アベノミクスの好循環を言葉通りに受け止めるなら、企業の最高益は勤労者の最高賃金という形で反映されなければならない。

 2018年9月28日付「時事ドットコム」記事が、「民間平均給与の推移」を報じている。

 民間企業勤労者が2017年の1年間に得た平均給与は前年比+10万6000円(+2.5%)の432万2000円で、5年連続増である上にリーマン・ショック前の2007年に記録した437万2000円に近づいたと伝えている。

 リーマン・ショック前の2007年に5万円足りないだけとなった。もしこの年収平均の432万2000円が企業の最近の最高益を反映した勤労者の最高賃金ということなら、まさにアベノミクスの好循環の大いなる恩恵であり、その自律性は評価できる。

 上記記事内容の参考元にアクセスしてみた。「平成29年分民間給与実態統計調査結果について」(国税庁企画課/平成30年9月)

 リーマン・ショック前の2007年からの年間の給与総額が紹介されていて、2012年までは増減を繰返しているが、2012年から増加に転じて、2015年から男女別の統計となっている。上記「時事ドットコム」記事が取り上げていた2017年の年収平均の432万2000円分についてのみ見てみる。

 2017年
 
 男性勤労者 531万5000円
 女性勤労者 287万円
 計平均   432万2000円

 これを正規と非正規別に見てみる。

 正規男性 547万5000円
 正規女性 376万6000円
 計平均  493万7000円

 非正規男性 229万4000円  
 非正規女性 150万8000円
 計平均   175万1000円 

 確かに安倍政権になってから、賃金は僅かずつではあるものの上がってはいるが、この僅かな賃上げにしても、厳然と存在する賃金格差にしても、法人所得過去最高額を反映した金銭状況だと果たして言えるだろうか。アベノミクスの好循環の賜物とすることができるだろうか。

 非正規雇用には自分から選択した「自己都合型」と正規の職がないから、仕方なく勤めている「不本意型」が存在するが、「労働力調査(詳細集計)平成29年(2017
年)平均(速報)」
(総務省統計局/2018年2月16日)からその割合を見てみる。 

 男性(非正規の職員・従業員647 万人)
 「自分の都合のよい時間に働きたいから」 ••••••• 157 万人(26.6%)と,8万人増加
 「正規の職員・従業員の仕事がないから」 ••••••• 134 万人(22.7%)と,13 万人減少

 女性(非正規の職員・従業員1389 万人)
 「自分の都合のよい時間に働きたいから」 ••••••• 383 万人(29.1%)と,16 万人増加
 「家計の補助・学費等を得たいから」   ••••••••• 330 万人(25.0%)と,2万人増加

 正規・非正規、男女含めた全体の年収平均がリーマン・ショック前の2007年記録の437万2000円に5万円足りない432万2000円だとしても、また「自己都合型」
の非正規が少なからざる存在したとしても、正規と非正規の賃金格差、男女の賃金格差は余りにも大きい。正規男性と非正規男性とでは年収平均で300万円以上も違う。

 この賃金格差は正規と非正規の割合が大体3:2の近接した数で推移していることから考えると、企業側は非正規男女、あるいは正規の女性を多く雇うことで賃金(=人件費)の抑制を図ることができている、あるいは意図的に図っていることが分かる。後者であるなら、賃金抑制の手段として非正規男女や正規の女性の雇用を利用していると言える。

 こういった構図にしても、アベノミクスの好循環という経済原理からすると、企業が自らの最高益を勤労者の最高賃金という形で還元しなければならない状況とは相反している。逆に多くの従業員を安価に使うことで、人件費からも利益を得ているとしか見えない。それがアベノミクスの好循環だとしたら、余りにも皮肉な現象と言わざるを得ない。

 賃金格差が無視できない状態であるにも関わらず、2018年8月の1世帯(2人以上)当たりの家計支出は2.8%増の29万2481円だと各マスコミが一斉に報じた。主たる支出費目は自動車や猛暑からのエアコンだと伝えている。

 勿論、車もエアコンもローンで購入することができるし、総務省は「6、7月支給のボーナスが増額となり、消費を後押しした」と言っているそうだが、ボーナスも含めている年収平均で230万円程度の非正規男性が、あるいは同じく年収平均で150万円程度の非正規女性が合計で30万円近くの支出を1カ月で行うことができるだろうか。

 8月の1カ月の家計支出29万余円を主として受け負ったのは年収平均以上の所得に余裕のある家庭であろう。このことは賃金が上がっていながら、物価の伸びの方が大
きい理由から8月の実質賃金が4カ月ぶりに減少したことが証明してくれる。実質賃金の目減りは低所得層程、消費への意欲を欠くことになるからだ。

 物価の伸びよりも賃金の伸びが鈍いということも、アベノミクスが自力では好循環に向けた自律性を経済活動に与える程の力を持っていない、あるいはアベノミクスの好循環が自
律的な機能性を欠いている証明としかならない。

 また法人所得過去最高額を記録しているものの、企業が都道府県と市町村に納めている地方法人税の人口1人当たりの税収が東京など都市部に偏っていると2018年10月12日付「NHK NEWS WEB」記事が伝えているが、企業利益が勤労者の賃金に反映していないばかりか、アベノミクスは都市と地方の諸格差の是正に全く機能していない。

 人口1人当たりの税収が最も多い東京都と最も少ない奈良県で6.1倍の格差だと記事は伝えている。

 石田総務相「地方税収は全体としては増えているが、都市と地方の財政の格差は拡大し、地方の疲弊と東京一極集中は限界に来ている。税源の偏在性が小さ
く、税収が安定的な地方税体系の構築は喫緊の課題だ」

 「地方税収は全体としては増えている」のは法人所得過去最高額が弾き出した納税によるものだろう。だが、「都市と地方の財政の格差は拡大」、「地方の疲弊と東京一極集中は限界に来ている」とまで言っている。

 アベノミクスは企業利益の賃金への正当な反映という好循環に寄与していないばかりか、地方創生を大々的に掲げながらも、都市間へのより平等・公正な経済反映という好循環への寄与さえも欠いている。満身創痍のアベノミクス欠陥にしか見えない。

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安倍晋三自衛隊観閲式訓示:その憲法改正意思は自衛隊への国民の評価・信頼を捻じ曲げ、巧妙に利用している

2018-10-15 11:58:51 | 政治
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 玉城デニーは普天間の辺野古移設阻止で安倍政権を踊らすことができるのか、阻止できないままに自身が踊るだけで終わることになるのか。

 安倍晋三が10月14日(2018年)、自衛隊記念日観閲式に出席、「訓示」している。

 安倍晋三「民家が土砂に押し潰されている。土砂崩れの一報に、隊員たちは、倒木を乗り越え、ぬかるみに足をとられながらも、休むことなく歩き続けました。体力の限界が近づく中、立ち尽くす御家族を前に、最後の気力を振り絞り、全員を救出した。

 さすが自衛隊。被災者の方々にそう言っていただける能力、そして、何よりも、その志の高さを、改めて証明してくれました。

 自衛隊の災害派遣実績は、実に4万回を超えています」――

 そして、「自衛隊の最高指揮官として、諸君と共に、国民の命と平和な暮らしを守り抜き、次の世代に引き継いでいく」と断固宣言している。

 よく言うよ。確かに自衛隊の各種災害活動には目を見張るものがある。だが、自衛隊と共に「国民の命と平和な暮らしを守り抜く」と言っている安倍晋三本人が2014年8月20日の70人以上の死者を出した広島土砂災害時には午前3時過ぎ頃から発生した土砂崩れが住宅を襲い、行方不明者続出の通報が相次いでいて、午前3時20分頃の土砂崩れで土砂に埋まった子ども2人のうち1人が午前5時15分頃心肺停止の状態で発見され、その死が確認されたにも関わらず、安倍晋三は同じ8月20日、夏休み中の山梨県の別荘から富士河口湖町のゴルフ場「富士桜カントリー倶楽部」に向かい、午前7時26分に到着、ゴルフを開始し、死者が発生してもなおゴルフを続け、午前9時19分になってやっとゴルフを中止した行為からは自衛隊同様に「国民の命と平和な暮らし」と共にある「最高指揮官」の姿は見えてこない。

 2018年6月28日から7月8日にかけて西日本を中心に北海道や中部地方など全国的に広い範囲で記録された台風7号と梅雨前線等の影響による集中豪雨で西日本を中心に大きな被害が発生、死者200人を超えた「西日本豪雨」の際、気象庁が7月5日に記者会見で記録的な大雨と土砂災害や河川の氾濫への厳重な警戒をひっきりなしに呼びかけていたことが毎年のように発生している多大な人命の犠牲を伴う豪雨災害と同規模の自然災害に対する危機管理への呼びかけと見ないまま、さらに基本的には政府対策の陣頭指揮を取る立場にありながら、7月5日夜に数人の閣僚と自民党国会議員を交えて東京・赤坂の議員宿舎で行った、「赤坂自民亭」と名付けた酒席に出席していた危機管理なき態度からは自衛隊同様に「国民の命と平和な暮らし」と共にある「最高指揮官」の姿はやはり見えてこない。

 相変わらずの口先だけの綺麗事を垂れ流すのみとなっている。

 安倍晋三「今や、国民の9割は、敬意をもって、自衛隊を認めています。60年を超える歩みの中で、自衛隊の存在は、かつては、厳しい目で見られた時もありました。それでも、歯を食いしばり、ただひたすらに、その職務を全うしてきた。

 正に、諸君自身の手で、信頼を勝ち得たのであります。

 次は、政治がその役割をしっかり果たしていかなければならない。

 全ての自衛隊員が、強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える。これは、今を生きる政治家の責任であります。私はその責任をしっかり果たしていく決意です」――

「全ての自衛隊員が、強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える」と言い、「次は、政治がその役割をしっかり果たしていかなければならない」と言っていることは日本国憲法9条の1項2項はそのままに3項目を付け加えて、そこに自衛隊の根拠規定を明記する憲法改正への言及である。

 読売新聞社の2018年8月24~26日の全国世論調査によると、憲法9条に自衛隊の根拠規定を追加する自民党案に賛成は45%、反対は38%となっていて、他の世論調査でも賛成が40%半ば以上を示している。

 だが、「今や、国民の9割は、敬意をもって、自衛隊を認めています」と言っている「9割」の多くは、あるいは2017年5月3日に都内開催の「公開憲法フォーラム」に送ったビデオメッセージで、「今日、災害救助を含め、命懸けで24時間、365日、領土、領海、領空、日本人の命を守り抜く、その任務を果たしている自衛隊の姿に対して、国民の信頼は9割を超えています」と言っている「9割」の多くは各種災害活動に対しての評価・信頼であって、戦争する自衛隊を想定した評価・信頼ではない。

 このような評価・信頼から憲法9条改正を見なければならない。

 自衛隊に対する評価・信頼が戦争する自衛隊ではなく、各種災害活動に邁進する自衛隊であることは2017年3月15日に調査票を郵送して4月24日までに届いた返送総数2077通・有効回答2020通となった2017年5月2日付の「朝日新聞世論調査」(既にリンク切れ)にも現れている。

「憲法第9条を変えるほうがよいと思いますか。変えないほうがよいと思いますか」
 変えるほうがよい29%
 変えないほうがよい63%

「自衛隊が海外で活動してよいと思うことに、いくつでもマルをつけてください」
 災害にあった国の人を救助する92%
 危険な目にあっている日本人を移送する77%
 国連の平和維持活動に参加する62%
 重要な海上交通路で機雷を除去する39%
 国連職員や他国軍の兵士らが武装勢力に襲われた際、武器を使って助ける18%
 アメリカ軍に武器や燃料などを補給する15%
 アメリカ軍と一緒に前線で戦う4%(以上)

  憲法第9条改正については賛成29%に対して反対63%と反対が34%も上回り、尚且つ戦争する自衛隊への支持は僅か4%に過ぎない。対して「災害にあった国の人を救助する」92%は国内の災害活動についても当てはめることができる数値であろう。

 この世論調査を1年半以上も古いものと扱ってはならない。

 NHKが2018年10月6日から10月8日まで行った世論調査のうち、憲法改正に関わる国民の姿勢を見てみる。

 「内閣が最も力を入れるべきこと」
 「社会保障」28%
 「経済政策」20%
 「地方活性化」14%
 「外交・安全保障」11%
 「防災対策」11%
 「憲法改正」6%

 「自民憲法改正案の臨時国会提出の是非」
 「提出すべき」17%
 「提出する必要はない」36%
 「どちらともいえない」38%

 「自衛隊の存在明記の是非」
 「賛成」30%
 「反対」19%
 「どちらともいえない」40%

 安倍晋三は国民の「9割」が自衛隊を評価・信頼していると言い、日本国憲法が戦争に関わる制約を国家権力に規定している9条に自衛隊の根拠規定を明記する憲法改正と、その線に添った自民党の憲法改正案を臨時国会に提出することを強く熱意している。

 ところが、国民の「9割」もが自衛隊に対して評価・信頼していながら、「内閣が最も力を入れるべきこと」として「憲法改正」はたったの最下位6%のみで、安倍晋三の憲法改正の熱意は国民に全然届いていない状況を示している。

 当然、「自民憲法改正案の臨時国会提出の是非」についての質問で最も多くを占めた「どちらともいえない」40%は提出に関しては消極的意思表示の現れと見なければならないし、この40%の消極的意思表示と、「提出すべき」の17%を19%も上回る「提出する必要はない」36%の提出反対意思表示と合わせた76%は安倍晋三の憲法改正の熱意に反する国民の意思表示となっていて、このような意思表示こそが安倍晋三が言っている自衛隊に対しての国民の「9割」の評価・信頼が戦争する自衛隊に対してではなく、各種災害活動に邁進する自衛隊に対するものであることの現れでなくてはならない。

 戦争する自衛隊に対しての国民の「9割」もの評価・信頼であるなら、安倍晋三の憲法改正の熱意に応えて「内閣が最も力を入れるべきこと」として憲法改正を第1位につけるか、あるいは上位につけるはずであるし、当然、臨時国会ヘの提出を後押しするだろうし、自衛隊の存在明記を積極的に支持することになるはずだ。
 だが、そうはなっていない。要するにNHKの2018年10月の世論調査には1年半以上も前の2017年3月15日から4月24日にかけて行った朝日新聞の世論調査に現れている憲法改正に関わる国民の意思が反映されていて、後者の意思表示が現在も生きていることの証明となっている。

 このように自衛隊に対する国民の評価・信頼の多くが戦争する自衛隊に対してではなく、各種災害活動に邁進する自衛隊に対するものでありながら、「自衛隊の最高指揮官」の名のもとに自衛隊観閲式で戦争に関わる国家権力の行使を制約している憲法9条に自衛隊の根拠規定を明記する憲法改正を訴えている。

 訴えた場所と言い、国民に憲法改正条文を提示しないままに行っている国家権力が戦争に関係することになる条項の改正意思と言い、自衛隊に対する国民の評価・信頼の多くを戦争する自衛隊に対するものだと捻じ曲げた、その巧妙な利用に他ならないし、自衛隊をも利用していることになる。

 安倍晋三の舌先三寸に乗ってはならない。

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