大相撲土俵女人禁制:大相撲は五穀豊穣を願う神事が起源なら、土俵の主役は男共ではなく、女性たちこそ

2018-04-30 11:31:25 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 大相撲の土俵女人禁制が議論を巻き起こしている。土俵上に女性を上がらせるべきかどうか。2018年4月28日付「NHK NEWS WEB」記事が、日本相撲協会が「女人禁制」についてアンケート調査等を実施、その是非についていなのだろう、検討を行っていくことになったと伝えている。

 相撲協会としては大相撲の伝統を楯に女性を土俵から遠ざけておきたいはずだ。このような願望はこの記事でも、〈小学生の相撲大会「わんぱく相撲」では、女子児童は地方予選を勝ち抜いても国技館での決勝大会に出場できないことになっている。〉と触れているところに現れている。

 小学生であっても、“女”と名がつく以上、土俵から遠ざける。この徹底ぶりは4月8日の静岡市開催の大相撲巡業で土俵上で力士が子どもに稽古をつける「ちびっこ相撲」に参加予定の女子児童が直前に日本相撲協会からの要請で参加を断ったことでも示している。

 勿論、土俵が女人禁制を伝統としているからだろう。長野県伊那市と東御市で行われた大相撲春巡業の「ちびっこ相撲」でも日本相撲協会からの事前の要請で女の子が参加できなくなったと言う。

 一般的には“女人”とは成人女性を指すはずだが、以前当ブログで2018年4月5日付「The Huffington Post」記事が女人禁制について、〈神道では血を出すことは「けがれ」とされる。そのため、生理があることから女性を「血」と結び付け、宗教的な禁忌ととらえるようになったとされる。〉と触れている点を取り上げたが、ちびっ子相撲参加の女子児童がまだ初潮が訪れていなければ、女性は誰でも生理が訪れるという固定観念のもと、将来の生理を見越して女人禁制扱いしていることになる。

 なかなかご立派。

 生理を女性の存在そのものが神聖か否かの判断基準の一つとする精神とはどのような精神なのだろうか。あるいは場所に応じたケースバイケースで神聖か否かを決めることができるのだろうか。

 大相撲の土俵上では神聖ではないと判断づけることが許されるとしたら、許される側の大相撲関係者はこの上なく御大層な人間の集団ということになる。

 女性の生理も、男の精液も、それそのものが穢れているわけではない。男であれ、女であれ、人間の行為そのものが倫理の基準となる。


 上記「NHK NEWS WEB」記事は女性を土俵に上げない大相撲側の理由を三っつ挙げている。

 「大相撲は五穀豊穣を願う神事を起源」
 「大相撲の伝統文化を守りたい」
 「大相撲の土俵は男が上がる神聖な戦いの場、鍛錬の場」

 八角理事長「土俵は男が必死に戦う場であるという約束事は力士たちにとって当たり前のことになっており、女性が土俵に上がることはないという習慣が受け継がれてきた」

 習慣=伝統としている。「大相撲の土俵は男が上がる神聖な戦いの場、鍛錬の場」としているが、立合いで蹲踞に入る間を相手よりも長く取ったり、蹲踞に入ってから立ち上がる間を相手よりも遅らせたりりして相手を焦らす。あるいは片手を突いてから、もう片手を突く時間を相手よりもかけることで立ち上がる瞬間を相手に気取らせないようにし、逆に相手の隙きを突いていきなり突っかけて勝負を有利に運ぼうとする。

 そういった取組みが少なくない。いや、15日間、多くの取組みで見ることになる。それは駆引きだろうが、駆引きであることによって「神聖な戦い」、鍛錬の場には到底見えなくなるし、そのような価値づけはとても理解できないことになる。見えてくる景色は勝ちにだけ拘った単なる格闘技である。

 観客が拍手を送るのは優れた技で相手を倒したときであろう。だが、そういった取組みは少ない。要するに土俵を「神聖な戦いの場、鍛錬の場」とするには余りにも実態と掛け離れている。

 女人禁制の一つの理由として「大相撲は五穀豊穣を願う神事を起源」としてからだとしている。起源は神事であっても、遠い昔のことで、現在の大相撲が神事として行なわれているわけではない。高い入場料を取り、公益法人という身分によって国からの補助金が毎年約2000万円程度入り、同じく公益法人であることから相撲事業は非課税、国庫補助金や寄付金収入も非課税だそうで、そうして得たカネで協会理事長や理事、関取りまでが高い給料を手にしていて、神事とは似ても似つかない姿へと様変わりしている。

 要するに中身の実態が大相撲側の主張どおりにはなっていないにも関わらず、単に神事が起源だ、女人禁制は伝統だ、土俵は「神聖な戦いの場、鍛錬の場」だと、金メッキの箔をベタベタと外側からに張っているに過ぎない。

 五穀豊穣は男だけでは担うことはできない。 「コトバンク」の「早乙女」の項に次のような下りがある。文飾は当方。

 〈早乙女

稲の苗を水田に植えつける女性をいう。古くは中世の和歌にみえているが,植女 (うえめ) とも呼んだ。日本の古くからの稲作は,稲の生育を保証する田の神信仰と密接な関係があった。特に田植えには特定の水田に祭場を設けて田の神を迎え,その前で作業を行うことから,一種の神聖な祭儀であったといえる。田植えに女性が重要な役割をもつことが多いのは,稲の豊作が女性の霊的な力によってもたらされるという観念があったためである。

各地の神社などの田植神事,田遊び神事などからも,女性の生殖力が稲に霊的な影響を与えるという観念要素を引出すことができる (→田植踊 ) 。現在では田植えに働く女性一般を早乙女と呼ぶが,古くは特定の女性に限定されていたことが推測される。

 美しいいでたちの早乙女は田植えの日の象徴であるが,その背景には祭儀の奉仕者という宗教的役割があった。田植えの期間における早乙女が優遇され解放される習俗は多く,労働賃金のうえでも男性と同額という地方があり,早乙女が集団で他地方へ田植えの出稼ぎに行く地方もある。
 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典〉――

 今も左程変わらないかもしれないが、昔は田植えには女性が大きな力を担っていた。子どもを産むという「女性の生殖力」が稲の生育に霊的な力を宿させる。その神秘性を以ってして五穀豊穣を生み出す仮託へと繋がっていった。

 だとしたら、「五穀豊穣を願う神事」が相撲に姿を変えた主役は男ではなく、女性こそが引き受けるべき主たる役割ということになる。当然、大相撲の土俵にしても、女性を主役としなければならない。

 つまり土俵上で女性の市長等が挨拶を行っている途中で急病で倒れた場合、観客の中にいた男性医師が土俵に駆け上がって救命措置を施そうとしたなら、女性行司が「男性は土俵から降りてください。土俵から降りてください」とアナウンスするようにならなければならない。

 だが、実態を無視して、逆に主役たる女性を土俵上から排除し、主役の資格のない男共が伝統を錦の御旗にして土俵を我が物顔に差配している。

 このような逆転現象は男尊女卑の差別意識によって男の手のひらの中の女性という扱いになっていることから生じている、その存在の無視ということでなければならない。

 「女性の生殖力」を男尊女卑から離れて対等に扱い、敬意を表する伝統を有していたなら、そのような伝統の前に“大相撲五穀豊穣神事起源説”を振り回して土俵上から女性を排除する女人禁制はそもそもからして合理性を失う。

 所詮、男共を上に置いて、女性を下に置く男女差別が、女性差別ではないとどう否定しようが、女人禁制に現在も賞味期限を与えているに過ぎない。

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安倍晋三の「機会があれば、柳瀬元秘書官には全て明らかにして貰いたい」と言っている「全容解明」に反する無責任

2018-04-27 10:26:43 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 昨日2018年4月26日の当ブログで安倍晋三が平昌オリンピックと平昌パラリンピックの金メダリストを自身のインスタグラムで祝福のメッセージを発する平等な扱いをしていながら、自身主催の桜を見る会には平昌オリンピックの金メダリストのみを招待し、平昌パラリンピックの金メダリストは招待されていない様子から後者の選手を「忘れ去られた存在」に貶めていると書いた。

 同じ4月26日に安倍晋三が平昌オリンピック・パラリンピックのメダリストら入賞者95人を首相官邸に招いて感謝状を授与したとマスコミが報道していた。首相動静を見てみると、午後0時11分から同0時47分までの37分間で、その間に感謝状の授与と記念撮影、そして懇談したと出ている。

 この感謝状授与に平昌パラリンピックの選手をオリンピックの選手と共に招待したからと言って、桜を見る会の不平等な扱いを帳消しにする平等な扱いとすることはできない。

 なぜなら、桜を見る会と感謝状授与を比較した場合、招待に選ばれし者としてのある種の誇りを与える名誉ある祝祭の意味が込められている点で、後者は前者に遥かに劣ることになるからだ。

 後者は通り一遍の行事的色彩がより濃い。このことは双方の催しの服装の違いに現れている。桜を見る会での男性はその多くが特別な日用のスーツを着、女性の多くが、多分、特別誂えなのだろう、色鮮やかな和服姿であるのに対して後者は結団式や開会式、渡航時に着用する公式服装である揃いの紺のブレザーに明るいはグレーのパンツ姿の出席者が多かった。

 少なくとも名誉という点では前者が格段に優る。いわば桜を見る会や春の園遊会でこそ、より公平に扱われることが望ましかったはずだが、そうする配慮が安倍晋三にも宮内庁にも欠けていたと見ることができる。

 2018年4月26日付「ロイター」記事が、4月26日午後の参院予算委員会で日本維新の会の片山大介の加計学園に関わる質問に対して安倍晋三が、「柳瀬唯夫元秘書官は機会があれば国会で知っていることを全て明らかにして欲しい」と述べたと伝えていた。

 その「機会」は安倍晋三のサジ加減一つでどうとでも用意できるはずなのに、そのことを隠して自らは進んでその「機会」を用意しようともせずに柳瀬唯夫の受け身の「機会」任せにして、さも真相解明を求めているかのような姿勢を無責任にも装う。

 その見え透いた奇麗事の物言いに呆れて、この箇所の遣り取りを文字に起こしてみた。

 2018年4月26日午後参院予算委員会

 片山大介「日本本維新の会の片山大介です。今日の集中審議ですが、残念ながら、他の野党は欠席をしました。明日は南北首脳会談が行われ、内外の政治情勢がこれだけ動いているのに日本の国会は残念ながら、このような状況になってしまっています。そして今維新の考えではですね、やっぱりほかの野党の皆さんにも出てきて貰って、議論をして、政府の姿勢を質して貰いたいと思っております。

 ただ、一番の問題やはり政府にあるんです。やはりこの森・加計問題、セクハラ問題、日報問題など、余りにもたくさんの不祥事が相次いでいて、その説明責任はおろか、そしてその後の対応だってとても納得できるものではない。

 この状況を生んだ責任について、行政府の長として、先ずそのお考えをお聞きしたいと思います」

 安倍晋三「行政を巡る様々な問題について国民の皆様の行政に対する信頼を揺るがす事態となっており、行政府の長として、また自衛隊の最高指揮官としてその責任を痛感しております。

 行政に対する最終的な責任は内閣総理大臣たる私にあります。国民の皆様に改めてお詫びを申し上げたいと思います。信無くば立たず、国民の信頼を得るため、行政のトップである私自身が一つ一つの問題について責任を持って必ず全容解明し、膿を出し切っていく。そして、真摯な反省の上に二度とこうしたことが起こらないように組織を根本から立て直し、国民の信頼回復に向けて総理大臣としてその責任を果たしていく決意でございます」

 片山大介「総理が今言われた膿を出し切っていくためにどういうふうにやって頂けるのか、聞いていきたいと思います。先ず加計学園の問題なんです。日本維新の会は今回のこの集中審議に当たって柳瀬さんの参考人を求めたんですが、認められませんでした。これは本来ならば、これ証人喚問したってよいはずで、柳瀬さんが堂々と出てきて、事実を述べればいいだけのことです。

 で、本人もその後、国会に呼ばれれば、誠実に答えるというふうに答えてるんですから、それができないということは、やはり、これも何だかの忖度のような気がしないでもないです。

 そこで先ず総理にお伺いしたいんですが、この問題を決着させるためにもですね。柳瀬さんに話をさせた方がいいんだと思うんですけれども、総理はどのようにお考えですか」

 安倍晋三「ご指摘のとおりですね、柳瀬元秘書官は国会の判断に従い、国会に呼ばれれば、しっかりと誠実にお答えする旨を述べているものと承知をしております。

 私としてもしっかりと全容を明らかにすることが信頼回復の大前提であると考えています。国会の運営は国会がお決めになることではありますが、何らかの機会があれば、柳瀬元秘書官には様々な指摘に対して知っていることを全て明らかにして貰いたいと考えております」

 片山大介「この場で改めて柳瀬氏の証人喚問を求めたいと思います」

 委員長「後刻理事会で協議をさせて頂きます」

 片山大介「それでその柳瀬さんなんですが、その愛媛県の文書が見つかった後のコメントでも、やっぱり、『記憶の限りでは会ったことがない』と言っている。そして、でも、その後にでもですね、内閣府が文科省に当てた同様の趣旨のメールが見つかって、そしてそれを作った人まで認めているので、まあ、いわゆる物証というものは次々に出てきている。

 で、総理は、これまでは関与を疑うんだったら、その証拠というふうに言われてきた。この愛媛県の文書というのは、私、これ一つの証拠になると思う。この愛媛県の文書に対して総理は『これとしてコメントする立場にない』と言ってるが、これは私はおかしいと思う。

 で、その審議の中で総理は『官邸に来たのかどうか、もう一度調べてみる』というふうに仰っていた。で、その結果どうなったのか、どのような調査をしたのかも含めて教えて頂きたい」


 安倍晋三「官邸の入邸記録については、使用目的終了後、遅滞なく廃棄する取扱とされており、昨年6月、当時の萩生田長官が答弁したとおり、2015年4月2日の今治市の官邸訪問については確認できなかったところであります。

 本年4月11日の衆議院予算委員会の中で私から2015年7月2日の今治市職員の官邸訪問についてもう一度確認させたいと答弁申し上げ、改めて官邸内の関係各室への確認調査を行ったところでありますが、愛媛県や今治市の職員が官邸を訪問したかどうかについて記録を確認することはできなかったところでございます」

 片山大介「これ何度も出てる質問なんですけど、総理が加計学園の獣医学部設置について知った日にち、これ1月20日と言ってます。これ改めての質問になるんですけども、この1月20日まで全く聞いたことすらない、ということでいいのか、いや、頼まれたことはなかったかもしれないですけども、これ全く、それまで聞いたこともないというのは、なかなか、これは違和感があるし、やはりそれも国民の皆さんも思っていると思います。

 これについて明確なご意見」

 安倍晋三「国民の皆様はですね、私の友人であるから、そういう話はしているんではないかというふうに思われるかもしれません。ま、しかし、この加計氏はですね、えー、理事長になられてからは様々な学部をつくっておられます。看護学部、あるいは薬学部等々もつくっておられますが、そのたびごとに何か私が依頼を受けたり、あるいはそういう話を聞いたことも、これは殆んどないわけでございまして、いわば友人同士の、えー、会話に於いてですね、お互いの興味が一致する点については話は、これ段々盛り上がっていくということも(ふっと笑いを漏らす)あるわけでございますが、この点について私が何回も述べてきた通り、それが事実でございまして、実際に彼が獣医学部をつくりたいという話を聞いたことは実際ないわけであります。

 ただ、様々なことに挑戦していきたいという趣旨の話は聞いたことはございますが、具体的な話を聞いていないのは事実でございます。これまで繰返し答弁してきた通り、私が加計学園の計画について知ったのは昨年の1月の20日であります。

 えー、但し先程申し上げましたように長年の友人が関わる話であり、えー、片山議員のご指摘のように国民の皆さんから疑念の目が向けられことは尤もなことだろうと、このように思います。

 ま、そうした点を十分に認識した上で今後とも事実に基づき、丁寧な上にも丁寧に説明を繰返していきたいと考えております」と

 片山大介「総理は(聞き取れない)あと、その決定までのプロセスに一点の曇りもないというふうにおっしゃってるんですが、ただ、この諮問会議の議事録とか見るとですね、例えばその獣医学部設置の地域が限定されたことやただ一校に限られたことの経緯というのはですね、これ記載がないんです。だからね、その議論された形跡がないんです。

 これいずれも、後で国会で追及されて、担当大臣等が答えたに過ぎない。こういうことなんですよ。これでオープンなプロセスと言えるのか、あまり胸張って言えないのじゃないかと思ってますし、その、これ以外、今回の森友学園の問題とか含めてですね、政府の一連のこの不祥事の問題の特徴というのは情報が後出しで出てくることなんですよ。これ報道などを通して。

 そのことに政府は問題ないというふうに説明するんだけれども、その国民含めて皆ね、情報の後出しなんですよ。こういうふうに思いますよ。これについてどう考えですか」

 安倍晋三「詳細については内閣府から答弁させますが、今回のプロセスはですね、民間有識者が加わった特区諮問会議やワーキンググループが主導し、適切に行なわれてきたと考えております。また節目節目でですね、関係大臣の間に異論がないことを確認をして、合意の上で関係法令に基づいて実施してきたものと理解をしております。

 えー、その際、国会に於いて答弁がなされたわけでございますが、それは特に隠していたということではなくては、どういうプロセスについて、どういうプロセスに則って、そういう決定がなされていったかということについてのご質問についてはしっかりとて答えているところでございますが、多くはですね、議事録等がはっきりと残っているんだろうと、こう思うところでございまして、こうしたプロセスについては、民間有識者も一点の曇りもないと述べているところでございます。

 今後ともこうした事実については、丁寧に説明する努力を重ねていきたい、このように思います。詳細については内閣府から答弁させたいと思います」

 最後の方は同じ答弁を引き出すだけの片山大介の質問となっている。

 森友・加計問題、セクハラ問題、日報問題等による行政の混乱に対して「行政府の長として、また自衛隊の最高指揮官としてその責任を痛感している」

 「行政に対する最終的な責任は内閣総理大臣たる私にあり」、「信無くば立たず、国民の信頼を得るため、行政のトップである私自身が一つ一つの問題について責任を持って必ず全容解明し、膿を出し切っていく」

 「全容解明は信頼回復の大前提である」が、証人喚問は「国会の運営は国会がお決めになることで、何らかの機会があれば、柳瀬元秘書官には様々な指摘に対して知っていることを全て明らかにして貰いたい」

 こういったことが行政の混乱に対する自身の責任意識と全容解明に対する自身の姿勢であることを示した。

 片山大介は柳瀬唯夫の証人喚問を求めた。日本維新の会だけではなく、他の野党も求めている。対して自民党は証人喚問に承服せずに参考人招致止まりとしている。

 安倍晋三は証人喚問は「国会の運営は国会がお決めになること」と言っているが、国会の決定はそれ以前に与党自民党の決定が優先条件となることは極く当たり前のプロセスとなっている。

 自民党が決定するれば、野党も求めていることだから、直ちに実現する。いわば証人喚問の決定権を握っているのは自民党であって、安倍晋三が自民党総裁として証人喚問を了承するように党に指示すれば、自民党が党として柳瀬唯夫の証人喚問を決定、その決定が国会の決定へと進んでいく。

 当然、自民党総裁としての安倍晋三の自党に対する指示が安倍晋三が言う「全容解明」に関しても、「膿を出し切っていく」ことに関しても、これらの出発点となる可能性は無下に退けることはできない。

 いわば「何らかの機会があれば」と柳瀬唯夫の受け身に任せるのではなく、安倍晋三自身がその「機会」を用意できる立場にいるのだから、進んで用意しなければならないはずだが、「国会の運営は国会がお決めになること」と言うのみで、証人喚問実現に向けた自民党総裁としての役割を進んで果たそうとする姿勢は一切示そうとしない。

 このような消極姿勢から判断できることは、「信無くば立たず、国民の信頼を得るため、行政のトップである私自身が一つ一つの問題について責任を持って必ず全容解明し、膿を出し切っていく」と言っていることは、一見固い決意を装っているが、実行する気もない口先だけの無責任な体裁が正体だということであろう。

 元首相秘書官柳瀬唯夫は愛媛県や今治市の職員、加計学園関係者と2015年4月2日に首相官邸で面会したことを「記憶の限りでは会ったことがはありません」で今までは遣り過ごすことができたとしても、そのことを記した文書が愛媛県や文科省、そして農水省で発見された以上、やはり柳瀬唯夫の証人喚問を「全容解明」の、あるいは「膿を出し切っていく」ことの出発点としなければならないのだが、そのことを安倍晋三等の疑惑の追及を受ける側が理解しようとする姿勢を見せない経緯は疑惑が事実だからに他ならないからだろう。

 疑惑が頭で作り上げた根拠のない架空の事実なら、証人喚問であろうとなかろうと、オープンに応じることができるはずだが、実行を伴わせずに言葉のみで「全容解明」を言い、「膿を出し切っていく」と言う。

 安倍晋三のこの如何わしさは疑惑が逆に事実であることを教えるのみとなっている。

 安倍晋三の如何わしさは安倍晋三が新設獣医学部の事業主体が加計学園であることを知ったのは2017年1月20日と言っていることに対して片山大介が「違和感がある」と追及したことへの答弁からも窺うことができる。

 改めて記して見る。

 安倍晋三「国民の皆様はですね、私の友人であるから、そういう話はしているんではないかというふうに思われるかもしれません。ま、しかし、この加計氏はですね、えー、理事長になられてからは様々な学部をつくっておられます。看護学部、あるいは薬学部等々もつくっておられますが、そのたびごとに何か私が依頼を受けたり、あるいはそういう話を聞いたことも、これは殆んどないわけでございまして、いわば友人同士の、えー、会話に於いてですね、お互いの興味が一致する点については話は、これ段々盛り上がっていくということも(ふっと笑いを漏らす)あるわけでございますが、この点について私が何回も述べてきた通り、それが事実でございまして、実際に彼が獣医学部をつくりたいという話を聞いたことは実際ないわけであります。

 ただ、様々なことに挑戦していきたいという趣旨の話は聞いたことはございますが、具体的な話を聞いていないのは事実でございます。これまで繰返し答弁してきた通り、私が加計学園の計画について知ったのは昨年の1月の20日であります」

 最後の「これまで繰返し答弁してきた通り、私が加計学園の計画について知ったのは昨年の1月の20日であります」だけで済む答弁を、「加計孝太郎は加計学園理事長になってから、看護学部や薬学部等々様々な学部をつくっている」だ、「そのたびごとに何か私が依頼を受けたり、あるいはそういう話を聞いたことも、これは殆んどない」だ、余分な答弁をくどくど長々と行っている。

 最たる余分は口にしなくてもいいことだと途中で気づいたのだろう、ふっと笑いながら、「会話に於いてですね、お互いの興味が一致する点については話は、これ段々盛り上がっていくということもある」と言った点だろう。

 加計学園の計画を知ったのは昨年の1月の20日であることの証明には何ら関係のない余分も余分な発言に過ぎない。

 くどくどとした余分な答弁であると同時にこの一連の答弁には前後矛盾している。加計孝太郎が「看護学部、あるいは薬学部等々もつくる「たびごとに何か私が依頼を受けたり、あるいはそういう話を聞いたことも、これは殆んどない」、「様々なことに挑戦していきたいという趣旨の話は聞いたことはある」が、「実際に彼が獣医学部をつくりたいという話を聞いたことは実際ないわけであります」と、獣医学部新設を聞いていないことの証言としている。

 文科省と日本獣医師会が50年間とかに亘って長いこと反対していた獣医学部新設は加計孝太郎にとっては実現が非常に困難と思われる一大「挑戦」だったはずである。「様々なことに挑戦していきたいという趣旨の話は聞いたことはある」、いわば加計孝太郎は安倍晋三に対して様々な挑戦についての話を聞かせていながら、獣医学部新設をそのような「挑戦」の一つに入れて安倍晋太郎に何も話さなかったことになる。

 安倍晋三側から言うと、様々な挑戦については聞いているが、認可に反対している行政機関も関わることになる最も困難と思われる獣医学部新設の挑戦については何も聞いていない、30年来の腹心の友人同士でありながら、矛盾した親密な交友関係を取ることになる。

 さらにこの簡単には解けない矛盾に「様々なことに挑戦していきたいという趣旨の話は聞いたことはございますが、具体的な話を聞いていないのは事実でございます」と断っている矛盾が重なる。

 30年来の腹心の友人同士でありながら、加計孝太郎の方からも自身の「挑戦」について「具体的な話」はせず、安倍晋三の方も「具体的な話」は聞かずに済ます、そういった会話で30年来の腹心の友人関係を成り立たせていたことになる。

 大体が「加計学園が新設獣医学部の事業主体であると知ったのは今までの答弁どおりに昨年の1月の20日で間違いありません」だけで済ますことのできる答弁を口にしなくてもいいくどくどとした余分な発言を加えなければならなかったのは事実でないこと、ウソを口にしているから、それを無理に事実と見せかけるためにはこれでもか、これでもかと言葉を費やさざるを得なくなり、簡潔に述べて簡単に切り上げることができない、ウソをつくときに特有の呪縛に掛かってしまうからだろう。

 こういったことは推測に過ぎないが、安倍晋三が自民党総裁として指示すれば実現可能な柳瀬唯夫の証人喚問を「全容解明」や「膿を出し切っていく」ことの出発点とすることができるにも関わらず、国会が決めることだと証人喚問実現から一歩距離を置いている、国会答弁とは裏腹の関係にあること、加計孝太郎が「様々なことに挑戦していきたいという趣旨の話」を安倍晋三にしながら、30年来の腹心の友人関係であることに反して加計孝太郎は「具体的な話」はせず、安倍晋三の方も「具体的な話」は聞かずに矛盾した交友関係にあること、あるいは加計孝太郎の様々な「挑戦」の中により困難な獣医学部新設の挑戦を入れていなかったことの矛盾、いくらでも追及する余地はある。

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安倍晋三桜を見る会、天皇・皇后春の園遊会:忘れ去られた平昌パラ日本選手 選手全員国民栄誉賞ものでは?

2018-04-26 10:02:46 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 安倍晋三は平昌オリンピック(2018年2月9日~2月25日)のスピードスケート女子500メートルで小平奈緒選手が金メダルを獲得したときに自身のインスタで「小平選手、おめでとうございます!前回の悔しい思いをバネに、4年間の努力を実らせた、オリンピック記録の圧巻の滑り。王者らしい、威風堂々の金メダルでした!」と大祝福。

 フィギュアで金メダルを獲得した羽生結弦選手に対しては、「羽生選手、おめでとうございます!怪我を乗り越えてのオリンピック二連覇。素晴らしい演技に、本当に胸が熱くなりました。感動をありがとう!」と感謝・感激の祝福。

 団体追い抜きで金メダルを獲得した高木美帆、高木菜那、佐藤綾乃の3人に対しては、「おめでとうございます。すばらしいチームワークで逆転しオリンピック新記録での金メダル。まさに日本の底力を示してくれました」とこれまた祝福している。

 勿論、平昌パラリンピック(2018年3月9日~3月18日)の金メダル獲得選手に対してもインスタ等を通した祝福は忘れていない。国民の代表中の代表である。ただ単にオリンピック金メダル選手に対する祝福とのバランスを取るための祝福ではないはずだ。

 平昌パラリンピックのノルディックスキー距離男子10キロクラシカル立位で金メダル獲得の新田佳浩選手をインスタグラムで、「スタート直後のアクシデントも乗り越えての勝利。気迫溢れるラストスパートは圧巻でした!」と大祝福。

 同じく平昌パラリンピックのスノーボード・バンクドスラローム男子下肢障害で金メダル獲得の成田緑夢(近畿医療専門学校)を「金メダルおめでとうございます。3度の滑走すべて、果敢に挑戦し、3度ともベストを更新。勇気を与えてくれる、最高のパフォーマンスでした!」とインスタで祝福。

 同じく同じく平昌パラリンピックのアルペンスキー女子大回転で、村岡桃佳(早大)をインスタで、「金メダルおめでとうございます。ソチから4年間の努力を見事に実らせ、本当に迫力ある、攻めの滑り」と大祝福。

 安倍晋三は2018年4月21日に毎年恒例の桜を見る会を新宿御苑で開いた。招待された人間は約1万7500人だそうだ。よくも集めに集めたものだと思う。

 各界著名人が掻き集められた。ネットで調べてみると、芸能界からはピコ太郎、梅沢富美男、歌手のMay J.、木下優樹菜とその亭主のフジモンこと藤本敏史、デーブスペクター、DAIGO、梅宮アンナ、美川憲一、ミッツマングローブ、吉田羊、桜庭ななみ、今くるよ、さかなクン、のん、紅蘭、IKKO、歌手の藤井夏恋と鷲尾伶菜等々、その他には将棋の加藤一二三、囲碁の井山裕太、サッカーの監督をしているのか、ラモス瑠偉の名前が上がっていた。

 平昌オリンピック選手からはいずれも金メダルを獲得した団体追い抜きの高木美帆、高木菜那、菊池彩花、佐藤綾乃、モーグル原大智などが招待されたそうだ。

 だが、ネットのどこをどう探しても、平昌パラリンピックの金メダリストの名前は見当たらない。安倍晋三がインスタであれ程祝福していたのに1カ月かそこら経っただけで忘れ去られた存在に貶めてしまったようだ。

 もし事実、平昌パラリンピック金メダリストが誰一人招待されていなかったとしたら、安倍晋三の自身のインスタを使った平昌パラリンピック金メダリストへの祝福は平昌オリンピック金メダリストに対する祝福とのバランスからしたことだと解釈されたとしても止むを得まい。

 実際には招待されていたが、マスコミが取り上げなかっただけのことで、そうすることでマスコミが安倍晋三の桜を見る会という舞台を使って意図しないままに平昌パラリンピック金メダリストを忘れ去られた存在としてしまったのだとしたら、平昌パラリンピックに関わる報道の全ては平昌オリンピックの報道を主とし、それとの兼ね合いでしないわけにはいかなかった二次的な仕事に過ぎなかったということになる。

 果たしてどちらなのだろうか。後者の忘れ去られた存在化の主犯がマスコミだとしたら、アベノミクスの否定的面だけを報道する、偏向報道だ何だと何かとマスコミにケチをつけたがる安倍晋三のことである、桜を見る会の招待客が平昌オリンピック金メダリストのみで、平昌パラリンピック金メダリストが除外されているかのように伝えるのはマスコミとしての責任を果たしていないのではないかと早々にイチャモンをつけてもおかしくない。

 特に選挙にマイナスの影響を与えかねないことには神経を尖らせている。ここに来て森友疑惑・加計疑惑で内閣支持率を最低にまで下げている関係から、安倍晋三にマイナスイメージを与える報道には目を光らせているはずである。

 だが、桜を見る会関連の報道には音無しの構えでいる。安倍晋三こそがインスタで最大限祝福していた平昌パラリンピック金メダリストを桜を見る会では忘れ去った存在としてしまった主犯ということであろう。結果的に彼ら金メダリストを忘れ去られた存在として無意識な状態のまま、国民の目に映るようにしてしまった。

 2018年4月25日、天皇・皇后主催の春の園遊会が東京・元赤坂の赤坂御苑で開催された。招待客は約1900人だそうだ。安倍晋三の桜を見る会の招待客約1万7500人から比べたら、かなり小ぶりの規模となる。安倍晋三は首相として外国を30何回訪問した、何回首脳会談を開いたと数を誇ることで自身の外交能力の勲章とするような脳ミソスカスカの精神性の持ち主だから、天皇・皇后の春の園遊会の招待客数と比べた自身の桜を見る会の約1万7500人の招待客数を凄いもんだと胸を張ったかもしれない。

 マスコミが報じた春の園遊会の著名人は国民栄誉賞を受賞した将棋の羽生善治や囲碁の井山裕太、平昌オリンピック金メダリストではフィギュアスケート男子金メダル獲得の羽生結弦選手、スピードスケート女子金メダリストの小平奈緒選手、女子団体追い抜きの高木菜那、美帆姉妹選手に他のメンバー2人、菊池彩花選手と佐藤綾乃選手といったところが名前を連ねている。


 しかし招待客の中に平昌パラリンピック金メダリストの名前を見つけることはできなかった。 

 昨年2017年11月9日の秋の園遊会では2012年のロンドンパラリンピックの水泳で銀と銅1個ずつ、2016年リオデジャネイロ・パラリンピックの水泳で銀と銅を2個ずつ、計4個のメダルを獲得した木村敬一選手と同じくリオ・パラの陸上女子400メートル銅メダルの辻沙絵選手は招待されている。

 招待がどのような基準で選考されるのか分からないが、今年4月25日の春の園遊会で平昌オリンピックの金メダリスト羽生結弦選手選手や小平奈緒選手、高木菜那、美帆姉妹選手その他が招待されたなら、平昌パラリンピックの金メダリスト、村岡桃佳選手や新田佳浩選手、成田緑夢選手なども招待客として名前が載っていていいはずだし、日本国憲法第14条、〈すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。〉の観点から言っても、公平な扱いということになるはずだ。

 いずれにしても、安倍晋三の桜を見る会、そして天皇・皇后の春の園遊会共に平昌オリンピックの金メダリストたちが招待客の中に名前も写真も載っているのと大違いで、平昌パラリンピックの金メダリストはその名前も写真もどこを探しても見つけることができない目に見えない忘れ去られた存在となっている。

 招待されていなかったのか、招待されていたが、マスコミが報じなかったのか、それがどちらであっても、前者・後者の扱いの差別は目に余るものがあるが、安倍晋三の桜を見る会では招待していなかったとしたら、平昌パラリンピック金メダリストに対するインスタでの祝福をウソにすることになるばかりか、安倍晋三が一国の政治を主導する立場から「1億総活躍社会」を掲げて、「少子高齢化の流れに歯止めをかけ、誰もが生きがいを感じられる社会を創る。人生は十人十色であり、価値観は人それぞれである。一億総活躍社会は、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で、誰もが活躍できる、いわば全員参加型の社会である」と謳ってい
るものの、それが実現に程遠い状況にある以上、自らが率先して桜を見る会に招待、「1億総活躍」のささやかな未来図の一つとすべきを、そのことに対する配慮さえ欠いているのは「1億総活躍社会」をそのものを口先だけのことにしていることになる。

 平昌パラリンピック閉幕後、オリンピックの選手のみに授与されている国民栄誉賞を平昌パラリンピックに参加した日本人選手全員にメダル獲得如何に関わらず、努力賞の意味を込めて纏めて受賞対象として授与したなら、一般的な障害者の喜びや励ましになるのではないかと考えたが、そんなことどころか、結果的には桜を見る会でも、春の園遊会でも、忘れ去られた存在として差別的な扱いを受けることになっていた。 

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安倍晋三のトランプにおんぶに抱っこの他力本願な拉致解決は自らの責任放棄、その程度の外交能力

2018-04-24 11:39:29 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 安倍晋三が4月22日、拉致被害者家族らと約1時間程面会し、その後東京都内開催の北朝鮮による拉致被害者家族会や支援団体「救う会」などが主催する「国民大集会」に参加、スピーチした。

 面会でのスピーチと「国民大集会」でのスピーチが共に2018年4月22日付で、「首相官邸」サイトで紹介している。拉致に関わる発言の要所要所を取り上げてみたいと思う。

 先ず拉致被害者家族との懇談でのスピーチ。

 安倍晋三「先般、(4月)17日から訪米し、そして2日間にわたってトランプ大統領とじっくりと膝を交えて首脳会談を行ったところでございます。その際、北朝鮮の問題について日本の主張、立場をしっかりとトランプ大統領にお伝えしました。

 特に拉致問題について、是非この千載一遇の機会を捉えて、この拉致問題について議題に乗せ、解決を強く迫ってもらいたい。正に千載一遇のチャンスと捉え、この初めての米朝首脳会談において、この問題について金正恩(キム・ジョンウン)委員長に、日本が考えた解決に向けて伝えてもらいたい、ということをお話しさせていただいたところでございます」――

 米朝首脳会談の際に「拉致問題について議題に乗せ、(その)解決を強く迫ってもらいたい」、金正恩に「日本が考えた解決に向けて伝えてもらいたい」とトランプにお願いしている。

 トランプができることは安倍晋三のこのような要請に応えて、金正恩に解決を迫るところまでであろう。なぜなら北朝鮮の核政策はアメリカにとっては最大の当事国であるが、拉致問題は当事国ではないからだ。当事国ではない者同士が解決そのものを議論するということはあり得ない。

 対して金正恩は「解決に向けて日本政府と交渉に入るつもりでいます」以外の反応を示すことはできないだろう。

 拉致問題をどう解決するかは米朝間の問題ではなく、当事国同士の日朝間の問題なのは断るまでもない。いわばトランプが解決に向けた日程や議論を支配できるわけではない。

 但し金正恩がトランプに解決を請け合ったからと言って、直ちに全面解決に至るわけではないだろう。金正恩は最終的には非核化に応じないものの(このことは別の機会にブログに書く)、非核化に向けた見せかけの政策を時間をかけて様々に演じることになり、非核化という着地点を延々と先延ばししていくだろうから、安倍晋三が拉致解決よりも非核化が先という態度を取ったら、その姿勢が障害となって、解決に至らない迷路に足を踏み込まない保証はない。

 安倍晋三がなりふり構わずに非核化は後回しでもいい、拉致解決が先という態度を取ることができれば、金正恩は金正日と小泉純一郎との間で一度は交わされた日朝平壌宣言を持ち出して、拉致解決の見返りにその履行を迫るのは目に見えている。

 小泉訪朝の2002年9月17日に平壌で締結された日朝平壌宣言は、〈双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議する〉として、戦争賠償は行なわないとする一方で、〈双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。〉として、〈無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力〉、〈国際協力銀行等による融資、信用供与等〉を以ってして戦争賠償に代わる過去の清算を約束している。

 当然、過去の清算は戦争賠償額に匹敵する規模になるだろう。拉致被害者解放の見返りとなっているこの日朝平壌宣言の履行は北朝鮮の核政策が唯一トゲとなっていた。トゲを抜くには非核化しかないのだが、独裁体制であることが理由となって、金正恩にとって国家安全保障上、非核化は譲ることのできない一線となっている。

 また、トランプにしても、安倍晋三が拉致解決を優先させて、非核化を後回しにすることは許さないだろうし、安倍晋三自身、非核化を目的に圧力一辺倒の政策を取ってきた関係から、非核化優先の外交姿勢を見せざるを得ず、結果的に拉致解決を二の次へと迫られることになるだろう。

 要するに拉致解決に向けた日程や議論の支配は、これまでもそうであったように安倍晋三は場外に置かれて、金正恩の一手に握られる可能性も生じかねない。

 このような経緯を取る可能性を予想もせずに安倍晋三の外交能力の程度が言わせるのだろう、トランプが解決に向けた日程や議論を支配できて解決してくれるようなおんぶに抱っこの他力本願な発言を曝け出している。

 安倍晋三「(トランプは首脳会談で)安倍さん、しっかりと皆様(拉致被害者家族)の気持ちを私は受け止めている、という話をしてくれました。そして、記者会見において、昨年皆さんとお目にかかった際、記憶を思い出しながら、できる限り早期に御家族の再会を望む、拉致被害者の帰国に向け、可能な限り全てのことをし、彼らを日本に帰国させる、あなたに約束する、こう記者会見において明言してくれたところでございます」

 トランプが拉致被害者を日本に帰国させると安倍晋三に約束した、記者会見でそう明言してくれたと拉致被害者家族に伝えた。拉致解決が自分の手から離れて、トランプの手に委ねたような言葉となっている。

 北朝鮮が相手だから、解決は簡単なことではないと断りながら、お定まりの能書きのご披露に及んでいる。

 安倍晋三「全ての拉致被害者の即時帰国。正に皆様が皆様の手で御家族を抱き締める日がやってくるまで、私たちの使命は終わらないとの決意で、そして安倍内閣においてこの問題を解決するという強い決意を持って、臨んでまいりたい」

 解決をトランプの手に委ねながら、拉致解決に向けた安倍内閣の責任を堂々と言う。この矛盾に本人は気づいていない。要するにトランプがさも解決してくれるかのように見せかけたことで拉致被害者家族の期待を繋いでいるだけなのだろう。

 次に「国民大集会」でのスピーチ。

 安倍晋三「(拉致被害者)御家族の皆様の切なる思いを胸に、17日から20日にかけまして米国を訪問し、トランプ大統領と会談を行ってまいりました。初日の最初の2人だけの会談、そして少人数の会談においては、そのほとんどを北朝鮮の問題について費やしました。

 特に2人だけの会談においては、この拉致問題について、この重要性について、トランプ大統領にお話をさせていただきました。トランプ大統領も昨年来日した際、御家族の皆様の声を聞き、皆様の気持ちをよく理解しておられました。

 この問題を解決するために、是非とも協力してもらいたい、いかに御家族が苦しい思いをしているか、ということを申し上げました。トランプ大統領も、身を乗り出して私の目を見ながら、真剣に聞いてくれました。

 そして、米朝首脳会談で拉致問題を提起する、そしてベストを尽くす、と力強く約束してくれました。そして記者会見においても、昨年来日した際に、皆さんと対面されたことを思い浮かべながら、できる限り早期に御家族の再会を望む、拉致被害者の帰国に向け可能な限り全てのことをし、彼らを日本に帰国させる、あなたに約束する、こうテレビカメラの前で表明をしてくれました」

 拉致被害者家族との懇談でのスピーチとほぼ同じ趣旨となっている。トランプは「米朝首脳会談で拉致問題を提起する」ことはできるだろう。金正恩に拉致解決を約束させることもできるだろう。但し拉致解決に向けて日本政府と話し合いましょう程度の範囲の約束から出ないことは目に見えている。

 安倍晋三がどこでどうスピーチしようとも、拉致解決は日本政府と北朝鮮政府の話し合いで決めていかなければならないし、決まっていくにも関わらず、トランプが米国政府と北朝鮮政府の話し合いで決めることができるかのように発言したことになっている。

 事実そのように発言し、そのように約束したとしても、北朝鮮の核問題と違って、当事国ではないトランプに委ねていいわけではないし、その約束を保証付きで喋ってもいい事柄でもないはずだ。

 安倍晋三「この日米首脳会談の共同記者会見においては、米国でもCNN等で全国にライブで放映されるわけであります。そしてそれは北朝鮮の人々も見ている。正に世界に向かって米国の大統領がこの問題を解決する、被害者を家族のもとに返す、ということを約束してくれたと、こう思います」

 何という楽天主義なのだろう。トランプが世界に向かって約束しようが、全宇宙に向かって約束しようが、拉致はアメリカの国益に絡んでいないのに対して絡んでいるのは日本と北朝鮮であって、しかも北朝鮮にとっては最重要な国益として位置づけている核保有程ではないにしても、多分、経済的には死活的な国益として絡んでいる関係から日朝の今後の重要課題と位置づけて、トランプの約束には距離を置かなければならないはずだが、逆に安倍晋三自身と拉致解決の間に距離を置いた情けない愚かしいばかりの発言となっている。

 安倍晋三「しかし、問題は首脳会談が行われ、そこで米国から提起されても、北朝鮮がどのように受け止め、実際に行動していくかであります。そしてこの拉致問題は正に日本の問題であり、日本が主体的に行動を取っていかなければならない問題であろうと、こう思うわけであります。今後一層、日米で緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の即時帰国に向け、北朝鮮への働きかけを一層強化していく考えであります」――

 「問題は首脳会談が行われ、そこで米国から提起されても、北朝鮮がどのように受け止め、実際に行動していくかであります」

 この発言は「できる限り早期に御家族の再会を望む、拉致被害者の帰国に向け可能な限り全てのことをし、彼らを日本に帰国させる、あなたに約束する、こうテレビカメラの前で表明をしてくれました」と発言したことと矛盾する。

 矛盾するだけではない。拉致の解決は北朝鮮の行動にかかっていることの極々当たり前の常識に初めて立ち返ることができた鈍感さを曝け出している。

 勿論、北朝鮮が簡単に非核化に応じれば、連動して拉致は解決に向かうだろうし、応じなければ、日本政府は拉致の解決を先にするか、非核化を先にするか、優先順位を問われることになり、優先順位を後者とした場合は拉致解決は遠のくことになる日本側の態度にもかかってくることになる先の展開を読むべきなのに、読むだけの認識能力は持ち合わせていないようだ。

 安倍晋三「この拉致問題は正に日本の問題であり、日本が主体的に行動を取っていかなければならない問題であろうと、こう思うわけであります」

 トランプが金正恩との首脳会談で可能とする拉致問題での限界を弁えずにトランプが解決を約束してくれたとおんぶに抱っこの他力本願状態であったにもに関わらず、最後になって「拉致問題は正に日本の問題」だ、「日本が主体的に行動を取っていかなければならない問題」だと突然目覚めたかのようなことを言う。

 安倍晋三が真に「拉致問題は正に日本の問題であり、日本が主体的に行動を取っていかなければならない問題」だという認識を徹頭徹尾常に保持していたなら、トランプができる限界を弁えた発言をすることができたろうし、できたなら、トランプの「彼らを日本に帰国させる」との約束の言葉に対しても一歩も二歩も距離を置いた紹介の仕方をしただろうし、記者会見の様子が全国にテレビ放映されたことや、例え北朝鮮国民がそれを観ていたとしても、それらに期待をかけることは拉致解決が非核化をも含めた金正恩の態度一つにかかっていることの自覚から離れずにさして意味のないこととして扱うことができたずだ。

 だが、終始真逆の態度、真逆の発言となっている。

 安倍晋三「まずは南北(首脳会談)、そして米朝首脳会談の際に拉致問題が前進するよう、私が司令塔となって、全力で取り組んでまいります」

 「南北(首脳会談)、そして米朝首脳会談の際に」安倍晋三が「拉致問題前進」の「司令塔」にどうなれるというのだろうか。これまでも何ら司令塔の役目を果たしていないし、司令塔の役目に就くこともできなかった。言葉だけが勇ましく踊っていて、言っていることは支離滅裂、所詮は拉致被害者家族に期待を抱かせることを狙った発言の羅列だから、拉致解決の鍵を握っているのはトランプだとばかりにおんぶに抱っこの他力本願なトランプに対する万能視、ヨイショとなったのだろう。

 この責任放棄のような態度からは自尊心も何も窺うことができない。いや、責任放棄と自尊心欠如は相互に照射し合う。

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南スーダン・イラク両日報隠蔽の必要性は安倍晋三側にあり、隠蔽は安倍晋三の世論操作・国会対策が狙いか

2018-04-23 11:36:13 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 ――隠蔽の必要性・利益は防衛省側になく、「戦闘行為」の政府解釈は自衛隊員の生命軽視に当たることから、防衛省側・自衛隊側に隠蔽リークの必要性・利益が生じたか――

 防衛省は野党議員がイラク派遣部隊日報の資料請求に対して2017年2月16日に「不存在」と回答したという。

 2017年2月20日衆議院予算委員会

 後藤祐一「民進党の後藤祐一でございます。

 先週の金曜日、南スーダンの第1次隊から9次隊についても日報は残っているということが明らかになりましたが、南スーダン派遣以外についても、海外、国内問わず日報というものは保存されているのでしょうか、防衛大臣」

 稲田朋美「自衛隊の部隊、機関が上級部隊に報告するために毎日まとめる記録を日報と呼ぶとすれば、自衛隊内にはさまざまな種類の日報が存在しております」

 後藤祐一「どのような日報が保存されているのか、網羅的に今言うのは多分すごく多いので難しいと思いますので、この委員会に提出していただけますでしょうか、大臣」

 稲田朋美「網羅的にとおっしゃいましたけれども、例えば南スーダン派遣施設隊のような海外で活動する部隊がその上級部隊に活動状況や現地情勢について報告するための日々の報告や、下級部隊が人員状況を上部部隊に報告するための人事日報などがございます」

 後藤祐一「南スーダン以外にどういったものがあるのか。例えばイラクについて、あるんですか、イラクの派遣について。まずそれを一つお答えするのとともに、多分膨大にあるでしょうから、国内も含めると、その一覧を提出していただけますでしょうか。どういった種類の日報が保存されているのか。

 稲田朋美「あと、国内で活動している自衛隊の部隊についても、警戒監視といった実動オペレーション中はリアルタイムで報告を上げることとなり、日報という形式を必ずしもとるとは限りません。

 細部については、部隊の運用の詳細にかかわるため、お答えは差し控えたいと思います」

 後藤祐一「では、せめてイラクについて、あるかどうか教えていただけますか。イラクの派遣のときの日報が残っているかどうか」

 稲田朋美「お尋ねのイラク特措法に基づく活動の日報については、南スーダンPKOと同様の現地情勢や自衛隊の活動内容を記録した現地部隊の日報については、確認をいたしましたが、見つけることはできませんでした」

 後藤祐一「なかなかお答えいただけないので、どういった日報が残っているのかについて、この委員会に一覧を御提出いただくよう、理事会で御協議いただきたいと思います」

 浜田靖一委員長「理事会で協議します」

 後藤祐一が「先週の金曜日、南スーダンの第1次隊から9次隊についても日報は残っているということが明らかになりましたが」と言っている「南スーダンPKO派遣自衛隊部隊活動記録」(日報)とは、マスコミによって散々報道済みだが、2016年7月の南スーダン首都ジュバでの大統領派と反大統領派の激しい戦闘行為に関わる知るべき資料としてなのだろう、「平和新聞」編集長のフリージャーナリスト布施祐仁氏が2016年9月末に情報公開法に基づいて開示請求したのに対して防衛省は2016年12月2日に「日報」は説明資料に使った後に廃棄したとして非開示扱いしたが、防衛省は3カ月後の2017年2月6日に調査範囲を広げて探索した結果として「日報」の存在を公表。

 しかし実際には「日報」を電子データの形で発見したのは防衛省が非開示とした2016年12月2日から24日後の12月26日で、稲田朋美自身に報告があったのは発見から1カ月後の2017年1月27日だったと稲田自身が2017年2月9日の衆院予算委で明らかにした。


 そして「イラクPKO派遣自衛隊部隊活動記録」(日報)も南スーダン日報と同じような経緯を取ることになった。防衛省がイラク日報を不存在としたのは2017年2月16日。稲田朋美がイラク日報は「確認をいたしましたが、見つけることはできませんでした」と国会答弁したのが2017年2月20日。

 ところが、陸上幕僚監部は2017年11月27日になって海外派遣で作成した日報などに関する調査を全部隊に指示。防衛省が不存在とした2017年2月16日から遅れること9カ月と11日経ってからの、稲田朋美の「見つけることはできませんでした」の国会答弁の2017年2月20日から9カ月と7日経ってからの全部隊調査を指示ということになるが、この遅れはどういうことなのだろうか。

 全部隊調査指示によってなのだろう、2017年11月27日から約1カ月半後の2018年1月12日に陸自研究本部が幕僚総務課にイラク派遣部隊の日報が見つかったと報告。同年1月31日に陸幕衛生部が総務課の日報存在を報告。
     
 南スーダン日報とイラク日報が廃棄、もしくは不存在→調査→発見というふうに共通した経緯を取っただけではなく、発見された南スーダン日報にもイラク日報にも、「戦闘」という文字が記入されていた点も共通している。

 南スーダン首都ジュバで大統領派と反大統領派が激しい戦闘行為を繰り広げた2016年7月11、12日分の「日報」約110ページには11個所も「戦闘」という言葉が記載されていて、大統領派と副大統領派が戦車や迫撃砲を用いて激しく戦闘を展開したといった表現もあったという。

 当然、この戦闘は「PKO派遣5原則」の(1)「紛争当事者間で停戦合意が成立していること」、いわば非戦闘地域限定の派遣に抵触、派遣自体に疑義が生じることになる。PKO派遣違反というところまでいけば尚更のことだが、疑義だけで世論に影響を与えることになって、内閣支持率や国政選挙に少なからずマイナスの影響を与えることになる。

 但しフリージャーナリスト布施祐仁氏が情報公開制度に基づいてイラク日報の開示請求したのは2016年9月末で、第24回参議院選挙はこの2カ月前の2016年7月10日だから、防衛省が南スーダン日報をそのまま公開したとしても、選挙に影響はなかったことになるが、国会でPKO派遣の正当性を激しく追及されることになる。

 実際にも2016年9月26日召集、2016年12月17日閉会の臨時国会では野党は南スーダン首都ジュバで2016年7月に繰り広げられた大統領派対反大統領派の激しい戦闘行為を取り上げて、南スーダンへのPKO派遣はその原則が揺らいでいるのではないかと追及している。

 このような追及に対して安倍晋三と当時の防衛相稲田朋美は2002年2月5日の政府答弁書の〈テロ対策特措法第2条第3項の「国際的な武力紛争」とは、国家又は国家に準ずる組織の間において生ずる武力を用いた争いを言〉い、〈テロ対策特措法第2条第3項の「戦闘行為」とは、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為を言う。〉を根拠として大統領派と副大統領派の衝突を「戦闘行為」に当たらない武力衝突であって、PKO5原則に抵触しないと一貫して主張し続けた。

 要するに大統領派と反大統領派の争いは一つの国の中の二つの勢力争いに過ぎなく、「国家又は国家に準ずる組織」とは言えないのだから、そのような国家規模間で生ずる「国際的な武力紛争」には当たらない、「国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する戦闘行為」とは解釈できないとした

 そして防衛省が「戦闘行為」という文字が書き入れてある南スーダン日報を発見したと公表した2016年12月26日は2016年12月17日の臨時国会閉会よりも9日後であり、マスキング(黒塗り)処理を施して発表したのは2017年2月7日で、臨時国会閉会から1カ月と20日も経過していて、少なくとも日報の「戦闘行為」なる文言が国会追及に直接的な影響を与えることはなかった。

 一方の発見されたとして公表されたイラク日報にも「戦闘」や「銃撃戦」の文字が複数記載されているという。

 野党要求のイラクPKO派遣部隊の日報を防衛省が「不存在」と回答した2017年2月16日は電子データー化された南スーダン日報を統合幕僚監部で発見した2016年12月26日から1カ月と20日後のことであり、マスキングして公表した2017年2月7日から計算しても9日も後のことで、一旦は破棄していたとした南スーダン日報がより広範囲な探索結果、実際には存在していたことを何も学習していなかったイラク日報の「不存在」となる。

 要するに防衛省は南スーダン日報発見までの経緯を何も学ばずにイラク日報でも不存在から発見に至る二の舞を演じていた。しかも陸上幕僚監部が全部隊に海外派遣で作成した日報などに関する調査を指示した2017年11月27日は2017年10月10日に公示され、10月22日に投票が行なわれた第48回衆議院議員総選挙から1カ月半後のことである。

 しかも安倍晋三は南スーダンの国家建設への協力を謳いながら、その途上にも至っていない社会混乱を置き去りにして南スーダン自衛隊PKO派遣部隊を首都ジュバから2017年4月17日に撤収を開始して、最後の部隊が出国したのが2017年5月25日で、2017年10月22日の衆院選挙の約5カ月も前の撤収完了となる。

 こうしてみてくると、防衛省の南スーダン日報とイラク日報の「不開示」、もしくは「不存在」から発見に至るプロセスからは国会や選挙といった要所要所の政治的出来事を避けていることを見て取ることができる。

 当然、「不開示」、あるいは「不存在」によって利益を得るのは安倍政権を措いて他にはない。それが利益のための「不開示」や「不存在」の措置であるなら、不存在・非開示は世論操作、あるいは国会対策の必要性から生じた隠蔽工作と看做すことができる。

 そのように看做すことによって、南スーダン日報経緯を何も学習せずにイラク日報で簡単に二の舞を演じることになったことも容易に理解できる。自分たちの利益とするための世論操作・国会対策の必要性が上回ったということであり、学習云々は無関係だったということなのだろう。

 だとしても、大きな疑問が残る。一旦は無いとした日報をあるとしたことである。隠蔽をそのまま続けて闇に葬り去ってしまえば、国会で追及を受けることも、世論調査で内閣不支持の理由の一つ、「信用できない」のポイントを増やすこともなく、何も問題は起きない。

 いわば隠蔽を徹底させることによって自分たちの利益を守ることができるのに、逆のコースを取って徹底させるべき隠蔽を徹底できずにその存在を発見・公表するに至った。

 このとは今までの利益を吐き出すことになるばかりか、安倍政権にとって不利益をプラスさせる事態を招くことを示している。既に防衛相の小野寺五典は防衛省・自衛隊に対するシビリアンコントロールを十分に機能させているのかと国会で追及されることになっているし、このことは自衛隊の最高指揮官が安倍晋三である以上、シビリアンコントロールを十分に機能させているのかという能力の点で安倍晋三自身の問題として発展しない保証はない。

 このような不利益は安倍晋三側が自分から招くはずはないから、防衛省・自衛隊側の利益として行った一旦は無いとした南スーダン、あるいはイラクの日報発見ということでなければならない。

 考えられる理由は南スーダンでもイラク・サマーワでも武力攻撃が起きている現場で従事している軍人としての自衛隊員の感覚からでは「戦闘行為」と見てもおかしくな事態が何度か発生していて、その危険性を身近に感じているにも関わらず、安倍晋三や稲田朋美が国会で政府解釈を楯に取って、「戦闘行為ではない、単なる武力衝突である」と答弁していることが身の危険性無視の自衛隊員に対する生命軽視と映ったとしてもおかしくはなく、そのことへの反発から安倍晋三側が自らの利益として行った日報の隠蔽を現場の現実を知らせるべく、発見という形に持っていったのではないだろうか。

 勿論、一部の人間が発見したと上司に報告したとしても、上がその発見を抑えて、隠蔽し続けることも可能だが、発見したのに上が抑えたという事実がリークされた場合、上の立場は最悪となる。リークを恐れて、止むを得ず公表したしたのではないだろうか。

 このような推理と整合性を取ることができない事実が一つある。2017年11月27日に陸上幕僚監部が全部隊に海外派遣で作成した日報などに関する調査を指示したことである。

 整合性を与えるとしたら、陸上幕僚監部自体が安倍晋三の安易な自衛隊員に対する生命軽視に反発して、日報発見のキッカケ役となったということにしなければならない。

 いずれにしても、南スーダン・イラク両日報隠蔽の必要性、その利益は安倍晋三側にあり、自衛隊側にはなく、隠蔽は却って防衛省・自衛隊側の不利益であり、その必要はなく、日報の公表こそがPKO現場の実態を国民に知らしめる必要性・利益に適うということである。

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加計学園安倍晋三案件疑惑:相棒杉下右京が柳瀬唯夫の証人喚問、あるいは参考人招致の質問者となったら?

2018-04-21 11:07:01 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2015年4月2日に愛媛県や今治市の職員、加計学園幹部が首相官邸を訪問、加計学園獣医学部新設を話し合った愛媛県作成とされる記録文書の存在を2018年4月10日付「朝日デジタル」が伝えた。

 この文書を愛媛県知事中村時広が4月10日の記者会見で「職員が備忘録として作成したメモ」と認めた。

 愛媛県文書

 「福山“龍馬”雅治のブログ」 

報告・伺

獣医師養成系大学の設置に係る内閣府藤原次長・柳瀬首相秘書官との面談結果について
 
27.4.13
                    
地域政策課

14/2(木)、獣医師養成系大学の設置について、県地域政策課長・今治市企画課長・加計学園事務局長らが内閣府藤原次長及び柳瀬首相秘書官らとそれぞれ面談した結果は、次のとおり。

《藤原地方創生推進室次長の主な発言(内閣府)11:30》

・要請の内容は総理官邸から聞いており、県・今治市がこれまで構造改革特区申請をされてきたことも承知。

・政府としてきちんと対応していかなければならないと考えており、県・市・学園と国が知恵を出し合って進めていきたい。

・そのため、これまでの事務的な構造改革特区とは異なり、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい。

・国家戦略特区は、自治体等から全国レベルの制度改革提案を受けて国が地域を指定するものであるが、風穴を開けた自治体が有利。仮にその指定を受けられなくても構造改革特区などの別の規制緩和により、要望を実現可能。

・今年度から構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱うこととし、年2回の募集を予定しており、遅くとも5月の連休明けには1回目の募集を開始。

・ついては、ポイントを絞ってインパクトのある形で、2、3枚程度の提案書案を作成いただき、早い段階で相談されたい。

・提案内容は、獣医大学だけでいくか、関連分野も含めるかは、県・市の判断によるが、幅広い方が熱意を感じる。

・獣医師会等と真っ向勝負にならないよう、既存の獣医学部と異なる特徴、例えば、公務員獣医師や産業獣医師の養成などのカリキュラムの工夫や、養殖魚病対応に加え、ペット獣医師を増やさないような卒後の見通しなどもしっかり書きこんでほしい。

・かなりチャンスがあると思っていただいてよい。

・新潟市の国家戦略特区の獣医学部の現状は、トーンが少し下がってきており、具体性に欠けていると感じている。

《柳瀬首相秘書官の主な発言(総理官邸)15:00》

・本件は、首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい。

・国家戦略特区でいくか、構造改革特区でいくかはテクニカルな問題であり、要望が実現するのであればどちらでもいいと思う。現在、国家戦略特区の方が勢いがある。

・いずれにしても、自治体がやらされモードではなく、死ぬほど実現したいという意識を持つことが最低条件。

・四国の獣医大学の空白地帯が解消されることは、鳥インフル対策や公衆衛生獣医師確保の観点から、農水省・厚労省も歓迎する方向。

・文科省についても、いい大学を作るのであれば反対しないはず。  

・獣医師会には、直接対決を避けるよう、既存の獣医大学との差別化を図った特徴を出すことや卒後の見通しなどを明らかにするとともに、自治体等が熱意を見せて仕方がないと思わせるようにするのがいい。

・加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があったとのことであり、その対応策について意見を求めたところ、今後、策定する国家戦略特区の提案書と併せて課題への取組状況を整理して、文科省に説明するのがよいとの助言があった。

2 ついては、県としては、今治市や加計学園と十分協議を行い、内閣府とも相談しながら、国家戦略特区の申請に向けた準備を進めることとしたい。

 また、これと併行して、加計学園が想定する事業費や地元自治体への支援要請額を見極めるとともに、今治新都市への中核施設整備の経緯も踏まえながら、経費負担のあり方について十分に検討を行うこととしたい。

 文科相林芳正文が4月20日(2018年)の記者会見で愛媛県の文書を補強する形で、2015年4月2日に藤原地方創生推進室次長が訪問者と面会したことと、この面会後に首相秘書官柳瀬唯夫が面会することを記した内閣府から送信されたメールの文科省内での存在を明らかにした。

 黒角はマスキング。文飾は当方。

    取り急ぎ結果【機2】獣医

    ■■■■■        宛先:■■■■■   2015/04/02 12:48

 送信先:     〈■■■■(半角英字) 〉
 宛先:      〈■■■■(半角英字) 〉,〈■■■■(半角英字) 〉,〈■■■■(半角英字) 〉,
 Cc:        〈■■■■(半角英字) 〉

 履歴          このメールを送信しました。
 
 
 行革室 御中   ←内閣府 ■■■■ 〈03-■■-■■〉


 お疲れ様です。
 取り急ぎ、本日の面会の結果をお知らせします。

 日時 : 4月2日(木) 11:30~12:30
 先方 : 学校法人加計学園 倉敷芸術科学大学
     同
     愛媛県地域振興局地域政策課
     今治市企画部財政部企画課
     同
     愛媛県東京事務所  他
 当方:藤原次長、■■■

 次長からは、
 ・制度改正の実現は首長のやる気次第。熱意をどれだけ示せるか。
 ・今月(又はGW明け?)に予定する国家戦略・構造特区の共通提案に出してみては。
 ・反対派の同意を得るためにも、構想の内容(コンセプト、カリキュラム、自治体の取組等)を検
 討いただきご相談いただきたい。

 という趣旨の説明があり、自治体・大学側が持ち帰って検討する結果となりました。
 また、本日15時から柳瀬総理秘書官とも面会するようです。

 概要は後でまとめてお送りします。
 宜しくお願いします。

 --------Original Message--------

 From: ■■■■(地方創生推進室)
 Sent: Thurday,April02, 2015 9:53 AM
 To: ■■■■ ext.go.jp; ■■■■(同メールアドレス末尾);■■■■(同メールアドレス末尾)
 Subject: 【機2】獣医

  行革室 御中  ←内閣府(03-■■-■■)

  お疲れ様です。
  本日11:30~加計学園が藤原次長に面会に来るとのことです。
  当方も同席することになったので、概要についてはまたお知らせします。
 ----------------------
 内閣府   地方創生推進室

 ■■■■■

 〒 100-0014
 東京都千代田区永田町1-11-39
TEL:03-■■-■■
FAX:03-■■-■■
E-mail:■■■■■(メールアドレス末尾)
 ----------------------

 愛媛県文書で、「本件は、首相案件」と発言している当時の首相秘書官柳瀬唯夫は「火の無い所に煙は立たぬ」の譬えどおりか、この文書が判明する前から首相官邸での面会者に対する応対者と目され、2017年7月24日の加計学園衆院予算委員会閉会中審査と翌2017年7月25日参議院予算委員会に参考人招致されたが、いずれも「記憶にない」で面会を否定した。

 野党は愛媛県文書と文科省発見のメールによって首相官邸での応対者が柳瀬唯夫であったことを事実と裏付ける証拠だとして柳瀬唯夫の国会への証人喚問を求め、対して自民党は証人喚問に反対、4月23日に衆院予算委員会の集中審議を行い、柳瀬唯夫元首相秘書官らを参考人として招致する方針を決めた。

 ところが、野党の出席が望めないからと4月23日の参考人招致の衆院予算委員会を見送ることを決めた。例え参考人招致であろうと、証人喚問であろうと、柳瀬唯夫は前回の参考人招致同様に「記憶にない」を持ち出して面会を否定するだろうし、そうなれば、追及が同じく前回同様にそこで立ち往生してしまう経緯が目に見えてくる。

 このことは4月10日の愛媛県文書の発見後の同じ日付4月10日に発した柳瀬唯夫のコメントが既に証明している。

 「国会でも答弁していますとおり、当時、私は、総理秘書官として、日々多くの方々にお会いしていましたが、自分の記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありません。
     ・・・・・・・・・・・・・・
 私が外部の方に対して、この案件が首相案件になっているといった具体的な話をすることはあり得ません」(NHK NEWS WEB

 「記憶の限りでは」面会していないのだから、「本件は、首相案件」といった発言はなかったことにすることができる。

 柳瀬唯夫が「記憶にない」を持ち出して面会と「首相案件」の発言を否定するのは目に見えている状況下で相棒の杉下右京だったら、どうように有効な追及ができるだろうか、その遣り取りを想像してみた。

 杉下右京「愛媛県の文書では2015年4月2日に愛媛県や今治市の職員、加計学園幹部が首相官邸を訪問、そこで応対したのが当時の首相秘書官柳瀬唯夫氏となっています。そして林芳正文文科相が4月20日の記者会見で公表した内閣府から文科省の行革室宛のメールには同じ4月2日の午後3時から、あなたとの面会予定の文言が記してあります。

 お会いしたのはあなたですね」

 柳瀬唯夫「私の記憶をたどる限り、お会いしていないということでございます」

 杉下右京「それは否定されたということでいいんですか」

 柳瀬唯夫「私の記憶する限りはお会いしていないということでございます」

 杉下右京「すみませんが、それは事実としてもう否定したということでよろしいんですか」

 柳瀬唯夫「事実としまして、私の記憶のある限りはお会いしていないということでございます」

 杉下右京「前回の参考人招致と同じ展開ですね。ところが、あなたはお会いしているんですよ」

 柳瀬唯夫「いいえ、私の記憶する限りはお会いしていません」

 杉下右京「記憶する限りは会っていないとしたら、『本件は、首相案件』といった発言も、私の記憶する限りはなかったことになりますが」

 柳瀬唯夫「当然です。私が外部の方に対して、この案件が首相案件になっているといった具体的な話をすることはあり得ません」

 杉下右京「ところが、あなたは発言しているんですよ」

 柳瀬唯夫「記憶にないのですよ。記憶にないのにどう認めろと言うのですか」
 
 杉下右京「あなたには記憶にない。だから、記憶通りに面会もしていないし、発言もしていないと正直に仰っている。あなたは正直者なんですよ。記憶に真っ正直に従っている。あるいは記憶に忠実に従っているに過ぎないんですよ。

 正直者のあなた自身にとっては記憶に逆らうことはできない。不正直を働くことになるからなんですよ。記憶に忠実であろうとする人間にとって、記憶に逆らうことは自身の忠実さを放棄することになって、できないんですよ。無理も無いことなんですよ。

 それを他人が記憶にないなんてことはない、正直に言えと無理強いするのはあなたに正直さを捨てろと強要するようなもんですよ。誰にしたって正直をやめて、ウソつきになれと命令することなんかできないじゃないですか。あなたは自分の記憶に従えばいいんですよ。

 自己に忠実であること。それが一番の正直なんですよ。ウソつきはウソを付くことが自己に忠実な行為であって、ウソが一番の正直と言うことになるんですよ。

 あー、誤解しないでくださいよ。あなたをがウソつきだなんて、一言も言ってませんですよ。

 但しあなたが記憶になくても、ほかの関係者が記憶している場合が多々あるんですよ。愛媛県の職員はあなたとの面会をメモに残していて、そのメモを書いたのは自分だと名乗り出ているそうですから、あなたが記憶していなくても、その職員は記憶していることになるはずです。

 よくこんなことがありませんか。小学校のときの何人かの友人に30年ぶりとか40年ぶりに再会して、小学校当時の思い出を記憶の中からあれこれと拾い出して、こんなことがあった、あんなことがあったと懐かしく語り合い、笑い合う。ときには大人になってからでは考えられないようなことを小学校のときにしていて、お互いに驚き合うといったことがあるものなんですよ。

 ところがですよ、仲間の誰かがあなたが小学校のときにした何か特別なイタズラを思い出すとしますよ。例えば女の先生が教壇の脇に立って、黒板に向かって気持を集中させ、白墨で何かを書いている。あなたの席から何の障害物もない状況だったから、集中させている隙きを狙って、そのお尻に指で作った輪ゴムの鉄砲を見事命中させるイタズラをしたとしますよ。

 先生がすぐさま振り返って、かなり怒って、『誰です、こんなイタズラをしたのは。許しません。手を上げなさい』ときつい声を出しても、あなたは手を上げず、知らぬ振りをしたままで、他の誰も、『誰それがやった』とは告げ口しなかったものだから、先生に叱られることなく、犯人不明のまま遣り過されることになる。

 あなたは仲間がそのイタズラをしたのが誰だと気づいていなければ、『あれは俺がしたんだ』と自慢するだろうし、仲間の誰かが気づいていたなら、気づいていない仲間にも知らせて、あなたに『うまいことやったな。先公、命中したとこがケツだったから、あんなに怒ったんだ』とか言って、そのイタズラを褒めそやすように言う。

 30年ぶりか40年ぶりかして、仲間の一人がそのイタズラを思い出して、『お前、こんなことをしたっけなあ』と、昔を懐かしむふうに言うとしますよ。だが、あなたはなぜか覚えていない。全然記憶にないことだから、『記憶をたどる限り、そんなことをした覚えはない』とか、『記憶する限りは俺のイタズラじゃない』と否定する。

 だが、そのイタズラを思い出した仲間以外も思い出して、「ああ、そんなことがあった。お前がしたんだ。ちょうど尻の割れ目に命中したから、あんなに怒ったんだ」とそこに命中しなくても、面白おかしくするために大袈裟に命中したことにするといったこともあるんですよ。

 それでもあなたは記憶をどう探ろうと、思い出さない。自分のイタズラではないと思っても、最終的にはみんながそう言うんだから、俺がしたイタズラなんだなと、その事実を認めざるを得なくなるんですよ。

 つまり自分がその事実を記憶していなくても、他の誰かが記憶していることによって、事実が証明されると言うことはよくあることなんですよ。記憶していない事実でも、他の何人かが記憶している事実であったなら、記憶にないを押し通して、その事実を否定することも抹消することもできないということなんですよ。

 このようなことは実際に経験しているか、テレビドラマや映画や小説によく取り上げられる例としてご存知だと思いますよ。

 勿論、なかったイタズラをあったイタズラにデッチ上げて、最近流行りのドッキリカメラのようにあなたを引っ掛けるといったこともたまにはありますよ。だが、首相官邸での面会と「本件は、首相案件」の発言は愛媛県の職員が記憶しているでしょうし、文科省行革室にメールを送った内閣府の職員は藤原豊内閣府地方創生推進室次長が愛媛県や今治市の職員、さらに加計学園関係者と面会した記憶、柳瀬唯夫が午後から面会する予定であることを記憶しているでしょうから、あなたが記憶していなくても、事実としなければならないんですよ。

 あなたが記憶していないことを第三者が記憶しているということだけではないですよ。首相官邸面会時の2015年4月2日当日か、その近辺の日付で面会も、『本件は、首相案件』の発言も事実あったこととして文書に記録されているんですよ。記憶以上に確かな物的証拠としなければならないでしょうから、あなたの『記憶にない』がいくら正直な発言だとしても、証拠能力を失うことになるんですよ

 あなたの『記憶にない』の武器に対する他の者の記憶と記録という二重の武器。どちらの事実を有効とするでしょうか、既にお分かりと思いますよ。

 但し面会していないという記録を提出することができれば、展開は違ってくるかもしれません」

 テレビ朝日4月20日昼再放送の「相棒season11 初回2時間スペシャル『聖域』」の録画を昨夜観た。1度か2度見ていて、すぐに観たことがあるなと気づいたが、就寝時間を1時間過ぎるまで夢中になって観てしまい、最後の十数秒のワンシーンを明日の愉しみに残して、やっと床に就いた。

 つい杉下右京なら、柳瀬唯夫の参考人招致、あるいは証人喚問にどのように迫るのだろうかと考えてしまった。出来栄えは読者の感想次第。

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民進党参議院議員小西洋之に対する現職自衛官の「国民の敵」呼ばわりに独裁政治に繋がる独裁意志を見る

2018-04-20 12:52:45 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 民進党参議院議員小西洋之が4月17日の参院外交防衛委員会で4月16日の夜、国会議事堂に近い参議院議員会館付近の路上で現職自衛官から「お前は国民の敵だ」などと罵声を浴びせられたことを明らかにしたと翌日のマスコミが伝えていた。

「2018年4月17日参院外交防衛委員会」

 小西洋之「昨晩私が現職の自衛隊員から受けましたまっとうな(ママ)遺憾な事件についてご報告と、また防衛省としての見解を聞かせて頂きたいと思います。

 昨晩の午前(ママ)9時頃でございますけれども、参議院の議員会館を出て国会議事、えっ?昨晩の午後9時前でございますけど、失礼致しました。

 参議院の議員会館を出て直ぐの所、国会議事堂の目の前の公道の場で現職の自衛隊員を名乗る者から私は、『お前は国民の敵だ』などと繰返し罵倒を受けました。

 えー、国会議事堂の目の前の公道であり、また職務質問を行う複数の警察官が集まってくれましたけども、そうした警察官の前でも、『お前は国民の敵だ』というふうな発言を繰返しました。

 私はその者に対して『国民である以上、当然、言論の自由があり、また私共国会議員は政治の批判を受けるのが仕事であるけれども、現職の自衛隊員であるのであれば、その自衛隊員の所属規則としての特別の服務にあなたは服しているはずだ。あなたのそうした発言というのは法令に反しするものがあるんではないか』ということで諭したんですけども、繰返しそうした発言を行いますので、『それをやめないのであれば、また、撤回をしないのであれば、防衛省にこの場で人事当局に通報する』ということを申し上げました。

 それでも発言をやめませんでしたので、止むなく防衛省の人事当局に通報を致しましたところであります。

 あの、人事担当の責任者から、私の携帯電話にその場で連絡が参りました。で、そのことを現職の自衛隊員と名乗る者に伝えました。まあ、防衛省に連絡する前に一度確認を取ったんですが、あの発言を撤回するのであれば、防衛省の人事当局に通報しないと。また発言を撤回するのであれば、あなたの名前や所属というものを言わずに、この場で私の中で、あの、二度とないということを確認して防衛省には通報しないということにしたんですが、彼はそれを拒みました。

 ただ、最終的には彼は改めまして発言を撤回するということを言いましたので、それはその場で収めたんですが、えー、今朝になってその本人から、現職の自衛隊員と名乗る者から了解を受けていた警察、麹町署から本人の所属部署を知るところとなりました。

 統合幕僚監部の現職の職員であるというふうに名乗ったということでございます。氏名も警察も聞いて、私も知っていますけども、氏名はこの場では控えます。

 この件についての昨晩の防衛省の人事の責任者の対応でございすけれども、実は私はその現場を立ち去ったあとの責任者から電話がありまして、あの、私、小西が『防衛省に通報しないことにしたということでですけれども、防衛省としてこのような事件があった以上は調査をしなければいけない、調査をする』ということを仰られました。

 また大臣にも(聞き取れない)聞いております。この間の防衛省の人事当局の対応というのは私は正しい対応であり、敬意を表すべき対応であると思います。

 ただ今朝になって、警察から所属を聞いたとき、統合幕僚監部、昨年の南スーダン、イラク日報隠蔽事件、また今回のイラク日報の件についても統合幕僚監部の責任が問われているところでございます。そしてその焦点はシビリアンコントロールでございます。

 昨日の自衛隊員の名乗る者にも直接言いましたけども、今から70年前、この国会議事堂の中の首相官邸で当時の軍部がクーデターを起こして、『お前は国民の敵だ、問答無用だ』と言って、犬養毅首相を暗殺し、また高橋是清大臣などを暗殺した事件、5・15、2・26、こうした事件が起きた。

 今シビリアンコントロール、自衛隊の在り方が問われている。そうしたさ中にあって、あなたの発言は自衛隊法の58条などに規定がございますけれども、そうした問題はないかということを散々諭しましたけれども、あのー、その者はなかなか態度を改めなかった。

 しかも統合幕僚監部職員だということでございます。あの、防衛省の官房長にお伺いしますけども、事実関係を調査の上、然るべき対処をする。私は一度武士の情けで、また働き盛りの隊員であるので、武士の情けで撤回を受け入れたんですけども、やはり所属、今の自衛隊と防衛省が置かれている状況を踏まえたときに国民との責任でこの問題をやはりしっかり、私は国会議員としての責任を果たさなければいけないということで、今日は質問をすることに致しました

 防衛省として責任を持った調査をするということで宜しいでしょうか」

 防衛省大臣官房長髙橋 憲一「先程委員ご指摘の件でございますけれども、現在調査をしておりますので、また調査が済んだ段階でしっかり報告をしたいと思っています」

 小西は再び現職の自衛官にふさわしくない発言だと問題にしてから、防衛相の小野寺五典の見解を問い正す。

 小野寺五典「この件については昨晩、私の方にもこのような事案があったということであります。ただ、この際小西委員の方はやはり相手がそこで、ま、自分の非を認めたということで、お話をされたと。大変温情のある話をされたんだと思っております。

 ただ私共の方としましては、もし仮にそういうことがあれば、やはり私共自衛隊員の服務の問題になりますので、事実関係を確認した上で適正に対応させて頂きたいと思います」

 小西洋之「大臣、宜しくお願いします」

 当座は一件落着――

 小西洋之はもう少し簡潔に質問できないだろうか。回りくどくてムダが多く、時間ばかり掛けている。「Wikipedia」によると小西洋之は46歳、徳島大学医学部に入学、2年中退、東京大学教養学部入学・卒業して、総務省の前身の一つ郵政省に入省、その後総務省職員となっている。

 まあ、野党議員が森友疑惑・加計疑惑で安倍晋三を寄ってたかって追及しながら、政治関与の決定的な証言を引き出すことができずにいる、その一人といったところだから、無理はない回りくどい、ムダの多い質問といったところなのだろう。

 小西洋之は質問の最初の段階で現職を名乗る自衛隊員の「お前は国民の敵だ」なる発言を「国民である以上、当然、言論の自由があり」と看做して、その発言を日本国民として日本国憲法で保障されている基本的人権の一つの行為に入れて当然視するが、その一方で自衛隊員の服務の点で触れることになると問題にした

 翌朝、麹町署から電話で、その自衛隊員が実際に現職であり、所属部署が統合幕僚監部だと知らされると、南スーダンの日報及びイラク日報の隠蔽問題で統合幕僚監部の責任がシビリアンコントロールという点で問われていると発言してから、「昨日の自衛隊員の名乗る者にも直接言」った話としてシビリアンコントロールに関わる70年前の5・15、2・26での軍部のクーデーターを持ち出して、現在の自衛隊も「シビリアンコントロール、自衛隊の在り方が問われている。そうしたさ中にあって」、自衛隊員の発言は自衛隊法58条等の規定に触れないかと、時系列があっちに飛んだり、こっちに飛んだりの、あるいはシビリアンコントロールを問題視しているのか、服務規程違反を問題視しているのか理解が難しい発言となっている。

 いずれにしても、「お前は国民の敵だ」なる発言を「言論の自由」だと認めた。

 小野寺五典の方は小西洋之の服務違反説に呼応したのか、「もし仮にそういうことがあれば、やはり私共自衛隊員の服務の問題になります」と服務違反説に則らせている。シビリアンコントロール説に則らないのは自衛隊に対する当事者側としてシビリアンコントロールの問題だと見ていないのか、その自衛隊員個人に関しては少しはシビリアンコントロールに触れる問題だと見ていたとしても、自分の方から火を焚きつけて大事(おおごと)にするようなことをしたくなかったから、シビリアンコントロールなる言葉を口にしなかったか、どちらかだろう。

 ところが、小野寺五典は2018年4月17日に記者団の前で自衛官の暴言を陳謝した上で次のような発言をすることになる。「NHK NEWS WEB」/2018年4月17日 17時06分)

 小野寺五典「不快な思いをさせたのであれば申し訳ない。国民の一人として当然思うことはあると思うが、それを口にするかどうかは自分が置かれた立場をおもんぱかって対応すべきだ」

 言っている意味を解釈すると、「お前は国民の敵だ」なる発言は「国民の一人として」の当然の思いであって、許されるが、その思いを口にするのは自身の立場を弁えなければならないと、口にしたことだけを問題視しているということになる。

 小野寺五典のこの発言を自衛官を擁護したものだと批判を受けることになった。文飾は当方。

 2018年4月19日参院外交防衛委員会

 猪口邦子(自民党)「さる4月16日、午後9時頃、防衛省統合幕僚監部に所属する幹部自衛官が参議院議員会館付近に於いて偶然遭遇した参議院議員小西洋之先生に対して暴言と受け取れる不適切な発言を行いました。

 この件につきましては昨日当委員会に於いて防衛省の豊田事務次官からお詫びと状況の説明がなされました。私たち国会議員は立場や意見が異なることがあっても、それぞれ主権在民の民主主義の中で主権者たる国民の負託を受けて仕事を致しております。

 このようなことを今後起こらないよう、防衛大臣には本件にしっかりと対応頂きたいと思いますが、如何でしょうか」

 小野寺五典「4月16日の夜に小西洋之参議院議員に対し在職自衛官が路上で不適切な発言を行った件につきましては小西議員に対して大変不愉快な思いをさせてしまい、改めてお詫びを申し上げます(猪口邦子の方に向かってなのか、頭を下げる)。

 自衛官本人が不適切な発言をしたことを認めており、このようなことは自衛官を含む防衛省職員としてあってはならないことです。本件について事実関係をさらに調査した上で関連した事実に基づき厳正に対処してまいりたいと思います。

 なお、私は不適切な発言をした自衛官を擁護してるんではないかとのご指摘がありますが、私としては先程申し上げたとおり、あってはならないことであると、不適切な発言をした自衛官を擁護するつもりはございません。

 勿論、自衛官にも国民として憲法に保障される内心の自由は認められるものの、自衛官としての身分上、例え勤務時間外であっても、その言動は気をつけなければならないことは当然でありまして、ましてや今回のような不適切な発言は決して認められるものではないと考えております。

 不適切な発言を行った者を擁護するつもりはありません。引き続き事実関係の調査を行い、厳正に対処してまいりたいと思います」

 この答弁のために出席していたのか小野寺五典と防衛局長退席。

 「自衛官にも国民として憲法に保障される内心の自由は認められるものの」とそれ以下の文言は4月17日に記者団の前で発言した、「国民の一人として当然思うことはあると思うが」とそれ以下の発言に趣旨を同じくさせて対応している。

 いわば小西洋之に向けて発した「お前は国民の敵だ」なる発言は「国民として憲法に保障される内心の自由」としては認められるが、口に出すのは自衛官である以上、勤務時間内・勤務時間外に関わらず認められないという意味を取る。

 断るまでもなく、「内心の自由」は日本国憲法第3章国民の権利及び義務 第19条「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」との規定によって認められている。

 そして次のことも断るまでもないことだが、日本国憲法の規定は日本国籍を有する、いわば日本国民全員を対象としている。「内心の自由」は自衛官だけではなく、他の日本国民全員に保障されている以上、それを尊重しなければならない。

 勿論、「内心の自由」としての思想及び良心に対する批判は許される。但しその批判は合理的根拠に基づかなければならない。自身にとっての正当な理を尽くして、これこれこれだから、「お前は国民の敵だ」という論理を取らなければならない。

 このように理由と結論を筋立てた論理を展開させた場合の批判は許されるが、それでもなお日本国憲法が「内心の自由」=「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」と全ての国民に保障している以上、相手が納得して批判を受け入れなければ、相手側の「思想及び良心」はそれはそれとして世に憚ることを認めなければならない。

 日本国憲法が全ての国民を対象とした保障である関係から、自身の「思想及び良心」に与(くみ)するかどうかにしても、相手の「内心の自由」に任されている相互関係性の意味を内包していることになる。いわば、その良し悪し、是非は他者との関係性で相互に判断しなければならない。

 ましてや恫喝や暴力で他者の「思想及び良心」を侵すことは憲法の保障を真っ向から踏みにじることになる。

 果たして件の現職自衛官は小西洋之に対する「お前は国民の敵だ」とする批判を理由と結論を筋立てた合理的根拠に基づいて突きつけたのだろうか。

 小西洋之の4月17日の参院外交防衛委員会での質問内容からすると、いきなり「お前は国民の敵だ」と罵ったふうに見て取れる。

 だとすると、自身の「内心の自由」としての「思想及び良心」を絶対として、小西洋之のそれを理由も結論も突きつけずに「国民の敵」として排除しようとする独裁意志を自ずと働かせていたことになる。

 独裁意志は自己を絶対とする考えから発して、一定組織内で自己絶対を確立し得たとき、独裁政治は始まる。

 独裁意志が現在のところ一人の問題であったとしても、自身の「思想及び良心」を絶対とする独裁意志を持った自衛官が存在する。この独裁意志が小西洋之のような外部の人間に対してではなく、自衛隊という内部の人間に働いた場合、同じ考えを持った仲間が形成されない保証はない。

 一定の勢力を持つことで、勢力に応じた権力を手に入れることになり、その権力を巧みに行使し、自分たちが絶対とする「思想及び良心」を次々に強要し、それが成功した場合、他の「思想及び良心」を支配していくことになる。

 軍部独裁はこのようにして成り立っていくはずだ。当然、ゆくゆくはシビリアンコントロールの問題にも関係していくことになる。

 現職自衛官はこのような独裁意志の芽を既に持ち合わせていて、現実問題としてその芽を小西洋之に対して見えない牙として剥き出しにした。当然、小野寺五典が言うように「国民の一人として当然思うことはあると思う」とか、「自衛官にも国民として憲法に保障される内心の自由は認められる」と、他者との相互関係性で見るのではなく、自衛官側の立場に立ってのみ発言するのは国民全体に対する奉仕者である国務大臣としての公平性に欠いていることになって、その資格を失う発言ということになる。  

 小西洋之にしても、「お前は国民の敵だ」の発言をただ単に「言論の自由」だと認めてはならないことになる。

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セクハラ発言福田淳一だけではなく、どいつもこいつも嘘発見器にかければ、事実解明のややこしさ解消

2018-04-19 11:06:20 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 女性記者にセクハラ発言の財務省事務次官福田淳一(東京大学法学部卒業・58歳)が昨夕2018年4月19日に財務大臣麻生太郎に辞任を申し出て、認められたという。

 辞任理由の弁「報道は事実と異なり裁判で争うが、財務省が厳しい状況の中、報道が出たこと自体が不徳の致すところで、職責を果たすことが困難と考えた」(NHK NEWS WEB

 東大法学部卒の立派なお人福田淳一が「裁判で争う」と正面切って宣言できる程に「報道は事実と異なる」、だが、「報道が出たこと自体が不徳の致すところ」

 いわば報道の事実と異なる程度は「裁判で争う」材料とすることができる程度の虚偽の事実だということになる。

 虚偽の事実でありながら、なぜ報道されるに至ったのだろうか。虚偽の事実が真正な事実なら、「不徳」でも何でもなく、辞任する必要は何もない。胸を張って職務続行といけばいい

 但し残念なことにセクハラ発言が録音されていた。その一部。

 「J-CAST」/2018/4/12 16:24)

記者 財務省と森友学園、どうなんですかね。
福田 今日ね、今日ね・・・抱きしめていい?

記者 ダメですよ。

福田 いいじゃん。(中略)

記者 (森友問題で)福田さんは引責辞任はないですよね?

福田 もちろんやめないよ。だから浮気しようね。

記者 今回の森友案件で、一番大変だったことってなんですか?

福田 いろいろ大変だったけど、これからがうんこだから。胸触っていい?

記者 ダメですよ。

福田 手しばっていい?

記者 そういうことホントやめてください。

セクハラ発言が接続語のように用いられ、ついには、「キスしたいんですけど。すごく好きになっちゃったんだけど・・・おっぱい触らせて。綺麗だ、綺麗だ、綺麗だ」と、畳みかける。

 財務省事務次官福田淳一のセクハラ疑惑報道に関して同省が4月16日に発表した調査結果の全文。

 「時事ドットコム」/2018/04/16-15:33)

 福田事務次官に関する報道に係る調査について

 1、週刊新潮4月19日号(4月12日発売)の福田事務次官に関する報道(以下「週刊誌報道」という)については、4月11日・12日に、福田事務次官から麻生太郎財務大臣に報告があり、麻生財務大臣から「このような報道が出ること自体が問題であり、財務省が現在置かれている状況も踏まえ、緊張感を持って行動するように」と厳重に注意した。

 2、さらに、4月13日にデイリー新潮のホームページにおいて週刊誌報道に関する音声データ(以下「音声データ」という)が公表された後、麻生財務大臣の指示により、矢野大臣官房長等が改めて福田事務次官からの聴取を行った。その結果は別紙の通りである。

 3、ただし、上記の聴取は福田事務次官の部下である矢野官房長等が行ったものであることを踏まえ、客観性を担保する観点から、外部の弁護士に委託して、引き続き福田事務次官への調査を続ける。

 また、一方の当事者である福田事務次官からの聴取だけでは、事実関係の解明は困難であることから、本日(4月16日)、財務省の記者クラブ(財政研究会)の加盟各社に対して、各社内の女性記者に以下を周知いただくよう、要請した。

 【各社内の女性記者への周知を要請した内容】
 一 福田事務次官との間で週刊誌報道に示されたようなやりとりをした女性記者の方がいらっしゃれば、調査への協力をお願いしたいこと。
 一 協力いただける方の不利益が生じないよう、責任を持って対応させていただくこと。
 一 外部の弁護士に対応を委託しているので、調査に協力いただける場合は、別途お示しする連絡先に直接連絡いただきたいこと。

 4、今後、上記のさらなる調査の結果を踏まえ、適切に対応する。以上

 (別紙)福田事務次官からの聴取結果

 【(1)週刊誌報道・音声データにある女性記者とのやりとりの真偽】

 週刊誌報道では、真面目に質問をする「財務省担当の女性記者」に対して私(福田事務次官)が悪ふざけの回答をするやりとりが詳細に記載されているが、私(福田事務次官)は女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない。音声データによればかなりにぎやかな店のようであるが、そのような店で女性記者と会食をした覚えもない。音声データからは、発言の相手がどのような人であるか、本当に女性記者なのかも全く分からない。また、冒頭からの会話の流れがどうだったか、相手の反応がどうだったのかも全く分からない。

 【(2)週刊誌報道・音声データにある女性記者の心当たり】

 業務時間終了後、男性・女性を問わず記者と会食に行くことはあるが、そもそも私(福田事務次官)は、女性記者との間で、週刊誌報道で詳細に記載されているようなやりとり(また、音声データおよび女性記者の発言として画面に表示されたテロップで構成されるやりとり)をしたことはなく、心当たりを問われても答えようがない。

 【(3)普段から音声データのような発言をしているのか】

 お恥ずかしい話だが、業務時間終了後、時には女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある。また、仲間内の会話で、相手から話題を振られたりすれば、そのような反応をするかもしれない。

 しかしながら、女性記者に対して、その相手が不快に感じるようなセクシュアルハラスメントに該当する発言をしたという認識はない。

 【(4)週刊誌報道の4月6日の会食に関する記載の真偽】

 週刊誌報道は全体的に確認しようがない部分が多いが、4月6日の会食について「同席した民間企業の女性が赤面してしまうようなひわいな発言を連発」とされている点については、当該女性とともに同席していたその上司から、「そのような事実はなかったし、当該女性も同様の見解である」との連絡をいただいている。

 【(5)所感】

 上記のとおり週刊誌報道は事実と異なるものであり、私(福田事務次官)への名誉毀損(きそん)に当たることから、現在、株式会社新潮社を提訴すべく、準備を進めている。

 他方で、財務省が厳しい状況に陥っている中で、さらに私(福田事務次官)のことでこのような報道が出てしまったこと自体が、不徳のいたすところである。国民の皆さまから不信を招き、麻生財務大臣・政務二役・職員をはじめとする関係者の皆さまにご迷惑をおかけしていることは、誠に申し訳なく感じている。反省の上で、麻生財務大臣からも注意いただいたように、緊張感を持って職務に取り組んでまいりたい。

 福田淳一は「私(福田事務次官)は女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない」と全面否定に出た。一般的には「発言の相手は自分ではない」、「自分はそのような反応で応じる人間ではない」等、自身が当事者であることの否定によって無関係だとする無罪証明を行うものだが、「音声データからは、発言の相手がどのような人であるか、本当に女性記者なのかも全く分からない。また、冒頭からの会話の流れがどうだったか、相手の反応がどうだったのかも全く分からない」と、最初から自身を当事者とは無関係な第三者の立場に置いて、そこにはいなかった(=当事者ではない)とする不在証明(アリバイ証明)を巧妙に駆使、自身を無罪だとの証明に使っている。

 当然、当事者に目されたことへの「名誉毀損」ではなく、全く以って無関係な第三者に過ぎないのに、その無関係性を取り上げられて当事者とされたことへの「名誉毀損」と言うことになって、後者の方が遥かに名誉毀損の思いは強いことになる。

 さすがに東大法学部卒だけのことはある。この発言の限りに於いては、私はそこにはいなかったんですよという論法を取っている。

 辞意表明した福田淳一が記者会見を開き、冒頭、コメントを読み上げている。

 「毎日新聞」/2018年4月18日 19時24分)
  
 福田淳一・コメント「週刊誌に掲載された私に関する記事については、事実と異なることがあると考えており、裁判で争ってまいりたいと考えております。他方、財務省が厳しい状況にある中で、さらに私のことでこのような報道が出てしまったこと自体が不徳の致すところであります。

 また、その報道後の現状に鑑みますと、財務事務次官としての職責を果たしていくことが困難な状況になっていると、私自身が考え、さきほど、麻生財務大臣に対して辞職を申し出て、ご了解をいただいたところであります。私のことで、ご迷惑をおかけしたすべての方に、おわびを申し上げたいと思います」

 記者「セクハラ疑惑として報道された音声は自身のものと認めるか」

 福田淳一「自分の声は自分の体を通じて聞くので、録音された音声が自分のものかよくわからないので、そう申し上げました。ただ、福田の声に聞こえる、という声が多数あることは知っています。」

 記者「(報じられた女性記者との)会合の記憶は」

 福田淳一「ここにおられるのも財研(財務省の記者クラブ)の方が多いと思いますが、新聞記者の人とは、男女問わず、というか、財研の人は男性記者が多いので、まあ男性記者を中心に会合を持っていることはある。で、まあ一対一の会合をもつこともある。ただし、あんな発言はない」

 記者「当時の記憶はない?」

 福田淳一「あの当時とはいつ?。あんなひどい会話をした記憶はありません」

 記者「接客業の人に対してともとれるコメントだったが」

 福田淳一「わかりません。自分の行動について、一般的に正直に官房長に申し上げた。あの記事がそういうものかどうかわかりません」

 記者「あの記事(に書かれていること)は記憶にない」

 福田淳一「そうじゃなくて、接客業の人と話すことはある。一般論で申し上げている。そのことが、あの記事のもとになっていると言ってるつもりはありません」

 記者「自身の会話かどうか覚えているのでは」

 福田淳一「いろんな人といろんな会話をする。しかも、(録音が)会話のすべてを順番にとっているふうにも思えない」

 記者「辞任の理由は、騒がせたこと。セクハラは認めない?」

 福田淳一「報道が出ること自体、不徳の致すところ。本日の状況をみると、私に関するいろんな議論が、職務を遂行する上で問題になっており、そういう状況では職責を全うすることはできないと判断した」

 記者「女性(記者)に名乗り出るよう呼びかける手法に批判が出ている」 

 福田淳一「担当者が、こういう問題の処理の専門家に聞いて、被害者の方にも聞くんだというので、ああいう整理をしたのではないか」

 記者「(対応するのが)財務省の顧問弁護士というのは公正ではないのでは」

 福田淳一「私自身は取り調べを受けているほう。この調べ方の対象になるので、こういう調べ方で行きましょうということについて、そんなに意見を申し上げたわけではない。財務省なりに、こういう時は両方から調べるのが普通であると研究した上で提案したと理解している」

 記者「辞任の理由として森友問題は関係ない?」

 福田淳一「あらゆることに責任がありますので、個別のある問題は関係ないというのはまじめな態度ではないので、何とも言えない。直接の原因は、私の報道をきっかけとする現在の状況が今の仕事を続けることができない状況を作ってしまった。そう大臣に申し上げました」

 「裁判で争ってまいりたい」――

 この件に関わる裁判の目的は週刊誌記事やテープ音声は虚偽の事実であって、その虚偽を剥いで、そんなことは言っていないとする真正な事実を勝ち取り、自身の正義を証明することにある。
 
 だが、財務省の聴取に対しては「私(福田事務次官)は女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない」と全面否定に出ていながら、記者会見では「週刊誌に掲載された私に関する記事については、事実と異なることがあると考えている」。いわば、「全てが虚偽ではない、記事通りの箇所もある」という意味を取ることになって、全面的に虚偽の事実とすること自体が虚偽ということになり、財務省聴取に対する全面否定と早くも矛盾することになる。

 矛盾はどこかにウソがなければ、生じない。

 そして週刊誌の記事が音声に基づいた内容を多分に含んでいるはずで、それが全て虚偽の事実ではなく、真正な事実の箇所もあるなら、この点から音声データーが多少録音状態が悪くても、発言内容から自分の声かどうかは判別できるはずだし、だから、「福田の声に聞こえる、という声が多数ある」という状況を呈するのであって、記者の問い「セクハラ疑惑として報道された音声は自身のものと認めるか」に対して事実関係の真偽を問題にすべきを、「自分の声は自分の体を通じて聞くので、録音された音声が自分のものかよくわからない」と事実関係とは無関係に自分の声か否かだけを問題にしている。

 このことは「私(福田事務次官)は女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない」と否定した事実関係、いわば自分の声ではないと否定しなければならない事実関係と矛盾することになり、やはりどこかにウソがなければ、このような矛盾は発生しない。

 記事の全てがウソではないとしていて、週刊誌の記事が音声に基づいた内容を多分に含んで成り立たせているはずであるにも関わらず、上記のように女性記者との遣り取りをを全面否定すること自体にしても矛盾した釈明となる。

 あるいは「このようなやりとりをしたことはない」と断言するなら、記事の全てを虚偽の事実とし、声も自分のものではないと明確に主張しなければならないが、そういう発言の構図を取っていないことも、矛盾していて、否応もなしにウソの介在を証明することになる。

 裁判で争う覚悟を持つ程に自身の正義を押し出していながら、釈明に見せてはならないにも関わらず、ウソを潜ませていることによって見せることになっている矛盾を曝け出している。裁判は決着が着くまで時間がかかることになるから、時間稼ぎの方便か、あるいは裁判を振りかざすことで、“正義は我にあり”と見せかける方便に利用しているか、どちらかだろう。

 全てが虚偽の事実ではなく、真正な事実を含んでいるなら、比率的に虚偽の事実が殆どで、真正な事実が僅かであっても、その僅かな真正な事実の中に相手が拒んでいるにも関わらず、「胸触っていい?」、「手しばっていい?」、「おっぱい触らせて」といった言葉が含まれているとしたら、いわば発言の内容・質によってセクハラに認定される可能性は高くなり、自身の正義の証明を押し出すこと自体が国民に対するペテンとなる。

 福田淳一の辞任によって調査がどうなるのか分からないが、麻生太郎は「福田淳一事務次官への聴取だけでは事実関係の解明は困難なので、週刊誌の記事の女性記者がいれば、調査へ協力をお願いしたいと考えていて、財務省の記者クラブ各社に要請した」(NHK NEWS WEB)と、一方の当事者として女性記者からの聴取を求めた。

 上記財務省調査報告にも、「一方の当事者である福田事務次官からの聴取だけでは、事実関係の解明は困難であることから、本日(4月16日)、財務省の記者クラブ(財政研究会)の加盟各社に対して、各社内の女性記者に以下を周知いただくよう、要請した」との記載がある。

 いくら聴取しても、音声データという動かぬ証拠がありながら、一方の当事者である福田淳一が無罪証明をウソの駆使で成り立たせている以上、時間のかかる、スッタモンダの埒の明かない紆余曲折を経ない保証はない。

 紆余曲折を剥いで手っ取り早く片付ける効果的な方法に嘘発見器(ポリグラフ)の利用がある。犯罪捜査では嘘発見器は任意捜査での使用で、被験者の同意を必要とするそうだが、既に容疑が濃い以上、断れば容疑は事実視されることになって、断ることはできないだろう。

 福田淳一だけではない。「総理のご意向」、「首相案件」の安倍晋三利益供与疑惑の加計学園獣医学部認可の渦中の人物、柳瀬唯夫や藤原豊に対して、森友安倍晋三忖度疑惑の重要人物、国有地売却に直接関わった元財務省理財局長迫田英典や前理財局長佐川宣寿、あるいは安倍昭恵に対して参考人招致だ、証人喚問だと、役にも立たないなまくらな野党の追及に任せて時間や税金をかけるばかりなら、音声テープが残されている場合は声紋鑑定に掛け、それでも否定するなら、嘘発見器を受けることを承知させて利用、テレビ中継したなら、一目瞭然、よく効く便秘薬が一発で便秘を解消するにようにスッタモンダの埒の明かない、時間ばかりかかる紆余曲折のややこしさを一発で解消するはずだ。

 質問に対して動揺しない自己訓練によって嘘発見器を騙すことができるデメリットの指摘があるが、国会で野党が前以って決めた質問を行い、それをテレビ中継したなら、動揺を隠すことは至難の業となる。

 大体がテレビカメラの前で嘘発見器の被験者となること自体が屈辱もので、精神的動揺の誘発機会となる。政治の犯罪・不正・不祥事等の事実関係の解明にはどいつもこいつも嘘発見器にかければ、少しはこれらの根を断つ効果は出てくるはずだ。

 それとも政府・与党側は被験者の人権を持ち出して、嘘発見器の利用を反対するだろう。だとしたら、時間と税金のかかる方を選択したことになり、疑惑追及ばかりで重要な政策の議論ができないといった批判はやめるべきである。

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今治市長菅良二の4月16日対記者団発言は柳瀬唯夫の首相官邸面会否定と「首相案件」発言否定の間接的否定

2018-04-17 10:50:34 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2015年4月2日に愛媛県や今治市の職員、加計学園幹部が首相官邸を訪問。2016年11月、「今治市民ネットワーク」が今治市に対してこのときの訪問に関する行政文書の情報公開請求を行った。対して今治市は一部黒塗りで開示。首相官邸訪問の目的、応対者、応対内容は秘密に付された。

 今治市は2017年6月5日付で2015年から2016年にかけて行なわれた、2015年4月2日の首相官邸訪問を含めた今治市職員の東京出張の複数の報告書や2016年年10月20日及び2016年10月25日起案の獣医学部新設のスケジュール表を非公開とした。(「東京新聞」/2017年7月15日)

 いわば黒塗りで隠蔽した上に非公開という手段で隠蔽を徹底化させた。この経緯だけを見ても、そこに知られてはならない不都合な事実がどれ程に記されていたかが見て取れる。

 但し不都合な事実を如何に憶測されようが、実際の事実が知られなければ、それが事実に近い憶測であっても、憶測で片付けることができて、アウトとはならずに無事でいられる。そのための隠蔽なのだろう。

 犯罪で言うと、事実という決定的証拠を握られさえしなければ、容疑の状態(=憶測)が続くだけのことで、逮捕(=アウト)とはならずに無事でいられるのと同じ構図を取る。

 柳瀬唯夫の場合は、その無事は薄氷を踏む状態の危うい状況に至っているはずだ。

 2015年4月2日の首相官邸訪問の際の応対者、応対時の発言の要約、これらから訪問の目的を窺うことのできる文書が2018年4月10日付の朝日新聞のスクープによって世に出ることになった。愛媛県中村知事が2018年4月10日午後の記者会見で愛媛県職員が備忘録という形で作成した文書だと認め、その後、ほぼ同じ内容の文書が農水省に残されていることが判明することとなった。

 ここで注目されるのが一旦は黒塗りで公開したものの、その後非公開に転じた今治市の文書ということになるが、首相官邸での応対者として愛媛県の文書に名前が記されている当時の安倍晋三秘書官柳瀬唯夫は4月10日コメントを発表して、「自分の記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありません」と応対そのものと、柳瀬唯夫の発言として記されていた「本件は、首相案件」なる発言も否定。

 当然と言うべきか、今治市長菅良二(かんりょうじ)は4月16日に報道各社の取材に応じた際、職員が首相官邸を訪問したことは認めたが、それ以外は柳瀬唯夫の否定に添った内容となっている。「朝日デジタル」/2018年4月16日12時15分)

 解説文を会話体に変えて、その発言を伝える。

 菅良二「『首相案件』という言葉は今回の報道で目にした。自身は聞いていない。担当職員から聞き取ったが、愛媛県職員作成文書の内容や面会相手に関しては市情報公開条例に基づき、非開示としており、コメントを控える
 
 国や県に迷惑がかかってはいけない。マイナスのイメージがあってもいけないから」――

 要するに今治市が文書を公開した場合は「国や県に迷惑がかかる上にマイナスのイメージが生じる恐れがある」

 何のことはない、文書には国や県に不都合な事実が記されていることを間接的に暴露したことになる。勿論、その不都合は今治市にとっても同じ構図を取ることになり、柳瀬唯夫の否定に対応した不都合な事実の隠蔽という関係を成立させていることになる。

 今治市文書に不都合な事実の記載は何もなく、柳瀬唯夫の否定にしても、真正な事実に則った正しい否定なら、「国や県に迷惑がかかってはいけない。マイナスのイメージがあってもいけない」などと発言する必要性も、あるいは文書を非公開とし続ける、一種の隠蔽の必要性も生じない。

 今治市長の主導に応じたものなのだろう、今治市の態度が生じるはずもない必要性とは逆の形を取っている以上、このような必要性は今治市長菅良二の発言が柳瀬唯夫の否定に対応していると同時に否定の否定という間接形を取っていることを示す。

 要するに柳瀬唯夫の否定が真正な事実に則った正しい否定でないから、今治市長菅良二はそのような否定に応じて「国や県に迷惑がかかってはいけない。マイナスのイメージがあってもいけない」などと不都合な事実の隠蔽を続けざるを得なくなり、そのような必要性によって柳瀬唯夫の、いわば「面会した事実はない」、「首相案件と発言した事実もない」の否定を間接的に否定していることになる。

 と言うことは、「『首相案件』という言葉は今回の報道で目にした。自身は聞いていない」としている今治市長菅良二の発言は、柳瀬唯夫の否定の間接的否定という形を取る以上、発言に反して今治市文書にも記載されていて、菅良二は目にしていることになるばかりか、首相官邸訪問の今治市職員から説明を受けていることになる。

 ここから推測。

 今治市担当職員「柳瀬唯夫総理秘書官は、『これは首相案件だ』と仰っていました」

 菅良二「そうか。それじゃあ、認可は間違いなしだな」

 想像するにこのような発言が交わされたはずだ。

 ところが、加計学園獣医学部新設認可が「総理のご意向」という国家権力の私的行使のもと、安倍晋三の政治関与主導で決定された疑いで国会で取り上げられると、首相官邸面会も、面会時の政府側発言も、その経緯を記した文書も全て不都合な事実と化して、文書の非公開や文書内容に関したコメントの回避といった一種の隠蔽を謀らざるを得なくなった。

 首相官邸面会の愛媛県文書や文科省発見の文書の内容が全て事実であるからに他ならない。当然、今治市文書も同じ事実を内容としていることになる。

 もう一つ、次のことをしない今治市長の対応にしても、柳瀬唯夫の否定の間接的否定とすることができる。

 ここに来て安倍内閣の支持率は急落している。急落の原因は安倍晋三が対森友国有地格安売却と加計学園獣医学部新設を自身の力で押し切った政治案件の疑いがあるからなのは断るまでもない。

 加計問題・森友問題に対する政府説明は納得できないとする世論調査の回答は70%を超えている。内閣支持率急落はこのことの反映であって、40%前後、中には40%を切ったり、30%を少し超えただけといった不信を国民から突きつけられている。
 
 さらに「次の自民党総裁にふさわしいのは誰か」の2018年4月の朝日新聞世論調査では1位を保ってきた安倍晋三が石破茂の下位につけることになっている。

 正しい手続き受けた獣医学部新設認可だったのか、不正な手続きを利用した認可だったのかは別にして、安倍晋三の国家戦略特区を手続きとした今治市への獣医学部新設なのだから、安倍内閣支持率急落の原因の一つが明らかに加計問題である以上、今治市長菅良二はその急落を救わなければならない立場に立たされていることになる。

 救う手立の一つは今治市文書を公開して不都合な事実は何一つない、首相の政治的な関与に触れた箇所はどこにもない、公明正大な行政手続きを経た獣医学部の認可だと天下に向かって示せば、安倍内閣支持率急落の原因の一つを抹消し、一息つかせる何よりの強力な援軍となるはずだ。

 だが、菅良二が安倍内閣支持率急落を救わなければならない立場にありながら、以上のことができないのは今治市文書に「国や県に迷惑がかかって、マイナスのイメージ」となる不都合な事実が記載されていて、それが明らかにされることを防ぐことの方を優先させなければならないからだろう。

 いわば明らかにしたら、安倍内閣支持率急落を止めるカンフル剤となるどころか、急落を加速させる毒の役目を果たさない保証はなく、その結果、進退にも影響しかねないことを知っているからだろう。

 今治市長菅良二が安倍内閣支持率急落を救う手立の一つである今治市文書公開に出ないことも、柳瀬唯夫の否定の間接的否定となっていると見ることは十分に可能である。

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安倍晋三秘書官柳瀬唯夫の対加計獣医学部新設嘆願等首相官邸面会「記憶の限り会っていない」の意味

2018-04-16 07:50:11 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2015年4月2日に愛媛県や今治市の職員、加計学園幹部が首相官邸を訪れて、加計学園獣医学部新設を嘆願したのか、あるいは既に安倍晋三が加計学園理事長加計孝太郎にか、学部開設の努力を確約していて、その具体的な進め方のお伺いに訪れたのか、官邸側はそのことについての面会記録等、関係書類を廃棄したとして事実関係は不明という態度を取っていたが、面会の事実を記した文書の存在を2018年4月10日付の「朝日デジタル」記事が愛媛県作成の文書という形で政府関係者に渡っていたとスクープした。

 朝日報道後の同2018年4月10日の午後、愛媛県中村知事が記者会見、愛媛県職員の備忘録という形で面会記録が残されていることを認めた。
 
 その面会時の首相官邸での応対者は首相秘書官柳瀬唯夫とされていたが、本人は参考人招致された昨年7月の国会で「記憶をたどる限り」、あるいは「記憶する限りは」会っていないと答弁している。

 柳瀬唯夫参考人招致の2017年7月25日参議院予算委員会 加計学園閉会中審査

 櫻井充「今治市と会ったのがその当時の柳瀬首相秘書官だと、そう言われているんですが、これは事実でしょうか」

 柳瀬唯夫「お答え申し上げます。

 当時、私は総理秘書官として国家戦略特区、成長戦略担当してございました。その関連で内閣府の担当部局と打合せもしておりました。私の記憶をたどる限り、今治市の方とお会いしたことはございません。

 私が秘書官をしていました平成27年の前半までは、そもそも50年余り認められてこなかった獣医学部の新設をどうするのかという制度論が議論されていまして、この後、先生の御指摘のあったよりも多少後に、今、石破4原則とおっしゃった、再興戦略2015というのを纏めて、いわゆる石破4原則というのをそこで書いたわけで、その過程でございまして、制度を具体的にどこに適用するかというふうな話は全く、当時の段階では全くございませんでした。

 したがいまして、この段階でどなたにお会いしても、今治市がいいとか悪いとか、そういうことを私が申し上げることはあり得ないと思ってございます」

 櫻井充「そうすると、簡潔に答えてください、今治市の職員とは会っていますか、その日、会っていませんか」

 柳瀬唯夫「私の記憶をたどる限り、お会いしていないということでございます。

 櫻井充「それは否定されたということでいいんですね」

 柳瀬唯夫「私の記憶する限りはお会いしていないということでございます」

 櫻井充「済みませんが、それは事実としてもう否定したということでよろしいんですね」

 柳瀬唯夫「事実としまして、私の記憶のある限りはお会いしていないということでございます」

 この参議院の閉会中審査の前の日の2017年7月24日柳瀬唯夫参考人招致加計学園衆院予算委員会閉会中審査でも、「記憶」という言葉を枕詞にして会っていないと面会を否定している。

 実際の応対者は柳瀬唯夫だったかもしれない。自分だと証言した場合、その証言は加計学園獣医学部新設認可に安倍晋三が自らの首相の意向として推し進めた公私混同の職権乱用の証言ともなるから、後々の露見を恐れて完全否定はできず、その代用に事実を覆い隠す精一杯の便宜に頻繁に利用される“記憶”という言葉を持ち出したのかもしれない。

 愛媛県職員作成の備忘録には応対者と目されていた当時の首相秘書官柳瀬唯夫の名前と「本件は、首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい」等の発言が記されている。

 4月12日の当ブログに参考引用したが、改めて愛媛県職員の備忘録を再引用してみる。

 「福山“龍馬”雅治のブログ」 

報告・伺

獣医師養成系大学の設置に係る内閣府藤原次長・柳瀬首相秘書官との面談結果について
 
27.4.13
                    
地域政策課

1 4/2(木)、獣医師養成系大学の設置について、県地域政策課長・今治市企画課長・加計学園事務局長らが内閣府藤原次長及び柳瀬首相秘書官らとそれぞれ面談した結果は、次のとおり。

《藤原地方創生推進室次長の主な発言(内閣府)11:30》

・要請の内容は総理官邸から聞いており、県・今治市がこれまで構造改革特区申請をされてきたことも承知。

・政府としてきちんと対応していかなければならないと考えており、県・市・学園と国が知恵を出し合って進めていきたい。

・そのため、これまでの事務的な構造改革特区とは異なり、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい。

・国家戦略特区は、自治体等から全国レベルの制度改革提案を受けて国が地域を指定するものであるが、風穴を開けた自治体が有利。仮にその指定を受けられなくても構造改革特区などの別の規制緩和により、要望を実現可能。

・今年度から構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱うこととし、年2回の募集を予定しており、遅くとも5月の連休明けには1回目の募集を開始。

・ついては、ポイントを絞ってインパクトのある形で、2、3枚程度の提案書案を作成いただき、早い段階で相談されたい。

・提案内容は、獣医大学だけでいくか、関連分野も含めるかは、県・市の判断によるが、幅広い方が熱意を感じる。

・獣医師会等と真っ向勝負にならないよう、既存の獣医学部と異なる特徴、例えば、公務員獣医師や産業獣医師の養成などのカリキュラムの工夫や、養殖魚病対応に加え、ペット獣医師を増やさないような卒後の見通しなどもしっかり書きこんでほしい。

・かなりチャンスがあると思っていただいてよい。

・新潟市の国家戦略特区の獣医学部の現状は、トーンが少し下がってきており、具体性に欠けていると感じている。

《柳瀬首相秘書官の主な発言(総理官邸)15:00》

・本件は、首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい。

・国家戦略特区でいくか、構造改革特区でいくかはテクニカルな問題であり、要望が実現するのであればどちらでもいいと思う。現在、国家戦略特区の方が勢いがある。

・いずれにしても、自治体がやらされモードではなく、死ぬほど実現したいという意識を持つことが最低条件。

・四国の獣医大学の空白地帯が解消されることは、鳥インフル対策や公衆衛生獣医師確保の観点から、農水省・厚労省も歓迎する方向。

・文科省についても、いい大学を作るのであれば反対しないはず。  

・獣医師会には、直接対決を避けるよう、既存の獣医大学との差別化を図った特徴を出すことや卒後の見通しなどを明らかにするとともに、自治体等が熱意を見せて仕方がないと思わせるようにするのがいい。

・加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があったとのことであり、その対応策について意見を求めたところ、今後、策定する国家戦略特区の提案書と併せて課題への取組状況を整理して、文科省に説明するのがよいとの助言があった。

2 ついては、県としては、今治市や加計学園と十分協議を行い、内閣府とも相談しながら、国家戦略特区の申請に向けた準備を進めることとしたい。

 また、これと併行して、加計学園が想定する事業費や地元自治体への支援要請額を見極めるとともに、今治新都市への中核施設整備の経緯も踏まえながら、経費負担のあり方について十分に検討を行うこととしたい。

 面会の段階で既に「本件は、首相案件となっており」と首相官邸側から説明があったということは安倍晋三が獣医学部開設を「首相案件」と既定していたことを意味することになり、面会側は獣医学部開設の嘆願ではなく、安倍晋三が既に学部開設の努力を確約していて、その具体的な進め方のお伺いに訪れたということになるはずだ。

 このことは柳瀬唯夫が「内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい」と触れている安倍晋三の国家戦略特区で獣医学部新設に関わった藤原豊内閣府地方創生推進室次長の「要請の内容は総理官邸から聞いており、県・今治市がこれまで構造改革特区申請をされてきたことも承知」との発言からも証明できる。

 要するに愛媛県、今治市、加計学園幹部が首相官邸で柳瀬唯夫に面会する前から安倍晋三は加計学園獣医学部新設実現に向けて密かに動き出していて、藤原豊や柳瀬唯夫、その他に対して実現に向けた指示を出していた。

 となると当然、文書に記されている加計学園理事長と安倍晋三と当時の文科相下村博文の会食は安倍晋三自身は国会答弁で否定しているが、面会は事実で、国会での否定発言は虚偽答弁だったことになる。

 このように見てくると、加計学園獣医学部新設認可は30年来の腹心の友だと安倍晋三自身が述べていた加計孝太郎が理事長の加計学園に対する私的利益供与の公私混同の職権乱用だと分かる。国家権力を私的目的に使った。

 柳瀬唯夫は愛媛県が公表した備忘録に記されている自身の発言をも否定している。

 「NHK NEWS WEB」(2018年4月10日 12時40分)

平成30年4月10日 経済産業審議官 柳瀬唯夫

朝日新聞等の報道に関しまして、以下のコメントをさせていただきます。

国会でも答弁していますとおり、当時私は、総理秘書官として、日々多くの方々にお会いしていましたが、自分の記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありません。

自分の総理秘書官時代には、国会でも答弁していますとおり、50年余り認められていなかった獣医学部の新設がどうなるかという制度論が議論されており、制度を具体的にどこに適用するかという段階ではありませんでした。実際、その後、獣医学部新設を追加規制改革項目として、取り上げるかどうかについては、いわゆる「石破四原則」の決定により、検討が開始されることになり、翌年の平成28年11月に、獣医学部新設が国家戦略特区の追加規制改革事項として、決定されたと認識しています。

具体的な地点の選定手続きは、私が総理秘書官の職を離れてかなり時間が経ってから始まり、今治市が特区を活用して、獣医学部新設を行う規制改革が決まったのが平成29年1月だったと認識しています。

したがって、報道にありますように、私が外部の方に対して、この案件が首相案件になっているといった具体的な話をすることはあり得ません。

 このコメントでも、面会に関しては「自分の記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありません」と「記憶」という言葉を使って面会を否定しているが、「この案件が首相案件になっているといった具体的な話をすることはあり得ません」とこの否定に限っては、「私の記憶をたどる限り」とか、「私の記憶する限りは」、あるいは「私の記憶のある限りは」といった事実を覆い隠す精一杯の便宜に頻繁に利用する「記憶」という言葉は混じえずにストレートに否定している。

 便宜として利用する余裕をなくしているところまで追い詰められているからなのだろうか。あるいは面会に関しては過去の発言と一貫性を持たせるために「自分の記憶の限りでは」の言葉を入れたが、後者の発言にこういった言葉を入れた場合は(「この案件が首相案件になっているといった具体的な話をすることは“記憶する限りは”あり得ません」とした場合は)、これまで「記憶」という言葉の裏側を散々勘繰られ、逆作用が働いて「事実」と同意義に解釈されることになっていたことから、このような経緯を防ぐためにストレートに否定せざるを得なかったからだろうか。

 愛媛県の文書とほぼ同じ内容の文書が農水省にも残されていて、2018年4月13日に農水相が記者会見してその存在を認めた。この文書に関して中村愛媛県知事は、2018年4月13日付「NHK NEWS WEB」記事によると、農水省が公表した文書を県が取り寄せて比較したとした上で前回の文書と同じく、愛媛県の担当者が作成したものであることを認めたと伝えている。

 中村県知事「今回の文書は日付が『4月3日』となっているが、担当者に確認したところ、これは官邸での会議の直後に作られたものだった。先日報道された文書は日付が『4月13日』となっているが、それは私への報告の直前に職員が用意した文書だということだった」

 同じ作成者による文書である以上、「本件は、首相案件」の事実は何も変わっていなかったことになる。但し柳瀬唯夫が実際には面会者と会っていたのか、あるいは「記憶」という言葉を冠して「会っていない」とする面会否定を事実とするかに問題は帰着する。

 実際は会っていたのだといくら騒いだとしても、「記憶」という言葉を冠して「会っていない」とする面会否定の論理を突き崩すことができなければ、文書が示している「本件は、首相案件」の事実も否定され続けることになる。

 柳瀬唯夫が「私の記憶をたどる限り」、「私の記憶する限りは」、さらには「私の記憶のある限りは」と、“限り”という限定条件を付けている以上、“限り”の範囲内、いわば“記憶内”を限定としたその条件内では会っていなくても、“記憶外”を限定とした場合のその条件内では会った可能性があり得るという意味を取ることになる。

 「記憶の限り」という限定条件をつけずに、いわば無条件に「会っていません」と真っ向から全面否定しているわけではないからだ。このことをそのまま裏返すと、あくまでも「限り」という限定条件をつけた限定否定であり、限定否定は、当然、部分的肯定を背中合わせとする。

 と言うことは、愛媛県職員作成の備忘録が愛媛県に残されていて、ほぼ同じ内容の文書が農水省にも渡っていて、そこに愛媛県や今治市の職員、そして加計学園幹部と柳瀬唯夫との面会の様子が記されていて、柳瀬唯夫自身の名前と「本件は、首相案件」等々の発言が記されている以上、これらの記述は「記憶の限り」とする“記憶内”の限定条件に収めることはできない“記憶外”、いわば限定条件外の事実と看做さなければならないことになる。

 このことをも否定するなら、いわば文書に記されている事実の全てを全面否定するなら、柳瀬唯夫は「記憶の限り」という限定条件をつけた全面否定が相対立する概念となることを無視した矛盾、あるいは「記憶の限り」という限定条件をつけた部分否定は部分肯定を背中合わせとする関係を無視した矛盾の納得の行く具体的・論理的説明を果たさなければならない。

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