安倍晋三の天性の誤魔化し人間・天性のウソつき人間の正体を改めて見せた2019年1月6日NHK「日曜討論」

2019-01-21 13:23:19 | 政治

 2019年の年が明けた最初の日曜日、1月6日のNHK「日曜討論」は、そのサイトの説明によると、〈2019年の政治はどう動く?今年最初の日曜討論は9党の党首へのインタビューです。内政・外交の重要課題への対応は?通常国会や統一地方選挙、参議院選挙にどう臨むか?〉と、その番組内容を解説している。

 インタビューを受けたトップバッターは自由民主党総裁・日本の誇り高き首相安倍晋三。このインタビューで安倍晋三が天性の誤魔化し人間・天性のウソつき人間であることの正体を改めて見せた。このブログではそのような人間であることの証明のためには安倍晋三以外は取り上げる価値はない。

 司会は伊藤雅之と牛田茉友。

 2019年1月6日NHK「日曜討論」

 牛田茉友「平成から元号が変わり、新たな時代へ。この時代の変わり目に政治はどう動くのか」

 安倍晋三(映像)「本年の日本の明日を切り開く1年としたい」

 枝野幸男(映像)「新しい時代の新しい価値を、これを実感できるような社会の構造を、政治と行政がつくり上げなければならない」

 牛田茉友「内外の重要課題への対応は、そして統一地方選挙と参議院選挙が重なる政治決戦に各党はどう望むのか。9党党首にインタビューで迫ります」

 伊藤雅之「平成が終わる節目の今年、日本の政治はどう動くのでしょうか。年頭に当たり、今朝の日曜討論は時間を10時42分まで延長して、9党の党首の皆さんに山積する内外の重要課題にそれぞれどう向き合い、何を目指していくのか、リレーインタビューで伺います」

 牛田茉友「最初は自由民主党総裁の安倍総理大臣です。日程の都合で事前に話を聞きました」

 伊藤雅之「よろしくお願いします」
 
 安倍晋三「よろしくお願いします」

 伊藤雅之「今年はですね。消費税率の引き上げ。日本が議長国を務めるG20サミットなど内外の重要課題が控えてます。安倍政権は今年をどのような年と位置づけて臨みますか」

 安倍晋三「今年、平成31年は平成の最後の年となります。同時に新たな時代の幕開けとともなる年であります。日本の明日を切り拓く、そういう1年にしていきたいと思って思っています。

 内政に於いてはですね、幼児教育の無償化、保育政策など、全世代型の社会保障制度へと改革をしていく年にしていきたいと思います。そして外交に於いては日露平和条約交渉の、方を進めていく。あるいは北朝鮮との問題についてあらゆるチャンスを逃さずに拉致問題の解決等に挑んでいきたい。

 戦後日本外交の総決算に取り組む1年としたいと思います」

 牛田茉友「今年は憲政史上初めてとなる天皇陛下の退位、そして皇太子様の即位が控えていますけれども、特に新たな元号の発表を4月1日と決めましたけども、その狙いは何でしょうか。と言うことと、新元号にどういったメッセージを込めたいと思っていますか」

 安倍晋三「4月の30日に天皇陛下が退位され、そして5月の1日に皇太子殿下がご即位になられます。天皇陛下の御退位と皇太子殿下のご即位が国民こぞって整う中でつつがなく行えるように万全を期していきたいと思います。

 改元は皇太子殿下が御即位される5月1日に行われます。そして新たな元号については国民生活への影響を最小限に抑える観点から4月1日に元号を改める政令を閣議決定いたします。

 つまり4月1日に発表することになります。公布は通常の政令制定の手続きに従って行なっていく考えでありますが、新たな元号については広く国民に受入れられる、そして日本人の生活の中に深く根ざしていくものとなるよう、考えております」

 伊藤雅之「日本の経済について聞いていきます。今の景気回復の期間ですけれども、これが戦後最長になったという可能性が高まった一方でなかなかその実感が伴わないという声もあります。

 日本の経済の現状、どう思いますか」

 安倍晋三「日本経済については、ですね。もはやデフレではないという状況をつくり出すことができたと考えています。そして雇用状況は大変よくなっています。昨年高校・大学を卒業したみなさんの就職率は過去最高となり、正規雇用の有効求人倍率も、1倍超えました。最長の景気回復期間は小泉政権に始まってですね、安倍政権、そして福田政権、麻生政権と続いたんですが、そのときの景気回復期はですね、その期間を通じたずっと日銀の短観に於いてですね、状況判断がプラスであったのは東海地方と関東地方のみであったわけですが、今回はですね、すべての地域で5年連続プラスになりました。

 これはやはり観光も大きく寄与しているのではないかと思います。むしろ今の最大の問題としては中小企業の皆さんにとっての問題というのは、人手不足である。その課題に対応するために昨年ですね、外国人材を活用していくための法改正を行いました」

 伊藤雅之「それとですね、米中ですね、経済摩擦などによりですね、世界の減速に対してですね、非常に懸念が高まっていると。こうしたリスクへの備え、これはどう考えますか」

 安倍晋三「今、世界経済は緩やかに回復をしておりますが、確かにですね、先行きには様々なリスクがあるのは事実だろうと思います。しかし我が国の経済のファンダメンタルズはですね、強固であります。リスクにはしっかりと目配りしながら、経済運営を行っていきたいと思いますが、米中の貿易摩擦について言えばですね、貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもなりません。

 如何なる貿易への措置もですね、WTOに整合的であるべきかを考えています。これは米国にも中国にもですね、双方に私が申し上げているところでありますが、今年は初めて日本でG20サミットを開催します。日本は議長国としてですね、対立を深めるのではなくて、違いを強調するのではなくて、お互いに協力できる点を見据えながら、持続的な安定した経済成長を図るために国際協調を進めていく。そのために主導的な役割を果たしていきたいと考えています」

 牛田茉友「今年10月には消費税率10%への引き上げが控えておりますけれども、これは予定通り行われるんでしょうか。併せて政府は景気への悪影響を防ぐための様々な対策を掲げてますけれども、この消費税率を引き上げたときに景気への影響はどのように見ていますか」

 安倍晋三「消費税率の引き上げはですね、全世代型社会保障制度への改革を進めていく上で大切な財源であります。リーマンショック級の出来事がない限り、引き上げを行っていく考えには変わりはありません。
 
 前回のですね、消費税引き上げの際の反動で消費低迷、その後の回復が弱かった点などをしっかりと反省しながら、その点を踏まえて、予算・税制を総動員して十二分な措置を取っていきます。

 経済への影響はですね、今度の2%押し上げによる経済への影響は2兆円程度と見込んでいます。それは幼児教育の無償化を行い、さらに低年金の方への給付、あるいは軽減税率等の措置を取りますので、実質2兆円程度の影響だろうと思いますが、これに対しましては2兆円の予算を組んで、2%上回る5%のポイント還元やプレミアム商品券をですね、措置を
していく。

 加えまして、自動車や住宅について減税を行いました。併せて2.3兆円。十二分なですね、予算・税の対応を取っていく考えでありまして、決して経済を腰折れさせることがないように対応していきたいと考えています」

 伊藤雅之「政権が取り組む課題として全世代型の社会保障への改革ということを掲げておりますけども、これは今までの社会保障とどう違うのか。そして給付と負担の見直しが必要となる可能性もあると思うのですが、それをどのようにお考えですか」

 安倍晋三「全世代型の社会保障制度と申しておりますのは今まで社会保障制度が高齢者に偏り過ぎているのでないかという、そういう評価・批判もあったわけでございます。そこで私たちは今回の消費税の引き上げを財源としてですね、幼児教育の無償化を推し進めます。それは10月からですね。

 来年の4月からは真に必要な子供たちの高等教育の無償化を実践します。このように子供たちの教育、あるいは子育て世代にしっかりと振り向けていきます。そして同時に、それは子育て世代、現役世代への支援ともなるわけであります。

 これは、しかし決して高齢者の皆さんのですね、給付を減らすということではなくて、まさに経済が成長してる中においての果実、あるいはさらに税収が増えて、ま、消費税もありますが、活かして全世代型へと変えていくということであります。

 これはですね、人生100年時代を見据えて、必要な改革であろうと思ってます」

 牛田茉友「続いて外交について聞いていきます。先ずはロシアとの関係について伺いたいんですけども、去年プーチン大統領と1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させることで合意しました。今月下旬にも首脳会談を予定していますけれども、今年、平和条約締結に向けた動きは正念場になると見ていいんでしょうか」

 安倍晋三「長門会談では新しいアプローチによって平和条約の問題に取り組んでいくことで合意をいたしました。新しいアプローチとは何かと言えばですね、日ロ双方で4島の未来について考える中に於いてですね、両国が受入れ可能な解決策を見出していく。今4島にはですね、ロシアの方々が住んでいて、お墓があるというのは、これは現実であります。

 この4島に住んでいるロシアの方々が帰属が変わるということに納得して頂かなければ、なかなか領土問題が解決していかない。ですから、両国民が理解し合えるような、そういうアプローチを取っていくっていうことがここまで来たところなんですが、この1月に先ず河野外務大臣がロシアを訪問し、ラブロフ外務大臣と外相会談を行い、そのあと、私が今月の後半にロシアに訪問し、プーチン大統領と首脳会談を行いますが、平和条約交渉について進展を測りたいと考えています」

 伊藤雅之「その交渉の基礎となるですね、日ソ共同声明、その中身を見ますと、平和条約を締結したあと歯舞群島と色丹島を引き渡すとされてる一方でですね、国後島と択捉島については言及がないということだったと。

 この交渉は、いわゆる2島先行返還論、これに軸足を移したということなんでしょうか。また国後・択捉島についてどうなるのか。そういうのは島民、元島民のですね、不安もあると思うんですが、これにどう答えますか」

 安倍晋三「先ず元島民の皆様も大分年を重ねてこられました。悠長に時間をかける訳にはいかないと思っています。戦後長らく残されてきたこの課題に私とプーチン大統領の手で終止符を打つ、この決意についてはですね、共有できていると思います。

 具体的にどのように領土問題を解決していくかっていうことは、まさにこれからですね、交渉を進める中で決めていくことでございますので、今中身について発言することはですね、控えさせて頂きたいと思いますが、やっと開いたですね、機会の窓を逃したらないと、こう考えております」

 伊藤雅之「一方ですね、アメリカとの関係でもあると思うんですが、ロシアはですね、択捉島と国後島の軍事拠点化を進めていると。一方、プーチン大統領はアメリカ軍がですね、将来的に後ろに展開するんではないかという懸念もある。

 ロシア側の懸念、そしてアメリカ側の乗り換え(聞き取れなかったが、四島駐留への移行という意味か)。これにはどう取り組みますか」

 安倍晋三「あの、日米同盟というのは日本の外交安全保障の基盤、いわば基本であります。そん中に於いてですね、それを基本としつつ、当然、これが基本だということはプーチン大統領にも私は説明をしております。

 その中でこの4島の問題をどう解決をしていくか、ということでありますが、日ロが平和条約を結ぶということについてはですね、これは地域の平和と安定にとってはプラスになりますから、米国にとってもですね、私はプラスになることだろうと、こう考えています。その中で解決策を見出していきたいと思っています」

 伊藤雅之「続いて北朝鮮の問題について聞いていきます。非核化を巡るですね、アメリカと北朝鮮の交渉、このところ停滞してるように見えるんですけども、この現状、そして日本のスタンスについてどのよう考えていますか」

 安倍晋三「あの、昨年のですね、米朝首脳会談によってですね、北朝鮮を巡る情勢は大きく動き出しています。確かにですね、今停滞してるように見えるわけでございますが、米朝2回目の首脳会談を模索しております。朝鮮半島の非核化について米朝が合意をした。両国の首脳がですね、しっかりと合意したという意義は大きいと思います。

 日本もですね、この動きを後押ししていきたいと考えてます。同時に日本にとっては何よりも大切な拉致問題があります。この問題についてはトランプ大統領が直接、金正恩委員長にですね、話をしてもらった訳でありますが、この問題については私自身が金正恩委員長と向き合い、解決しなければならないと、あらゆるチャンスを逃さずに解決をしていきたいと決意をしております」

 伊藤雅之「続いて日米の貿易の問題について聞きます。これから始まるんですね。交渉。アメリカ側が例えば為替条項を含めてですねば、幅広い項目で様々な要求をしてくる可能性がありますね。交渉にどう望んでいきますか」

 安倍晋三「あの、日米交渉はですね茂木大臣とライトハイザー通商代表との間で行うことになりますが、農林水産物についてはですね、過去の経済連携協定で約束した内容が最大限であるということについては私からトランプ大統領にも申し上げておりますし、日米の共同声明の中にも、この日本の立場に則った、添ったですね、記述があるわけでございます。

 当然、日本の国益に適う合意でなければ、その合意が、合意は行うことはできないと考えておりますが、しかし日米両国にとってですね、いい合意を作っていくことは両国の経済にとって間違いなくプラスであろうと、こう思っております」

 伊藤雅之「為替の部分、どうでしょうかねぇ」

 安倍晋三「これもですね、かってTPPに於いてですね、整理をしているわけでありますが、こうした日米で既に整理していることを元にですね、交渉していくことになるんだろうと思います」

 伊藤雅之「中国との関係について伺います。日中関係、新しい段階に押し上げるという狙いですけれども、一方でですね、米中の関係を見ますと、ファーウェイであるとか、あるいは(?「知的財産」についての言及なのか)などの問題、安全保障やですね、ハイテク分野での主導権争いという要素も呈しているように見えるんですけれども、難しい面もあると思いますが、中国との関係、どのように築いていきますか」

 安倍晋三「日中関係について言えばですね、まさに日本の総理としては7年ぶりに中国を公式訪問いたしました。日中関係は間違いなく正常な軌道に戻ったと言えると思います。

 中国は日本にとって最大の貿易相手国であります。日中関係を安定的発展させていくことがですね、日本の国益に適う。これは中国の国益にも適うんだろうと思います。どのように発展させていくかということについては、三原則については日中でですね、その原則を確認するとかできたと、こう思っています。

 勿論、知的財産の問題等、解決していかないといけない課題もありますし、日本が主張すべき点はしっかりと主張しながらですね、日中関係を発展させていきたい。ある段階に引き上げていきたいと考えています。

 伊藤雅之「続いて韓国との関係についてお伺いします。太平洋戦争中の徴用をめぐる裁判の判決、そして自衛隊の哨戒機に対するですね、韓国軍の射撃管制用レーダーを巡る照射問題。

 関係悪化してるようですけれども、今後隣国の韓国、どう付き合っていきますか」

 安倍晋三「海上自衛隊のですね、哨戒機への火器管制レーダーの照射については既に防衛省から公表している通りであります。そして朝鮮半島出身の労働者について差し押さえに向けた動きは極めて遺憾であります。

 政府として深刻に受け止めております。そもそも1965年の日韓請求権協定で完全かつ、終的に解決済みであります。先般の判決は国際法に対してあり得ない判決であると、我々は考えております。国際法に基づき毅然とした対応を取るため、具体的な措置の検討を関係省庁に指示を致しました」

 伊藤雅之「ここから日本の防衛政策についてお伺います。先月閣議決定された防衛計画の大綱、大型護衛艦を事実上の空母化する方針などが含まれています。来年度の予算案の防衛費、過去最大規模ということです。

 こうした動き、専守防衛の考え方、これが変化していくという状況なんでしょうか。また、国民の理解、どのように求めていきますか」

 安倍晋三「専守防衛はですね、ということの変化については全く変化していません。専守防衛は我が国の憲法に於いて基本的な防衛方針であります。そして予算についてでありますが、国民の命と平和な暮らしを守っていくためには必要な予算であると考えています。

 またですね防衛費に於いてはGDP比について実は0.8%でありますし、そして31年度の予算については米軍再編費、米軍再編費を除けばですね、実はですね、20年前の水準なんですね。(自衛隊・米軍一体なのだから、「米軍再編費」を除くこと自体ゴマカシ。)

 前の水準なんですね。過去30年間でも日本の予算って言うのは1.3倍にしかなっていないわけであります。その中に於いてサイバーや宇宙や電磁波、新たな領域の重要性が増しています。これは今までの防衛力の努力を無にしかねないという大きな技術の変化の中でですね、しっかりとした対応をしていく。装備を獲得していくことはですね、国民の生命と安全を確保していく上に於いて、しっかりと守り抜いていく上に於いては必要である。バランスが崩れると、却ってですね、これは平和が脅かされことになっていくというふうに考えています」

 伊藤雅之「アメリカ軍の沖縄のですね、アメリカ軍の普天間基地の移設をめぐる問題について伺います。先月から埋め立ての工事、名護市で土砂の投入も始まったということです。政府と沖縄県の対立が続いている状況ですが、この問題についてですね、今後のスタンス、また沖縄県民の理解、どのようにみていますか」

 安倍晋三「先ず誤解を解かなければいけないんですが、あの、日本国民の皆さんもですね、全く新しく辺野古に基地を作ることを進めているというふうに思ってる方が多いと思いますが、先ず市街地の真ん中にある、世界でも危険な基地と言われている普天間を返還するためにどうしたらいいのかということをずっと考えてきた。その中で普天間の返還を行うためには代替の基地である辺野古に基地を作りますよ。しかしその代わり世界で最も危険と言われている普天間基地は返還されるということでありまして、この計画を今進めています。

 民主党政権時代にも最低でも県外という宣言をしましたが、結局、どこにも持って行くとかできずに辺野古に移設をするということが決まった。今、その計画に則って作業を進めているんですが、さらに付け加えますと、移設するに当たって普天間の機能のうち、三つあったんですが、一つは空中給油機になりますが、15機、全て岩国に移設されました。18年後、そのことを行うことができた訳であります。

 また、緊急時の受け入れ機能というのもあったんだですが、九州の自衛隊の基地に移転が決定されました。さらにはオスプレイもですね、訓練は本土移転を推進しておりますし、整備は木更津て実施しております。

 このように機能を相当縮小して普天間(辺野古の間違い)に持っていくということ。さらにはこのことによってですね、今は市街地の真ん中にありますから、防音の措置をしなければいけない個数がですね、世帯が1万数千もある。これが辺野古に移れば、ゼロになっていくということもご理解して頂きたいと思います。

 今、土砂が投入されている映像がありましたが、土砂を投入していくに当たってですね、あそこのサンゴについては、これを移しております。また絶滅危惧種が砂浜に存在していたんですが、これは砂を浚ってですね、これをしっかりと別の浜に移していくという環境の負担をなるべく抑える努力もしながら行なっているということであります。

 勿論、沖縄の皆さんの気持に寄り添っていくとことも大切ですし、理解を得るようですね、さらに努力をしていきたいと思っております」

 伊藤雅之「ここからは今月招集される通常国会について先ず伺います。この国会にどう臨んでいくのか。先の臨時国会では野党側からですね、政府の答弁が不十分ではないかという批判が相次いでいました。国会運営のあり方、どのようにお考えですか」

 安倍晋三「国会運営を行っていく上に於いてはですね、謙虚に丁寧に対応していかなければいけないと考えています。先ず景気の回復軌道を確かなものとしていく上に於いてですね、第2次補正予算、それと本予算、速やかな成立を図っていきたいと思います。

 同時にですね、10月からの幼児教育の無償化や来年4月からの真に必要な子ども達のための高等教育の無償化のための法案など、重要法案の成立を図っていきたいと思います。この国会については骨太の政策論争を行いたいと思いますし、日本の明日を切り拓く国会としていきたいと思っています」

 牛田茉友「憲法改正について聞いていきます。先の臨時国会では憲法審査会は開かれたものの、自民党内で改正案の国会への提出を目指す動きがあった。4項目の憲法改正案の提示は見送られました。通常国会では自民党総裁として憲法改正をめぐる議論がどのように進むことを求めていきますか」

 安倍晋三「憲法の改正はですね、まさに最終的には主権者たる国民の皆さんが国民投票で決めていくものであります。国民のみなさんがそうした判断を行う上に於いては国会でしっかりと議論していくことが私は求められているんだろうと思います。

 ですから、自民党としてはですね、昨年の衆議院選挙に於きまして自衛隊の明記を含む4項目について書かれて、選挙を戦い、勝利を収めることができました。

 憲法まさに国の未来の理想を語るものでもあります。今年はGトゥエンティサミットもありますし、来年はオリンピック・パラリンピックが日本で開催されます。そして本年はまさに皇位の継承も行われます。未来に向けたですね、日本をどういう国にしていこうかという骨太の議論が行われることがですね、私は国会で求められているものではないかと、国民の皆さんも望んでいるのではないか。そのためにも各党がですね、自分たちはどう考えるかという考え方を持ち寄るべきじゃないのかなあと思いますね」

 伊藤雅之「それに関連してですね、安倍さん、2020年を新しい憲法が施行される年にしたいという考えも示されていましたけれども、この考えに変わりはないのかどうか。スケジュール感としてですね、年内の発議ということも視野に入ってるでしょうか」

 安倍晋三「勿論、気持は全く変わりがありませんが、達成中ではありませんし、それは国会が決めていくことになると思います」

 伊藤雅之「そして今年4月にはですね、統一地方選挙。そして衆議院の補欠選挙があります。こういった選挙をどう臨んでいきますか」

 安倍晋三「あの、選挙に於いてはですね、政策論争を戦わせていくことが求められていると思います。自由民主党としては私たちが今まで成し遂げてきたこと、そしてこれから進めていく政策について、選挙を通じてですね、しっかりと訴えていきたいと思ってます」

 伊藤雅之「そして政治決戦とも言われている夏の参議院選挙ですけれども、自民党としては目標をどこに掲げるのか。そしてその目標に向けてどう取り組んでいきますか」

 安倍晋三「大分期間がありますが、参議院選挙、極めて重要な選挙であろうと思ってます。自民党の候補者が全て当選を果たすことができるように自由民主党総裁として全力を尽くしていきたいと思ってます」

 伊藤雅之「その関連なんですけれども、与野党の中からですね、参議院選挙に合わせて衆参同日選挙を行うのではないかという声も上がっています。この可能性があるのか。また参議院選挙ってことになると、3年前とやはり状況は違うんでしょうか」

 安倍晋三「これまでもですね、国論を二分するような改革については、ま、平和安全法制もそうですし、教育の無償化もそうです、5回の国政選挙で勝利することによって実施をすることができた。まさに民主主義のダイナミズムが国会だろうと思ってます。この6年間、聞かれるたびに同じことを申し上げて参りましたが、総選挙、(フッと小さく笑って)頭の片隅にもありません」

 伊藤雅之「ありがとうございました」

 牛田茉友「ありがとうございました」

 司会の伊藤雅之が「安倍政権は今年をどのような年と位置づけて臨みますか」と聞くと、「日本の明日を切り拓く、そういう1年にしていきたい」と答えている。

 しかしこの「日本の明日を切り拓く」は当たり前のことだが、今年から始めることではなく、安倍晋三の場合は第2次安倍政権発足の2012年12月26日をスタートとして、現在進行形で継続している一大目標でなければならない。今年から「日本の明日を切り拓いていきます」と言ったら、滑稽極まりないことになる。

 当然、第2次安倍政権6年間でどれ程に"日本の明日を切り拓いてきたか"が問われることになる。内閣支持率は50%を切っている。国民の印象は大して切り拓いていないと見ているからだろう。だが、言っていることは勇ましい。一種の誤魔化しであり、ウソとなる。

 司会の牛田茉友が4月1日を新元号発表の日とした狙いを聞くと、安倍晋三は「国民生活への影響を最小限に抑える観点」から皇太子の天皇即位5月1日1ヶ月前の「4月1日と決めた」と言っている。

 ところが、2019年1月4日付「asahi.com」記事によると、政府は当初2018年中の公表を前提に夏頃の公表を検討していたという。このスケジュールは、勿論、「国民生活への影響を最小限に抑える観点」から以外の理由はなかったはずである。

 ところが、記事は安倍晋三と麻生太郎が特別顧問を務めている日本会議国会議員懇談会が昨年7月に事前公表反対で一致、8月には新天皇による公布を求めて首相官邸に申し入れたと解説している。つまり2019年5月1日の即位と同時に新天皇が元号を発表するという段取りを考えていた。

 理由は、〈保守派から「早すぎる公表は今の陛下に失礼」との声があがり、2019年2月24日に開く天皇陛下在位30年記念式典より後の公表が有力になった。〉としている。そして2019年4月1日に決まった。

 「早すぎる公表は今の陛下に失礼」は現天皇が在位中に新元号を発表するのは「失礼」ということであって、さすがに日本会議国会議員懇談会だけのことはある。国民生活よりも天皇の存在性を優先させ、その"ご気分"を忖度している。国民主権の日本国憲法を無視した天皇の存在性優先は天皇の絶対視以外の何ものでもない。

 安倍晋三は日本会議国会議員懇談会が8月に新天皇による公布を求めて首相官邸に申し入れた以上、懇談会の動きを受けて、2018年中公表の予定を2019年5月1日新天皇即位1ヶ月前の4月1日発表の妥協となったはずだ。
 
 勿論、この妥協を以ってして国民生活への影響・混乱が想定されなければ、何の問題もない。だが、上記記事は〈政府は大きな混乱を想定していないが、1カ月前の公表でも、税や社会保障に関するシステムの一部で改修が間に合わず、5月1日以降も「平成」を一定期間使い続ける見通しだ。〉とそれなりの混乱・不都合が生じることを伝えている。

 にも関わらず、「新たな元号については国民生活への影響を最小限に抑える観点から4月1日に元号を改める政令を閣議決定いたします」とごく当たり前に、且つ常識に則ってスムーズに決めたかように言うことができる。

 誤魔化し・ウソの類いの垂れ流しでなくて何であろう。

 司会の伊藤雅之が戦後最長可能性の安倍晋三アベノミクス景気は「実感が伴わないという声」があることを問うと、安倍晋三は小泉政権から始まった戦後最長景気は日銀短観の状況判断がプラスとなったのは東海地方と関東地方のみで、アベノミクス景気は「すべての地域で5年連続プラスになった」と言って、この言葉を以って戦後最長景気よりも成果大であることの証明としているが、戦後最長景気も実感なき景気と言われていて、実感なき景気と実感なき景気の戦いでしかなく、後者の方により多くの成果(=実感)を置いたとしても、ドングリの背比べに勝った程度の証明としかならない。

 当然、「実感が伴わないという声」に正面から向き合った、納得の行く答を示したことにもならない。これは誤魔化以外の何ものでもなく、誤魔化しはウソつきの専売特許である。
 このことは2018年9月7日の「時事ドットコム」記事添付の戦後最長景気とアベノミクス景気を比較した画像も証明している。

 アベノミクス景気が上回っているのは企業収益と実質賃金指数のみで、実質GDPは見劣りがしていて、個人消費も下回っている。実質賃金指数が上回っていると言っても、これもマイナスの戦いでしかない。この指数プラス1.2が、安倍晋三が「日銀の短観に於いてですね、状況判断がプラスであったのは東海地方と関東地方のみであったわけですが、今回はですね、すべての地域で5年連続プラスになりました」と指摘していることに当たり、この程度であって、この程度のことで戦後最長景気の成果よりもアベノミクス景気の成果を上に置くのは誤魔化しでしかない。

 平気で誤魔化すことのできるウソを披露したに過ぎない。

 アベノミクス景気で企業収益が28.1兆円も上回っていて、実質賃金指数がマイナスの戦いで、個人消費が3.7%も下回っている状況から見えてくる構図は企業だけが儲けていて、個人に恩恵が回らない"アベンミクスは格差ミクス"と言われている、格差拡大の証明のみである。

 安倍晋三は「アベノミクスによって格差が拡大したと言われているが、実際は格差は縮小している」と言っているが、ウソも休み休み言えと言うことになる。

 安倍晋三は「日本経済については、ですね。もはやデフレではないという状況をつくり出すことができたと考えています」と言っている。

 約3年9ヶ月前の2015年4月8日の参院予算委員会。
 
 安倍晋三「日本はこの15年間、長く続いたデフレの中で、賃金も上がらず、税収も減少し、社会保障制度などの基盤への不安が国民の中に蔓延してまいりました。

 三本の矢の政策、この三本の矢をまさに堀内(恒夫)さんのように直球勝負でど真ん中に投げ込んできたところでございますが、その結果、もはやデフレではないという状況をつくり出すことに成功したと、こう思っています。有効求人倍率は22年ぶりの高水準でありますし、昨年の賃上げは平均2%以上のアップでありまして、過去15年間で最高となりました。企業の倒産件数でありますが、24年ぶりの低水準でありますし、企業の経常利益は過去最高水準になっており、間違いなく経済の好循環は生まれ始めていると言ってもいいと思います」

 堀内恒夫とはご存知の方が多いだろうが、元巨人軍のピッチャーである。

 同じ年、2015年12月14日の「内外情勢調査会全国懇談会」の安倍晋三スピーチ。

 安倍晋三「この20年近く、日本は、長いデフレに苦しんできました。しかし、経済の好循環によって、私たちは、『もはやデフレではない』という状況をつくることができました」

 以上の発言はパソコンに保存してある記事からの抜粋で、それ以前から口にしていたのかもしれないが、少なくとも2015年4月8日から計算して約3年9ヶ月間も、「もはやデフレではないという状況」が続いているということは、安倍晋三にとって大きな目標であったデフレ脱却に関しては約3年9ヶ月間も前に進んでいないことになる。

 と言うことは、有効求人倍率の22年ぶりの高水準も、これまでの賃上げアップも、企業の倒産件数低水準も、企業経常利益過去最高水準も、景気の実感に関しては何も役立ったなかったことの証明にしかならないことになって、こういったことを並べ立てること自体、アベノミクスを誤魔化すペテンとなる。

 ペテンに過ぎないからこその国民のアベノミクス景気に対する「実感が伴わないという声」、評価ということであるはずである。

 安倍晋三は米中の貿易摩擦のリスク回避のために、「如何なる貿易への措置もですね、WTOに整合的であるべきかを考えています。これは米国にも中国にもですね、双方に私が申し上げているところであります」と言っている。

 但し安倍晋三が"申し上げた"から、米中双方がリスク回避に動いているわけではない。米中ともに自国経済に深刻な影響が出始めているからリスク回避に動いているのであって、それを「持続的な安定した経済成長を図るために国際協調を進めていく。そのために主導的な役割を果たしていきたい」と自身が影響力を持っているかのように言うことができる。

 誤魔化しもいいとこだが、日米の貿易交渉に関しての発言にも誤魔化しを見せている。

 安倍晋三「日本の国益に適う合意でなければ、その合意が、合意は行うことはできないと考えておりますが、しかし日米両国にとってですね、いい合意を作っていくことは両国の経済にとって間違いなくプラスであろうと、こう思っております」

 何事も国益と国益の戦いとなるのだから、日本だけが国益に適うということは決してない。当然、双方共に全てに於いて国益に適うということもない。そしてその折り合いについては米中の貿易交渉を見ていると、国の力関係が関与しているのがよく分かる。

 中国は貿易交渉で対米黒字を6年でゼロとする提案を行ったとマスコミが伝えている。中国とアメリカの力関係が逆であるなら、貿易黒字額を程々のところに抑えることはしても、
ゼロに持っていく理由も義務も生じない。

 日米の貿易交渉にしても国の力関係が影響してくる。当然、ただでさえ対米従属の安倍晋三がいくら自身の外交能力が優れているかのように見せかける誤魔化しを見せたとしても、いくら望んでも、「主導的な役割」を果たすことなど望むべくもないのが現実であろう。

 安倍晋三はの消費税の引き上げを財源とした幼児教育の無償化推進等の若年世代の社会保障を充実させることてを現在の社会保障制度を全世代型に持っていくとしているが、赤字国債に頼った借金財政ではない全世代型にしなければならないはずだが、消費税財源から国の借金に回す分を削って、将来世代にツケを回す全世代型になっていることに関しては口を噤んでいる。

 安倍晋三一流の誤魔化しであり、この誤魔化しはウソの変形である。国民に対して正直であったなら、つまりウソつきでなかったなら、このような誤魔化しは行わない。

 また、「経済が成長してる中においての果実」を以ってして高齢世代への社会保障をも充実させると言っているが、確かに現役世代は「幼児教育の無償化」等、各在学段階での無償化等を受けて、無償化で減った負担分を消費に回すことはできるが、「消費税の引き上げを財源」としている以上、あくまでも増税が寄与することになる恩恵であって、アベノミクスの経済政策を受けた直接的な恩恵ではない。

 高齢世代への社会保障に関しては、将来的に年金給付額が目に見えて増えることはない状況と実質賃金の上昇の低迷及び個人消費の低迷によって「経済の果実」を言っても意味はないし、在学世代を除いた世代に恩恵が及びにくい社会保障となりかねない。

 「人生100年時代を見据えて、必要な改革である」はウソ・誤魔化しに見えてくる。

 事実、中低所得層の多くがなるべく消費を抑える、あるいはカネを使わない生活防衛態勢に入っている。だからこその個人消費の低迷という悪循環が起きている。

 社会の現実、国民生活の現実を語らず、無視する発言に正直さを見ることはできない。誤魔化しとウソしか見えない。

 安倍晋三はまた、消費税10%への増税の2019年10月を迎えて、増税を受けて予想される景気後退対策として「2兆円の予算を組んで、2%上回る5%のポイント還元やプレミアム商品券をですね、措置をしていく」、あるいは、「加えまして、自動車や住宅について減税を行いました」と、万全の対策を取ることを宣言しているが、2015年10月に8%から10%への増税することに関して最初に延期することを表明した2014年11月18日の「記者会見」では次のように述べている。

 安倍晋三「来年(2015年)10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後(2017年4月)、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。私はそう決意しています」

 いわば2014年11月18日の時点で2015年10月に8%から10%へ増税するまでに消費税を増税することのできる「経済状況をつくり出すことができる」と、「必ずや」という強い決意の言葉を添えて公約している。

 ところが、消費税を増税することのできる「経済状況をつくり出すことができる」と公約しておきながら、2016年6月になって2019年10月への再延期を表明することになった。

 要するに消費税増税の「経済状況」をつくり出すことができなかった。しかもこの場に及んで、ポイント還元だ、プレミアム商品券だ、自動車減税だ、住宅減税だと騒ぎ立てている。
 
 誤魔化しに誤魔化しを重ね、ウソにウソを重ねるに等しい。

 北方四島問題に関して安倍晋三は平和条約を締結、歯舞色丹島の返還を明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を行うことをプーチンに提案、合意した。当然、この提案・合意が2島先行返還なのか、他2島継続返還なのかが問題となる。

 安倍晋三「この4島に住んでいるロシアの方々が帰属が変わるということに納得して頂かなければ、なかなか領土問題が解決していかない。ですから、両国民が理解し合えるような、そういうアプローチを取っていくっていうことがここまで来たところなんです」

 「4島」を対象にさも「帰属が変わる」ようなことを言っている以上、2島先行返還・他2島継続返還の交渉で臨む姿勢を示したことになる。だが、ロシア側の対応はここに来て、「四島の主権はロシアにある」、「4島は第2次世界大戦の結果、ロシア領となった」といった反応ばかりである。

 要するにプーチンと24回も首脳会談を重ねながら、安倍晋三は交渉が進んでいるように見せかけているが、何も進んでいなかったことになる。交渉が進んでいるように見せかけていたことは誤魔化し・ウソに過ぎなかった。
 
 安倍晋三が「戦後長らく残されてきたこの課題に私とプーチン大統領の手で終止符を打つ、この決意についてはですね、共有できていると思います」が白々しく聞こえる。

 安倍晋三は日中関係について、「日中関係は間違いなく正常な軌道に戻ったと言えると思います」と確約しているが、経済だけの関係で、安全保障面は仮想敵国同士となっている。日本政府は軍事的安全保障面での中国包囲網構築のための各国との連携、中国牽制のための軍備増強等々の措置に出ている。

 このことを以って「正常な軌道に戻った」は誤魔化し・ウソとなる。

 拉致問題について、「この問題については私自身が金正恩委員長と向き合い、解決しなければならないと、あらゆるチャンスを逃さずに解決をしていきたいと決意をしており
す」と言っているが、いつまで経っても「チャンス」をつくることができず、拉致被害者家族は待ちくたびれて、いつ解決させるのかと痺れを切らしている。

誤魔化し、ウソを振り撒いているようなものである。

 太平洋戦争中の徴用をめぐる裁判の判決については2018年11月3日付の「ブログ」に書き、哨戒機への火器管制レーダーの照射については、201年1月14日の「ブログ」に書いた。

 伊藤雅之が「専守防衛の考え方は変化していくのか」と問うと、安倍晋三は「専守防衛は我が国の憲法に於いて基本的な防衛方針」であって変化はしない、防衛予算の増額は「国民の命と平和な暮らしを守っていくためには必要な予算」だと答えている。

 だが、一方が兵器を大型化・性能の高度化を目指せば、相手も大型化・性能の高度化で応じてそれを以って抑止策とする。万が一、軍事的衝突が起きた場合、兵器の大型化・性能の高度化によって、それなりの犠牲を覚悟しなければならない。全ての"国民の命と平和な暮らしを守る"保証はどこにもない。全員が全員守ることができるわけではない。一定程度の犠牲を止むを得ないこととすることになる。

 その一定程度が10万人の場合もあれば、100万人の場合もある。ヘタをすると、第2次世界大戦の二の舞で、軍人・市民併せた日本の犠牲者310万人という膨大な人数に登る場合もある。こういった構図で「国民の命と平和な暮らしを守る」と言い切ることが可能となる条件は国家を守ることしか残されていないことになる。

 つまり10万人犠牲になろうと、100万人犠牲になろうと、国家を守りさえすれが、犠牲者を除いて国民の命と平和な暮らしを守ったことになるからである。このこと以外に「国民の命と平和な暮らしを守る」方法はない。あるというなら、教えて貰いたい。

 このような類いの安倍晋三の"国民の命と平和な暮らしを守る"であることを心しなければならない。いわば安倍晋三の"国民の命と平和な暮らしを守る"は"日本国家を守る"の言い換えに過ぎない。

 要するに安倍晋三は日本国家を守ることを基準に日本の安全保障を語っている。だが、実際に日本国民全員を対象に「国民の命と平和な暮らしを守る」ことができるかのように発言している。これを以って誤魔化し・ウソと言わずに何を以って誤魔化し・ウソと言うことができるだろうか。

 安倍晋三は防衛費に関して「防衛費に於いてはGDP比について実は0.8%でありますし、そして31年度の予算については米軍再編費、米軍再編費を除けばですね、実はですね、20年前の水準なんですね」と言っているが、自衛隊・米軍一体なのだから、「米軍再編費」を除くこと自体がゴマカシ・ウソとしかならない。

 沖縄の普天間基地の辺野古移設の問題での安倍発言。

 安倍晋三「先ず誤解を解かなければいけないんですが、あの、日本国民の皆さんもですね、全く新しく辺野古に基地を作ることを進めているというふうに思ってる方が多いと思いますが、先ず市街地の真ん中にある、世界でも危険な基地と言われている普天間を返還するためにどうしたらいいのかということをずっと考えてきた。その中で普天間の返還を行うためには代替の基地である辺野古に基地を作りますよ。しかしその代わり世界で最も危険と言われている普天間基地は返還されるということでありまして、この計画を今進めています」

 辺野古移設反対の沖縄県民は「新基地も嘉手納基地もいらない。ノーモアベース」と言うものである。「ノーモアベース」でなければ、本土に虐げられた歴史を語るはずはないし、米軍基地に翻弄された戦後史を口にすることはない。つまり、辺野古が全く新しく設置される基地ではなく、普天間基地の代替施設であるかどうかは問題ではない。普天間も辺野古も反対というものである。

それをさも代替施設だから、問題はない、沖縄県民は誤解しているかのように誤魔化す。この誤魔化しは始末に負えない。ウソを付いているも同然である。

 当然、「沖縄の皆さんの気持に寄り添っていくとことも大切」と言っていることは誤魔化し・ウソを言葉の下に隠している以上、同じ性格の姿勢、見せかけの姿勢と見ない訳にはいかない。
 
 安倍晋三のサンゴ移設発言を黙過した司会者に対する批判がマスコミやネットで見られたが、私自身、頭になかった情報で、語る資格はない。

 司会者が「野党側から政府の答弁が不十分ではないかという批判が相次いでいた」ことを取り上げて、今月招集の通常国会での対応を聞くと、安倍晋三は「謙虚に丁寧に対応」と答え、「この国会については骨太の政策論争を行いたいと思いますし、日本の明日を切り拓く国会としていきたいと思っています」と答えているが、こうも誤魔化し・ウソを並べ立てるようでは「謙虚に丁寧に対応」は怪しくなるばかりで、例の如くにまともに答弁しないゴマカシが多いとなると、野党の批判などカエルのツラにショウベンでしかない。

 当然、「骨太の政策論争」など期待しようがないし、「日本の明日を切り拓く国会」も無理となる。

 安倍晋三は憲法改正について尋ねられると、「自民党としてはですね、昨年の衆議院選挙に於きまして自衛隊の明記を含む4項目について書かれて、選挙を戦い、勝利を収めることができました」と答えている。

 まるで憲法改正問題を唯一の争点として戦ったかのように言っているが、事実はいつもアベノミクス景気を主争点として前面に掲げ、国民に不人気な安全保障問題や憲法問題は隠れ争点に位置づけて戦ってきて、主争点で勝利を勝ち取ってきた。

 かくまでも誤魔化し、ウソを付く。

 安倍晋三はまた、「憲法まさに国の未来の理想を語るものでもあります」と言っているが、安倍晋三の改憲案が「国の未来の理想」と価値づけることができるのかどうかは国民の判断であって、その判断を時事通信が2019年1月11~14日に実施した「1月の世論調査」見ると、〈安倍晋三が目指す2020年の改正憲法施行について尋ねたところ、「賛成」は28.8%にとどまった。「反対」は37.7%、「どちらとも言えない・分からない」が33.5%だった。自民党支持者は賛成が53.2%に上ったが、反対(20.8%)と「どちらとも言えない・分からない」(26.0%)も一定の割合を占めた。〉と解説していて、国民と安倍晋三の間に温度差があることが分かる。

 つまり、安倍晋三の改憲案が「国の未来の理想」と価値づけることに同調する国民は3割弱で7割が懐疑的になっている。それをさも、自分の憲法改正案が「国の未来の理想を語るもの」と国民が捉えているが如くに言う。

 誤魔化し・ウソもいい加減にしなければならない。

 以上、数々の誤魔化し・ウソをみてくると、安倍晋三の誤魔化し・ウソはもはや天性の才能と見ることができる。このような人間が日本の首相を務めている。司会者は最後に4月の統一地方選挙と衆議院の補欠選挙、さらに7月の参議院選挙のことを聞いているが、これらの選挙を打ち負かして、安倍晋三を日本の首相の椅子から引きずり降ろすしかない。

 【お断り】1月31日まで惰眠を貪る必要上、ブログを休むことにします。悪しからず。

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韓国艦艇レーダー照射事件での海自哨戒機対応に見る素朴な疑問 韓国を下に見る日本側の傲慢さからの事態ではないことを願う

2019-01-14 10:12:52 | 政治

 2018年12月20日午後3時頃、能登半島沖の日本の排他的経済水域内で海上自衛隊P-1哨戒機が韓国海軍駆逐艦から複数回の火器管制レーダーを数分間照射され、日本政府は「極めて危険な行為だ」として韓国側に再発防止を求めた。対して韓国側は当初、韓国海軍が「火器管制用レーダーを作動させたことは事実だが、日本の哨戒機を狙う意図は全くなかった」と弁明、その後、韓国政府が「哨戒機を追跡する目的でレーダーを運用した事実はない」と否定、かくして照射した、照射していないと双方の言い分が対立するに至った。

 日本政府は2018年12月28日、自衛隊哨戒機が現場を撮影した映像と隊員同士の遣り取りを公開、あくまでも照射を受けたのは事実とし、対して韓国側も同様の映像を翌年、2019年1月4日午後に公開して、「事実を歪曲するもの」と日本側を批判、対立はエスカレートの様相を呈している。

 韓国海軍が「日本の哨戒機を狙う意図は全くなかった」と言明していることについては、2018年12月22日付「時事ドットコム」記事が朝鮮日報の報道として具体的に伝えている。

〈駆逐艦が北朝鮮の遭難漁船を捜索するため、一般レーダーよりも精密な火器管制用レーダーを稼働させ、哨戒機がその半径に偶然入ってきたとする韓国軍関係者の話を伝え〉、付け加える形で、「火器管制用レーダーを作動させたのは事実だが、日本の哨戒機を狙う意図はなかった。(日本側が「日本の排他的経済水域(EEZ)内で照射を受けた」と発表したことに関して)「(駆逐艦が)遭難船救助のため、通常、作戦を行う海域よりも、東側に進んだのは事実だが、韓日のEEZの中間水域で起きたことで、日本の反応は多少、度を越している側面がある」と主張していると言う。

 2013年1月にも海上自衛隊護衛艦搭載ヘリコプターが飛行中、中国海軍艦艇から射撃管制レーダーの照射を受けたが、回避行動を取ってレーダーから逃れた。日本政府は中国政府に抗議したが、中国側が否定、ウヤムヤに至っている。

 中国も韓国も、"ウソも百回"(ドイツ・ナチス政権の宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルスの名言、「嘘も百回言えば真実となる」)を用いて、前者はウヤムヤにし、後者はウヤムヤを狙っているのかもしれない。

 この"ウソも百回"は安倍晋三も森友学園疑惑、加計学園獣医学部認可疑惑で得意としていた。

 例え日本側の言い分が正しくて、韓国側の否定が"ウソも百回"だったとしても、自衛隊の映像を文字起こしした、既に記事削除が行われている2018年12月28日付「NHK NEWS WEB」記事を読んだとき、韓国駆逐艦に対する海自哨戒機の対応に素朴な疑問を持った。ここに全文を引用して、何が疑問か、記してみたいと思う。青文字は遣り取り中の英記号の日本語訳を理解しやすくするために英記号が繰り返されるごとに丸かっこ付きで日本語訳を補うことにした。
 
 レーダー照射 そのとき哨戒機内では… 隊員やり取り詳細(NHK NEWS WEB/2018年12月28日 21時48分)

自衛隊の哨戒機が韓国軍の艦艇から射撃管制用レーダーの照射を受けた問題で、防衛省が公開した映像の、機内の隊員たちのやり取りは次のとおりです。一部音声が消されていますが、防衛省はそれ以外の加工はしていないとしています。用語の説明は映像の字幕をそのまま記載しています。

クルー「2隻ともに1000ヤード間隔の間にいる。」

機長「これより、WARS(韓国警備救難艦「サンボンギョ5001」)の撮影を実施する。」

機長「WARS」
「左側に小型ゴムボートと思われるもの視認」

クルー「クァンゲト・デワンは回頭中、240度まで回頭している。」
「画面中央WARSを撮影中」
「まもなくアビーム(正横通過)する」
「アビームスタンバイ」
「マーク(今)アビーム(正横通過)
「左舷にゴムボート2隻」
「その間に漁船のような1隻を確認した。」
「現在左舷艦艇をアビーム(正横通過)する。」
「アビーム(正横通過) スタンバイ」
「マーク アビーム(正横通過)
「ヘリデッキについてはヘリ等格納されていない。」
「格納庫にヘリ等はなかった。レーダー回転中」
「特異事象等はなし」
「Korea South WARS(韓国警備救難艦) ビジュアルコンタクト ポジション」★ピー音(位置)
「コース300度8ノット」★ピー音(確認作業中)

機長「ネクスト(次)」
「クァンゲト・デワンの回頭針路240度から」
「このまま回り込んで」
「ネクスト クァンゲト・デワンの右舷を撮影していく。」

クルー「漁船まもなく左側」
「さきほど撮影した、艦番号5001」
「サンボンギョであることを確認した。」
「情報ありましたよね。」
「情報は」「ありますね。」「サンボンギョ」★ピー音(確認作業中)
「WARS?」「違いますね。」
「WARSの目標情報はないですよね?」「なし」
「クァンゲト・デワン(の情報)もなし?」「なし」
「機長、この、やつは撮ったんですか?」

機長「まだ撮ってない。結局全景、今、失敗しちゃったので」
「これ撮ったあと、上昇して全景撮っていこうか。」
「ネクスト クァンゲト・デワン船尾から」
「右舷の撮影に入っていく。」
「目標は11時(の方向)3マイル」
「今のところ呼びかけ等なし」

クルー「U(UHF)/V(VHF)1,2,3,4」
「国V(国際VHF)Vガード(VHF緊急周波数(121.5MHz))、Uガード(緊急周波数(243.0MHz))モニター中」
「現在、画面では左側 WARS(韓国警備救難艦)
「右側 韓国艦艇クァンゲト・デワン」
「現在、画面でズームアップ艦尾撮影中」

機長「本機、ターゲットの右舷アビーム(正横通過)する。」
「艦番号、後で確認する。」

クルー「レーダーアンテナは回転中」
「ヘリの格納庫内、見える限りヘリの格納されているのを確認できない。」
「まもなく」
「スタンバイ マーク アビーム(正横通過)
「971 971」
「その他特異事象なし」
「艦番号571ではないかと」

機長「了解 571」

クルー「ビジュアルコンタクト」★ピー音(位置)
「190度 8ノット」★ピー音(確認作業中)
「艦番号971、971」
「左上昇旋回、ネクスト全景の方、映していく。」
「韓国の5はあんまり見ないですね」
「現場の天候、風は050度15ノット」
「視程20キロ」
「雲は2CU(積雲 雲量2) 030(雲高3000ft)」
「波1(さざ波がある程度) うねり1(弱いうねり)」
「うねりの方向 ノースtoサウス」
「現在飛行高度1000フィートまで上昇中」

機長「1500まで上昇し全景をおさえていく。」

クルー「1500ftレベルオフし全景撮影を実施する。」
「現在画面で2隻」
「WARS(韓国警備救難艦)5001 クァンゲト・デワン」
「971,撮影している。」★ピー音(確認作業中)

機長「はい 了解」
★「FC(火器管制レーダー)探知」と左上に大きく赤い字幕
自機の10時方向 約5000メートル

クルー「出しています。」
「FC(火器管制レーダー)系出してる」

機長「はい 了解」

クルー「FC(火器管制レーダー)コンタクト」★ピー音(確認作業中)
「避けた方が良いですね。」
「砲の指向等を確認(する)」

機長「確認せよ。」

クルー「了解」「コンテニューホールド(継続探知)」

機長「隔離する。一旦隔離する。」

クルー「コンテニューホールド(継続探知)

機長「はい 了解」

クルー「めちゃくちゃすごい音(電波強度強い)だ」★赤い字幕
「オグジュアリー(探知した電波などの音を聴くことができる装置)確認中」
「この音覚えておいて下さい。」
「砲はこちらを向いていない。」
「砲の向首は確認していない。」★ピー音(確認作業中)

機長「はい」「はい 引き続きVTR撮影中」★ピー音(確認作業中)
「了解」

クルー「はい コンテニューホールド(継続探知)」★ピー音(確認作業中)
「FCレーダー(火器管制レーダー)らしき電波探知」

機長「一応 呼びかけてみようか」★ピー音(確認作業中)

クルー「そちらの方から出てくるのは間違いなし」
「うちら電波 えー」
「今止まりましたね。」

機長「今止まった」

クルー「まだ あっ 今 ダメです。」
「今遠い。★ピー音○○○(確認作業中)」

機長「はい ★ピー音○○○(確認作業中)」

クルー「★ピー音○○○(確認作業中)チャレンジした。」

機長「はい」

クルー「了解、ちょっと確認しておいて下さい。」
「IFT、できれば」
「★ピー音(確認作業中)見れたらお願いします。」★ピー音(確認作業中)

クルー「FC(火器管制レーダー)らしき 信号をコンタクト(探知)」
「えーと機長★ピー音○○○(確認作業中)」
「現在進行形ではないですが『確認した』まで」

機長「一応(司令部に)言っておこうか。」

クルー「確認します。」

機長「はい」「TACO2(ツー)はSAT(通信衛星)HOT(通信中)ね」

クルー「はい 了解」

クルー「3(スリー)サイドで確認する。」

機長「はい」

クルー「ではTACO1(ワン)でやりますね。国V121.5」

機長「はい 了解」
★「FC(火器管制レーダー)探知」と左上に大きく赤い字幕
自機の12時方向 約8000メートル

クルー「また(FC(火器管制レーダー))探知」
「★ピー音○○○(確認作業中)でコンタクトした旨及び」
「今コンタクトした旨SAT(衛星通信)で一報しておく。」

機長「はい 了解」
★「FC(火器管制レーダー)探知」と左上に大きく赤い字幕
自機の12時方向 約8000メートル
「『現在離隔中』も言っておいてね。」

クルー「はい 了解」
★以下、英語で呼びかけ★
「韓国海軍 艦艇,韓国海軍 艦艇」「艦番号971,艦番号971」
「こちらは日本国海上自衛隊,こちらは日本国海上自衛隊」
「貴艦のFC(火器管制レーダー)アンテナが我々を指向したことを確認した。」
「貴艦の行動の目的は何ですか。」
「韓国海軍 艦艇,韓国海軍 艦艇」「艦番号971,971」
「こちらは日本国海上自衛隊」
「貴艦のFC(火器管制レーダー)アンテナが我々を指向したことを確認した。」
「貴艦の行動の目的は何ですか。」
★「韓国海軍艦艇からの応答なし」の字幕★

クルー「現在後尾5マイル」
「ネクスト国Vは156.8でいきます。」

機長「はい」
★以下、英語で呼びかけ★
「韓国海軍 艦艇,韓国海軍 艦艇」
「こちらは日本国海上自衛隊,こちらは日本国海上自衛隊」
「韓国海軍 艦艇」「艦番号971」
「こちらは日本国海上自衛隊」
「貴艦のFC(火器管制レーダー)アンテナが我々を指向したことを確認した。」
「貴艦の行動の目的は何ですか。」
「韓国海軍 艦艇,韓国海軍 艦艇」
「艦番号971,971」
「こちらは日本国海上自衛隊」
「貴艦のFC(火器管制レーダー)アンテナが我々を指向したことを確認した。」
「貴艦の行動の目的は何ですか。」
★「韓国海軍艦艇からの応答なし」の字幕★

クルー「はい★ピー音○○○(確認作業中)」

機長「はい 了解」★ピー音(確認作業中)

機長「はい 了解」★ピー音(確認作業中)

クルー「間違いなく向こう(韓国艦艇)のFC(火器管制レーダー)系です。」★ピー音(確認作業中)

クルー「はい」★ピー音(確認作業中)

機長「えーと記録がとれているか確認して下さい。」

クルー「はい一応★ピー音○○○(確認作業中)は終了」
「あと、★ピー音○○○(確認作業中)」
「★ピー音○○○(確認作業中)データはとれています。」

機長「はい 了解」
「U/V2をUガードに換えてくれる。」

クルー「はい 了解」
「機長Uガードでまだ交話やってないのでやります。」
「機長 IFT」

機長「はい 送話」★ピー音(確認作業中)

クルー「とれています。」

機長「了解」★ピー音(確認作業中)

機長「はい 了解 ありがとうございます。」★ピー音(確認作業中)

クルー「TACO1(ワン)再度呼びかける。」「U/V2セット」
★以下、英語で呼びかけ★
「韓国海軍 艦艇,韓国海軍 艦艇」
「こちらは日本国海上自衛隊」
「韓国海軍 艦艇」「艦番号971」
「こちらは日本国海上自衛隊」
「貴艦のFC(火器管制レーダー)アンテナが我々を指向したことを確認した。」
「貴艦の行動の目的は何ですか。」
★「韓国海軍艦艇からの応答なし」の字幕★
「韓国海軍 艦艇」「艦番号971,971」
「こちらは日本国海上自衛隊」
「貴艦のFC(火器管制レーダー)アンテナが我々を指向したことを確認した。」
「貴艦の行動の目的は何ですか。」

 映像の長さ:13分7秒 終

 WARSとはW+ARS(救難艦)で「沿岸警備隊の救難艦」を意味する艦種記号だとネットで紹介されていた。

 あくまでも日本の排他的経済水域内で発生した韓国側からの火器管制レーダー照射であることを前提とする。

 先ず海自哨戒機は韓国警備救難艦を視認した。視認後、韓国警備救難艦の撮影実施に入るために「正横通過」の旋回に入り、「漁船のような1隻を確認」している。このことは韓国側が北朝鮮の遭難漁船を捜索していたとしていることと符合する。

 このあとも旋回して撮影を続け、同時に韓国警備救難艦の艦上を、「レーダーアンテナは回転中」だとか、「ヘリの格納庫内、見える限りヘリの格納されているのを確認できない」などと偵察活動を行っている。

 このあと、海自哨戒機は「約5000メートル」の位置にいる韓国警備救難艦から火器管制レーダー(FC)の照射を受ける。クルーが「めちゃくちゃすごい音(電波強度強い)だ」と言っていることは電波の強度を言っているのだろう。

 照射を受けてから初めて、韓国警備救難艦に向けて「こちらは日本国海上自衛隊,こちらは日本国海上自衛隊」と呼びかけて、照射を受けたことに対して「貴艦の行動の目的は何ですか。」と照会している。韓国側の応答がないために「貴艦の行動の目的は何ですか。」をあと5回、合計で6回繰り返している。

 日本の排他的経済水域で韓国警備救難艦を発見したとき、なぜ直ちに「貴艦の行動の目的は何ですか。」と問い合わせしなかったのだろう。問い合わせをせずに韓国警備救難艦の上空を旋回して、撮影したり、艦上の偵察を行っている。

 最近日韓関係がギクシャクしていると言っても、少なくとも韓国は友好国に位置する。にも関わらず、このような対応をした。このことが素朴な疑問である。

 1982年にジャマイカで開催の第3次国連海洋法会議最終議定書及び条約の署名会議で採択され、日本が1983年2月に署名、1996年6月批准、同1996年7月20日の(国民の祝日「海の日」に発効した「海洋法に関する国際連合条約」は排他的経済水域に於ける活動を次のように定めている。

第58条 排他的経済水域における他の国の権利及び義務

1 すベての国は、沿岸国であるか内陸国であるかを問わず、排他的経済水域において、この条約の関連する規定に定めるところにより、第87条に定める航行及び上空飛行の自由並びに海底電線及び海底パイプラインの敷設の自由並びにこれらの自由に関連し及びこの条約のその他の規定と両立するその他の国際的に適法な海洋の利用(船舶及び航空機の運航並びに海底電線及び海底パイプラインの運用に係る海洋の利用等)の自由を享有する。

 「沿岸国」とは、海洋及び(海洋に出ることができる)河川や湖に接している国のことであり、「内陸国」とは、無沿岸国とも言って、陸に囲まれて海岸を持たない国だと言う。

 第87条は、「公海の自由」を謳った条文で、〈公海は、沿岸国であるか内陸国であるかを問わず、すべての国に開放される。〉と規定している。

 つまり排他的経済水域に於いて少なくとも「船舶及び航空機の運航」は公海と同様に認められていることになる。

 そして第39条は「通過通航中の船舶及び航空機の義務」を規定、〈1 船舶及び航空機は、通過通航権を行使している間、次のことを遵守する。〉として、〈(a)海峡又はその上空を遅滞なく通過すること。〉と義務付けているが、 〈(c)不可抗力又は遭難により必要とされる場合を除く〉と例外を設けている。

 要するに韓国警備救難艦が日本の排他的経済水域で北朝鮮の遭難漁船を捜索活動中であったことは何の問題もないことになる。問題は海自哨戒機が韓国警備救難艦を視認後、直ちに「貴艦の行動の目的は何ですか。」と照会しなかったことであろう。照会していたなら、レーダーを照射した、しないで事実のこじれが起こりようがなかったはずである。

 ネットで、韓国警備救難艦側から「『ただいま北朝鮮漁船から遭難の通報があり、捜索のために日本の排他的経済水域内を航行することになる』と連絡しなかったことはおかしい」といった指摘を見受けたが、であるなら、なおさらに当初からの照会は必要だった。

 韓国を下に見る日本側の傲慢な態度が招いたとは思いたくないが、照会せずに、いきなり韓国警備救難艦の上空を旋回、偵察を開始している。

 救難艦側からしたら、日本の排他的経済水域に停留していることに何の問題もないのに上空を旋回し始めたから、そのことにカチンときて、レーダーを照射したということもあり得る。

 疑えばキリがないことで、北朝鮮漁船遭難は偽装で、日本に対する偵察活動中だったと疑うこともできるが、排他的経済水域でどれ程の軍事的、あるいはその他の情報収集を可能とすることができるだろうか。

 勿論、照会に関わる当方の素朴な疑問が的外れということもあるが、的外れであろうとなかろうと、結果だけを問題とするのではなく、結果を招いた自衛隊側の対応を原因に置いた検証を省くと、同じ結果を招くことになりかねない。

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憲法改正は天皇を国と国民統合の象徴から外すことから 安倍晋三等の天皇絶対視の政治利用に終止符を打ち、国民の自律性認識のため

2019-01-07 10:54:20 | 政治
 
 安倍晋三は自著『美しい国へ』で、日本国歌「君が代」について次のように述べている。

 「『君が代』が天皇制を連想させるという人がいるが、この『君』は、日本国の象徴としての天皇である。日本では、天皇を縦糸にして歴史という長大なタペストリーが織られてきたのは事実だ。ほんの一時期を言挙げして、どんな意味があるのか。素直に読んで、この歌詞のどこに軍国主義の思想が感じられるのか」

 「『君』は、日本国の象徴としての天皇である」と言っているが、「君が代」が天皇を頭に戴いた明治中頃から軍部独裁の戦前まで日本国歌とされていた事実は過去に於いて絶対君主としての天皇を「君」に位置づけていた何よりの証明であって、それを戦後の時代に限って「『君』は、日本国の象徴としての天皇である」とするのは安倍晋三特有の日本の歴史を良く見せようとする歴史改竄に過ぎない。

 「日本では、天皇を縦糸にして歴史という長大なタペストリーが織られてきたのは事実だ」と言っている。より具体的な意味付けは2009年2月11日の明治神宮会館で開催の「建国記念の日奉祝中央式典」に於ける安倍晋三のスピーチに現れている。
 安倍晋三「よく『国柄、国柄』と、こういうことを議論することがあるんですが、私たちの国柄は何かと言えば、これはもう、古来からの長い長い歴史の中において、日本人の営みの積み重ねの中に自然に出来上がってきたものが、私は、『日本の国柄』ではないかなと思うところでございます。
  
 日本の歴史というのは、言ってみれば、いわば、つづら織りのようなものでありまして、タペストリーですね。

 この長い歴史をそれぞれの人々が個々の歴史を積み重ねる中で、全体のつづら織りができあがってきたわけでありますが、やはり、真ん中の中心線というのは、わたくしはそれはご皇室であろうと、このように思うわけであります。(大きな拍手)
  
 そしてそれはまさに、一本の線で、ずーーっと古来から今日までつながっている。 ここが諸外国とは大きく違う点であろうと、わたくしは思います。

 日本と外国との違い、たくさんあります。また、外国の王室との違いも私はある、と思います」――

 日本の歴史の中心線は皇室であり、それが「古来から今日までつながってい」て、それが日本の「国柄」だとしている。天皇なくして日本の「国柄」は成り立たなかったことになる。

 この考え方だけで天皇絶対視の思想を窺うことができる。

 中心があり、外縁がある。いわば中心を主とし、外縁を従としている。と言うことは、日本国の歴史の主役を歴代天皇に置いて、歴史の脇役は国民、皇室を日本の歴史の主宰者と見做す国家観となる。そして「ここが諸外国とは大きく違う点」だと言っている。

 この考えからは天皇絶対視の思想だけではなく、諸外国よりも日本を上に置く日本民族優越意識の否応もない存在を見ざるを得ない。

 大体が日本の歴史の大枠をつくってきたのは天皇ではない。何度もブログに書いてきているが、物部氏から始まって、それ以降、歴代天皇を頭に戴いて権力を実質的に握ってきたのは蘇我氏、藤原氏、平家、源氏、足利、織田、豊臣、徳川、明治に入って薩長・一部公家、そして昭和の軍部であった。日本の歴史は常に権力の二重構造を描いていた。大日本国憲法は天皇に陸海軍に対する統帥権を与えていたが、有名無実に過ぎなかった。昭和天皇は日米開戦に反対だったが、決定権はなく、軍部が握っていて、開戦を決定した事実は権力の二重構造の最たる象徴となる。
 
 安倍晋三の天皇絶対視の思想を露わにした発言はほかにもある。2012年5月20日の日テレ放送「たかじんのそこまで言って委員会」
 安倍晋三「皇室の存在は日本の伝統と文化、そのものなんですよ。まあ、これは壮大な、ま、つづれ織、タペストリーだとするとですね、真ん中の糸は皇室だと思うんですね。

 この糸が抜かれてしまったら、日本という国はバラバラになるのであって、天皇・皇后が何回も被災地に足を運ばれ、瓦礫の山に向かって腰を折られて、深く頭を下げられた。あの姿をみて、多くの被災地の方々は癒された思いだと語っておられたでしょ。あれを総理大臣とかね、私たちがやったって、それは真似はできないんですよ。2000年以上に亘って、ひたすら国民の幸せと安寧を祈ってきた、皇室の圧倒的な伝統の力なんですよ」
皇室が存在しなくなったなら、「日本という国はバラバラになる」――
これ程までに皇室を絶対視し、天皇なる存在を絶対視している。但し天皇を絶対視することによって、相互対応の関係上、国民の自律性の否定にまで走っている。絶対権力者が国民を国家運営のコマとのみ定めて、その基本的人権の自由を縛るようにである。

 【自律】「他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること」「goo国語辞書」

 「自律性」とはこういったことの傾向を表す。国民それぞれが自ら進んで負うことになった社会的役割を自分自身で立てた規範に従って行動する確固たる自律性の滞りのない発露によって社会は回っていき、国は維持されていく。このような社会や国の成り立ちに皇室、あるいは天皇の関与はどれ程の意味も持たない。当然、自律性を失いさえしなければ、皇室に頼らずとも日本という国が「バラバラになる」こともない。

 だが、安倍晋三は皇室が存在しなくなったなら、「日本という国はバラバラになる」という天皇絶対視の思想を抱いている。国民を愚弄するにも程がある。

 安倍晋三はさらに「天皇・皇后が何回も被災地に足を運ばれ、瓦礫の山に向かって腰を折られて、深く頭を下げられた。あの姿をみて、多くの被災地の方々は癒された思いだと語っておられたでしょ。あれを総理大臣とかね、私たちがやったって、それは真似はできないんですよ。2000年以上に亘って、ひたすら国民の幸せと安寧を祈ってきた、皇室の圧倒的な伝統の力なんですよ」と世迷い言なことを言っている。

 確かに被災者の多くが心を癒すことができただろう。だが、精神的な足しにはなっても、生活再建の実質的な足しになるわけではない。生活再建の実質的な足しは自らの努力以外に政治と行政に負うところが多い。天皇に負うわけではない。自らの努力とは自律性の証明に他ならない。

当然、天皇がいくら「国民の幸せと安寧を祈」ろうと、実現されるべきその具体性は国民それぞれの自律性と政治と行政の総合力に負うのであって、些かも天皇に負っていない。天皇が祈ったから、政治と行政が頑張るということだったら、国民を脇役に置いて、天皇を主役に据えることになり、憲法が規定する国民主権に反することになる。

 天皇が祈ったから、国民それぞれが頑張るということだったら、ごくごく個人的な自律性なる規範を天皇に預けることになる。天皇が祈ろうが祈るまいが、自分は自分、自己は自己という態度決定こそが自律性の真髄と言える。

 「国民の幸せと安寧」が天皇の祈りによってその具体性を獲得し得るわけでもないのに獲得し得るかのようにその祈りが国民に与える力を「皇室の圧倒的な伝統の力」とする。この非合理性に安倍晋三は気づかない。大体が戦前型の天皇主義者であること自体が安倍晋三の非合理主義を物語って余りある。

 例えば天皇は2019年1月2日の皇居一般参賀で、「新年おめでとう。晴れ渡った空のもと、皆さんとともに新年を祝うことをまことに喜ばしく思います。本年が少しでも多くの人々にとりよい年となるよう願っています。年頭にあたり、我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります」(NHK NEWS WEB)とスピーチしている。

 日本が戦争状態にないことを以って平和であり、安寧だと片付けることはできない。世界の多くの国々から経済的利益を得て、かつては世界第2位の、現在は世界第3位の経済力を誇っている以上、世界の平和と安寧の構築に責任を有していることになる。

 だからこそ、天皇は「我が国」と併せて「世界の人々」の「安寧と幸せを祈」ったはずだ。だが、現実の世界は各地で紛争が起き、テロ等で治安が悪化、多くの市民が犠牲となっている。食べることも大事な要素となる命の維持を阻害しようとする様々な危険から守るために移民となって国外に逃れながら、その途中で移民として受入れられることなく命を落とす市民も数多くいる。

 このような現実は天皇の祈りが実現すべき具体性獲得の力を持ち得ず、常に祈りだけで終わる宿命を抱えていることを教える。祈りだけでは片付けることはできない世界の政治が果たすことができない「世界の人々の安寧と幸せ」なのだから、そのような宿命は当然だが、事実は事実とする合理性を失い、精神的な癒やしのみを以って祈る力を「皇室の圧倒的な伝統の力」だと天皇を絶対視する危険性に陥ってはならない。

 安倍晋三のような国家権力者が天皇を絶対的存在と見せかけることは国民に同じ意識を植え付ける作用を自ずと持つことになる。自分にとってだけ、天皇は絶対的存在だとしているとしたら、天皇に関わる数々の発言は意味を失う。同じ意識を国民に共有させたいがためにこそ、「皇室の存在は日本の伝統と文化そのもの」だとか、あるいは日本の歴史の中心に皇室を据えたり、天皇の祈りが具体性実現の力を持たないにも関わらず、国民に与える影響を「皇室の圧倒的な伝統の力」と持ち上げることになっているはずである。

 この天皇絶対視を国民に共有させたい意識こそ、天皇の政治利用に他ならない。いわば安倍晋三の天皇の絶対視の裏には天皇の政治利用が隠されている。アレフの幹部が麻原彰晃を絶対的存在と看做して、その絶対性を信者に共有させることで信者がコントロール可能となるように安倍晋三は天皇絶対視を国民に共有させることで、安倍晋三流の絶対視の範囲内で国民をコントロールしようとする政治利用である。

 このようなコントロールは既に戦前の日本で見てきた。国民は絶対的存在とした天皇の名の下、見事にコントロールされてきた。安倍晋三が戦前型の天皇主義者である以上、願望は戦前型同様のコントロールに近づけたいと思っているはずだ。

 日本国憲法第1章天皇 第1条は、〈天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。〉と規定している。だが、国家の統合と国民の統合は実質的には政治の自律性と国民の自律性の相互反映によって成し遂げられる。相互反映の総合が国の形となる。

 いわば日本の国の形は偏に政治の自律性と国民の自律性の相互反映にかかっているのであって、天皇をいくら絶対視しようとも、天皇にかかっているわけではない。象徴天皇の限界がここにある。

 だが、安倍晋三のような戦前型の天皇主義者は国の形の頂点に天皇を置こうとしている。

 自律性こそが全てであることを認識するためにも、安倍晋三の天皇絶対視を用いた天皇の政治利用に終止符を打つためにも、憲法改正は天皇を国と国民統合の象徴から外すことから始めるべきだろう。

天皇を象徴から解き放して個人的存在とすれば、如何なる政治的発言も政治的活動も自由となる。皇位継承も個人的な問題となって、自由に決めることができ、即位の礼にしても、大嘗祭にしても、皇室の行事として行うことができ、金をかけるかけないは自分たちで決めることができる。

 大嘗祭に27億円かけることも、かけないこともでき、誰からも批判されることはない。

 ゆくゆくは皇室から衆議院議員、あるいは参議院議員が生まれるかもしれない。もし首相になることがあったら、安倍晋三よりは大分マシな首相になる期待だけは持つことが出来きる。


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