17年3月24日参院予算委石井一の対辰巳孝太郎答弁のウソが証明する地下3m以下はゴミは存在しなかった

2017-03-31 12:43:44 | 政治

 2017年3月24日の参議院予算委で共産党の辰巳孝太郎が質問に立ち、国交省航空局長の佐藤善信に対して森友学園に小学校建設用地として格安で売却した国有地に国土交通省大阪航空局の見積リ通りのゴミが果たして地中に埋まっていたのか問い質した。

 大阪航空局は不動産鑑定評価額9億3200万円の国有地に対してゴミの撤去・処理費用を8億1900万円と見積り、その価格を差し引いた約1億3400万で森友学院に売却している。

 この質問に関しては2017年3月25日付「しんぶん赤旗」が纏め記事を書いている。    

 当方は質疑のあらましを取り上げて、おかしな点を指摘してみたいと思う。余分な発言は省いている。

 辰巳孝太郎「9.9メートルまでゴミが存在するという根拠は何か」

 佐藤善信「本件土地の北側や西側については昭和40年代初頭まで沼や池があり、その後昭和42年から43年にかけて埋め立てがなされ、急速に宅地化が進んでいることが確認されているほか、当時は大幅に規制が強化された昭和45年の廃棄物処理法の施行前であり、廃材等の不法投棄などにより、宅地化の過程、あるいはそれ以前から地下の深い層から浅い層にかけて廃材等を含む相当量のゴミが蓄積することになったと考えております。

 以上のことから、地下埋設物の撤去・処理費の見積りに当り、杭掘削個所については9.9メートルまでの深さまで廃材等が存在していると設定して見積りを行うことが合理的であると判断したものであります」

 まさに役人の答弁である。沼や池があって、不法投棄が多く行われた。沼や池の広さがどのくらいの広さだったか、ネットで調べたが分からなかったが、どのくらいの広さであったとしても、その広さはゴミが水平方向に拡散している範囲の根拠にはなるが、9.9メートルまでの深さにまでゴミが到達している根拠とはならない。

 根拠とするには沼や池がどのくらいの深さがあったのか、その深度を提示しなければならない。9.9メートルはビルの1階を2.5メートルとすると、4階の高さ、3メートルとすると、3階以上の高さは優にあることになる。

 日本人成人男性の平均身長は170センチ弱、6人分ぐらいの深さがあることになる。

 街中にある沼や池でそれ程までの深さがあるそれらはどれくらい存在するのだろうか。

 だが、沼や池の深さを提示しないままに「9.9メートルまでの深さまで廃材等が存在していると設定して見積りを行うことが合理的であると判断した」と正当性を言い立てている。

 辰巳孝太郎「当初出てこなかった資料で途中から出てきた資料を読み解くと、有益費の分として2010年の調査で地下3メートルまでの部分がコンクリートや廃材等、約1万7000トンがあるだろうという記述がある。

 撤去すると、有益費で返されるものだが、実は全て撤去されずにそのうち720トンしか撤去されていない。それは事実か」

 佐藤善信「有益費の工事に於きましてはコンクリートガラなどを撤去したわけでございます。廃材等は残っているというふうに認識しております」

 2017年2月17日の衆院予算委員会で民進党の福島伸享議員が森友学園国有地売却に関わる追及のために使用し、ネット上に配布した資料の年譜を見ると、2009年~2010年、土壌汚染(鉛・ヒ素)、廃材・コンクリートガラ等の地下埋設物が発覚となっていて、2015年7月29日~12月15日、森友学園による土壌改良、埋設物撤去工事等の実施となっている。

 この工事に関しては1億3176万円の有益費(目的物の価値の増加のために支出された費用)が国から森友学園に返還されている。

 いずれにしても地下3メートルまではコンクリートガラ等を撤去する工事は行ったが、その際、廃材等は残しておいた。

 ここに幾つかの疑問が生じる、なぜコンクリートガラだけを撤去したのか。なぜ廃材等は撤去しなかったのか。

 コンクリートガラを撤去するについては重機で掘削する。掘削ついでに廃材も重機のバケットに紛れ込んでくる。コンクリートガラだけを撤去したのなら、ガラと廃材をわざわざ分別して、廃材だけを埋め戻したことになる。廃材まで撤去・処理せずに何のためにわざわざ埋め戻したのだろうか。

 考えられる合理的な理由は廃材を撤去する必要がなかったからとしなければならない。

 あるいは後で杭打ちの際、スクリューに絡まってゴミが出たとする証拠を作り出す必要から埋め戻した。

 小学校建設スペースの基礎コンクリートを打つ前の3メートル程の掘削時に廃材を拾い出してついでに撤去する予定だっというのは理由にはならない。廃材を埋め戻す手間を余計に掛けたことになるからだ。

 このコンクリートガラだけを撤去し、廃材等は撤去しなかったことの“なぜ”に食いつかなければならないはずだが、辰巳孝太郎くん、気づかなかったようだ。
 
 辰巳孝太郎「そういうことなんです。当初あると言われていたコンクリートガラ、廃材のうち、コンクリートガラだけを取り除いた。これが720トンで、つまり当初言われていた16分の1ぐらいしか取り出していないですから、まだ残っているわけなんですよ。

 そこで聞きますが、9.9メートルの杭打ち工事の過程でゴミが出てきたというこれ3メートルのところまで、十分に残っていながら、そういう廃材が(杭打ち機の)スクリューに絡まったとか仰っていますけど、その可能性は否定できない。できるかできないかだけお答えください」

 佐藤善信「この論点は要は地下埋設物の撤去・処理費用見積もりに当り、杭掘削工事の深さを9.9メートルと設定したことが合理的かどうかということに帰着するわけでありますが、それは先程私が答弁した理由によりまして地下埋設物が撤去・処理費用見積もりに当り杭掘削個所については9.9メートルまで廃材等が存在すると設定して見積もりを行うことが合理的だと判断したものであります」

 3メートル以下9.9メートルまでの深さにゴミが果たして存在しているのかどうかを問い質しているのに対して杭の深さが9.9メートルだから、その深さまでゴミが存在すると設定したと、ゴミの存在を前提にしている。

 この合理的でも何でもない答弁に質疑が中断することになった。答弁のやり直し。

 佐藤善信「先程の答弁の中にもありましたが、そもそも9.9メートルという深い個所から実際にゴミ等が出ている様子を職員が直接確認するのは困難であるというふうに認識しております。

 そう認識しておりますから、工事関係者からヒアリングであるとか、掘削工事実施中の工事写真であるとか、本件土地の(少し聞き取れない)職員による現場確認であるとか出来る限りのチェックを行った結果、杭掘削個所に於きましては9.9メートルの深さまで廃材等が混在していると設定して見積もりを行うことが合理的であると判断したわけであります」

 辰巳孝太郎「なぜこれを答えることができないかということなんですよ。元々置いてあるんですよ。廃材を3メートルまでのところにスクリューでやれば、そこのところに引っかかってそのまま9.9メートルのところまで行ったかもしれません。

 (スクリューを)持ち上げて出したら、ゴミまで出てきたと。それが3.3メートルまでのところに廃材、ゴミがあることの可能性は否定できないでしょ?」

 辰巳孝太郎が3.3メートルまでのところにあった廃材やゴミが杭打ち機のスクリューに絡まって出てきたとしていることはあくまでも可能性に対する予測であって、事実として実証することはできない。

 このような質問では海千山千の役人には太刀打ち出来ない。

 そこで辰巳孝太郎は森友学園側が2014年12月に小学校建設工事のために行った「地盤調査報告書」に基づいて、その際のボーリング調査で明らかになった地質分析を国立研究開発法人「産業技術総合研究所」にメールで依頼、その結果を持ち出して追及している。

 辰巳孝太郎「ボーリングデータからは二つ(2個所)のポーリングとも、深度3.1メートルまではビニール片や木片が大量に入っているという記載があリ、恐らく3メートル程度までは人工的に埋めた埋設土からなり、それより深い部分は天然の堆積物と思われると、3メートル以下は人の手が加わっていない土質であると言って頂きました。

 メールだけでは心配だから、私のところに来て頂いてくださいました。この研究所の研究企画室長理学博士のことですが、その方に私は『深度10メートル当たりまでのボーリング調査でゴミが出てくることはありますか』と聞きますと、『あり得ません』と答えて頂きました。

 専門家の皆さんはこのボーリング調査を見ると、9.9メートル辺りの深さでゴミは出ないのは常識的な話だと、こういうふうに答えていただいております」

 辰巳孝太郎は国交大臣公明党の石井一に8億余の撤去・処分費用の見積りは過大だと思わないかと尋ねた。

 石井一「今ご紹介頂きましたけども、このボーリングっていうのは、2箇所ですよね。全体8千平米(へいべい)の土地、尚且つ今回は地下埋設物があると認識したのは5千平米です。

 その中の2個所、それも片や6.6センチ(ボーリングの穴の直径)、方や11.6センチ、そういうところでですね、5千平米以上の地層を全部代表するのはこれは極めて困難だと思います。

 実際にそういう形で色んなボーリングデーターを見ると、地域によって地層が全然違います。従いまして委員がお示ししたもので、9.9メートルでゴミはないと言うのは無理だと思っています」

 時間切れとなり、辰巳孝太郎は引き続いて追及することを約束して終了となる。

 石井一は天才的な薄汚いゴマカシをやらかしている。2個所のボーリングで「5千平米以上の地層を全部代表するのはこれは極めて困難だ」と抜かしている。

 だが、地上から3メートル以下9.9メートルまでのは2個所のボーリング調査でゴミが大量に存在すると見做して、全体の撤去・処理費用を8億1900万円と見積ったのである。根拠が2箇所のボーリング調査以外にないとしたら、同じ2箇所のボーリング調査から地質分析して、人の手が加わっていない天然の堆積物だと、5千平米以上の地層を全部代表してどこが悪い。

 にも関わらず、いわば2箇所のボーリング調査からゴミの存在を推定していながら、薄汚い石井一は「色んなボーリングデーターを見ると」と他のボーリングデータまで持ち出して、「地域によって地層が全然違います」と根拠から外れたことを言っているが、地下3メートル近辺まで地下埋設物が埋まっているとしているのはそこが元沼であって、コンクリートガラやゴミ、廃材等が不法投棄されていたからで、要するに沼の水深は3メートル程度だったということなのだろう。

 それ以下、地表3メートルから杭深度9.9メートルまでの間は辰巳孝太郎の「産業技術総合研究所」への調査依頼によって地表の風化によって生成された砕屑 (さいせつ) 物、火山噴出物、生物遺骸などが海底や地表に堆積した「天然の堆積物」だとしている以上、例え「地域によって地層が全然違」っていたとしても、天然の堆積物であることに変わりはないから、ゴミが存在する根拠とはなり得ない。

 このことは「堆積物」という言葉と「地層」という言葉の違いによっても証明できる。ネットで調べたのだが、「地層」とは「平板状に広がって土砂等が堆積してでき堆積岩を言う」とあり、「堆積物」とは、「礫や砂、泥などの岩石片や鉱物、生物遺骸、火山噴出物、水中の溶解物などが、水中ないし大気中の特定の場所に積み重なったもので、一般には岩石化していないルーズな状態の土砂であり、堆積物が続成作用によって固結した岩石を堆積岩と言う」と解説されている。

 要するに「産業技術総合研究所」の見立てでは小学校建設用地は岩石化している地層一歩手前の岩石化していない堆積層であって、そうであっても、そこに長い年月の経過が存在する以上、人間の手によって捨てられたゴミなどは存在することはなく、土と共にコンクリートガラやゴミ、廃材等が埋まっている層とは非なるものであると言うことである。

 また沼や池はそこに如何なる不法投棄物が埋まっていたとしても、地層とも言わないし、天然の堆積物でできた堆積層とも言わない。

 にも関わらず、石井一は地層の違いを言うことで、地層に存在するはずはない人間の手によって作り出されたゴミが存在するかのように巧妙なペテンを働かせた。

 石井一がこのようにウソを付いてまでしてペテンを働かせなければならないのは地下3m以下はゴミは存在しなかった何よりの証明以外の何ものでもない。

 こういった薄汚い政治家が国交省を務めている。

 国側は役人答弁で巧妙・狡猾にゴマカシているが、杭打ちも9.9メートルの深さまで掘削してゴミを取り除いてからではなく、掘削せずにそのまま杭打ち工事を行っている。ゴミが役人たちが言っていることと違って存在しないままゴミの撤去・処理費用を8億1900万円と見積ったとなれば、そこに政治家の関与がなければ、役人たちのみでは行ない得ない8億1900万円の値引きと言うことでなければならない。

 8億1900万円と言うことなら、そこら辺のペイペイ政治家ではなし得ない金額で、安倍晋三級の政治家の口利きを想定しないわけにはいかない。

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100万円寄付:安倍晋三が悪魔の証明を言うなら、クリアする方法として籠池泰典と安倍昭恵をウソ発見器に

2017-03-30 09:57:50 | 政治

 籠池泰典と安倍昭恵に対してポリグラフ、いわゆるウソ発見器での検査を受けさせるためには先ず森友学園理事長の籠池泰典を国会証人喚問で偽証があったとして偽証罪で告発する必要がある。

 告発すれば、現在問題となっているうちの一つの事実、籠池泰典が2017年3月16日に参院予算委員会の委員たちに対して暴露しているように、あるいはその1週間後の2017年3月23日の参院予算委員会での証人喚問の場でも同じ趣旨の証言をしているように果たして安倍晋三は首相夫人の安倍昭恵を通して100万円の寄付を実際にしているのかどうか、検察は、その事実の立証が困難であるかどうかは別問題として籠池泰典を捜査対象とせざるを得なくなり、当然、籠池泰典ばかりか、渡したとされているもう一方の当事者である安倍昭恵も捜査対象とすることになるはずだ。

 2017年3月23日の参院予算委員会で籠池泰典は次のように発言している。

 籠池泰典「昭恵夫人に瑞穂の国記念小学院の名誉校長に就任していただいたのは平成27年(2015年)9月5日にご講演をたまわったときのことです。そしてその9月5日、昭恵夫人は講演の控室として利用していただいた園長室で、私との対面していただいたとき、同行していたおつきの方に席を外すようにおっしゃった後、私と2人きりの状態で『どうぞ、安倍晋三からです』というふうにおっしゃって、寄付金として封筒に入った100万円をくださいました。

 昭恵夫人は全く覚えていないとおっしゃっているようですが、私たちには、大変名誉な話なので鮮明に覚えております」(産経ニュース)   

 検察の取調べ段階でも籠池泰典が物証を示すことができない限り、籠池は寄付を受け取ったことを言葉で主張するしかないし、対して安倍昭恵は徹底的否認の態度を貫くはずで、双方の主張は平行線を辿る可能性は高い。

 籠池側から物証が出ない限り、最終手段としてウソ発見器しか残されていないことになる。勿論、検察からウソ発見器での犯罪事実の有無の立証を求められたとしても、検査を受けるかどうかは強制ではなく、任意だそうだから、断ることもできるのだろう。

 だが、そういう機会を得たとしても断ったなら、寄付を受け取ったか、寄付していないか、いずれかに関してはどちらか一方が強い信念を裏打ちに主張しているはずだから、断った方は主張の根拠としている信念を疑われることになるし、検察の心証を害することになるばかりか、断ったことはマスコミに対して発表することになり、報道されて国民の心証は断った側がウソをついていると断罪することになるだろう。

 その断罪は寄付したのか、しなかったのか例え検察が事実を立証できなくても、いずれか一方の事実となって独り歩きすることになる。

 具体的には安倍昭恵は2017年3月16日に籠池妻に対して「100万円の記憶がないのですが」というメールを送っているが、100万円を渡した記憶がなければ、渡さなかったという記憶は鮮明に残っていなければならないはずで、それが「渡さなかった」とい強い信念となり、記憶はその信念に裏打ちされて、打ち消し難い映像として頭の中に描き出されているはずだ。

 尤も100万円の寄付をしていなかったなら、籠池泰典が国会証人喚問で渡されたのは2015年9月5日と言っていて、たったの1年半前のことである、「100万円の記憶がないのですが」などと記憶の問題とせずに本来なら、「渡した事実はありませんが」と事実の問題とするはずだが、記憶の問題としているところにもその証言は信憑性を欠いている。

 また安倍晋三は国会で「悪魔の証明」を持ち出して籠池泰典側にのみ立証責任を求めているのは余りにも一方的に過ぎ、安倍昭恵が記憶が無いと言っている以上、100万円を渡さなかったことの立証責任を求めてこそ公平な態度であって、双方共確たる物証を提示できなければ、やはり最手段はウソ発見器しか残されていないということになる。

 3月28日参議院決算委員会。

 斎藤嘉隆民進党議員「安倍総理大臣夫人の昭恵氏は『100万円の寄付をしたか記憶にない』とする一方、籠池氏は『100万円を受け取った』などと証言している。否定する以上、明確に根拠を示すべきだ」

 安倍晋三「2人きりで『渡した』『渡さない』となれば、こちらは証明のしようがないのは常識で、いわば『悪魔の証明』だ。『ない』と言っている人に対し、『ある』と言ってる人が証明しなければならない」(NHK NEWS WEB/2017年3月28日 11時45分)     

 「『ない』と言っている人に対し、『ある』と言ってる人が証明しなければならない」と言っているが、「『ない』と言っている人」である安倍昭恵の証言を絶対真とし、そのことを絶対前提とした言い分となっている。

 当然、安倍晋三は絶対真としていることの根拠を証明しなければならない。証明してこそ、そのことを絶対前提として、「私の妻はシロだ」と言い切ることができる。

 この証明に関しては「悪魔の証明」とした場合、矛盾が生じることになる。「悪魔の証明」としながら、「私の妻は絶対シロだ」と言い切っていることになるからなのは断るまでもない。

 「『ない』と言っている人」も、「『ある』と言ってる人」も、双方共にそれを事実と示すことがこれまでできていないということなら、双方に対して証明を求めてこそ、公平な態度となる。

 だが、「悪魔の証明」として、籠池側にのみ証明を求める不公平を侵している。

 要するに安倍晋三や安倍昭恵の言い分だけでは100万円を渡していないことの証明とはならない。相手は相手で自分たちの言い分を正しいとしている。

 物証でシロ・クロをつけることができないとなれば、双方の主張する記憶の真偽を確かめる一つの方法であるウソ発見器に頼るしかない。ウソ発見器にしても絶対ではないかもしれないが、「悪魔の証明」をクリアできる可能性を有していることは否定できない。早急に決着をつけるために試してみる価値はあるはずだ。

 安倍晋三にしても早急に決着づけて国会審議を本来の目的に戻したいはずだ。

 そのためには与野党一致して籠池泰典を偽証罪で告発して、双方にウソ発見器の検査を受けるように求める以外に手はない。

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安倍昭恵は安倍晋三の権力の威を借りた何様意識の太った醜いブタを内心に抱えている

2017-03-28 10:39:23 | 政治

 安倍昭恵には霞が関の女性官僚5人が専属スタッフとして付いていると、「週刊新潮」2017年3月30日号の記事を「デイリー新潮」が転載している。    

 5人の年収総額は2880万円。一人当たり576万円。月平均48万円。

 ネットで調べてみると、2015年の国家公務員一般行政職の平均月収は約40万9000円だと言うから、 7万円程度高い月収を得ていることになる。

 5人の名称は「総理夫人付き(づき)」。官邸の5階に専用の部屋を所有。主な業務は安倍昭恵スケジュール管理や移動手段の確保、関係各所への事務連絡、そして随行。

 記事は、〈休日も返上でアッキーに付き従う〉と紹介している。

 5人のうち2人は経産省から、3人は外務省からの出向者。普段は経産省の2人が安倍昭恵と行動を共にしていて、外務省の3人は安倍昭恵が外国の要人を接待したり、海外を訪問する時に行動を共にする、その他のことを書いている。

 日本人の上は下を従わせ、下は上に従う権威主義的性向からしたら、安倍昭恵は常に3人か2人が傍に付いていて、いつどこにいても背後に総理大臣の安倍晋三が控えている総理夫人の格式に添う失礼がないよう心配りした丁重さで扱われているに違いない。

 だが、あくまでも安倍晋三によって与えられた総理大臣夫人という肩書が持つ権威に対する丁重さであって、安倍昭恵本人が何らかの権威を有していて、その権威に対する丁重さではない。

 どこかの何かの講演に呼ばれるのも、どこかの何かの会合に招かれるのも総理夫人という肩書を持っているからであって、その肩書で紹介を受け、本人も総理夫人の肩書で行動し、その肩書で発言しているはずだ。

 森友学園が新設予定だった瑞穂の國記念小學院の名誉校長の就任を依頼され、実際に就任したことも総理夫人という肩書があったからこそであろう。そして講演の際、この内の一人が安倍昭恵に付き添っていたという。

 政府は当初は勤務時間外の私的な同行だとしていたが、公務による同行だと言い替えている。個人の私的な活動への公務同行を不適切とする批判をかわす意図があったに違いない。

 政府は「連絡調整を行うため」と説明しているが、本人は携帯電話を持っているはずだ。どのようにも連絡の調整はできる。

 だが、飛行機から新幹線、あるいはバスといった交通機関の連絡も役目の内に入っていて、チケットを手配するのも付き添いが行うと言うことなのだろう。安倍昭恵自身は単に指示を出すだけで、本人でなければできないこと以外は、例えばトイレに入って小便をするといったこと以外は全て任せっきりにしている様子が目に浮かぶ。

 全ては肩書がそうさせている。以前ブログに安倍昭恵から総理夫人という肩書を取ったら、タダのオバサンに過ぎないと書いた。

 このような肩書と肩書が必然化させている丁重な扱いを受けることになっている活動と発言の機会との関係を忘れて、自身が何らかの権威を有しているから丁重に扱われて、様々な活動の機会を得ることができ、様々に発言できると、いわば全て自分の力が成さしめている展開だと思い込んだとき、謙虚さをどこかに置き忘れて、自分を何様とする増長の芽が吹き出して、それが習慣化して、ついには性格化していく。

 そのことを証明する記事がある。念のために全文を引用・紹介することにする。

 《「しもべのように…」 作家が見た首相公邸の夫人付職員》asahi.com/2017年3月25日13時32分)
  
 藤田直央

 学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、安倍晋三首相の妻昭恵氏への陳情に対応した首相夫人付の政府職員に注目が集まっている。昭恵氏が「秘書」と呼ぶ夫人付職員らとの関係は――。作家の石井妙子氏が昭恵氏への取材のため、首相公邸を訪ねた時の様子を語った。

 首相公邸は1929年完成の西洋風の建物で、かつての首相官邸。いま安倍首相が執務する官邸の隣にあり、昭恵氏は来客対応に使う。今年1月5日、石井氏は夫人付職員の女性を通して調整した上で訪れた。脇の入り口から入ると、その彼女が出迎えた。

 国有地問題で話題の女性とは別の人で、30代ぐらい。服装は地味で、事務職員のように見えた。差し出された名刺に「内閣総理大臣付」と肩書があり、左下には「内閣総理大臣官邸」の住所と連絡先。携帯電話の番号とGメールのアドレスも記されていた。

 アフリカ問題のNPO関係者だという先客と入れ替わりで、エレベーターで上の階へ案内され、部屋に入った。6~7人は囲めそうな楕円(だえん)形のテーブルの奥の席で、昭恵氏が座ったまま迎えた。来客に慣れた様子で「謁見(えっけん)」の趣だった。

 雑誌「文芸春秋」のインタビューで首相夫人としての思いを聞いた1時間。活発な活動に批判もあるがと問うと、「昔風のファーストレディーではないですが、主人にやめろと言われたことはない。目指すところは一緒で、日本のためにやっています」。自信にあふれた話しぶりだった。

 先ほどの夫人付職員の女性もいたが、質問には口を挟まず、部屋の隅の机でメモを取り続けた。時間がくると、彼女が「そろそろ」と声をかけてきた。「並んでください」とスマホを構え、記念撮影。土産に渡された紙包みには、昭恵氏の似顔絵があるメモ帳とボールペンが入っていた。

 石井氏は「来客対応が一連の流れになっていて、あうんの呼吸だった。彼女はしもべのように動いていました」と振り返る。

 公邸を出る際に彼女は玄関まで付き添った。石井氏が「秘書さんは何人いるんですか」と尋ねると、「5人です。外務省と経産省から来ています」。後で電話で確認すると、全員女性とのことだった。(藤田直央)

 石井氏を迎えた女性秘書の名刺の肩書は「内閣総理大臣付」。「内閣総理大臣夫人付」としたら、安倍昭恵を公人の扱いにすることになる。実態は夫人付きで動いていながら、あくまでも私人の扱いとするために「内閣総理大臣付」の肩書を与えたに違いない。

 だが、この肩書が秘書に対してばかりか、安倍昭恵自身の意識に影響を与えないでおかないはずだ。「内閣総理大臣付」の秘書でありながら、その夫人に内閣総理大臣に対するのと変わらない至れり尽くせりの丁寧さで対応する。

 その厚遇が安倍昭恵に対して当たり前となったとき、大抵な人間だったなら、自分の中に勘違いした何様意識を育てるものだが、もしも安倍昭恵の心にそのような意識を芽生えさせなかったとしたら、稀有な存在と言える。

 実際には何様意識を芽生えさせて、何様さながらの態度を取っていたことは記事の次の一節が証明してくれる。

 〈アフリカ問題のNPO関係者だという先客と入れ替わりで、エレベーターで上の階へ案内され、部屋に入った。6~7人は囲めそうな楕円(だえん)形のテーブルの奥の席で、昭恵氏が座ったまま迎えた。来客に慣れた様子で「謁見(えっけん)」の趣だった。〉

 秘書が石井氏を案内して部屋に入ってきた。入ってきた石井氏を座るべき椅子を手で示して座るように指示したのかどうかは分からない。指示したとしても、座ったままで指示したことになる。

 例え相手が初対面であったり、地位が自分よりも低かったとしても、部屋に入ってくる相手を椅子から立ち上がって迎え、それから座るべき椅子を手で示して座るように指示するのが地位や立場の違いに拘らない、いわば権威主義に囚われずにフランクな付き合いを心がけている人間のすることであろう。

 だが、安倍昭恵はその逆だった。安倍晋三によって与えられた総理夫人の肩書を身に纏っている存在に過ぎないにも関わらず、椅子に座ったまま石井を迎えるという、それがささやかなものであったとしても、一定の権威と権力を示した。

 でなければ、椅子に座ったまま迎えることなどできない。明らかに自身が意識している権威に基づいた一つの権力行為に他ならない。

 ここに権威主義的な何様意識を見ないわけにはいかない。しかも安倍晋三の地位が作り出している総理大臣夫人という権威が可能としている権力に過ぎない以上、安倍晋三の権力の威を借りた何様意識がそうさせた応対であろう。

 この応対は来客を迎えるテーブルの大きさにも現れている。

 来客一人に対して、それが三、四人であったとしても、その人数が座ることのできる、間に長方形のテーブルを挟んで向き合ったソファを用意しておいて、双方が身近に顔を近づけ合って話をする上下関係を排した場を用意するのではなく、「6~7人は囲めそうな楕円(だえん)形のテーブル」のある部屋に案内させて、「奥の席で」と書いてあるから、楕円形の長辺の一方の席を上座として安倍昭恵が占め、もう一方を下座として石井氏を距離を取る形で座らせたのだろう、この点にも安倍昭恵自身を上に置いた権威主義的な何様意識を窺うことができる。

 だから、石井氏は「来客に慣れた様子で『謁見(えっけん)』の趣だった」という印象を受けた。

 「謁見」とは、「貴人や目上の人にお目にかかること」を言う。ここで言っている「目上の人」とは主として立場の上の人を言う。

 いわば安倍昭恵は来客に貴人や立場の上の人間に対するような振舞いを自身に求める雰囲気を漂わせていた。

 このような雰囲気は自分自身が貴人や立場の上の人間のように振舞う様子を醸し出しているからであって、その相互対応としてある“謁見形式”ということであろう。

 勿論、これは石井氏の印象に過ぎないと、その描写を排除することができる。

 だが、来客を座ったまま迎えたという一点で、印象に過ぎないと排除することは一蹴されなければならない。

 全ては繋がっている。安倍昭恵が権威主義的な何様意識を内心に抱えているからこそ、「謁見(えっけん)」の趣」を石井氏に印象づけたのである。

 更に言うと、自身の活動は安倍晋三と「目指すところは一緒で、日本のためにやっています」と言っている発言にも権威主義的な何様意識が明らかに現れている。

 例え安倍政権と言えども、一つの政権が首相をトップリーダとして多くの閣僚によって構成されていたとしても、体系立った統合的な動きを得て国を動かし、発展させていくのは至難の業である。

 対して安倍昭恵は政権の中に位置しているわけでもなく、その点、立場自体も大違いであるし、総理夫人の肩書で個人的に発言しているに過ぎない。例え官僚が安倍晋三に対する忖度から裏で動いて何らかの活動に予算をつけたとしても、それが国全体を動かす統合的な原動力に発展していくわけでもない。

 もし発展したなら、政治などチョロイものとなる。

 大体が元々は総理夫人という肩書を借りた活動に過ぎない。それを「日本のためにやっています」などと言うのは思い上がりも甚だしい。

 この思い上がりこそが、安倍晋三の権力の威を借りた権力主義的な何様意識そのものであろう。

 総理夫人の肩書を借りた活動という自らの限界を弁えずに思い上がって来客を座ったまま迎える。テーブルに上座と下座を距離を置いて用意して、自身は上座に座り、来客を下座に座らせて、その距離感によって権威主義的な上下関係の差違を暗に印象づけるだけではなく、それゆえに来客に対して気さくに対応することはなく、面会を「謁見(えっけん)の趣」にしてしまう。

 安倍昭恵はその資格もなく、これらの権威主義的な何様意識を内心に抱えている。

 それが安倍晋三の権力の威を借りた何様意識である点で、その内心は誰からも好かれるスマートなものでは決してなく、それとは正反対の太った醜いブタの様相を見せているはずだ。

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安倍昭恵の17/3/23フェイスブック、100万円寄付否定の投稿は寄付したことの何よりの動かぬ証明

2017-03-27 11:55:57 | 政治

 森友学園理事長籠池泰典が安倍晋三首相から首相夫人安倍昭恵を通じて100万円の寄付を受けたと、いわば暴露したのは森友学園への国有地格安売却問題で現地調査に入った参院予算委員会の委員たちに売却の経緯等を説明し、小学校の建設現場を案内した2017年3月16日である。

 そしてこのことを理事長籠池泰典は1週間後の3月23日の森友学園理事長籠池泰典に対する参院での国会証人喚問で改めて詳しく証言した。

 籠池泰典「昭恵夫人に瑞穂の国記念小学院の名誉校長に就任していただいたのは平成27年(2015年)9月5日にご講演をたまわったときのことです。そしてその9月5日、昭恵夫人は講演の控室として利用していただいた園長室で、私との対面していただいたとき、同行していたおつきの方に席を外すようにおっしゃった後、私と2人きりの状態で『どうぞ、安倍晋三からです』というふうにおっしゃって、寄付金として封筒に入った100万円をくださいました」

 この2015年9月5日に講演を終わった安倍昭恵に10万円の講演料を「感謝」の文字を記した封筒に収めて菓子袋に入れて渡したと証言している。

 翌日3月24日の参院予算委員会で質問のトップバッターに立った自民党西田昌司が質問後に安倍晋三夫人安倍昭恵と籠池の妻諄子の携帯メールの記録を公表したとのことだから、午前中の公表ということになる。

 安倍晋三や西田昌司等々の自民党側はそのメールを都合よく解釈して100万円の寄付の事実など存在していないことの証明としている。

 安倍昭恵は国会証人喚問が行われた3月23日の深夜に自身のフェイスブックに寄付を否定する投稿を行っている。

 安倍昭恵フェイスブック 3月23日 21:23   
フェイスブック
 本日の国会における籠池さんの証言に関して、私からコメントさせていただきます。

 ①寄付金と講演料について

 私は、籠池さんに100万円の寄付金をお渡ししたことも、講演料を頂いたこともありません。この点について、籠池夫人と今年2月から何度もメールのやりとりをさせていただきましたが、寄付金があったですとか、講演料を受け取ったというご指摘はありませんでした。私からも、その旨の記憶がないことをはっきりとお伝えしております。...

 本日、籠池さんは、平成27年9月5日に塚本幼稚園を訪問した際、私が、秘書に「席を外すように言った」とおっしゃいました。しかしながら、私は、講演などの際に、秘書に席を外してほしいというようなことは言いませんし、そのようなことは行いません。この日も、そのようなことを行っていない旨、秘書2名にも確認しました。

 また、「講演の控室として利用していた園長室」とのお話がありましたが、その控室は「玉座の間」であったと思います。内装がとても特徴的でしたので、控室としてこの部屋を利用させていただいたことは、秘書も記憶しており、事実と異なります。

②携帯への電話について

 次に、籠池さんから、定期借地契約について何らか、私の「携帯へ電話」をいただき、「留守電だったのでメッセージを残した」とのお話がありました。籠池さんから何度か短いメッセージをいただいた記憶はありますが、土地の契約に関して、10年かどうかといった具体的な内容については、まったくお聞きしていません。

 籠池さん側から、秘書に対して書面でお問い合わせいただいた件については、それについて回答する旨、当該秘書から報告をもらったことは覚えています。その時、籠池さん側に対し、要望に「沿うことはできない」と、お断りの回答をする内容であったと記憶しています。その内容について、私は関与しておりません。

 以上、コメントさせて頂きます。

平成29年3月23日 
 安倍 昭恵  

 西田昌司がメールを公開したのは 3月24日の午前中。そのメールの内容を「産経ニュース」が報道したのは3月24日12時19分。安倍昭恵が自身のフェイスブックで100万円の寄付に関して身の潔白を訴えたのが3月23日21時23分で、約半日前となる。

 身の潔白の証明としてメールの公開だけでは安心できないから、メールの文言が世間に広まる前に改めてフェイスブックで証明しようとしたのかもしれない。

 「①寄付金と講演料について」の文言を見ただけでも、100万円を寄付した何よりの動かぬ証明となる。

 「私は、籠池さんに100万円の寄付金をお渡ししたことも、講演料を頂いたこともありません」と寄付したことも、10万円の講演料を受け取ったとされていることも完全否定してから、「この点について、籠池夫人と今年2月から何度もメールのやりとりをさせていただきましたが、寄付金があったですとか、講演料を受け取ったというご指摘はありませんでした」と書き、このことを全面否定の根拠としている。

 籠池泰典が100万円の寄付を受け取ったと話したのは既に触れたように参院予算委員会の委員たちが国有地売却問題で現地調査に入った2017年3月16日である。

 「この点について」と、100万円の寄付と10万円の講演料に関して「籠池夫人と今年2月から何度もメールのやりとりをさせていただきました」と書いているが、「今年2月から」100万円の寄付が明らかになった2017年3月16日の前日3月15日までの間、もし100万円の寄付と10万円の講演料受領が事実でなかったなら、「この点について」「寄付金があったですとか、講演料を受け取ったというご指摘」はメールの文面に現れないのは当然としなければならない。

 いわば安倍昭恵は100万円の寄付と10万円の講演料受領が事実でないなら、100万円の寄付の話は参院予算委員会の委員たちが国有地売却問題で現地調査に入った2017年3月16日に突然現れた事実であって、3月16日から遡る今年2月までの間は無かった事実でなければならなかったのだから、当然メールの文面には現れない。

 10万円の講演料受領の話は2017年3月23日の森友学園理事長籠池泰典に対する参院での国会証人喚問の場で籠池泰典によって突然持ち出された事実としなければならなかった。

 だが、そういった事実とすることとは無関係にメールの文面に現れないことを以って事実の否定の証明にしようとしている。

 この矛盾は事実の否定を限りなく疑わしさに近づけることになる。

 逆に100万円の寄付と10万円の講演料受領を事実と仮定してみる。

 「今年2月」は籠池泰典が100万円の寄付を受けたとする2015年9月5日か1年5カ月も経過している。「今年2月から」のメールの遣り取りの間、籠池妻は1年5カ月も前の100万円の寄付について何度も何度もメールで触れなければならなかったのだろうか。

 「その節は100万円の寄付有り難うございました」とか何とか等々、何度も感謝を伝えなければならなかっただろうか。

 あるいは安倍昭恵の方から1年5カ月も経っていながら、「その節は10万円の講演料を頂きました、有り難うございました」とか何とか等々、10万円の講演料受領について何度も触れる必要があったのだろうか。

 籠池泰典は「日本会議」大阪支部の代表委員を務めていたというから、同じ天皇主義・国家主義に傾倒している全国の右翼集団の日本会議メンバーから瑞穂の國記念小學院建設・運営資金として100万やそこらの寄付は相当受けていることも考えられる。

 言ってみれば、一般人の中にあちこちから歳暮や中元の品を受け取る者がいるが、何カ月後になっても、「その節は」と、頂いた事実に触れたり、礼を言うようなものであって、自然な出来事とすることはできない。。

 ましてや安倍昭恵が籠池に「安倍晋三からです」と100万円を渡したとき、籠池の方から領収書はどうするか聞くと、安倍昭恵は「それはもう結構でございます」と答えたと参議院の委員たちが現地調査に訪れた2017年3月16日に発言している。

 籠池側は領収書は要らないということなら、表に出してはマズイおカネだぐらいは察しをつける。安倍晋三側にしても国家主義教育を行っている学校法人に一国の首相が100万円も寄付することは隠しておきたい事実だぐらいは世間一般から見ても納得がいく。

 当然、100万円の寄付と10万円の講演料受領については表に出た場合は不都合となる事実として、あるいは安倍晋三側と籠池側の間で隠しておきたい事実として安倍昭恵の方からであっても、籠池妻の方からであっても、メールで「寄付金があったですとか、講演料を受け取ったというご指摘」をする必要などどこにもない。

 いわばメールに書くのを控えなければならない事実であるにも関わらず、「寄付金があったですとか、講演料を受け取ったというご指摘はありませんでした」と、書いてない事実を100万円の寄付と10万円の講演料受領の否定に使う矛盾がここに生じる。

 事実でないと仮定しても、事実だと仮定しても、どちらも矛盾が生じる。この双方共の矛盾は100万円の寄付と10万円の講演料受領が事実だからこそ生じる矛盾であろう。

 当然、「私からも、その旨の記憶がないことをはっきりとお伝えしております」と言っている事実の否定は否定するためのアリバイ作りと見ないわけにはいかない。

 このことはあとで改めて証明する。

 「本日、籠池さんは、平成27年9月5日に塚本幼稚園を訪問した際、私が、秘書に『席を外すように言った』とおっしゃいました。しかしながら、私は、講演などの際に、秘書に席を外してほしいというようなことは言いませんし、そのようなことは行いません。この日も、そのようなことを行っていない旨、秘書2名にも確認しました」と言っていることも、安倍昭恵が言っているだけのことで、何の証明にもならない。

 要するにメールには書いていないという事実を100万円の寄付と10万円の講演料受領否定の根拠とする矛盾自体が事実の証明にしかならない。

 100万円の寄付と10万円の講演料受領が事実であるかないかは脇に置いて見ると、確かに籠池妻が自身のメールに寄付と講演料に関しては何の指摘もなかった。だが、安倍昭恵が100万円の寄付についてメールに書いたのは参議院の委員たちが現地調査に訪れた際に籠池がそのことを暴露した2017年3月16日の日付の籠池妻に発信した最後の文面の「100万円の記憶がないのですが」の一点のみである。

 この短い一言について一昨日の当ブログに取り上げたが、100万円の寄付は安倍晋三の首が飛ぶことになるかならないか、時限爆弾となりかねない籠池泰典の証言であって、実際にもそのような取扱いで国会で野党の追及を受けている

 当然、事実でないなら、事実でないことの記憶を明確に蘇らせなければならない重大事であるはずであるし、記憶になくても、過去の事実、あるいは過去の出来事の多くは忘れられた形で頭の中に眠っている状態に置かれているが、他の事実や出来事に触発されて眠っていた事実や出来事が記憶として蘇ってくる経緯を取るから、籠池泰典が2017年3月16日に安倍昭恵を通して安倍晋三から100万円を受け取ったと話したことをニュースか何かで知った時点で、その発言に触発されて一瞬の内に渡したかどうかを記憶として鮮やかに頭に思い浮かべなければならない重大な事実であったはずだ。

 このように重大な事実である上に籠池泰典が100万円の寄付を受けたとしている2015年9月はたったの1年半前である以上、記憶を明確にした上で「私は100万円を渡していません」と強く断定するのではなく、「100万円の記憶がないのですが」と、遠回しの曖昧な記憶として扱っていることは籠池泰典が2017年3月16日に100万円の寄付の話を行ったことを受けた同じ日のメールでありながら、その話に直接的な触発を受けて、100万円を手渡したのか手渡さなかったのか、いずれかに記憶を鮮やかに蘇らせなかったことの証明としかならない。

 もし全てが事実でないなら、極く極く自然なこのような人間の記憶の仕組みに反する遠回しの曖昧な記憶とはならなずに既に触れたように「私は100万円を渡していません」と、はっきりとした記憶に基づいた強い表現になったはずだ。

 ところが、そのような強い表現を取らずに遠回しの曖昧な記憶として扱っていながら、1週間後の3月23日21時23分投稿のフェイスブックでは「私からも、その旨の記憶がないことをはっきりとお伝えしております」と、明確に否定したかのように言い替えている。

 曖昧であるとしていた記憶を明確な記憶と言い替えなければならなかったのことは、100万円の寄付も10万円の講演料受領も事実であって、「100万円の記憶がないのですが」というメールの文言も、「私からも、その旨の記憶がないことをはっきりとお伝えしております」のフェイスブックの文言も、事実を否定するための改めてのアリバイ作りの証明としなければならない。 

 事実でないなら、既に触れたように人間の自然な記憶の仕組みから言って、最初から明確な記憶としていなければならない。当然、言い替えは生じない。

 最初の方で身の潔白の証明としてメールの公開だけでは安心できないから、改めてフェイスブックで証明しようとしたのかもしれないと推測したが、寄付と講演料受領否定のフェイスブックが却ってそれを事実とする何よりの動かぬ証明となるボロを出してしまったようだ。

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安倍昭恵の籠池妻とのメールの遣り取り最後の文面は100万円寄付否定の巧妙なアリバイ作りの疑いあり

2017-03-25 14:17:30 | Weblog

 森友学園理事長籠池泰典が安倍晋三首相から首相夫人安倍昭恵を通じて100万円の寄付を受けたと、いわば爆弾発言をしたのは参院予算委員会の委員たちが森友学園への国有地格安売却問題で現地調査に入った2017年3月16日。

 委員たちは籠池理事長の自宅で約1時間半に亘って面会、その後豊中市の小学校建設現場を案内された。そのときに、「この学園を作ろうとしたのは皆さんのご意思があってこそ。その中には安倍首相の寄付金が入っている」(毎日新聞)という発言が飛び出して、その金額は100万円だと告げたと言うから、瑞穂の國記念小學院の建設現場に案内されているときなのだろう。   

 その際、籠池泰典が領収書が必要かどうか聞くと、安倍昭恵は「それはもう結構です」と断ったと明らかにしている。

 要するに100万円の寄付が事実だとすると、表沙汰にできない寄付、あるいは秘密の寄付という別の側面を持った事実が加わることになる。

 但し、と言うべきか、勿論と言うべきか、安倍晋三も安倍昭恵も100万円の寄付を否定している。本人が直接ではなく、官房長官の菅義偉の口を通してである。

 2017年3月16日の午後の記者会見で、「安倍総理大臣に確認したところ、『自分では寄付はしていない。昭恵夫人や事務所など、第三者を通じても寄付をしていない』ということだった」(NHK NEWS WEB)と発言、安倍昭恵に関しては確認中としていたが、翌日の3月17日の閣議後の記者会見(午前中)で「安倍事務所を通じて夫人に確認した結果、領収書などの記録もなく、夫人個人としても寄付は行っていないということだ」(NHK NEWS WEB)と述べている。

 否定は分かりきったことで、否定が事実かどうかが問題となる。「夫人に確認した結果、領収書などの記録もなく」と言っているが、記録してあったとしても、ないと言うだろうし、領収書を受け取らない、あるいは出さないといったカネのやり取りの場合は記録を残さない習慣をつけているはずだし、残さないぐらいの知恵は持っているはずだから、記録がないことを以って寄付否定の根拠とはならない。

 籠池泰典が参院予算委の委員員たちに安倍晋三からの100万円の寄付を明らかにしてから1週間後の2017年3月23日、参院予算委員会での証人喚問の場で100万円の受領を具体的に述べている。

 籠池泰典「昭恵夫人に瑞穂の国記念小学院の名誉校長に就任していただいたのは平成27年(2015年)9月5日にご講演をたまわったときのことです。そしてその9月5日、昭恵夫人は講演の控室として利用していただいた園長室で、私との対面していただいたとき、同行していたおつきの方に席を外すようにおっしゃった後、私と2人きりの状態で『どうぞ、安倍晋三からです』というふうにおっしゃって、寄付金として封筒に入った100万円をくださいました。

 昭恵夫人は全く覚えていないとおっしゃっているようですが、私たちには、大変名誉な話なので鮮明に覚えております」(産経ニュース)   

 安倍晋三にしても自分の口で寄付を否定しなければならいことは国会の場での野党の追及を自明視して準備していたはずだ。

 2017年3月23日の衆参予算委員会証人喚問の翌日3月24日参院予算委。

 安倍晋三「妻と籠池夫人とのですね、メールのやりとりなどについても事実上、このメールのやり取りなどについても、公開ということについて、私は先方の公開が取れていればということで、申し上げてきました。先方が断片的なものだけを公開するものでありますから、本日、すべてこの妻と、この妻の携帯が一時水没をしておりますので、それ以前のことはないんですが、それなどについても、(平成)28年からのやりとりが書いてありますが、これはすべて、公にした方がですね、さまざまな誤解は解けるのではないかということで公開をさせていただきました。

 ですから、これについては、委員の皆様にも、目を通していただきたい。本当にそう思うわけであります。妻の名誉のためでもありますので、言わさせていただきたいと思いますが、このやりとりの中においてはですね、100万円のやりとりもございませんし、(講演料として籠池氏が昭恵夫人に渡したとされる)10万円のやりとりも一切ありません。妻からですね、
 むしろ、そういう謝礼があったのかということについて、籠池夫人にいわば、確かめているわけですから、籠池夫人からは10万円渡した等々、謝礼を払っているという話は一切ないわけでございますし、100万円の話についても一切ないわけでございます。

 それは、メールを見ていただければですね、やりとりを見ていただければ、よく分かるわけでございますし、また口止めが、このメールの中において、あったかのごとくの証言もありましたが、それ読んでいただければ、前後のやり取りからいって、そうではないことは、おわかりをいただけるのではないかと思います」(産経ニュース)  

 安倍昭恵と籠池妻との間で交換しあったメールの中には、「100万円のやりとりもございませんし、(講演料として籠池氏が昭恵夫人に渡したとされる)10万円のやりとりも一切ありません」と、100万円寄付否定の根拠をこのようにメールの内容に置いている。

 だが、それらのメールの内容を見ないことには安倍晋三が言っていることの正当性を確かめようがない。公開すると言っているから、ネット上を探したら、2017年3月24日付「産経ニュース」が、3月23日に入手したとして紹介していた。誤字や句読点なしがあって読みづらい箇所があるが、そのまま引用した。  

 但し3月23日の参院予算委員会国会証人喚問で自民党の西田昌司が「私も実は、総理の奥様から許可を頂いて、メールの文字起こしを全部持っております」と言っていたから、産経新聞の自民党の親近性から考えると、産経新聞は西田昌司からメールの内容を入手したのかもしれない。

 西田昌司は安倍昭恵直接からか、首相官邸を通してか、手に入れた。

 メールは「平成28年6月4日」(2016年)から始まっているが、最初は他愛もない内容の遣り取りとなっている。

 籠池妻から〈ご無沙汰しております 本日「殿利息でござる」の映画を観てきました ある方が籠池さんとだぶるからと勧められての事清まりました

 昭恵夫人 携帯水没でデータが一部飛んでしまいました。失礼ですが、お名前を教えて下さい。

 籠池氏妻 今晩は 塚本幼稚園 籠池泰典の家内です

 昭恵夫人 大変失礼致しました。〉

 安倍昭恵が「携帯水没でデータが一部飛んでしまいました」と言っていることと安倍晋三が前出の発言で「この妻の携帯が一時水没をしております」と言っていること合致する。

 2016年6月4日という日付は安倍昭恵が瑞穂の國記念小學院の名誉校長に就任したのは籠池泰典が国会証人喚問でも述べているように2015年9月5日であるから、この間の約6ヶ月間のデータは籠池サイドからの公開を待たなければならない。

 大阪府豊中市の市議が市の国有地の売買価格を非開示とした近畿財務局の決定は違法だとして国に決定の取り消しを求める訴えを大阪地裁に起こしたのが2017年2月8日。この2日後の2月10日、財務省近畿財務局は国有地の売却額を1億3400万円とHPで公表。

 共産党の宮本岳志議員が衆院財務金融委員会でこの森友学園国有地格安売却を取り上げたのが2017年2月15日。

 当然、2017年2月15日前後以降のメールの内容は他愛ないものでは許されなくなる。それらのメールのうち、主なところを拾ってみる。

 2017年〈【2月18日】

 昭恵夫人 この度のことはどうなっているのか、ご説明もなく、マスコミから追いかけられて戸惑っております。

 籠池氏妻 拝啓 メールの言葉がうまく書けず お電話をおかけしてはご迷惑になりますでしょうか 朝日新聞の仕業嫌がらせです、、、

 【2月19日】

 籠池氏妻 いたらないことばかりで 大変申し訳ありません 以後気をつけて対応させていただきます すみませんでした 何とか自分達で対応しようとしたのですが ニュースのスピードが早すぎてご連絡を怠った事いたらない自分が恥ずかしいです

 籠池氏妻 おはようございます 自分の報告を昭恵さんの留守電二回分にいれさせて下さい 出ないでください喉を壊し聞き苦しい事をお詫びして、、、

 【2月21日】

 籠池泰典氏の妻 同社大学の新島襄の学校弾圧の気持ちがよくわかると園長しみじみ思うといいます

 おはようございます 大阪の教育はいろんな文化がまざり日本という太柱がどこにあるのか僕しかできないと申します あきえさんへ

 安倍昭恵首相夫人 留守番電話聞かせて頂きました。

 籠池園長の教育に対する熱意は理解しているつもりです。

 籠池氏妻 昨夜TBSラジオに生電話で園長の本心を話し弁護士の言われた通り夜中に家をでました今奈良の三輪明神でご祈祷していただきました

 民進党議員団が私達を追いかけ集団タクシーで家や幼稚園に来ました子達はいつも臨機応変に助けてくれました あきえさんの大変さは本当に感心します

 昨日の大阪府の臨時審議委員会 神様の御心ならば認可をおろしてくださいと祈りました三輪明神様に導かれました

 今は辻本清美学校にいったようです すみません

 昭恵夫人 なぜ売却価格を非公開にしてしまったのですか。やはり怪しまれるようなことはしない方がよかったのかなあとは思います。

 祈ります。〉

 安倍昭恵が「なぜ売却価格を非公開にしてしまったのですか。やはり怪しまれるようなことはしない方がよかったのかなあとは思います」と言っていることは、非公開をキッカケに不審を抱かれて公開せざるを得なくなり、結果、国有地が驚くほどの安値で売却されたこと、安倍昭恵が新設瑞穂の国記念小学院の名誉校長に就任していること、塚本幼稚園が国家主義教育・天皇主義教育を行っていること等々が芋づる式に世間に知られてしまった憾(うら)みを述べたものだろうが、公開していたら公開していたで、やはりその売却値を誰かが目にした途端、不審を抱かない者はいないだろうから、芋づる式は変わらなかったはずだ。

 そのことに気づかない程の視野狭窄症な安倍昭恵らしい。似た者夫婦といったところか。

 この記述の2日後の2017年2月23日に瑞穂の國記念小學院ホームページに記載されていた安倍昭恵の名誉校長挨拶が消去され、名誉校長を辞任している。

 辞任について何かメールの遣り取りがあってもようさそうなものだが、22日、23日、24日と遣り取りはなく、2月25日に飛んでいる。

 2017年2月24日衆院予算委員会で民進党福島伸享の質問に答えて、「事務所の方から正式にですね、先方に連絡を致しまして、えー、妻としては自分がこうした経緯があるとは言え、名誉校長を引き受けていることによってですね、そこに通う子どもたちやご両親に却ってご迷惑をかけ続けることになるんで辞任をさせて頂くということを先方に申し入れたそうであります」と答弁しているから、安倍昭恵の方から申し入れた辞任となる。

 と言うことは、名誉校長辞任という予想外の展開にまで追い込まれたことに対するショックから意気消沈し、両者共にメールをする元気が出なかったということではなく、メールの発信が籠池妻の方がより積極的であることをみると、信頼していた安倍昭恵から名誉校長辞任を、ある意味宣告されて、籠池妻が気色を悪くし、そのために3日間、メールが途絶えたと見るべきかもしれない。

 安倍昭恵の方の思惑からしたら、益々マスコミが騒ぎ、国会で騒がれ、追及を受ける状況に追いやられて、それを少しでも避ける意図からの体のいいトカゲの尻尾切り、あるいは体よく泥舟から逃げようとする姿勢があったはずだし、こういったことを籠池妻は感じていたはずだ。

 このことは3日間置いた後の2月25日の遣り取りの最後方の安倍昭恵がメールの内容に現れている。

 〈まず非公開だっただったことが疑われることになりました。

 そしてあまりにも熱い思いで突き進まれたために、色々なところに歪みもあったのではないかと考えます。

 主人が総裁選挙で講演をお断りしたとき、ひどく怒っておられたとのことでうちの事務所は不信感になっていました。

 私は同じように夫のやっていることを信じて応援しています。

 総裁選挙はこちらとしたら何事にも代えられない一大事でした。

 また、幼稚園をご紹介した際も、あまりにも悲しい留守番電話が残っていて、私は愕然と致しました。

 人はなかなか思いをその通りには伝え合えないものです。

 そんな中で、誤解が生じていったことがあり、園長のご説明を理解することができなくなったのかもしれません。

 子どもたちを教育する上で、大切なことは色々あると思いますが、相手のことを思いやる気持ちはとても大切だと私は思います。

 ご夫妻が今、大変なことは想像がつきますが、主人にとっても大変なことに巻き込まれたということもご理解頂きたいと思います。

 しかし、園長の熱い思いは本物であると思いたいと思っています。

 全ては必然です。

 今回のことは私たちにとっても学びの場ですが、ご夫妻にとっても意味のあることと私は思います。

 どうぞご自愛くださいませ。〉

 「主人が総裁選挙で講演をお断りしたとき」とは、2017年3月1日の参院予算委員会で共産党の小池晃が「総理自身が講演する予定でしたね? 2012(平成24)年の9月」と尋ね、2017年2月20日付の「NEWSポスト」誌のインタビューに答えて籠池泰典が「(2度目の)総理就任前に講演をお願いしていました。しかしそれが自民党総裁選のタイミングと重なってしまった。その時にはお詫びの電話をいただき、その後には直筆のご丁寧なお手紙までいただきました」と答えていることから、2012年(平成24年)9月26日の自民党総裁前となる。

 2012年(平成24年)9月前に断った講演話を4年半も経ってからなぜ持ち出したのだろうか。このメール以前に籠池妻はこのときの講演について何も話していない。

 気持の食い違いを懐かしんで言っているわけでもない。要するに「主人が総裁選挙で講演をお断りしたとき、ひどく怒っておられたとのことでうちの事務所は不信感になっていました。

 私は同じように夫のやっていることを信じて応援しています」は、安倍晋三と籠池泰典の間柄を疎遠な関係に仕立てて、私は主人の側につきますという宣言であろう。

 このメールにも体のいいトカゲの尻尾切り、あるいは体よく泥舟から逃げげ出そうとする姿勢を見ることができる。

 このことは「まず非公開だっただったことが疑われることになりました」と再び「非公開」を持ち出したところにも現れている。「非公開」を責めるところまではいっていないが、間違いであることと、それがすべての始まりであることとして「非公開」に拘っていることの証左そのもので、かなりの距離を置いていなければ出てこない言葉であろう。

 名誉校長まで務め、籠池理事長の教育理念を礼賛していた安倍昭恵が籠池側と距離を置くこと自体が既に体のいいトカゲの尻尾切りであり、体よく泥舟から逃げようとする姿勢を見ないわけにはいかない。

 そしてこれらの言葉を含めて他の言葉のすべてが距離を置いたニュアンスとなっている。

 特に「園長の熱い思いは本物であると思いたいと思っています」と、「思いたい」としている言葉は瑞穂の國記念小學院のHPに乗せていた自身の名誉校長としての挨拶、「籠池先生の教育に対する熱き想いに感銘を受け、このたび名誉校長に就任させていただきました。

 瑞穂の國記念小學院は、優れた道徳教育を基として、日本人としての誇りを持つ、芯の通った子どもを育てます。 そこで備わった『やる気』や『達成感』、『プライド』や『勇気』が、子ども達の未来で大きく花開き、其々が日本のリーダーとして国際社会で活躍してくれることを期待しております」という言葉と比較すると、完全に距離を置いた言葉となっている。

 そして籠池側にしたら、「全ては必然です」という具合にはいかないだろう。中期のガン進行を告げられた患者に「全ては必然です」と言うのと大して変わらない。

 当然、「今回のことは私たちにとっても学びの場ですが、ご夫妻にとっても意味のあることと私は思います」と言っているが、籠池側にしたら、「意味のあること」などと構えてはいられないはずだ。

 約2週間後の3月10日に小学校の認可申請を取り下げ、森友学園の理事長を近いうちに辞任することを明らかにしなければならない程に追い込まれていたのである。

 余りにも距離を置いた冷たい物言いで、体のいいトカゲの尻尾切り、泥舟から逃げようとする姿勢以外の何ものであろうか。

 要するに籠池妻の方からメールが来るから、一度は名誉校長を引き受けた手前、返信を無視するわけにはいかない、有難迷惑だが、仕方なく付き合いで応じているといったところなのだろう。

 2月25日の上記紹介のメールの後に籠池理事長が国会証人喚問で述べていた、「『主人にとっても大変なことに巻き込まれたということも理解いただきたいと思います』とか、『私がかかわったということは裏で何かがあるのでは』と疑われないようにという、口止めともとれるメールが届きました」との文面が現れる。

 〈昭恵夫人 

 私もよくわかりませんが、色々気を付けなくてはいけないことがあります。

 私が関わったということは、裏で何かがあるのではと疑われないように、細心の注意を払わなくてはならないということだったのでしょう。〉

 このことに関して西田昌司は3月24日の参院予算委で、「いわゆる口止めのメールを籠池氏側はしたとおっしゃっているが、全くそのことについて、そう思わせるところはない。100万円についても、籠池夫人からは一切、そういう言及すらない」と全面否定している。

 上記メールを自分自身に対する戒めと解釈するか、自身への戒めにかこつけた遠回しな籠池側への戒め、いわゆる口止めと解釈するかである。

 これまで紹介した安倍昭恵のメールは体のよいトカゲの尻尾切り、あるいは体よく泥舟から逃げようとする姿勢を露わにした距離を置いた物言いとなっていたことを考えると、自分自身に対する戒めと解釈した場合、整合性が取れない。

 自身への戒めにかこつけた遠回しな籠池側への戒め、当然口止めと解釈して初めて整合性を取ることができる。

 メールは翌日の2月26日、1日置いて2月28日、3月に入って1日から3月3日、3月4日と3月6日はなく、3月11日まで続いて、3日間を置いて3月16日が最後となっている。

 籠池妻は自分たちが追い込まれたのは安倍晋三が権力を使ってそうしたといった趣旨の恨み言を述べたのに対して安倍昭恵は「それは嘘です。私には祈ることしかできません」と応じている。

 これに対して籠池妻はなおも「尊敬していたのに小学校をやめ 幼稚園は 破産 建築や社長は破産 お父さんは詐欺罪 あんまりにも 権力を使うなら死にます」と、安倍晋三と安倍昭恵を頼って尊敬していにも関わらず、結果こうなったことの恨み言をなお言い募ると、安倍昭恵は「私もどうしていいかわかりません。権力など使っていません。神様はどこに導こうとしているのか。とにかく祈っています。自分達の保身ではありません。日本の将来のためです」と体裁のいいことを言っている。

 対して籠池妻は、「嘘の情報」と一言返信、にべもなく昭恵の言葉を斥けている。

 そして最後の最後に安倍昭恵は100万円の寄付に言及する。

 「100万円の記憶がないのですが」

 このメールの内容を以って安倍晋三側は100万円の寄付を否定しているが、最初に触れたように森友学園理事長籠池泰典が安倍晋三首相から首相夫人安倍昭恵を通じて100万円の寄付を受けたと発言をしたのは参院予算委員会の委員たちが森友学園への国有地格安売却問題で現地調査に入った2017年3月16日だから、同じ日の3月16日のメールの内容としていても何の不都合もない。

 メールの最後に持ってきたことも、ニュースで知ることになった時間の関係もあるかもしれない。

 だが、もし実際に100万円を渡していなかったなら、破裂するか破裂しないかで安倍晋三の首が飛ぶことになるかならないか、時限爆弾となりかねない100万円の寄付であるにも関わらず、「100万円の記憶がないのですが」と、このような短い言葉と曖昧な語尾で否定するだろうか。

 更に言うと、過去の事実、あるいは出来事の多くは忘れられた状態で頭の中に眠っているにしても、他の事実や出来事に触発されて眠っていた事実や出来事が記憶として蘇ってくる。籠池泰典が2017年3月16日に安倍昭恵を通して安倍晋三から100万円を受け取ったと話したことをニュースか何かで知った時点で、その発言に触発されて一瞬の内に渡したかどうかを記憶として鮮やかに頭に思い浮かべなければならない重大な事実であるはずだ。

 しかも2015年9月に渡したかどうか、1年半前の出来事である。

 100万円のカネを渡したかどうかは重大な事実であるにも関わらず、曖昧にしてはならない記憶を曖昧にしていること自体が人間の自然に反していて極めて如何わしい。

 考え得ることは否定することが目的ではなく、渡していないという事実を作るためのアリバイ作りではないかということである。

 でなければ、安倍昭恵が「100万円の記憶がないのですが」とメールを送信したことに対して籠池妻からの返信を受け取って、渡したかどうかを確認しなければならない。

 その確認すらせずにメールが公表される3月23日まで1週間ありながら、3月16日を以ってメールの遣り取りを断っている。

 確認までしたら、アリバイとはならないからだろう。籠池妻から渡したかどうかの確認をしないままに安倍晋三がこのメールの文言を以って100万円を渡していないことのアリバイとしていることからも、アリバイ作りなのは十分に想定できる。 

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森友学園疑惑:理事長籠池泰典証人喚問に見る安倍晋三流政治的中立性に関わる厳正中立性の怪しさ満載

2017-03-24 11:57:23 | 政治
 

 2017年3月23日、森友学園理事長籠池泰典の証人喚問が午前中参院予算委で、午後衆院予算委で行われた。森友学園が瑞穂の国記念小学校建設用地として購入した国有地の格安売却について国が便宜を図ったのではないのか、その便宜は政治家の関与を受けたもの、あるいは政治家の意図を忖度したものではないかとの疑惑が持ち上がっていた。

 当然、証人喚問はこれらが事実か否かを問い質す展開で推移しなければならない。と言うことは、質問者は最初から容疑を疑ってかかる取調べの警察官や検事ではあってはならない。あくまでも公平中立な立場から事実は何かを追及する姿勢を失ってはならない。

 と言っても、悲しいかな、人間は感情の生き物であると同時に党利党略といった自己利害に縛られがちな利害の生き物である。厳正な公正中立を維持することはなかなか難しい。だとしても、自己の立場・自己の思想に左右されない、いわば自己利害に左右されない厳正中立な姿勢を可能な限り心がけなければならない。

 厳正中立性は至って政治的中立性に関連していく。何事に対しても厳正中立な姿勢を蔑ろにすると、何事の一つである政治的中立性をも必然的に失うことになる。

 どちらの姿勢も自己の政治的立場や思想的立場等々の自己利害に左右されるという共通項を持つにことによって生じるからだ。

 ところが、午前中の参院予算委での証人喚問で質問者に立った自民党西田昌司は厳正中立な姿勢から程遠く、籠池泰典を最初からウソつきな人間に仕立てる印象操作に偏った追及となっていた。

 尤もこのことは証人喚問が始まる前から、多くが予見できたことだったはずだ。2017年3月6日の参議院予算委で質問に立った西田昌司は国有地売却に関して、「ハッキリ言って冤罪である」とか、「私は与党を代表して今回の疑惑と言われている森友事件は疑惑というより真実をきちんと報道していない、トランプさんに言わせればフェイクニュースだ。まさにそれに等しい」と、全てが明らかになっていない状況にあるにも関わらず、マスコミが創り上げた疑惑だと疑惑追及の野党と疑惑を報じるマスコミを断罪、政治的関与を疑われている安倍晋三を頭からシロだとキッパリと擁護しているのだから、証人喚問で見せた姿勢は当然の帰結である。

 要するに森友学園理事長の籠池泰典をウソつきな人物像として描き出すことで、安倍政権や自民党に不都合な事実は全てをウソだと印象操作する戦術に出た。

 確かに大阪府と国と開校予定地に近い大阪空港の運営会社に対して補助金や助成金を得る目的で日付や内容以外は金額がそれぞれ異なる建設契約書を3通出していたことが判明していて、かなりインチキなことをしている。

 だが、国や自治体の補助金、あるいは助成金の誤魔化しは企業の間やNPOの間等でかなり広範囲に行われていることで、跡を絶たない。だからと言って、そのようにインチキなことをしている企業やNPOの全てがインチキで成り立っているとは断定できない。相当に真っ当な業務を行いながら、補助金や助成金を利用している企業も存在する。

 国にしても一部国民からの税金で成り立たせていた復興予算を全額東日本大震災被災地の復興に役立てるのではなく、青少年の国際交流事業費や被災地外の刑務所に於ける職業訓練費、シー・シェパード(反捕鯨団体) 対策費、国立競技場補修費等々にさも復興に役立つような口実を設けて数兆円規模で流用していたことは他省庁が復興庁の予算にたかって自らの事業に利用している点、助成金や補助金の利用と本質的には構図は同じである。

 だからと言って、国のやっている全てをインチキだと断罪することはできない。

 だが、西田昌司はできないことをできると信じ込んで、印象操作に時間をかけるムダな努力に血道を上げていた。

 そう言えば、「印象操作」とか、「イメージ操作」、あるいは「レッテル貼りだ」といった言葉で野党の追及を一言で否定しさるのは安倍晋三が最も得意とする手となっている。

 野党が安倍晋三に対して森友学園に国有地を格安売却したのは財務省や国交省が政治家の介入があって、その意図を忖度したからではないのかといった趣旨の質問に対して、「(役人が)忖度した事実がないのに、(あると)言うのは典型的な印象操作だ」と国会答弁している。

 昨日の国会証人喚問でも政治家の介入があったのかどうかの面から籠池泰典に質問が行われているにも関わらず、「忖度した事実がない」と勝手に決めつけているのは介入があった場合、自身が都合の悪い立場に立たされる自己利害からに過ぎない。

 ましてや疑われているように瑞穂の国記念小学校名誉校長だった安倍昭恵を通して安倍晋三自身の意図を忖度した格安売却という事実がもし出てきでもしたなら、安倍晋三は辞任すると約束しているのだから、最悪の事態となる。

 「産経ニュース」記事が証人喚問の質疑を文字化した記事を載せているから、それを利用して、籠池泰典を最初からウソつきな人間に仕立てて、事件のすべてをフェイクニュース化しようとする印象操作に偏った追及を最初から行っている発言のみを抜き出して、西田昌司が如何に可能な限り事実を質していくという厳正中立な姿勢から離れているかを証明してみる。     
 
 文飾は当方。

 西田昌司「今(冒頭発言で)、籠池証人は、総理の奥さんから(100万円の寄付を)直接、貰ったというふうにお話になりました。しかし大事なことをおっしゃったのはですね、そこには奥さんと2人だけだと、こういうことなんですね。で、実は私はこの質問する前に、奥様の方から事情を聴いております。そうすると、その日は、当日はですね、2名のお付きの方がおられたと。そして2名がずーっとですね、一緒に奥様とおられて、次の予定で出られるときには1人の方が出てですね、電話連絡等あったけれども、その席を外したことはないと。つまり奥様1人ではないとおっしゃってるんですよ。あなたの証言とは全く食い違うんですが、事実じゃないんじゃないですか

 籠池泰典「えー、そのお話は違っていると思います。えー、私とご夫人と、そして秘書の方、いらっしゃいましたが、秘書の方は直前にお人払いをされましたので、2人であります」

 西田昌司「そうするとね。まあ、これは事実をどうやるかということですが、奥様もおられない。で、夫人と2人だけだということになりますとね、まあこれ、堂々巡りの話になりますが、とにかく私は、今のあなたの証言を聞いてましてね。要するに、自分の都合のいい事実はそういう形で言えるけれども、それが事実かどうかということの証明ができないんですよ。

 で、特に、その郵便局で振り込みに行かれたという話です。で、当然ですね、これは安倍総理からお金がいってないんですから、安倍総理の名前で振り込むことはできないわけなんですよね。で、できないのに、わざわざですね、その、安倍総理の名前で振り込みをしようとした、その意図は何ですか

 以上の発言だけを見ても、厳正中立を大きく踏み外した自己都合に満ち満ちていることが分かる。

 「実は私はこの質問する前に、奥様の方から事情を聴いております。そうすると、その日は、当日はですね、2名のお付きの方がおられたと。そして2名がずーっとですね、一緒に奥様とおられて、次の予定で出られるときには1人の方が出てですね、電話連絡等あったけれども、その席を外したことはないと。つまり奥様1人ではないとおっしゃってるんですよ。あなたの証言とは全く食い違うんですが、事実じゃないんじゃないですか」

 西田昌司は最初から奥様ことアッキード疑惑の渦中にある安倍晋三夫人安倍昭恵の言い分を全て絶対正としている。首相夫人だからウソはつかないを絶対とすると、韓国大統領パククネの収賄疑惑にしても韓国検察が取調中にあるにも関わらず、西田昌司の言い分を借りると、「ハッキリ言って冤罪」ということになる。

 人間である以上、どのような地位についていようと、ウソをつかない人間は存在しない。だから、疑わしきに対して取調べという機能が必要となる。

 西田昌司が安倍昭恵を絶対正としている態度は籠池泰典をウソつきで絶対悪と決めつけている態度の裏返しとして現れている厳正中立喪失の印象操作以外の何ものでもない。

 「で、当然ですね、これは安倍総理からお金がいってないんですから、安倍総理の名前で振り込むことはできないわけなんですよね。で、できないのに、わざわざですね、その、安倍総理の名前で振り込みをしようとした、その意図は何ですか」

 「安倍総理からお金がいってないんですから、安倍総理の名前で振り込むことはできないわけなんですよね」

 例え水掛け論になろうと、それぞれの言い分が対立した現在進行形の状況にある。「いってないんですから」とそれを絶対的事実とするためには「いってない」ことを証明しなければならない。証明を根拠とせずに言葉のみで否定することも、可能な限り厳正中立であろうとする姿勢を忘れた印象操作に当たる。

 「堂々巡りの話になりますが、とにかく私は、今のあなたの証言を聞いてましてね。要するに、自分の都合のいい事実はそういう形で言えるけれども、それが事実かどうかということの証明ができないんですよ」

 籠池泰典の発言を「自分の都合のいい事実」だと断罪している。

 これもそれが「自分の都合のいい事実」かどうかを立証する責任を有する。印象操作だけで、安倍晋三からのカネを安倍昭恵の手を通して籠池泰典に渡ったとすると証言をウソと断定することはできない。

 それが事実であった場合、自分たちに不都合が生じる自己利害からの可能な限りあるべき厳正中立性の喪失に当たる。

 自分たちの立場を守るための自己利害から出ているこの手の厳正中立性の喪失は自民党では何も西田昌司一人ではない。

 2016年7月、各マスコミが自民党が「学校教育における政治的中立性についての実態調査」を始めたことを一斉に報じた。

 所詮、自分たちの国家主義的な教育観、国家観に反する教育を行う教師が自らの思想的立場上気に食わないからと、実態調査の名を借りて心理的圧力を加え、あわよくば言論や思想の自己統制に持っていこうという魂胆から出た自己利害なのは明らかで、厳正中立性の喪失が悪影響した政治的中立性の侵害に他ならないはずだ。

 このような厳正中立性の喪失が悪影響した政治的中立性の侵害の例の一つとして2014年12月14日投開票の総選挙前11月20日に「自由民主党 筆頭副幹事長 萩生田光一/報道局長 福井 照」の差出し人名で在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに、《選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い》と題する文書を送付し、こうして欲しいという指示を事細かに出して選挙報道の公正中立求めたことを挙げることができる。

 要するに「報道の公平中立ならびに公正の確保」(=厳正中立性)をタテマエとして、自分たちの選挙に都合のいい報道に持っていき、自分たちに都合の悪い報道は可能な限り排除して、自分たちの政治的立場、思想的立場を可能な限り有利にしようとする自己利害から出た政治的中立性の喪失(=厳正中立性の喪失)なのは説明を待つまでもない。

 当然、自由な言論への暗黙の統制圧力とならなかったはずはない。大体が統制圧力とすべく文書を出したはずだ。そうでなければ、出す意味を失う。

 2017年3月3日、米国務省が世界各国の人権状況に関する2016年版の年次報告書を発表し、日本について「報道の自由に関する懸念がある」と指摘したのに対して安倍政権は日本では報道の自由は守られていると反論したが、以上指摘してきた、政治家が採るべき相互にリンクした政治的中立性と国会質疑等に於ける厳正中立性が自己利害に左右されて喪失している状況を見る限り、報道の自由は、少なくとも脅かされかねない状況にあると言うことこができる。

 自民党西田昌司の森友学園理事長籠池泰典に対する証人喚問での籠池泰典を最初からウソつきな人間に仕立てる印象操作に偏った厳正中立性の喪失を見て、安倍晋三を筆頭とした自民党議員の報道の自由を脅かしかねない政治的中立性の喪失にまで思いが及んだ。

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森友学園疑惑:国のゴミ撤去・処理費用の見積額8億余が如何にいい加減な積算だったかが理解できる毎日記事

2017-03-23 10:11:06 | 政治

 財務省近畿財務局(大阪市)は大阪府豊中市野田町に保有する8770平方メートル・不動産鑑定評価額9億3200万円の国有地を、森友学園小学校建設工事の過程で土中廃棄物(家庭ごみや廃材など)が出てきたとの報告を受けて、敷地全体の廃棄量の見積もりを国土交通省大阪航空局(大阪市)に依頼、国土交通省大阪航空局は建設敷地5190平方メートルのうち杭を打つ場所は9.9メートル、その他3.8メートルの深さまでを対象に調査、ゴミ混入率47.1%の1万9500トン、ダンプカー4000台分と推計、その撤去・処理費用を8億1900万円と見積もって、この金額を不動産鑑定評価額9億3200万円から引いた約1億3400万で森友学園に格安で売却した。

 あまりにも格安な売却価格は当然、国土交通省大阪航空局が見積もった土中廃棄物がゴミ混入率47.1%の1万9500トン、ダンプカー4000台分も果たして存在していたのかということと、そして8億1900万円と算定したその撤去・処理費用が果たして妥当な見積り額なのかが問題となる。

 特に土中廃棄物の撤去・処理費用は一般的には複数の第三者に依頼して見積もらせ、妥当な工事方法で最も安価な見積もリを採用するのだが、一般的に反して国土交通省大阪航空局が国対国の関係で見積もった点にマスコミも疑問符をつけるニュアンスで伝えた。

 野党も国会で以上の2点を集中的に追及した。後者の点については財務省理財局長の佐川 宣寿(ぶひさ・東大卒)が「小学校の開校が迫っていて、工事を早く進めなければいけないという話があったため、国土交通省大阪航空局が見積もることになった」といった趣旨の答弁をしていた。

 3月1日の参院予算委員会で佐川宣寿は見積もりの知見を問われると、「大阪航空局の職員は公共事業の仕事を通して、国交省全体の知見を蓄積している」と述べている。

 国交相の石井一も、「ゴミを処分する費用、産廃として処分する費用なんかはやっぱり外部にヒヤリングして用いたりしていますよ。ただゴミを掘り返しをして、それを運搬して処分するということですから、掘り返して運搬する、まさに公共工事そのものでございますから、土砂の運搬、後同じです。処分はこれは産廃として処分して廃棄するということでございますから、ゴミの処分、これまでの事例はあるかどうか分かりませんけども、中身としては公共工事の色んな、そのパーツパーツの組み合わせで、今回の見積もりはできるということでございます」と、佐川 宣寿の答弁を擁護している。

 要するに国土交通省大阪航空局の土中廃棄物量の積算も、その撤去・処理費用の積算も外部(=第三者)の積算に立ち会って知り得たパーツパーツの組み合わせによる土木工事の知見や第三者へのヒヤリング等を用いて行ったのだから、できないことではなかったと正当化している。

 だが、工事方法によって撤去・処理費用は異なってくる。どのような工事方法を用いた積算なのか、参考人として国会に出席していた国土交通省航空局長の佐藤善信も財務省理財局長の佐川宣寿も一言も触れていないし、野党もこの点を追及していない。

 杭打ちにしても、様々な工事方法があるが、当該国有地は元沼で、家庭ゴミが大量に不法投棄されていたと言っているが、それがテレビや洗濯機だったとしても、現在使われている一般的な方法は先端を尖らせた直径1メートル前後の螺旋状のスパイラルオーガ(回転式ボーリング用具)を取り付けた重機で上から圧力を加えて回転させて地面を掘削していくと、鉄錐で鉄板に穴を開けていくように簡単に貫通させていくことができるから、少しぐらいの土中廃棄物であったとしても前以て掘削して廃棄物を除いてから、杭を打つ必要は生じない。

 だが、積算は杭を打つ場所は9.9メートル、その他3.8メートルの深さまでの土中廃棄物をゴミ混入率47.1%の1万9500トン、ダンプカー4000台分と積算、その撤去・処理費用を8億1900万円と見積もったのだから、当然、前以て掘削して廃棄物を取り除く工事方法を採用したことになる。

 と言うことは、前以て掘削して取り除かなければならない程の大量且つスパイラルオーガで貫通できない程の堅固な土中廃棄物とその量を想定し、そのような想定のもとに可能とする杭打ち方法を採用して撤去・処理費用を積算したことになる。

 掘削を必要とするかしないかで、工事単価は大違いとなる。

 小川敏夫は2017年3月13日の参議院予算委員会でこの点を追及したが、どちらかに答えさせるまでに徹底させることができなかった。   

 小川敏夫「土間コンみたいなコンクリートがあれば、杭を打つのに支障があるかもしれませんよ。でも、ごみくずがあったり板切れがあったり、そんなものがあって杭が入っていかないですか。
 この学校の工事を見ますと、要するに現場設置杭なんですよ。つまり、これ、現場設置杭というのは、要するに円筒状の穴をぐりぐりぐりぐりぐりぐり掘削機で掘っていって、それで掘っている間の、掘ったところの残土はどんどんどんどん排出して、深さまで穴を空けたら、今度はコンクリートを注入して、くいを打つんですよ。

 現に、これ、ごみが埋まったまま、杭を打っているじゃないですか。杭を打つことについて何か支障があるんですか、この地中に生活ごみが埋まっていると。答えてください」

 佐川宣寿「お答え申し上げます。

 今の御質問は、基本的にはこういうごみを撤去する必要があるのかという御質問かと思います。本件土地につきましては、今申しましたように、もちろん様々な心理的なリスクあるいは将来変化するリスク等もございますし、それ以外に、新たに地下埋設物が判明していたことでございますが、更に深いところ、例えばくいは9.9(メートル)ですけど、ほかは3.8(メートル)ということになってございますが、更に深いところでどのような埋設物が今後出てくるか分からないということもございますし、先ほど申しましたように、以前に分かっていた部分では土壌汚染等もあったわけでございます。

 そういうわけで、私ども国としましては、本件土地の売買契約については、小学校が建設されるということを前提にいたしまして、隠れた瑕疵も含め一切の瑕疵につきまして売主である国の責任を免除するという特約を付すことも勘案しながら、この撤去費用について積算したわけでございます」

 小川敏夫「国民をばかにするのもいいかげんにしなさい。土壌汚染はもう全て解決済みでしょう。この8億円の話に土壌汚染は関係ないでしょう。既にもう先行して全部残土を交換して、終わっているんだから。関係ないこと言うんじゃないよ。

 私が聞いているのは、小学校の校舎を建てる建築に支障がありますかと聞いているんです。そのことについて支障があるのかないのか、それだけ答えてください」

 佐川宣寿「その点につきましては、先ほどの国土交通大臣の答弁のとおりだというふうに考えてございます」

 小川敏夫「じゃ、この現場で生活ごみがあったから、くいが打てないんですか」

 佐川宣寿「後ほど国土交通省からもお答えしますが、いずれにしても、ごみがあったからといって全く打てないというわけではないと思います。

 佐藤善信(国土交通省航空局長)「お答え申し上げます。

 先程も申し上げましたが、本件の見積りというものは、本件土地の売買契約におきまして、隠れた瑕疵も含め一切の瑕疵について売主である国の責任を免除する特約が付されることを勘案して、土地の価値を算定するに当たって想定しておくべき地下埋設物の撤去処分費用を見積もったものでございます。

 深さにつきましては、くいが打たれる箇所の深さを9.9メートル、その他の箇所の深さは3.8メートルと想定をいたしましたですけれども、この9.9メートルにつきましては工事関係者からの聞き取り等に基づくものであり、3.8メートルは工事関係者による試掘結果に基づいて想定をしているところでございます」

 小川敏夫が「円筒状の穴をぐりぐりぐりぐりぐりぐり掘削機で掘っていって、それで掘っている間の、掘ったところの残土はどんどんどんどん排出して、深さまで穴を空けたら、今度はコンクリートを注入して、くいを打つんですよ」と言っていることは、スパイラルオーガで10メートルとか穿った穴にミルクと称する水を多くしてトロトロにしたモルタルを注入、その中に腐食止めの塗料を塗った芯となるH鋼を投入して、時間経過後に固形化したモルタルも腐食止めの役目を果たすことになって杭とすることができる工事方法のことである。

 スパイラルオーガは螺旋状になっているから、地面を掘っていくと、木工錐で板に穴を開けるとき、切り屑が板の穴の外に排出されるように掘られた土が螺旋に沿って順次穴の外に排出される。

 政府参考人の佐川宣寿は杭は「ごみがあったからといって全く打てないというわけではないと思います」と答えているが、言っていることは打てない場合もあるという意味となる。

 要するに杭を打つ全ての場所は前以て掘削して廃棄物を取り除いてからでないと杭を打つことはできないと明快に答を出したわけでもないし、逆に掘削せずに廃棄物はそのままにして杭を打つことができると答えたわけでもない。

 この曖昧さは杭を打つ場所は9.9メートル、その他3.8メートルの深さまでを対象に調査、ゴミ混入率47.1%の1万9500トン、ダンプカー4000台分と推計、その撤去・処理費用を8億1900万円と積算した手前、廃棄物如何に関わらず杭は打てますとも、打てませんとも言うことができない事情によるものであろう。

 当然、小川敏夫はこの点をはっきりさせるべきだったが、佐川宣寿と佐藤善信に廃棄物量とその撤去・処理費用の積算の経緯と正当性を述べるだけの答弁を繰返させるだけで、何一つ突破口を切り開くことができなかった。

 前々から土中廃棄物の撤去・処理と杭打ちはどのような工事方法を採用することを前提にそれぞれが積算されたのか知りたいと思っていたが、2017年3月21日付の「毎日新聞」記事、《森友学園 小学校用地ごみ 地中3.8m撤去せず》を読んで、実際の建築ではどのような工事方法を採用していたか、大まかに理解できただけではなく、国土交通省大阪航空局の土中廃棄物量とその撤去・処理費用の見積額8億1900万円が如何にいい加減な積算だったかが理解できる。    

 記事は森友学園に売却する国有地のゴミの埋設推定量の計算とその撤去・処分費用の積算、その金額8億円余を不動産鑑定評価額から差し引いて1億3400万円で学園に売却した経緯を説明しつつ、〈ごみ以外に建物建設の障害となるコンクリートの破片などの撤去や土壌汚染の処理は、校舎を建設した業者とは別の建設会社が2015年に終えて〉いたこと、〈その費用は既に国から支出されている〉ことを解説、その上で複数の工事関係者に取材して分かったこととして、〈学園側が国の想定する分量のごみを撤去〉せずに、〈校舎建設に伴う基礎工事や杭打ちの際に出たごみしか処理していなかった。〉と書き連ねている。

 要するに森友学園が開設を目指していた小学校の建物は木造一部3階建てだから、基礎コンクリートは高さ1メートル程度のもので、1メートルを掘削したときに出たゴミを処理、さらに掘削した1メートル下の場所からの杭打ちはさらに地面から9.9メートルまで前以て掘削して土中廃棄物を処分するという工事方法は採用せずにそのままにして、具体的にはどのような杭打ち工事なのか分からないが、いずれにしても基礎コンクリート打設のために1メートル程度掘削したその底部からスパイラルオーガで必要深度まで穴を穿ち、土と一緒に排出されるゴミを処理したのみであった。

 このことだけで大した廃棄物量ではないことが理解できる。大したことはない量であることを予定調和としていたから、掘削しないままに杭を打つことにしたはずだ。

 大したことのない量であることが工事の過程で判明したとすると、今度は国の見積りが根拠を失う矛盾が生じる。

 記事は、〈今回の売買契約では、学園がごみをどの程度撤去すべきかの規定はなく、麻生太郎財務相は国会審議で「撤去されたかは契約上、確認する必要はない」と答弁した。〉と書いているが、国は杭を打つ場所は9.9メートル、その他3.8メートルの深さまでを対象にゴミ混入率47.1%の1万9500トン、ダンプカー4000台分と土中廃棄物を推計、その撤去・処理費用を8億1900万円と積算している以上、それがどのような工事方法に基づいているのか、森友学園側と打ち合わせしていなければならないはずだが、そのような打ち合わせもせずに積算とは異なる工事方法を森友学園側に採用させていた矛盾が浮かんでくる。

 もしも森友学園側から記事が書いているような工事方法を採用しますという申し出があったとしたら、逆に杭を打つ場所は9.9メートル、その他3.8メートルの深さまでを範囲として廃棄物量を調査することも、廃棄量に応じた撤去・処理費用を8億1900万円と見積もることも必要ではなくなり、そのように見積もったことの矛盾が出てくる。

 このような矛盾が出てくること自体がいい加減な積算であり、いい加減な価格の売却と見なければならない。

 いずれにしても工事方法に基づかない工事単価の積算や見積りは存在しないのだから、財務省や国交省に対してどのような工事方法に基づいた全ての積算だったのかを明らかにさせる必要がある。

 この点に不明朗な売却だったかどうかがかかっている。もしそのような売却であったなら、次の段階としてその不明朗さの原因が何なのか、政治家の介入があったのかどうかに解明の軸足を移すことができる。

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3月20日日露都内防衛相会談のロ防衛相の発言からも見えてくる北方四島の日本帰属の悲観的行く末

2017-03-21 09:20:31 | Weblog

 3月20日、日本とロシアが都内で3年4カ月ぶりに防衛相会談を開催した。ロシアのクリミア併合を受けて2013年11月以来中断していたのだという。「ロイター」記事が会談の模様を伝えている。他の記事も似たり寄ったりとなっている。    

 ロシアのショイグ国防相が日本配備の弾道ミサイル防衛(BMD)システムはアジア太平洋地域の戦力バランスを崩すと指摘し、とりわけ在日米軍のシステムに懸念を示すと同時に日本が導入を検討中の新型BMDに言及する場面もあったという。

 弾道ミサイル防衛(BMD)とはネットで調べると、飛来する弾道ミサイルを早期警戒衛星等で探知、様々な迎撃方法を組み合わせて撃破する防御システムだと紹介されている。

 稲田朋美は弾道ミサイル防衛(BMD)システムは自衛のために必要と説明する一方でロシアによる北方領土(南クリル諸島)の軍備増強に改めて抗議したと伝えている。

 対してショイグ国防相は地域の安全保障を取り巻く環境が変化するなかで、必要な防衛措置だなどと説明したと言う。

 ロ防衛相がアジア太平洋地域の戦力バランスを崩すと言っていることは日本がアメリカの力を借りてアジア太平洋地域で、と言うよりもロシアに対して軍事力で優位に立つことを警戒した発言であろう。

 戦力バランスを崩すなる物言いはあくまでも自国を基準としているからだ。

 その対抗手段として北方四島に新型地対艦ミサイルの配備や師団を配備したりしている。

 稲田朋美が日本自衛のためと言っている弾道ミサイル防衛(BMD)システム配備は主として北朝鮮が急ピッチで開発しているミサイルへの対抗手段であり、論理明快である。

 2017年3月6日午前7時半頃に北朝鮮が発射した弾道ミサイル4発の内3発が排他的経済水域内落下していることはその脅威が日本領土と一息のところにまで迫っていることを示している。

 だが、ロシアが必要な防衛措置だとしている北方四島のミサイル配備は対米・対日警戒からの軍事的措置なのは断るまでもない。

 だからこそ、日本配備の弾道ミサイル防衛(BMD)システムと在日米軍軍事システムに懸念を示し、日本が導入検討中の新型BMDにも言及した。

 と言うことは、ロシアは日本を仮想敵国関係にあるとは見ていないものの、アメリカと共に軍事的警戒国家と見ていることを示している。

 そのことは日本を純粋に友好国と位置づけてはいない軍事的に対立国家視していることを意味する。
 
 軍事的警戒国家、あるいは軍事的対立国家に領土を返還することはない。返還すれば、逆に日本がロシアに対する軍事的拠点としない保証はなくなるからだ。

 返還するよりも、北方四島が日本に近接している地理的有利性を利用して、軍事的警戒国家に対する軍事的要衝の一つとする道を選ぶだろうし、ロシアはその準備を進めている。

 要するにロシアのショイグ国防相が日本の軍事体制に示した懸念そのものが北方四島をロシア領土として維持する確固とした意志の何よりの現れであろう。

 この意志は一度ブログに取り上げたが、山口での安倍・プーチン日露首脳会談後の2016年12月16日共同記者会見の質疑でのプーチンの発言に既に現れていた。

 記者「平和条約締結に関しては、先日の日本メディアとのインタビューで『我々のパートナーの柔軟性にかかわっている』とも述べた。かつては『引き分け』という表現も使った。大統領の主張は後退しているような印象があるが、日本に柔軟性を求めるのであれば、ロシア側はどんな柔軟性を示すのか」

 プーチン「その質問に満足に答えるためには、まずとても短く歴史の問題に触れる必要があります。 日本は先ず1855年にその島々(北方四島)を受け取った。プチャーチン提督がロシア政府と皇帝の合意のもとづき、これらの島々を日本の施政下に引き渡した。それまでは、ロシア側はクリル諸島はロシアの航海者によって発見されたため自国の領土と認識していました。

 条約を締結するためロシアはクリル諸島を日本に引き渡しました。ちょうど50年たって、日本はその島だけでは満足できないように思うようになった。

 1905年の日露戦争のあとに、戦争の結果としてサハリンの半分を取得しました。あの時、国境は北緯50度の線で決められたのちに日本はサハリンの北半分も獲得しました。
 ちなみにポーツマス条約のおかけでその領土からロシア国民を追放する権利もありました。40年後の1945年の戦争の後にソ連はサハリンを取り戻しただけでなく南クリル諸島も手に入れることができました」

 1855年とは日露和親条約が締結された年で、千島列島の択捉島と得撫島の間に国境線が引かれて、北方四島が日本に帰属することになった。

 プーチンは北方四島は元々はロシアの領土だと言い、その領土を第2次大戦後に取り戻したと言っている。

 要するにプーチンの北方四島に関わる意識の中では返還の次元は存在していないことになる。

 対して安倍晋三は共同記者会見2日後の12月18日夜に出演したフジテレビ番組で次のように発言している。

 司会者「共同会見で平和条約がない異常な状態に私たちの手で終止符を打たなければならない、とおっしゃった。プーチン氏も『私たちにとって一番大事なのは平和条約の締結です』とおっしゃった。プーチン氏は2018年に大統領選がある。おそらく再選し、長期政権になるので大統領選まで待ってくれと。その後に平和条約、二島返還、4島返還という工程表が両首脳の間で交わされているのでは」

 安倍晋三「(プーチン氏の『最も重要なことは平和条約の締結だ』という発言は)一番重要な発言なんですが、(山口の首脳会談で)95分間、膝詰めで話しあった結果でもあるんです。

 今まで、プーチン大統領が『一番大事なのは、平和条約の締結』と発言したことは1回もありません。平和条約に触れる際は非常に慎重です」

 プーチンの平和条約の締結に関した発言と安倍晋三のプーチンの平和条約締結発言の解釈の大きな隔たりに整合性をつけるとしたら、プーチンが「最も重要なことは平和条約の締結だ」と言っていることは安倍晋三が解釈し、望んでいるような北方四島の領有権の将来的な日本への帰属を意図した発言ではなく、ロシアの領有権を前提とした平和条約の締結が「一番大事」だと主張しているとしなければならない。

 このように整合性をつけると、プーチン発言が稲田とロシアのショイグ国防相との防衛相会談でのロ防衛相の発言が北方四島のロシアの領有権を前提としていることと見事に符合する。

 安倍晋三が4月下旬にロシアを訪れて、17回目となるのだろうか、プーチンと首脳会談を開くそうだ。例の如くにファーストネームで呼び合い、信頼関係をアピールすることになるだろう。

 信頼関係で動かすことができるような国益の差異ではないはずだから、プーチンは北方四島はロシア領だとする国益を安倍晋三との信頼関係よりも優先させることになる。

 結果、北方四島での日露経済協力だけが前に進むことになる。

 多分、安倍晋三は北方四島が返還されないことに気づいているのではないだろうか。それが自身の外交無能力と解釈される恐れから、経済問題でロシアと親密な関係を進めることによって恰も領土問題が進んでいるかのように思わせる埋め合わせを行っているように見える。

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安倍晋三3/17衆院外務委での籠池理事長「100万円寄付」答弁に自分は正しいとする信念も決意も見えず

2017-03-20 10:22:03 | 政治

 2017年3月16日に森友学園国有地格安取得疑惑の現地調査を行った参院予算委員会メンバーが午後2時過ぎ、退任を表明した森友学園理事長の籠池泰典と小学校の建設予定地で面会した際、籠池泰典は「一昨年9月に安倍総理大臣の妻の昭恵夫人に講演して貰ったときに昭恵夫人から寄付金100万円を頂いた」と、暴露したと言うべきか、話したという。

 早速その日の午後、安倍晋三は官房長官の菅義偉の記者会見を通して、「安倍総理大臣に確認したところ、『自分では寄付はしていない。昭恵夫人や事務所など第三者を通じても寄付をしていない』ということだった」(NHK NEWS WEB)と否定した。

 否定したからと言って、寄付が事実ではない証明とはならない。それが事実であったとしても、これまでの国会答弁で表明してきた安倍晋三の籠池泰典との関係性、あるいは籠池泰典観と真っ向から異なることになるゆえに寄付しましたと言うはずはないし、言うことができるわけでもないから、否定は当然の到達点に過ぎない。

 いわば寄付したとしても否定するだろうし、寄付が事実ではなくても否定する。裏返すと、否定からは実際の事実は確認しようがない。

 野党が国有地売却問題で籠池泰典の国会参考人招致を求めていたが、自民党が反対、実現できないでいたが、籠池の口から「安倍晋三100万円寄付」の発言が飛び出した途端に自民党は「100万円寄付」が事実として独り歩きするのを恐れたのか、事実に反する発言をしても罪に問われない国会参考人招致から事実に反した場合は偽証罪の対象となる証人喚問に格上げ、民進党と合意して3月23日に衆参両院で実施することになった。

 自民党は言葉だけでは寄付を証明しようがないと高を括ったのかもしれない。言葉に対しては言葉で否定し続ければ、無かったとすることができると。自民党の西田昌司が3月6日の参議院予算委で、国有地売却疑惑は「ハッキリ言って冤罪である。森友事件は疑惑というより真実をきちんと報道していない」とか、「私は与党を代表して今回の疑惑と言われている森友事件は疑惑というより真実をきちんと報道していない、トランプさんに言わせればフェイクニュースだ。まさにそれに等しい」と、言葉であっさりと非事実化して安倍晋三を擁護したようにである。

 野党側追及にしても、相手の言葉に対してその矛盾点を突く言葉で対抗して「安倍晋三100万円寄付」が事実か否かを炙り出さなければならない。

 その機会が3月16日に面会に訪れた参院予算委員会メンバーに対して籠池泰典が寄付の話を口にした翌日3月17日の衆院外務委員会での安倍晋三との対決時にあったはずだが、生かすことができなかった。

 これでは証人喚問で籠池泰典から寄付の話をいくら聞き出すことができても、安倍晋三の言葉巧みな否定術によって藪の中とならない保証はない。

 2017年3月17日の当「ブログ」に次のようなことを書いた。

 国会の場で疑惑を追及する側は確証がなくても、それを否定する相手の言葉の矛盾があれば、それを突くことで否定が事実かどうかを炙り出すことができる場合も存在するから、追及を権利とすることができ、疑惑の追及を受ける側はそれが実際に事実でない場合は物的証拠がない限り、自分は間違ったことをしていないという信念に基づいて言葉で否定するしか方法はない点で追及を受けることを義務としなければならないといった趣旨のことを書いた。

 疑惑をぶっつけられた安倍晋三は、当然、「いいえ、私は100万円を寄付などしていません」の一言か、これと類似した言葉しか正面切った否定の証明はないはずだ。

 「誰がどう寄付を受け取ったと言おうと、私は妻を通して籠池氏に100万円を渡していません」等々である。

 だが、上記ブログで書いた社民党の福島瑞穂との加計学園口利き疑惑の遣り取りでは、地方自治体が自らの所有地を無償で法人に提供した例が「20年の間にですね、25例もある」と言って、そのことを以って加計学園に対する今治市の市有地の無償提供に関わる安倍口利き疑惑をも否定する証明にもならない例示に懸命となっていたことは、逆に私は悪いことはしていないという信念の不存在を証明したに過ぎない。

 信念不在証明は何らかの疚しさを抱えていることから生じる。疑惑が単なる悪意ある噂の類いであるなら、どのような疚しさにも囚われることはないだろう。信念の不存在は疑惑を限りなくクロに近づける証明となり得る。

 3月17日の衆院外務委員会での100万円寄附を巡る安倍晋三と民進党福島伸享の質疑から安倍晋三が私は悪いことはしていないという信念に則った答弁をしていたかどうか、そのいずれかによって、「100万円寄付」が事実かどうかの判断基準にしてみたいと思う。

 次の記事から、100万円の寄付に係る遣り取りのみを取り上げてみる。

 「産経ニュース」   

 福島伸享「19日から総理はドイツ、フランス、イタリアなどの訪問にいらっしゃると聞いている。フランスでは大統領選、一時有力とされていたフィヨン元首相が勤務実体のない奥さんや子供に給料を払っていたということで、トップランナーだったのがだいぶ落ちてしまった。お隣の韓国の朴槿恵前大統領の問題を持ち出すまでもなく、どこの国でも政治家の公私混同の問題は非常に国民の目が厳しい。一点の曇りがないことを明らかにしなければ、国際的な場に出ても信頼を得ることができないと思っている。
 森友学園の小学校設置をめぐっても、さまざまな情報がメディアで飛び交っている。こんなもんでいいのかなと思っているが、多くの国民は、なぜあのような不思議な国有地の取引がなされたのか。疑惑の目がこの1カ月消えることがない。

 そして昨日(16日)、新たな事実が出てきた。昨日の参院予算委員会の現地調査で、籠池泰典氏は、平成27年9月に昭恵総理夫人が『私どもの方の講演に来られて、9月5日だと思うが、そのときに、どうぞこれをお使いください、すいませんが、お使いください』と。『どなたからですか?』、『安倍晋三からです』とおっしゃっていた。そこで参議院の委員がいくらですかと聞いたら、100万円。こういうやりとりがあった。

 事実かどうかは今から確認させてもらうが、昨日の菅(義偉)官房長官は、総理に確認したところ、総理は自分では寄付していない、昭恵夫人、事務所など第三者を通じても寄付していないとのことでした。証人喚問に総理は出てくるんですか? そうじゃないでしょ。くだらないヤジはやめてください。改めて総理ご自身の認識を問いたい」

 安倍晋三「かつてお断りをしたにもかかわらず、安倍晋三小学校という名前が勝手に使われてまして、寄付集めがされていたときもそうだったんですが、今回も一方的に名前が出され、私は大変、当惑をいたしております。私自身かねてから国会で答弁している通り、籠池氏とは1対1などでお目にかかったことはなく、これは何回も答弁している通りでありまして、個人的な関係はないわけでございます。そうした方にこれだけ多額の寄付を私自身が行うことはあり得ない話でございまして、また妻や事務所など第三者を通じても行ってはおりません。私の妻はかつて名誉校長となっていたこともありますので、念のため妻にも確認を取りましたが、領収書などの記録はなく、妻個人としても寄付は行っていないということでございましたので申し上げておきます。

 これも念のために付け加えておきますが、これまで何度も申し上げている通り、今まさに議論となっているのは国有地売却や学校認可についてでありまして、国有地売却や学校認可について私も妻も事務所も全く関与していないということは再三申し上げてきている通り。それは明確に改めて申し上げておきたいと思います」

 福島伸享「籠池理事長は証拠もあるとおっしゃっている。偽証罪に問われる可能性もある証人喚問の場にも出てくるということなので、それなりの事実を持って覚悟を持って来られるのでは。

 先ほどヤフーニュースで、最近、話題沸騰している著述家の菅野(完)さんという人が、物証の現物を入手したという報道が流れている。その写真で、平成27年9月7日、昭恵さんが講演した2日後に、淀川新北野郵便局から100万円を学校法人森友学園に振り込んでいて。その森友学園の入金元のところは修正液で消されていて、安倍晋三と書かれているというのが載っている。

 菅野さんという人物は籠池氏側に立って情報を流しているように見えるので、にわかに信じがたい話ですし、当然この報道は慎重に注意していかなければいけない。ただ、証人喚問で籠池さんも来られるので、そこでも我々はお聞きする必要があると思うが、ただこの問題、次から次へと色々な新しい資料が出てきて。例えば稲田(朋美防衛)大臣だって答弁を修正している。

 今度のこの件は答弁の修正はきかない問題だと思っている。総理も同じだと思う。ですから、こうした報道が出ていることも含めて、万全に万全を重ねて、もう一度調査をする必要があると思うが、いかがか」

 安倍晋三「新たな証拠といわれる物が、これが福島委員は事実だということで質問されているのですか」

 福島伸享「そんなこと言っていない。ただそういう報道がいっぱい出たことに困りませんか」

 安倍晋三「それが、あの、えー、私自身も承知しておりませんので、お答えのしようがないということでございますが、ないものはないと答弁させて頂いている通りでございます」

 福島伸享「念のためもう一度、確認させてもらうが、2月28日の参院予算委員会で安倍総理は、寄付金集めにも全く関わっていないということははっきりと申し上げたい、とおっしゃっているが、この答弁、維持するということでよろしいですね」

 安倍晋三「まず冒頭、誤解を招かないように、福島委員が引用されたのは私の答弁の一部であることを申し上げなければならない。そこで2月28日の御党の小川勝也委員への私の答弁を正確に読み上げておかなければいけないと思います。

 『私が小学校に名前をつけるのを既にお断りをしているわけでございまして、お断りをしていることにつきましては先ほど申し上げた通りでございます。妻も私も今回の売買には全く関わっていないわけでありますし、また寄付金集めにも全く関わっていないということははっきりと申し上げたいと思います』。こう申し上げているわけであります。

 また福島委員から2月17日の予算委員会において、振込用紙を示されたわけでございまして。ですから振込用紙を示されて、教えていただいたと記憶しておりますが、安倍晋三記念小学校という名前が、私がかつてお断りをしたにもかかわらず、勝手に使われ寄付集めがされたというご指摘があったことに対して、私はそういう寄付集めにかかわっていないと申し上げたものであり、それはこれまで答弁した通りであります。

 いずれにせよ、私は寄付を行っておらず、妻個人としても寄付を行っていないことであったということは既に説明した通りでございます。その上にかつ申し上げれば、先ほどの紹介をしていただいた答弁は、安倍晋三記念小学校という名前が使われていて、こういう名前が使われているけど、あなたは寄付集めにかかわっていますか、と言われましたから、この安倍晋三記念小学校ということにかかわって寄付集めはしていないというラインでお答えをさせていただいております。

 いずれにしろ、繰り返しになりますが、私も妻も寄付を行っていないということであります。答弁としては先程の答弁、申し上げましたように、福島委員から振込用紙を示されてこうした形で寄付集めを行っているのですかと問われましたので、それはそんなことはない、このように申し上げている通りであります。繰り返しになりますが、私は寄付を行っておらず、また妻個人としても寄付を行っていないということでございます」

 福島伸享「今後、新たな事実が出ないということを信じたいと思いますが、いずれにしても23日に証人喚問がありますので、そちらで両方の言い分を聞きながら事実を確認していきたいと思っている。ただ私はこれは非常に、参院の委員会のメンバーの与野党の前で、籠池さんがおっしゃったことは非常に重いと思う。どこかのマスコミのリークではない。ですから…いやいや、ちゃんと聞いてください。ですから、先日総理は訴訟をやるのは総理の立場として、行政府の長として行うべきでないとか、そうしたことに膨大な時間を割くべきではないとおっしゃったが、そうしたことは一切この件についても考えないということでよろしいのか」

 安倍晋三「私は今ここに内閣総理大臣として立っておりまして、総理大臣として答弁しているわけでございます。そこで籠池氏の発言と私の発言を全く同列にされているわけでございますが、私はそもそも総理大臣としての職務があるわけでございまして、総理大臣としての職務を遂行していかなければならない立場でございます。

 ですから昨日も米国のティラーソン国務長官が来日して、まさに北朝鮮の情勢が緊迫をしている中において、国務長官と会談を行わなければならない。国務長官と会談を行う場合、相当時間をかけて準備をするわけでございます。そして明後日からはドイツ、フランス、イタリア、さらにはブリュッセルにも出張する予定でございまして、そうしたための相当の準備もしなければならない。その後もさまざまな内政の課題もあるのでございます。

 そうしたさまざまな課題に対して私は全力で集中していくべきだということでありまして。そこでこの問題について訴訟を起こせば相当の時間を割くことになるのはご承知の通りでございまして。先般申し上げた通り、御党の元総理大臣からですね、名誉毀損(きそん)で訴えられたわけでございますが、総理大臣は出廷するいとまがないわけでございまして。出廷するいとまない以上、相当書面でちゃんと整えなければいけないわけでございます。それは地裁、高裁、最高裁と延々と続く中においては、最終的には菅直人氏に完全に事実認定で勝利したわけでありますが、相当私も時間を取られた。これは、こうしたことを私は行うべきでないということでございます。

 福島さんが、私が言っていることよりも籠池さんのことを信じる、あるいは出てきた何かネットに載った人物の出してきたものを信じるということであれば、これはしようがないわけでありますから。それは違うということを今、私は申し上げている」

 福島伸享「何をわけのわからないことを言ってるんですか。誰も籠池さんの言うことを信じるなんて言ってないじゃないですか。言ってないですよ、そんなことは。ちゃんと事実を明らかにしないと、これだけこの問題ね、1カ月間、世論が、疑わしいんじゃないか、と言っていることを明らかにする責務は、政府の側にあると思いますし、その一番トップである安倍総理自身の問題がさまざま提起されているわけですから、それを晴らす役割は総理が果たすべきだと思いますよ。私は全然、誰の立場に立って言っているのではありません。真実を明らかにしたいだけです」

 もし安倍晋三が100万円を寄付していない、国有地売却にも口利きをしていない、政治的圧力も掛けていない、自分は間違ったことは一切していないと強く信念していたなら、そのことを証明する言葉以外の物的証拠等を提示する方法がないなら、「私自身も承知しておりませんので、お答えのしようがないということでございますが、ないものはないと答弁させて頂いている通りでございます」で押し通す以外に自分を正しいとする手はないはずである。

 だが、この発言をする前に「籠池氏とは1対1などでお目にかかったことはなく、これは何回も答弁している通りでありまして、個人的な関係はないわけでございます。そうした方にこれだけ多額の寄付を私自身が行うことはあり得ない話でございまして」と、自身がそう言っているだけの事実であるかどうかも不明な関わりを寄付の否定根拠に挙げているのは信念のなさの表れであろう。

 よしんば全てが真正な事実だとしても、面識のない人間に寄付をしない絶対的根拠とすることはできない。その活動をテレビや新聞、あるいはネット上で見聞きしただけで、直接的な面識はなくても、多くの人が活動支援を目的に寄付に応じる。

 面識があるなしは寄付をする・しないの基準とすることはできない。

 安倍晋三は根拠にならないことを根拠に寄付を否定したに過ぎないのだから、もし自身は正しいとする信念が存在していたなら、信念に外れる矛盾した発言とななる。

 福島伸享が寄付の件についても「総理の立場として、行政府の長として訴訟を考えていないのか」と問うと、「私はそもそも総理大臣としての職務があるわけでございまして、総理大臣としての職務を遂行していかなければならない立場でございます」と答弁、2017年3月13日の参院予算委員会で民進党の川合孝典が安倍晋三に対して森友学園籠池泰典理長に利用され、迷惑をかけられているから、裁判で訴えないのかと問われたときと同じように多忙を名誉毀損の告訴に出ない理由としている。

 だが、その前段の「私は今ここに内閣総理大臣として立っておりまして、総理大臣として答弁している」と言っていることは地位に付随する多忙に触れた言葉ではなく、そのような地位にある者がウソをつくはずがない、間違ったことをするはずはないという意味で使ったはずである。

 どのような地位にあろうと、地位を以てして不正を働かない絶対的証明とすることは不可能で、地位を持ち出すこと自体が寄付はしていませんという信念の無さの現れ以外の何ものでもない。

 安倍晋三はここで取り上げた質疑の最後で「福島さんが、私が言っていることよりも籠池さんのことを信じる、あるいは出てきた何かネットに載った人物の出してきたものを信じるということであれば、これはしようがないわけでありますから。それは違うということを今、私は申し上げている」と答弁している。

 一国の総理に疑惑がかかっている以上、与党の西田昌司ならいざ知らず、野党が疑惑を国会で追及するのは野党としての権利であり、その権利を果たすのは当然のことであって、野党のそのような追及の権利を受け止めて安倍晋三は政府の長として追及を受ける義務を果たすことに真摯でなければならないはずだが、にも関わらず、誰が誰を信じるかどうかといった情緒性に頼っている。

 このことも自分は正しいとする信念の欠如を何よりも物語っていて、だから、福島伸享に「何をわけのわからないことを言ってるのか」、国民の多くが抱えている疑惑の全てを明らかにする責任は政府側にあると突き放されてしまうことになる。

 何日前のブログに書いたが、森友学園籠池理事長を名誉毀損で告訴しないということは裁判を疑惑が事実であるかどうかの国民に対する説明責任とする最善の機会とせずに地位上の多忙を優先させていることになる。

 この点についても、自らの信念に対する決意を窺うことができない。

 何一つ疚しさがなければ、自身の信念に対する決意は答弁の端々に現れるはずだ。

 現れないところを見ると、100万円の寄付を認めないわけにはいかなくなる。

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陸自の今回の南スーダン自衛隊「日報」騒動再燃は稲田朋美を防衛大臣の地位から追い落とすための陰謀なのか

2017-03-18 12:13:05 | 政治
 
 一度沈静化した南スーダンPKO派遣自衛隊作成の「日報」騒動が再燃した。最初は陸上自衛隊内部で情報処理に関わる手続きの混乱が今以て続いているように見えたが、単なる再燃ではなく、違う目的が隠されているのではないかと疑う目になった。

 そもそもの騒動の発端は南スーダンPKO派遣自衛隊施設部隊の南スーダン首都ジュバでの日々の活動を記録した「日報」に対する「平和新聞」編集長のフリージャーナリスト布施祐仁氏による情報公開法に基づいた開示請求から始まっている。

 以下、2016年7月の南スーダン首都ジュバでの大統領派と反大統領派の激しい戦闘と戦闘以降の情報管理に関わる動向を改めて時系列で振返ってみる。 

●2016年7月 南スーダンの首都ジュバで大統領派と反大統領派が激しい戦闘行為
         現地PKO自衛隊施設部隊はその日報(活動記録)を作成、作成後、陸自の中央即応集団司令部に報告
●2016年9月末 フリージャーナリストが情報公開法に基づいて南スーダンPKO派遣自衛隊部隊活動記録(日報)の開示請求
●2016年9月、10月を中心に上記武力衝突が「戦闘行為に当たるかどうか」の国会質疑
●2016年12月2日 陸自の中央即応集団司令部は「日報」は説明資料に使った後、廃棄したとして非開示扱い。
           開示請求に対して30日以内に対応を判断する必要上、電子データ保存の統合幕僚監部までは探索せず
          〈PKO関連文書の保存期間は原則3年。例外的に「随時発生し、短期に目的を終えるもの」は適宜廃棄が認められている。〉(時事ドットコム)  
●2016年12月12日 この日を境に自衛隊南スーダンPKO派遣部隊に駆け付け警護と宿営地共同防衛の新任務を付与
●2016年12月26日 統合幕僚監部で電子データー化された「日報」を発見
●2017年1月27日 稲田朋美へ報告
●2017年2月7日 防衛省、「日報」の存在を公表

 公表が日報発見から1カ月と10日程かかったのは「マスキング(黒塗り)処理などを行ったため」と統合幕僚監部は公表している。

 だが、日報発見から防衛省を管理・統括する責任者である防衛相の稲田朋美への報告は1カ月を要していて、既にこの時点で防衛省の情報管理に於ける混乱を見て取ることができる。

 勿論、この混乱の最終責任は防衛省を管理・統括しきれていない稲田朋美にあるのは当然である。

 防衛省が日報の存在を公表以降マスコミ報道で分かったことは、「日報」は現地南スーダン自衛隊部隊がパソコンで作成、陸上自衛隊の「指揮システム」にある掲示板にアップロード、その掲示板からアクセス権限があれば陸上自衛隊だけではなく、防衛大臣の指揮監督を受けて陸上幕僚監部、海上幕僚監部、航空幕僚監部の事務を取り纏める防衛省内に設置されている統合幕僚監部もダウンロード可能の状態になっていて、2016年12月26日に統合幕僚監部が発見した「日報」は掲示板からダウンロードしてあったデーターだと言う。

 保存期間原則3年の例外として「随時発生し、短期に目的を終えるもの」は適宜廃棄が認められている。としても、すべての情報を廃棄してしまった場合、そのときの様々な事例や経験を他の部隊やPKOの計画立案の部署等が参考とすることも学習することも不可能となってしまうばかりか、知見として確立させることもできなくなってしまう。

 いわば掲示板なりにデーターを保存することを前提とした廃棄でなければ、それぞれの部隊の経験を情報として残すことはできない。

 残すためには情報管理に関してそういった手続きが決められていなければならない。

 だが、「日報」のデータは廃棄してしまって陸自には残っていないとした。

 この辻褄の合わない出来事を見ると、次のような疑惑が自ずと浮かんでくる。2017年9月、10月を中心に南スーダン上記武力衝突が「戦闘行為に当たるかどうか」の国会質疑が激しく展開されていた時期である。この第192回国会は臨時国会であって、2016年9月26日召集、11月30日までの66日間の予定を14日延長、さらに3日延長となって、2016年12月17日に閉会している。

 この間に「日報」が公表されていたら、安倍政権は「戦闘ではなく、武力衝突」と表現していたことに対して現地自衛隊は武力衝突を「戦闘」と表現していたことから、大騒ぎになっていたはずで ある。

 2016年12月17日の閉会から9日待って2016年12月26日に発見したことにし、それからさらに1カ月待って2017年1月27日に稲田朋美に報告したことにして、さらにマスキングに時間を要したことにして11日後の2017年2月7日に日報の存在を公表した。

 いわば鎮静期間を設けたと疑うことができる。当然、安倍晋三も稲田朋美も承知していた上で政権と防衛省の連携プレーによる情報の後出し、情報隠蔽行為という見方もできる。

 でなければ、自衛隊統括の防衛省稲田朋美に対する報告が1カ月遅れというのは解せない。

 情報の後出しや情報隠蔽行為は情報管理に対する無責任な姿勢によって生み出される。行政機関によるその無責任さは当然、国民に対する無責任さを背中合わせとしている。

 このような無責任が陸上自衛隊内で再び顔を覗かせることになった。

 陸上自衛隊は「日報」を廃棄したとしていたが、実際には陸上自衛隊が日報のデータを一貫して保管していたとマスコミが伝え始めた。

 2017年3月15日付「NHK NEWS WEB」記事から見てみる。   

 記事内容を纏めると、廃棄していたとした「日報」の電子データは実際には陸上自衛隊部隊指揮司令部の複数のコンピューターに保管されていた。このことは陸上自衛隊上層部に報告され、一旦は公表に向けた準備が進められたが、これまでの説明と矛盾するために外部には公表しない判断に傾き、先月の2月にデータを消去するよう指示が出され、消去された。

 ここに最上級の隠蔽体質を見ることができるが、記事が伝えている、〈陸上自衛隊に電子データがあることが判明したのは今年1月中旬で、陸上自衛隊部隊指揮司令部の複数のコンピューターに保管されていました。〉との文言を見ると、様相が違って見えてくる。

 南スーダンPKO派遣自衛隊部隊は現在日本が参加している唯一の国連PKO活動であり、しかも2016年12月以降、駆け付け警護と宿営地共同防衛の新任務を付与さられた初めての部隊でもあり、現在もその任務を遂行中である。

 新任務付与が南スーダンの首都ジュバで大統領派と反大統領派が激しい戦闘行為を繰り広げた2016年7月以降のことであったとしても、新任務付与の議論はその当時も国会で行われていた。 

 そのような部隊のデーターを保存したかしないか、あるいは保存してあるかないかを誰一人として記憶していなかったということはあるだろうか。

 だが、廃棄をせずに保存してあったことに今年の1月中旬に判明した。

 当然、陸上自衛隊なのか防衛省なのか、いずれかが提供したこのような事実さえも疑わなければならないことになる。

 記事が伝えている下記の発言を見ると、提供したのは防衛省内部の人間のようである。

 防衛省幹部の1人(NHKの取材に)「日報の電子データは陸上自衛隊の司令部もダウンロードし、保存していました。しかし、『いまさら出せない』となり、公表しないことになった経緯があります。いま現在、司令部のデータは消去されたと聞いています」

 陸上自衛隊トップの岡部俊哉陸上幕僚長(NHKの取材に)「日報の電子データが残っていたという話は聞いていない。司令部を探したうえでなかったという部下の報告を信じるしかない」

 防衛省幹部の1人が言っていることには矛盾が存在する。陸上自衛隊は一旦は廃棄したと公表した。例えデーターを廃棄せずに陸上自衛隊内に保存されていたとしても、2016年12月26日に統合幕僚監部で電子データー化された「日報」が発見され、公表するという経緯を踏んでいるのだから、内々に保存し続ければ済むことである。

 何も電子データの存在が判明したから、公表に向けた準備を進めた、公表したら従来の説明と矛盾することになって公表を中止した、ついでにデータまでパソコンから消去するという経緯を取る必要はまったくないはずである。

 大体が公表に向けた準備を一旦は進めたという説明自体が胡散臭い。公表すれば、従来の説明と矛盾することは初めから理解できることであり、理解しなければならない。いわば公表は従来の説明と矛盾することを最初から覚悟しなければならないし、その覚悟を公表の前提としていなければならない。

 ところが、どのような覚悟も前提としていなかった。データーの存在に気づき、公表の準備を進めた、公表した場合、従来の説明と食い違う、だから、公表を中止し、データまで消去した。

 大の大人の常識に反する、覚悟も何もなっかたことになるこのおかしな経緯は情報管理に対する無責任な姿勢が生み出す情報の後出しや情報隠蔽行為と見るだけでは片付かない。

 防衛大臣の稲田朋美は大方と同じく陸上自衛隊内の上記経緯をあるまじき情報隠蔽行為と見たのだろう、特別防衛監察の実施を指示した。

 ネットで調べると、特別防衛監察は防衛相直属の防衛監察本部が独立した立場で防衛省・自衛隊の全ての組織の不正や不履行を調査し、取締まる監察業務を役目としていると言う。

 当然、陸上自衛隊内で「日報」に関してどのような情報管理が行われていたのか、そのことに不適切な対応はなかったか、洗いザラ取調べることになるから、最初に「日報」が発見され、公表されたときの経緯と同じく政権と防衛省の連携プレーによる情報の後出し、情報隠蔽行為ではないかという疑った見方はできなくなる。

 もしも陸上自衛隊の情報管理に関わる極めて不適切な姿勢が曝露されることになった場合、行政組織としての防衛省の最高責任者であると同時に陸海空の三自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣の下で統合幕僚長を通じて自衛隊全体を統括する防衛大臣の責任に関わってくることになる。

 稲田朋美は「改善すべき点をしっかりと改善していくのが私の責任だ」と述べて、辞任を否定したとマスコミは伝えているが、辞任することにならなかったとしても、特別防衛監察の取り調べが情報管理上の妥当性を対象とする以上、稲田朋美の防衛大臣としての防衛省や自衛隊に対する統率力の程度を、あるいは人心掌握能力を否応もなしに暴くことになる可能性を考えなければならない。

 答がそこに行く着くだろうことは誰もが予想できることで、この予想から考え得るのは陸上自衛隊は稲田朋美を防衛大臣の地位から追い落とすために仕組んだおかしな経緯ではないかという疑いである。

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