辻元清美はそこで「桜を見る会」前夜祭パーティーの領収書と明細書を出して貰いたいと要求した。対して安倍晋三からはいつもどおりの答弁が帰ってきた。
安倍晋三「夕食会の主催者は安倍晋三後援会であり、同夕食会の各段取りについては、私の事務所の職員が会場であるホテル側と相談を行っております。事務所に確認を行った結果、その過程において、ホテル側から見積書等の発行はなかったとのことであります。
そして、参加者一人当たり5000円という価格については、800人規模を前提にその大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事実等を踏まえ、ホテル側が設定した価格であり、価格以上のサービスが提供されたというわけでは決してなく、ホテル側において当該価格設定どおりのサービスが提供されたものと承知をしております。
なお、ホテル側との合意に基づき、夕食会の入り口において、安倍事務所の職員が一人5千円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に、集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたものとしておりまして、安倍事務所には一切収支は発生していないということでございます。
また、既に御報告をさせていただいておりますが、明細書につきましては、ホテル側が、これは営業秘密にもかかわることであり、お示しをすることはできない、こう述べている、こういうことでございます。
そして、領収書につきましては、これは一部新聞等にそのときの領収書が写真つきで出されているということを承知をしておりますが、これはまさに、出席者とホテル側との間で現金の支払いとそして領収書の発行がなされたものであり、私の事務所からこれは指図できるものではない、こういうことでございます」
辻元清貴は手もなく同じ答弁を引き出したわけではなかった。隠し玉を用意していて、その効果を高めるために仕掛けたワナであった。但しその効果の有無は別問題である。文飾は当方。
辻元清美「私、どうしても納得いかないので、ホテルに問合せをいたしました。ANAインターコンチネンタルホテル東京、全日空ホテルから文書で回答が参りました。ちょっと読ませていただきます。2013年以降の七年間に貴ホテルで開かれたパーティー、宴席についてお伺いします。この7年間の間に、これですけれども(全日空ホテルからの回答用紙を示す)、7年間の間に3回総理は前夜祭を開いております。貴ホテルが見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったでしょうか、この7年間に。回答、ございません。主催者に対して見積書や請求明細書を発行いたします。 総理の答弁と違うじゃないですか。いかがですか」 安倍晋三「それは、安倍事務所にということですか」 辻元清美「2013年から7年間に開かれた全日空ホテルでのパーティー、宴席全てについてでございます」 安倍晋三「それは、安倍事務所との間でどうなっていたかということについてお問合せをいただきたい、こう思うわけでございまして、その場においては、事務所から、それはいわば人数が多いものでありますから取りまとめを行ったということでございますが、明細書はいただいていない、こういうことでございます」 辻元清美「次に、領収書の話です。個人、団体を問わず、貴ホテルの担当者が金額などを手書きし、宛名は空欄のまま領収書を発行したケースはあったでしょうか。回答、ございません。弊ホテルが発行する領収書において宛名を空欄のまま発行することはございません。文書で回答が来ております。 これも総理の答弁と真っ向から違います。虚偽の答弁だとは断定はいたしません。しかし、全日空ホテルからは宛名が空欄の領収書は発行されていないんじゃないですか」 安倍晋三「それは、私の事務所で開いたものということでおっしゃっているんでしょうか。恐らくそうではないんだろう、こう思うわけでございまして……」(発言する者あり) 棚橋委員長「御静粛にお願いいたします」 安倍晋三「ニューオータニ側においては、安倍事務所との関係においてはそうした領収書を発行していると述べている、こういうことでございます」(発言する者あり) 棚橋委員長「お願いですから、御静粛に」 安倍晋三「ということで、述べているわけでございます。 そして、ニューオータニ側は、私の事務所においては、今申し上げた形でこれは領収書を出している。つまり、宴会場においては全て手書きで出していて、金額を入れ、担当者の名前を入れ、出しているということでございます。 また、全日空ホテルについても、我々、全日空ホテル側と事務所が話をしているわけ、いわばこの件についても問合せをしているわけでございますが、その点を事務所の方としては問い合わせて確認をしているということでございました」 辻元清美「全日空ホテルでは、7回のうちに3回、2013年、14年、16年、行っております。全日空ホテルに問合せをしたら、明細書も発行していない、そして、宛名のない領収書を全日空ホテルが一人一人に手渡しをした、そのように職員が確認をしたということでよろしいですか」 安倍晋三「全日空側は宛名なしの領収書を発行したということで間違いはございません」(発言する者あり) 棚橋委員長「御静粛に。辻元君の声が聞こえません」 辻元清美「これは、私が問い合わせましたのは、もう一度申し上げます、2013年以降の7年間に、貴ホテル、全日空ホテルで開かれたパーティー、宴席全てについて問い合わせておりますので、この中に総理の3回の前夜祭も入っているんです。請求明細書、これは請求書のことですよ、発行している。領収書、宛名のないのなんか出しませんとおっしゃっているわけですよ。 そしてこれも聞きました。ホテル主催ではない数百人規模のパーティー、宴会で、代金を主催者ではなく参加者個人一人一人から会費形式で貴ホテルが受け取ることはありましたか。回答、ございません。ホテル主催の宴席を除いて、代金は主催者からまとめてお支払いいただきます。 総理が、一人一人と契約をして、会費を、参加費をホテルが、があっと集めたものをごっそり持っていって、支払いだと。一人一人からということは、ホテル主催の宴席、自分のところがやっている宴席以外は一切やっていないと言っているんですよ。この答弁も、総理の答弁が事実と違うんじゃないですか。いかがですか」 安倍晋三「今、主催者とおっしゃいましたよね。ですから、私が従来から答弁をさせていただいておりますように、主催者は安倍事務所ではないわけでございます。そして、安倍事務所が……」(発言する者あり) 安倍晋三「いや、主催者は安倍事務所ではないわけでございます。(発言する者あり)そしていわば契約主体は個々の参加者であるということでございまして、この件におきましても、事務所側は、ニューオータニ側とも、また全日空側とも話をしているところでございまして、繰り返しになりますが、宛名のない領収書で書いている、いわば支払いを行っているということにおいては間違いがないということは申し上げておきたい、このように考えます。 辻元清美「それは、全日空側と職員が打合せをして、そして、普通とは違う特別なやり方を安倍事務所側がお願いしたということでよろしいですか」 安倍晋三「これは繰り返しになるわけでございますが、これは、そうした参加者一人当たり5千円という価格につきましては、8百人規模を前提に、その大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情を踏まえましてホテル側が設定したわけでございまして、そうした形式につきましてもホテル側が了解をしているところでございます。価格分以上のサービスが提供されたというわけでは決してなくて、ホテル側において当該価格設定どおりのサービスが提供されたものと承知をしております。 そして、ホテル側との合意に基づいて、夕食会場入り口の受付において、安倍事務所の職員が一人五千円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に、集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされた。これは、ニューオータニにおきましても全日空におきましても同じであるというふうに承知をしております」 辻元清美「そうしますと、全日空ホテルからの回答、主催者、これは安倍晋三後援会です、この場合は、安倍総理の場合は。見積書や請求明細書を発行いたします、これ、言ってみれば、安倍総理が全日空ホテルを使った期間全部にやっていると言っている。そして、宛名のない領収書は発行いたしませんと言っている。そしてさらに、ホテル主催の宴席を除いて、代金は主催者からまとめて支払う。私は、参加者個人一人一人から会費方式で受け取ることはあるかと。ございませんと回答しているんです。これ、総理の前夜祭も入っていますよ、この7年間に。 では、一般はこうだけれども、安倍事務所は全日空ホテルと特別に、この間も特別の関係みたいな話がありましたから、一般とは違うやり方でやった、全日空ホテルはこう言っているけれども、安倍事務所は特別に御配慮をいただいたという理解でいいですか」 安倍晋三「それは、辻元さんの事務所と全日空ホテルがどういう前提でどういうやりとりをされたかということを、私、承知をしておりませんから、お答えのしようがないのでございます。 例えばニューオータニとのやりとりにおきましても……」( 辻元委員「いや、全日空の話だからニューオータニは要らない」と呼ぶ)(発言する者あり) 棚橋泰文「頼むから、静かにお願いします」 安倍晋三「いやいや、御党におきまして、5千円で可能か、こういう形で5千円で可能かといえば、可能ではないという回答があったということは承知をしております。でも、そのときにさまざまな前提条件もつけられたと伺っております。 そういう中においてはそういうことになるわけでございますが、今、しかし、ニューオータニは、その後、いわば条件によってはそういうことも可能だということを述べているところでございまして、いわば辻元委員がこの私の事務所を含めてということを先方に聞いたのかどうかということでございますが、そういうことではないのではないかと思うわけでございまして……」(発言する者あり) 棚橋泰文「お願いですから、お静かに。傍聴席の方には特に申し上げます」 安倍晋三「まさにこれは、今、辻元委員から御質問をいただきましたから、全日空側にも我々も確かめさせていただきたい、このように思います。 辻元清美「私は条件はつけておりません。2013年以降の7年間に、貴ホテルで開かれたパーティー、宴席、全てについてどうだったかということしか聞いておりません。 そして、もう一問聞きました。主催者が政治家及び政治家関連の団体であることから対応は変えたことはありますかという質問をいたしました、この七年間。回答、ございません。 総理、ごらんになりますか、これ。どうぞ(全日空ホテルからの回答用紙を差し出す)、ごらんになったらどうですか。どうぞ、いかがですか」 (以下略) |
> 上記「(活動ブログ 辻元清美WEB」に、 《ANAインターコンチネンタルホテル東京からの回答文書》が載せてあるから、参考までに。
辻元清美は最後に全日空ホテルが辻元清美の問い合わせに対してこのような回答を文書で出したのかどうか、「午後の委員会までに確認をして頂きたい」と要求、安倍晋三が「事務所に当たらせる」と約束、質疑は終わる。
安倍晋三側の確認によって展開は変わる可能性はあるが、この質疑に関しては辻元清美の隠し玉は不発に終わった。安倍晋三の自分の首を差し出すような答弁は、なかなかドッコイ、するはずはなく、口を滑らさない強かさは野党議員の比ではなく、強弁を用いてまで言い抜ける名人となっている。野党議員はこのことを覚悟して質問に立っているのだろうか。
全日空の回答で重要な点は、「主催者が政治家及び政治家関連の団体であることから、対応を変えたことはありますか、この七年間に」との辻元清美の問いに「ございません」となっていることである。
辻元清美は質疑終了間際に再度、「もう一度申し上げますけれども、主催者が政治家及び政治家関連の団体であることから、対応を変えたことはありますか、この七年間に。文書で私は問合せをいたしました。ございませんが全日空ホテルの回答でございます」と繰り返している。
辻元清美のこの問いと全日空側の回答に対して安倍晋三は直接的には何も答えていないが、全日空側回答のそれぞれに対して文飾を施した発言で反応を示しているところが重要になる。ここに並べてみる。
全日空が、〈この7年間に見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがはございません。発行致します。〉としていることに対して、安倍晋三は「それは、安倍事務所にということですか」と尋ねている。
この答弁の裏を返すと、安倍事務所に対しては発行しないケースになっていたとの言い立てとなる。
安倍晋三のこの言い立てに対して辻元清美が「2013年から7年間に開かれた全日空ホテルでのパーティー、宴席全てについての問い合わせで、この中に3回の安倍後援会事務所の前夜祭も入っている」といった趣旨でなお追及すると、「それは、安倍事務所との間でどうなっていたかということについてお問合せをいただきたい」と答弁。
要するに安倍事務所は特別扱いとなっていた、あるいは特別待遇を受けていたとの意味を取ることになる。
全日空ホテル側の領収書の宛名を空欄のまま発行することはないとする回答に対しては、「それは、私の事務所で開いたものということでおっしゃっているんでしょうか。恐らくそうではないんだろう、こう思うわけでございまして……」
この答弁も特別扱い、特別待遇の主張、それも正々堂々の主張となっている。
その上で安倍晋三はホテルニューオータニの例を出して、自己正当性の補強をしている。
「ニューオータニ側においては、安倍事務所との関係においてはそうした領収書を発行していると述べている、こういうことでございます」
つまり安倍事務所は全日空ホテルからだけではなく、ホテルニューオータニからも特別扱い、特別待遇を受けていた。
要するに安倍晋三は辻元清美との質疑で全日空ホテル側は一般的なパーティー運営規則を回答で示しただけで、全日空ホテルと安倍事務所との関係を前提とした回答ではないとして、全日空ホテルの回答を安倍晋三後援会事務所「桜を見る会」前夜祭パーティーへの適用無効を言い立て、自身の全ての国会答弁の正当性に替えた。
辻元清美の折角の隠し玉は不発に終わったが、引っ込めるわけにもいかず、安倍晋三の正当性と線路はどこまでも続く体の平行線を辿ることになった。但し辻元清美は全日空ホテル回答の前夜祭パーティーへの適用無効の安倍晋三の言い立ての如何わしさには気づいていた。
「それは、全日空側と職員が打合せをして、そして、普通とは違う特別なやり方を安倍事務所側がお願いしたということでよろしいですか」
「一般はこうだけれども、安倍事務所は全日空ホテルと特別に、この間も特別の関係みたいな話がありましたから、一般とは違うやり方でやった、全日空ホテルはこう言っているけれども、安倍事務所は特別に御配慮をいただいたという理解でいいですか」
辻元清美はこのようにホテル側の安倍後援会事務所への特別扱い、特別待遇に気づきはしたが、深追いはせず、あくまでも全日空側の回答と安倍晋三の答弁との矛盾に拘った。
辻元清美の前者の追及に対して安倍晋三はいつもの答弁を用いて、パーテイ会費の妥当性、領収書発行と集金方法の経緯を述べ、後者の追及に対しては「辻元さんの事務所と全日空ホテルがどういう前提でどういうやりとりをされたかということを、私、承知をしておりませんから、お答えのしようがない」でかわしている。
ホテル側の安倍事務所に対する、あるいは安倍晋三という存在にに対する特別扱い、特別待遇とは辻元清美の問い合わせに対する全日空ホテルの回答にある事柄の免除と言うことになる。
「2013年以降の7年間に貴ホテルで開かれたパーティー、宴席に関して貴ホテルが見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったでしょうか」の問い合わせに対する「回答、ございません。主催者に対して見積書や請求明細書を発行いたします」としている規則の免除であり、 「個人、団体を問わず、貴ホテルの担当者が金額などを手書きし、宛名は空欄のまま領収書を発行したケースはあったでしょうか」の問い合わせに対する「回答、ございません。弊ホテルが発行する領収書において宛名を空欄のまま発行することはございません」としている規則の免除であり、「ホテル主催ではない数百人規模のパーティー、宴会で、代金を主催者ではなく参加者個人一人一人から会費形式で貴ホテルが受け取ることはありましたか」の問い合わせに対する「回答、ございません。ホテル主催の宴席を除いて、代金は主催者からまとめてお支払いいただきます」としている規則の免除であり、「主催者が政治家及び政治家関連の団体であることから対応は変えたことはありますか」の問い合わせに対する「回答、この7年間、ございません」としている規則の免除ということになる。
但しこのような規則の免除が全日空側が承知して許可していることなのか、安倍晋三側が全日空側の承知していないところで勝手につくり上げ、実行している規則の免除のどちらかなのかが問題となる。
辻元清美が質疑の最後に全日空ホテルが辻元清美の問い合わせに対してこのような回答を文書で出したのかどうか、「午後の委員会までに確認をして頂きたい」と要求したのに対して安倍晋三が「事務所に当たらせる」と約束したことから、この件に関して立憲民主党の小川淳也が午後の質疑で取り上げた。安倍蘇晋三がどう答弁するか、その箇所のみを取り上げてみる。
2020年2月17日午後 衆院予算委員会 小川淳也 小川淳也「今日は公文書等についてお尋ねするつもりでございましたが、午前中の辻本議員の指摘、そして総理はがこのお昼の休憩時間ないで事実関係を確認して貰えるということでございましたので、先ずその点からお聞きをしていきたいと思います。ちょっと確認ですが、総理、午前中のご答弁の中でいわゆる前夜祭、主催は安倍事務所でないというご発言をなさいました。これ恐らく事実誤認だと思いますので、主催は安倍後援会だったということを確認させてください。 安倍晋三「安倍事務所ではないとうことであります。安倍後援会であるということは今までも答弁している通りであります」 小川淳也「それではお昼の時間、急遽総理にはご確認を頂いたと思いますので、一つ一つお尋ねしたいと思います。今日は委員長のお許しを頂いて、辻本議員が午前中をお示しになられたANAインターコンチネンタルホテル東京とのメールの遣り取りを資料配布させて頂きました。まず一つ目の質問です。通りです。ご確認頂きたいんですが、2013年以降の7年間、貴ホテル、ANAホテルですね、で開かれたパーティー等についてお伺いをしますということで、例外のある書き方はしておりません。 これについて貴ホテルが見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったでしょうかという問いです。ホテル側の回答は『ございません。主催者に対して見積書や請求明細書を発行いたします』。例外はないという答弁であります。 事務所にご確認頂いた結果として如何だったでしょうか」 安倍晋三「私の事務所の方からANAホテルに連絡を致しまして確認を致しました。それをお答えさせて、纏めてお答えをさせて頂きたいと思います。 私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻本議員にはあくまで一般論でお答えしてものであり、個別の案件については営業の秘密に関わるため、回答には含まれていないとのことであります。桜を見る会前日の夕食会は、平成25年、26年及び、28年の3回は全日空ホテルで実施。私の事務所の職員がホテル側と事前に段取りの調整を行ったのみであり、明細書等の発行は受けてないとのことでした。 また、領収書については一般的に宛名は上様として発行する場合があり、夕食会では上様としていた可能性があるとのことであります。 いずれにしてもこれまで私が繰り返し答弁してきたとおり、夕食会の費用についてはホテル側との合意に基づき、私の事務所の職員が会費を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受付終了後に集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたとのことであります」 小川淳也「個別に安倍今回の案件についてどうだったかということは聞いてもいませんし、答えてないことはそのとおりなんです(?)。しかし辻本議員のこの問いの立て方、そしてその答え方に例外がないということがこの際重要なんです。従ってもし総理が、これ、ホテル側がメディアに聞かれようと、野党に聞かれようと、全く同じことを答えてるんですね。 それなりにホテル側の信用にかけて、覚悟を持って答えてるんですよ、ホテル側は。従って、総理、先ずホテル側はこうした文書で辻元議員に対して回答してきたということは先ず重く受け止めて頂きたい。 原則だ、例外だ、安倍案件はどうかってという議論はあるでしょう。しかし少なくともここでは例外のある書き方にはなっていないわけです。だが、総理はこれに対してですよ、きちんと立証して、説明する責任が生じてます。今口頭で色々と仰った。 総理の(に)先ず求めたいのは、これ、先だって来、指摘してますが、総理がホテル側に対して見積書や請求の明細書を要求をして、そしてそれを開示すれば済むことなんですよ。先ずそれお願いしたいと思います」 安倍晋三「私が今述べているとおり事務所側から全日空ホテルに問い合わせをし、そしてホテル側から回答を得たわけでございます。私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻本議員にはあくまで一般論でお答えしてものであり、個別の案件については営業の秘密に関わるため、回答には含まれていないとのことであります。 それを私がここでこのように答弁するということについては全日空側が当然了解をしていることでございます。私、『桜を見る会』前日の夕食会は平成25年、26年及び28年の3回は全日空ホテルで実施をし、私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整を行ったのみであり、明細書等の発行は受けてないとのことであります。また領収書については一般的に宛名は『上様』として発行する場合があり、夕食会でも『上様』としていた可能性はあるとのことであります。 いずれにしてもこれまで私が繰り返し答弁していたとおり、夕食会の費用についてはホテル側との合意に基づき、私の事務所の職員が会費を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受付終了後に集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたとのことであります」 小川淳也「それは事務所の方がホテルの方と電話でやり取りをしたということでよろしいですか」 安倍晋三「これは電話での遣り取りでございますが、相手方の氏名等も確認をしておりますし、当然、この、今申し上げた中身についてですね、その中身で申し上げるということについて了解を取っているわけでございます。この了解の取り方についてはどのような形で取ったかということついては私は定かではございませんが、この今申し上げた形でですね、これで答弁させて頂くということを了解を取った上、こうやって、今私が述べているということでございます」 小川淳也「これ辻本議員も、それなりに決意を持って問い合わせをしています。そしてホテル側も、それこそホテル側もプライドにかけて、信用にかけてきちんと、総理ご覧の通り書面で回答してきてます。 では、今の遣り取り、きちんとホテル側に対して総理の事務所から書面で照会をし、そして書面で返答を受けるという形でその説得力をさらに増して頂きたいと思いますが、お願いできますか」 安倍晋三「これはですね、既に私の答弁を信用しないということかもしれませんが、私は、ホテル側に既にここで答弁をするということでですね。全日空側に申し挙げ、今答弁をしているということでございます」 小川淳也「総理が様々な状況説明なりに弁が立つことはよく分かってますから。人を介して、人を介してでしょ。事務所を介して、ホテル側とも、間接話法はじゃないですか。 端的にお尋ねすればいいんじゃないですか。一般論として辻本議員にこう回答してるのは了解してる。では、個別に私の行事はかくかくしかじかで一人参加方式だし、支払いは個別にホテルに直接して貰ったし、後援会としては明細書は受け取っていないし、後援会として領収書を受け取ってもいない、支払いもしていない、ということでいいですねと、いうことを書面で聞いて、書面で回答を受け取るようにに要請したいと思います」 安倍晋三「午前中にですね、え、私は要請されたのはですね、まさに全日空側に確認せよということでございました。そこで全日空側に確認をした。かくこの確認の上に於いて私がこの予算委員会に於いてその確認をここで答弁をさせて頂くということでいいですね、ということを言った。全日空側に確認をしたしたわけでございます。 その中で私は今お答えをさせて頂いているわけでございまして、申し上げましたように辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については営業の秘密に関わるため、回答には含まれていないとのことであります。 この遣り取りにつきまして事務所側がですね、え、全日空側とどのような形で電話で行ったのか、メールで行ったのか私は承知をしておりませんが、その上に於いて私はこうやってお答えをさせて頂いているところでございます。これ以上、私からですね、ホテル側に要望するということは今の時点では考えてはおりません」 小川淳也「総理の疑念を晴らすためにケアしてます。一般論ですが、例えばもう一軒のホテル、敢えてちょっと名前は出しませんけれども、もう一軒のホテルに我々野党側が情報提供依頼した場合、例えば基本的にと、稀ではあるがと、例えば一概には言えないだと、全て留保がついているのですよ。 それを私たちは私たちなりに受け止めていたんです。しかし今回、このANAインターコンチネンタルホテル東京さんですね、一切留保をつけていない、ご覧頂ければ分かると。ここには私は、これは聞き取ったものではありませんから、ホテル側の然るべき担当者が然るべき責任を持って書いた文章ですよ。毅然と書いてるでしょ? 『ございません』と。これはね、ホテルとしては、きちんとやってるんですよ。そんな中途半端に誰がお客さんだか分からない、誰からお金を貰えばいいか分からない。領収書を誰に発行していいかわからない。そんな遣り方は私達はやっておりませんという、プライドがある回答なんですよ。 それに対して総理の答弁は全く以ってこの信憑性に欠ける。そもそもね、そもそも総理の答弁、敢えて私は珍答弁と申し上げましたが、契約形態にせよ、参加者の参加方式にせよ、支払い方式せよ、みんなおかしいとそもそも思ってるんですよ。そんなの聞いたことがない。 何だか不都合なことを言い逃れするため、隠すための隠蔽工作なんじゃないかとみんな思ってるわけですよ。ここへきてホテルの毅然たる回答ですよ。だから改めて求めます。では、午前中は午後の答弁で確認を求めたとしましょう。それの要請について今お答えになったとします。 では、改めて要請します。ホテルに対して一般論で私たちは例外なく答えて頂いたと思っています。それを覆すために、いやいや個別に安倍後援会の案件では明細書を発行せず、そして参加者一人ひとりが一契約者として参加をし、そして領収書は上様なのか、空欄なのか。一人一人に、参加者一人ひとりに渡しましたね、いうことをホテル側に改めて要請します。確認をして、書面で答えてください」 安倍晋三「今、小川委員の言い振りではですね、まるで全日空ホテルが誇りを持って、プライドを持って答えていて、他のホテルはそうではないかの(ヤジで聞こえない)、これはですね、それはそういうことではなくて、まさに今、私が申し上げたとおり、これはですね、先程答弁したとおりでございます。 これは全日空ホテル側に私の事務所が問い合わせをし、そしてこの予算委員会で私が答弁する旨のことをですね、先方に伝え、その上に於いて確認したことを答弁をしているところでございます。当然ですね。みな様が今私との遣り取りについて本当か、ということを全日空側にですね、これは質して頂ければそれは宜しいのではないか、そういうことでございます。 私はここで話していることがまさに全日空側との真実でございます。それを信じて頂けないということになればですね、そもそもこの予算委員会が成立をしないことになってしまう、一々ですね、それに答えていたのでは成立をしないことになってしまうのですから、それは、今一々という言葉使いについてどうかということがございましたので、一つ一つですね、答えていたら、まさにこの予算委員会の質疑は成立しなくなってしまうわけですから、私は総理大臣として全日空側と事務所を通じてお答えを、お問い合わせをさせて頂き、そしてここで私がそうお答えをさせて頂くということを確認して、今、お答えをさせて頂いてるということでございますので、私の言ってることが間違っているのかと言うことについてはそれは、お問い合わせ頂きたいと思います」 |
安倍晋三が「私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻本議員にはあくまで一般論でお答えしてものであり、個別の案件については営業の秘密に関わるため、回答には含まれていないとのことであります」と答弁した以上、最後の最後までこの論理で押し通すつもりなんだなということを理解しなければならない。当然、この論理自体を破る努力をしなければならない。
にも関わらず、小川淳也は「辻本議員のこの問いの立て方、そしてその答え方に例外がないということがこの際重要なんです」とか、全日空ホテルは「それなりにホテル側の信用にかけて、覚悟を持って答えてるんですよ」、「ホテル側はこうした文書で辻元議員に対して回答してきたということは先ず重く受け止めて頂きたい」、「総理はこれに対してですよ、きちんと立証して、説明する責任が生じてます」とか、安倍晋三にとって痛くも痒くもないことを尤もらしく言い立てている。
痛くも痒くもない理由は野党側は全日空の回答に正義を置いているが、安倍晋三の方はその正義を簡単に認めて自分の首を差し出すようなことは決してできないことと、首を差し出さないためには野党側の正義を従来から、そして今後共徹底的に無視する態度を貫くつもりでいるだろうからである。
安倍晋三が文書での回答を拒否する理由は二つ考えられる。一つは全日空側の事実と安倍晋三側の事実が異なる場合であり、二つ目は全日空側が安倍晋三側の事実に合わせたとしても、それが真正な事実に反する場合は言葉の証言よりも言い逃れを難しくする物的証拠となり得る万が一の危険性を孕むことになるからである。警察が事件で物的証拠を動かない事実として最重要視するのはこの理由からであろう。
にも関わらず、小川淳也は文書での回答に最後まで拘った。対して安倍晋三は、「私の口をついて総理大臣としてこういうことを聞いたということを述べるわけでございます。まさにそうやって努力を重ねて、今ここで述べているにも関わらずですね、それが信用できないということであればですね、そもそも予算委員会は成立しないわけでけでございます。いわばまさにこれに疑問があるのであれば、お問い合わせを頂ければとこう思うところでございます」と、却って野党の方から全日空に問い合わせろとばかりに開き直られている。
あるいは、「それは私共事務所がですね、皆様から要望があったから、それを全日空側にお尋ねして、お答えを頂いて、ここで私が責任を持って述べているわけではございます。それをですね、それを信用できないと言って、さらにまた全日空側にですね、書面で出せということまで、私はやるというのはですね、些か欲求が強すぎると私は思うわけでございます」云々と、「些か欲求が強すぎる」とまで逆非難までされる始末で、小川淳也の文書での回答の要求と対する安倍晋三の応じまいとする答弁とが最後まで平行線を辿ることになった。
小川淳也次の次に登場した、国民民主党から無所属となった山井和則も策もなく文書提出に拘リ続けた。
山井和則「今朝からの辻本議員のこの全日空ホテルの回答が重要かと言いますと、安倍総理は今までこの『前夜祭』で政治資金収支報告書に記載しなくてもいいという理由については『明細書も貰っていない。一人ひとりに領収書を出した。宛名も空欄』。そういう安倍方式だから、記載しなくていいんだということをこの3ヶ月間、言い続けてこられたんです。
それがもし全日空の回答のように安倍総理の今までから3ヶ月間仰ってこられたことがもし虚偽であったなら、政治資金収支報告書に記載しなければならない。そういうことは今不記載であることは政治資金規正法違反ですから、私これ大問題になるわけです。ですから私達は法を作る者、法を犯すべからず。最も法律を守るべき総理大臣が違法行為をしてるんではないかということで、これは看過できないと考えてるんです」――
虚偽であることを突き止めたわけでもないのに、「もし虚偽であったなら」と言い、政治資金規正法不記載の証拠を握ったわけでもないのに「不記載であることは政治資金規正法違反ですから、私これ大問題になるわけです」と、仮定の追及を益もなく進めている。
そして全日空ホテルに回答を求めた辻元清美の質問に関係する追及に入ると、安倍晋三は待ち構えていたかのように答弁を原稿を読みながら、小川淳也に対するのと同じ内容で済ませたのみである。要するに同じ答弁を引き出したに過ぎない。
だが、この答弁は前以って予測していなければならない。これまでも繰り返しそうされてきたように同じ論理でかわすこだろうぐらいのことは頭に置いていただろうからである。頭に置いていなかったとしたら、散々許してきた同じ繰り返しの答弁から何も学ばなかったことになるだけではなく、またもや許すことになる。
「私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻本議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていない。分かりますか」――
以下も小川淳也に対する答弁と同文である。原稿を読み上げるのだから、同文となるのは当然である。
山井和則が辻元清美は「安倍総理のことに限って聞いているんじゃないんですよ」との物言いで、安倍事務所のパーティーを含めた全日空ホテルで開催され全てのパーティーについての辻元清美の問いであり、全日空の例外はないとする趣旨の回答だとしている言葉を掴まえて、「今いみじくもですね、委員がこれは安倍事務所のパーティーのことではありませんよ、と仰ったよね。ですから、一般論ですよ。安倍事務所の方ですよねって言って聞いたら、これは一般論ではない。しかしそうではないと仰った」と、全日空の回答が例外のない趣旨となっていることを無視して、安倍事務所のパーティーを勝手に例外だとして、例外のない方を「一般論」、例外がある方を「一般論ではない」とする捻じ曲げを行っている。
この捻じ曲げは辻元清美に対する答弁と同様に安倍事務所は特別扱いであり、特別待遇だとしたい気持が仕向けているものであろう。自分の中で特別扱い、あるいは特別待遇を許しているとしたら、不遜な気持に相当に侵されていることになる。
山井和則は全日空の書面の回答は重い、安倍晋三の全日空に対する確認は口頭で行ったもので、説得力がない、書面で出せの一点張りで議論を進めた。勿論、安倍晋三は理屈にならない理屈で追及をかわしている。それもこれも簡単には首を差し出すような答弁はできないからなのは断るまでもない。理屈になろうとならなかろうと、その場を凌ぐことだけを考えた答弁だから、理屈を捻じ曲げた答弁となる。
安倍晋三「今まさに山井委員が言われたようにですね、今後色んなことで書面が出てこないんだったら、審議に応じない、こういう、これはまさに前例になるわけですか。今後、様々な議論がなされますよね。そこですぐに書面を出すと言っても、それはすぐに出せませんよ。
当たり前じゃありませんか。すぐに書面を出せない。書面を出さなければ、議論ができないということでですね、一々、これはまさに一々ですね、一々審議が止まっていたのであればですね、これはまさに委員会としてこれは議論がなかなか進んでいかないということになりかねない、わけでもあります。
つまりこれはまさに先程申し上げましたように、今、だって、山井委員がそこへ(自席へ)座ってしまってですね、委員が委員会のこの進行をどうするかということだったんだろうとこう思いますが、そうであればですね、今後もですね、そういうわけにはいきません。まさに最初午前中言われたのはですね、全日空ホテルに確かめてくれということでありましたから、短い時間でありましたが、確かめて、全日空側からこのように回答を得て、その回答に於いて私もですね、私が総理大臣が総理大臣として委員会でお答えをする、と言っているということを先方に伝えですね、先方はその上に於いて答えているわけでございます。
そしてそれが全く価値がないということであればですね、なぜ、じゃあそれを最初からですね、私にそれを要求しなかったのかということでもあるわけでありまして、全く価値がないと看做されるのであればですね、我々の努力、あるいは全日空がしっかりと検討した上での答が何だったのかと言うことにもなるわけでもあります。
それは誠実に全日空側も対応しておりますし、私も勿論、私の事務所もですね、誠実に対応して頂いているところでございます。その努力を全く認めていないと、認めないと、要望しておいて、そう答えているにも関わらず、努力を全く認めないと言うことであればですね、さらにこれから全日空側にそういう要求を出していくということはこれは如何なものかと。それはむしろみなさんが全日空側に確認されれば、されたらよろしいのではないかと、こういうことでございます」
「すぐに書面を出すと言っても、それはすぐに出せない」ということなら、実行する意志を前提に「早急に出します」と約束すれば済むことを、理路整然とは程遠い、クドクドとした意味もない自己正当化に替えた言い立てに終始している。
山井和則は安倍晋三の理屈にならない言い逃れに業を煮やしたのか、「説明責任は安倍総理、あなたにあるんです。あまりにも不誠実です。これ以上質問はできません」と言って席を立ち、山井和則に従って野党議員の多くが退席することになったが、退席野党と自民党が話し合って、予算委員会終了後に理事会で対応を協議することになり、約30分後に審議に戻ったという。
安倍晋三は山井和則が全日空からの書面での回答をそんなに求めるなら、「それはむしろみなさんが全日空側に確認されれば、されたらよろしいのではないかと、こういうことでございます」と答弁した手前、早速動いた。
但しマスコミのほうが一歩先んじていた。2020年2月17日 23時18分の発信で、2月17日の夜、朝日新聞の質問に対して「asahi.com」記事が、〈「桜を見る会」の前日に開かれた夕食会をめぐる安倍晋三首相の答弁に関して、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」の広報担当者が17日夜、朝日新聞の質問に回答した。野党が示したANAホテルの見解について、首相は同日の衆院予算委員会でホテルへの照会結果として「個別の案件については営業の秘密にかかわるため、回答に含まれない」と答弁し、夕食会が見解の対象外とする見方を示したが、ANAホテルはこの部分を「申し上げた事実はございません」と否定した。〉という内容で配信している。
このような記事が首を差し出すことになる事実となることを恐れて、逆に首を差し出さないで済む事実を作り上げる執念に駆られたのかもしれない、全日空ホテルは一旦は安倍晋三答弁を否定していながら、「asahi.com」報道の翌日の2月18日に自民党党関係者と全日空ホテル側が会談、〈その後、ホテル側は首相答弁について報道機関が質問しても説明しなくなった。〉と、2020年2月19日 19時59分発信の「毎日新聞」が伝えている。
そこで思い出した。2014年11月18日、安倍晋三がTBSテレビ「NEWS23」に出演した際、番組が「アベノミクスに実感は感じない」趣旨の街の声を紹介したところ、テレビ局がさも情報操作紛いのことをしているような発言をしただけではなく、2日後の11月20日に「自由民主党 筆頭副幹事長 萩生田光一/報道局長 福井照」の差出し人名で在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに〈選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い〉と題して、「報道の公平中立ならびに公正の確保について」の体裁を取っている文書ではあるが、要するにアベノミクス批判の意見・主張を集中をさせるなの報道圧力が趣旨となっている文書を配布した。
今回は萩生田光一は文科相となっているから、顔を出すことはできないが、萩生田光一辺りが忠実な自民党関係者に命じて全日空ホテルに圧力をかけた可能性は否定できない。
忠義面の面々が安倍晋三に首を差し出さなければならない事態に追い込ませないの一点で団結したとしても不思議はない。
翌2月20日付け20時36分発信の「産経ニュース」が産経新聞の取材に応じたANAインターコンチネンタルホテル東京の発言を伝えている。記事が載せている画像を転載する。
--夕食会に関する明細書、領収書、会費の支払い方の公表の是非について、それぞれ首相発言とホテルの見解が違うと指摘されている
「われわれはすべての問い合わせに対し、あくまで一般論としてお答えしている。宴席にはさまざまなケースがあり、一概にこうです、とは申し上げられない」
--主催者に明細書を発行しないのか。首相発言と異なるが
「明細書に関してもあくまで一般論だ。個別の案件に関しては回答できない」
--領収書を空欄で出すことは
「空欄のまま発行することはない。お客さまに教えていただいた宛名を記入することが基本だ。主催者さまとの打ち合わせで要望に応じて用意する。宛名を『上様で』と言われれば『上様』で発行することはこれまでにあった」
--会費の支払い方法は
「一般論として、主催者さまとホテルの間でやりとりさせていただいている」
--首相側に「営業の秘密に関わる」と回答したのか
「お客さまの情報に関しては個人情報であり、われわれには守秘義務がある。ホテルとして誰に対しても一切開示することはないとお伝えしている」
--野党は首相に書面で回答するよう求めている
「お客さまの情報はあくまでそのお客さまとだけ共有するものだ。外部に出すことは一切ない」(以上転載終わり)
ANAホテルの産経新聞の取材に対する回答は概ね安倍晋三の「一般論」に合わせている。いわば安倍晋三の「一般論」に加担した。だが、どのように巧妙に下端しようとも、全日空ホテルの辻元清美の問い合わせに対する回答にある領収書や請求明細書等の発行方法は基本的原則であり、原則論の括りで扱うべき事柄であって、「一般論」の括りとして扱うことはできない。
もし「一般論」の括りで扱うとしたら、基本的原則から外した例外を設けている場合のみである。但しあくまでも主体は基本的原則であり、例外は従に位置する。例外が主体であった場合、「例外」という言葉の意味自体に反することになる。
と言うことは、全日空ホテルが安倍後援会事務所に請求明細書を発行しなかったこと、領収書を主催者である安倍後援会事務所が参加者一人一人に発行するのではなく、ホテル側が参加者一人一人宛に書いたということはあくまでも例外中の例外だったことになる。
いわば既に触れたように安倍後援会は特別扱い、あるいは特別待遇を受けていた。「桜を見る会」前夜祭パーティーの主催者である安倍後援事務所が参加者一人ひとり宛に領収書の必要事項を書き、発行するのではなく、主催者でもないホテル側がこれらの領収書の扱いをする、さらに基本的原則となっている請求明細書の発行を行わなかった特別扱い、特別待遇とはどのような理由のどのような必要性があってのことなのだろうか。
世間に顔向けができる理由と必要性であったなら、ごくごく常識的に考えて、このような例外――特別扱い、あるいは特別待遇は必要としない。基本的原則のみの扱いで事足りる。安倍後援会事務所がホテルから受けた請求明細書に従った金額を設定した領収書を参加費と引き換えに参加者一人一人宛に発行し、集金したカネを纏めてホテルに支払い、纏めた金額の領収書をホテルから受け取る、世間一般の基本的原則とおりで全てが片付く。
基本的原則とおりではなく、例外としたのはパーティで飲み食いさせることで選挙や支持集めの便宜供与を謀った以外に理由を考えることはできない。
それにしても産経ニュースに載っている領収書の但し書きは「夕食懇談会として」と8文字、「懇談会の「懇」の字も「談」の字も画数が多くて、2019年の参加者は約800人、全日空の3回が各500人ずつと少なく見積もったとしても、但し書きだけの字数が4千文字、金額と「上」様を加えると、3千文字増えて、7千文字となる。手書きだと相当な労力となる。ゴム判を作れば簡単に済むのに大のホテルが手書きとはとても信じられない。
(当該記事投稿後、2020年2月24日 12:58の時点で上記産経ニュース記事を覗いたところ、領収書の画像が消去されている。なぜなのだろう。)